句形①(否定・疑問・反語・使役・受身) ── 問題
基礎
- 次の句形の読みと意味はどれですか。「非 A」 (ア A なし(A がない) イ 常には V せず(いつも V するとは限らない:部分否定) ウ A にあらず(A ではない) エ V せざる(は)なし(V しないものはない = すべて V する))
- 次の疑問詞・反語の形の読みと意味はどれですか。「如何・如〜何」 (ア なにをか(何を) イ なにをもつて(どうして・何によって) ウ いかん(せん)(どうすればよいか・どうして:手段) エ いづくにか(どこに))
- 「己所不欲、勿施於人」(論語)の書き下し文と意味はどれですか。 (ア 己の欲せざる所、人に施すこと勿かれ:望まないことを人にするな イ 己の欲する所、人に施せ:自分が望むことを人にもせよ ウ 己の所を欲せず、人に施す:自分のものを欲しがらず、人に与える エ 己の欲せざる所、人に施さず:自分が望まないことを人はしない)
- 「燕雀安知鴻鵠之志哉」(史記)の「安」の読みと、この文の種類はどれですか。 (ア 「あに」。疑問(なぜ知るのか) イ 「いづくんぞ」。反語(どうしてわかろうか) ウ 「いづくにか」。疑問(どこで知るのかと問う) エ 「やすし」。断定(安らかに知る))
標準
- 次の漢文の訳として正しいものはどれですか。「己所不欲、勿施於人」(己の欲せざる所、人に施すなかれ) (ア 自分が望まないことを、人にしてはならない イ 人が望まないことを、自分もしない ウ 自分が望まないことは、人もしない エ 自分が望むことを、人にもしなさい)
- 次の漢文は疑問・反語のどちらで、訳はどれですか。「燕雀安知鴻鵠之志哉」(燕雀安くんぞ鴻鵠の志を知らんや) (ア 反語:小鳥にどうして大鳥の志がわかろうか、いやわからない イ 疑問:小鳥はどこで大鳥の志を知るのか ウ 疑問:小鳥は大鳥の志を知っているか エ 反語:大鳥にどうして小鳥の志がわかろうか)
- 次の漢文の書き下し文と訳として正しいものはどれですか。「教子学」 (ア 子に学ばしむ:子に学ばせる イ 子を教へて学ぶ:子を教えて学ぶ ウ 子の学を教ふ:子の学問を教える エ 子に学ばる:子に学ばれる)
- 句形の識別について、「使」が使役の助動詞として読まれる条件はどれですか。 (ア 「使者」「使命」のように名詞の一部になっているとき(〜させる人の意味) イ 文末にあり、「〜使」の形で「しむ」と読めるとき(動詞の後に置く) ウ 「使」は常に使役の助動詞で、「つかふ」(使う)と読むことはない エ 下に「A(使役の対象)+V(動詞)」の形があり、「A をして V しむ」と読めるとき)
- 「不常有」と「常不有」の訳の違いとして正しいものはどれですか。 (ア 「不常有」は全部否定、「常不有」は部分否定 イ 「不常有」は部分否定、「常不有」は全部否定 ウ どちらも全部否定で「いつもない」 エ どちらも肯定で「いつもある」)
- 「天帝使我長百獣」(戦国策・虎の威を借る狐)の書き下し文はどれですか。 (ア 天帝我を使ひて百獣の長とす イ 天帝我をして百獣に長たらしむ ウ 天帝我に百獣の長を使はす エ 天帝我と百獣の長を使ふ)
- 『史記』で陳勝が仲間に呼びかけた「王侯将相寧有種乎」の意味として最も適当なものはどれですか。 (ア 王や諸侯・将軍・宰相は、むしろ家柄で決めるべきだ イ 王や諸侯・将軍・宰相に、家柄など関係あろうか、いやない ウ 王や諸侯・将軍・宰相の家柄を、どうか私に教えてほしい エ 王や諸侯・将軍・宰相には、特別な家柄があるのだろうか)
- 『史記』の「先即制人、後則為人所制」の後半「後則為人所制」の意味として最も適当なものはどれですか。 (ア 遅れても人に支配されない イ 遅れれば人を支配できる ウ 遅れれば人に支配される エ 後から人のために支配する)
- 『戦国策』の「虎の威を借る狐」で、狐が虎に言った「子無敢食我也」の意味として最も適当なものはどれですか(「子」は「あなた」の意味です)。 (ア あなたは決して私を食べてはならない イ あなたが私を食べたことは誰も知らない ウ あなたが私を食べるのは無理もない エ あなたは私を食べようとはしない)
発展
- 「不可不学」と「不可学」の違いはどれですか。 (ア どちらも二重否定で「学ばなければならない」 イ 前者は「学んではいけない」、後者は「学ばなければならない」 ウ どちらも否定で「学んではいけない」の意味 エ 前者は「学ばなければならない」、後者は「学んではいけない」)
- 「信而見疑、忠而被謗」(史記・屈原)の「見」「被」の働きと訳はどれですか。 (ア どちらも使役で「疑わせ、非難させる」 イ どちらも受身の助動詞で「誠実なのに疑われ、忠義なのに非難される」。「而」は逆接の置き字 ウ 「見」は「見る」、「被」は「こうむる」の動詞で「疑いを見て、非難をこうむる」 エ どちらも置き字で読まない)
- 『孟子』の一節です。「宋人有閔其苗之不長而揠之者。芒芒然帰、謂其人曰、今日病矣。予助苗長矣。其子趨而往視之、苗則槁矣。」宋の人がしたこととその結果として最も適当なものはどれですか。 (ア 苗が伸びないのを悲しんで水をやり、苗を育てた イ 苗が伸びすぎたのを心配して切り、苗を弱らせた ウ 苗が伸びないのを心配して引っぱり、苗を枯らした エ 苗が伸びないのを見て、息子に世話をすべて任せた)
- 『論語』で、孔子が東方の未開の地に住もうとしたとき、ある人が「陋しきこと、之を如何せん」(むさくるしいがどうするのか)と言うと、孔子は「君子居之、何陋之有」と答えました。孔子の答えの意味として最も適当なものはどれですか。 (ア 君子が住んでも、むさくるしさはどうにもならない イ 君子が住めば、どうしてむさくるしいことがあろうか ウ 君子が住むなら、何かむさくるしいものがあるはずだ エ 君子が住むのに、どこがむさくるしいのか教えてほしい)
- 『論語』の「有徳者必有言、有言者不必有徳」の後半の意味として最も適当なものはどれですか。 (ア 立派なことを言う人は、徳をもつべきではない イ 立派なことを言う人が、徳があるとは限らない ウ 立派なことを言う人には、徳が決してない エ 立派なことを言う人には、徳があるに違いない)
句形①(否定・疑問・反語・使役・受身) ── 解答
基礎
- ウ A にあらず(A ではない) 不(〜しない)・無(〜がない)・非(〜ではない)・勿(〜するな)。不+副詞 = 部分否定、副詞+不 = 全部否定。二重否定は強い肯定。答え:A にあらず(A ではない)。
- ウ いかん(せん)(どうすればよいか・どうして:手段) 何如(いかん)は状態「どうであるか」、如何(いかんせん)は手段「どうすればよいか」。豈・安・敢不 は反語。答え:いかん(せん)(どうすればよいか・どうして:手段)。
- ア 己の欲せざる所、人に施すこと勿かれ:望まないことを人にするな 「勿」は禁止で、「自分が望まないことを人にしてはならない」。「所不欲」は「所」で名詞化(欲しないこと)。孔子の「仁」を表す言葉(kk-01)。
- イ 「いづくんぞ」。反語(どうしてわかろうか) 小鳥にどうして大鳥の志がわかろうか、いやわからない。文末「知らんや」の「ん」が反語のサイン。陳勝が若いころ大志を語った場面。
標準
- ア 自分が望まないことを、人にしてはならない 不常・不必・不復 は部分否定(〜とは限らない)、常不・必不 は全部否定。無不・不可不・不得不・非不 は二重否定で強い肯定。勿 は禁止。答え:自分が望まないことを、人にしてはならない。
- ア 反語:小鳥にどうして大鳥の志がわかろうか、いやわからない 文末が「〜ん(や)」なら反語(〜だろうか、いや〜ない)、「〜(や/か)」だけなら疑問。豈・安・敢不 は反語、何如・如何 は疑問。答え:反語:小鳥にどうして大鳥の志がわかろうか、いやわからない。
- ア 子に学ばしむ:子に学ばせる 使役:使・令・教・遣・命 A V = A をして V しむ。受身:見・被 V = V せらる、為 A 所 V = A の V する所と為る、V 於 A = A に V せらる。答え:子に学ばしむ:子に学ばせる。
- エ 下に「A(使役の対象)+V(動詞)」の形があり、「A をして V しむ」と読めるとき 答え:下に「A(使役の対象)+V(動詞)」の形があり、「A をして V しむ」と読めるとき。
- イ 「不常有」は部分否定、「常不有」は全部否定 「不常有」は「いつもあるとは限らない」(部分否定)、「常不有」は「いつもない」(全部否定)。否定詞「不」が副詞「常」より前にあれば「常」を否定する部分否定。読みは「常には有らず」(部分)と「常に有らず」(全部)で送り仮名が違う。
- イ 天帝我をして百獣に長たらしむ 「使 A V」=「A をして V しむ」。「長たり」は「長である」(断定の「たり」)。
- イ 王や諸侯・将軍・宰相に、家柄など関係あろうか、いやない 「寧〜乎」は「寧くんぞ〜んや」と読む反語。「種」は血筋・家柄。「王侯将相寧くんぞ種有らんや」で、だれでも王や将軍になれると人々を奮い立たせた言葉。出典:司馬遷『史記』陳渉世家(著作権の保護期間外の古典)。
- ウ 遅れれば人に支配される 「為 A 所 B」は「A の B する所と為る」と読む受身の形で「A に B される」。「後るれば則ち人の制する所と為る」。前半「先んずれば即ち人を制す」と対になり、先手を取る大切さを言う。出典:司馬遷『史記』項羽本紀(著作権の保護期間外の古典)。
- ア あなたは決して私を食べてはならない 「無」は「〜(する)こと無かれ」と読む禁止。「子敢へて我を食らふこと無かれ」で、「敢へて」は打消・禁止を強める。このあと狐は「天帝我をして百獣に長たらしむ」と、天帝に百獣の長に任命されたと言いくるめる。出典:『戦国策』楚策(著作権の保護期間外の古典)。
発展
- エ 前者は「学ばなければならない」、後者は「学んではいけない」 「不可不学」は二重否定で強い肯定、「不可学」は否定(学んではいけない・学ぶことができない)。「不可不」「不得不」「不敢不」は必要・必然を表す二重否定の定型。
- イ どちらも受身の助動詞で「誠実なのに疑われ、忠義なのに非難される」。「而」は逆接の置き字 「見 V」「被 V」は受身。文脈(屈原の不遇)からも受身が自然。「而」は「信にして」「忠にして」の逆接。
- ウ 苗が伸びないのを心配して引っぱり、苗を枯らした 「其の苗の長ぜざるを閔へて之を揠く者有り」は「苗が伸びないのを気にして引っぱり上げた者がいた」。「不長」は否定で「長ぜず」。息子が見に行くと「苗則ち槁れたり」(枯れていた)。故事成語「助長」のもと。出典:『孟子』公孫丑上篇(著作権の保護期間外の古典)。
- イ 君子が住めば、どうしてむさくるしいことがあろうか 「何〜之有」は「何の〜か之れ有らん」と読む反語で「どうして〜があろうか、いやない」。君子が住めばその土地も感化されるので、むさくるしさなど問題にならない、という意味。出典:『論語』子罕篇(著作権の保護期間外の古典)。
- イ 立派なことを言う人が、徳があるとは限らない 「不必〜」は「必ずしも〜ず」と読む部分否定で「〜とは限らない」。「必不〜」(必ず〜ず)なら全部否定で「決して〜ない」。前半「徳有る者は必ず言有り」と比べて、言葉だけで人を判断するなと言う。出典:『論語』憲問篇(著作権の保護期間外の古典)。
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