勉強法 ── 論文で確かめられたやり方だけ

「こうすると伸びるらしい」ではなく、実験で比べられた結果が論文になっているやり方を集めています。どのページも誰を対象に・何と何を比べて・どれくらい差が出たかまで書き、論文はすべて DOI を開いて確かめています。日本の中高生を対象にした研究が見つからないものは、そう書いています。

3 分で読む勉強法のまとめ60 本の勉強法の記事から、研究で確かめられていることと、結論が割れていることを 10 行に分けてまとめた 1 枚ですまずここから →

まずこの 3 つ

10 種類の勉強法を比べた総説(Dunlosky ら 2013)で評価が高かったものと、問題集の使い方を変えるもの。どの教科にも使えます。

1

テスト効果(思い出す練習)

解説を読み返すより、閉じて思い出すほうが残る。中2理科の教室で単元末テスト +13〜25%

2

間隔反復(分散練習)

同じ内容に日をあけて戻る。184 論文のメタ分析と中1・大学生の実験で確かめられたやり方

3

交互練習(混ぜて解く)

今日の型と前の型を混ぜて解く。中1の教室で1か月後テスト 61% 対 38%

悩みから選ぶ

分類を開くと、その中の悩みが出ます。

はじめに(1)
時期別(3)
覚え方(9)
英語(8)
勉強の習慣(18)
生活と本番(14)
保護者向け(1)
教科別(7)

教科別

上のやり方を、教科ごとの具体的な手順にしたもの。

数学

研究で確かめられている4つのやり方

英語

研究で確かめられている5つのやり方

国語

研究で確かめられている4つのやり方

理科

研究で確かめられている4つのやり方

社会

研究で確かめられている4つのやり方

大学受験(教科をまたいで)

1年の計画に研究の知見を組みこむ

公務員試験(教養・専門をまたいで)

科目が多い試験を、研究で確かめられたやり方で回す

はじめに

3 分で読む勉強法のまとめ

60 本の勉強法の記事から、研究で確かめられていることと、結論が割れていることを 10 行に分けてまとめた 1 枚です

時期別

高 1・高 2 のうちに

総合型・推薦では高 1 からの成績が調査書に載り、共通テストの範囲も高 1・高 2 の内容が大半。定期テストの勉強を、日をあけて戻る形にして受験まで残す目安です

高 3 の 1 年

共通テストの出願は 2026 年 9 月 15 日〜10 月 2 日、本試験は 2027 年 1 月 16・17 日(令和 9 年度)。総合型・推薦の節目と合わせて、勉強法を使い分ける目安をまとめました

中 3 の 1 年

東京都立の学力検査は 2027 年 2 月 21 日(令和 9 年度)。内申が決まることの多い 2 学期までと、そのあとで、使う勉強法の重心を移す目安をまとめました

覚え方

「なぜ?」を自分に問う

覚える事実に「なぜそうなのか」と自分で答える。小6・中1の 140 人の実験で、180 日後の再認テストまで読むだけの群を上回った

テスト効果(思い出す練習)

解説を読み返すより、閉じて思い出すほうが残る。中2理科の教室で単元末テスト +13〜25%

解答例から学ぶ(例題学習)

初めての型は解答例を先に読み、そのあと類題を解く。ただし同じ型に限る

漢字の覚え方

10 回写すより、隠して 1 回思い出して書く。漢字をくり返し書くだけでは記憶が伸びなかった日本の実験もある

間違いノート

まちがえたら正解を確かめる。258 人の単語の実験で、誤答のあとに正解を見せると 1 週間後の記憶は見せない場合より 494% 増。ノートは 3 行に絞る

古文単語と古典文法の覚え方

知っている語に新しい意味を覚えると、はじめは速いが元の意味がじゃまをする(英語の実験)。古文単語は「現代語の意味とのつながり」と「本文の 1 文」をセットで

語呂合わせと記憶術

キーワード法(音の似た言葉+絵)はロシア語の単語で 72% 対 46%。ただ 2 日後に逆転した実験もある。語呂は入口、仕上げは思い出す練習で

人に説明する・自分に説明する

「なぜ?」を自分に説明しながら読む・教えるつもりで学ぶ。28 研究のまとめで、教える準備 g = 0.35、準備して実際に教えると g = 0.56

図と言葉で覚える

読むだけより、読みながら図を描く。中3相当 196 人の化学の実験で応用問題 d = 0.91。描いた生徒の中では、正確に描けた生徒ほど点が高かった

英語

シャドーイング

音声を少し遅れて追いかけて言う練習。日本の大学生43人で、高校レベルの聞き取り問題が伸びたのは聞き取りが苦手な群だけだった

リスニングの練習

日本の大学生35人の実験で、物語を聞くだけで出会った新しい単語は、3か月後に意味を書けたのが平均0語だった。聞き流しより、書き取る・字幕で確かめる聞き方へ

英作文の直し方

直されたら書き直す。日本の大学生の研究で、効果がいちばん大きかったのは「正しい形を示す訂正 → 書き直し」だった

英文法の学び方

説明つきの文法指導は説明なしより伸びが大きい、とするまとめが多い。ただ日本の中学生 89 人の研究では、説明で伸びた形が次の単元で崩れた

音読

声に出した部分は覚えやすい。理解は黙読と差が出ないことが多い。日本の大学生55人では音読を含む読みの練習で黙読が毎分13〜27語速くなった

語源で英単語を覚える

英語を母語とする子どもに語の部品(接頭辞・語根・接尾辞)を教えた研究のまとめで、語彙の差は小〜中(d=0.34)。日本の中高生537人では、部品に目を向ける項目を含む覚え方が、中3以降で語彙の多さと相関していた

多読

49 研究のまとめで値がいちばん大きかったのは読む速さ(d=0.83)。読解 0.54・語彙 0.47 で、中高生は 0.35 と大人より小さかった

単語帳の使い方

小分けにして1束ずつ固めるより、大きな束で広く回すほうが残った。参加者の90%で同じ結果、なのに72%は「小分けのほうが覚えた」と感じていた

勉強の習慣

「視覚型・聴覚型」で勉強法を変える必要はあるか

好みに合わせて教えると有利という証拠は「ほとんどない」。単元に合わせて選ぶ

グラフと資料の読み方

全国学力調査(2025年度)で、棒グラフから「約何倍か」を読めた小6は78.8%。目的に合うグラフを選んで理由を書けたのは31.2%。読むより「選んで説明する」でつまずく

まとめノートと蛍光ペン

自分で引くマーカーは記憶テストで効果量 0.36、小中高生では差がはっきりしなかった(36 論文のメタ分析)。引いたら閉じて思い出すまでで 1 セット

わからないときの質問のしかた

質問は「人頼み」ではなく学び方の 1 つ。ただし大学生など約 3 万 8 千人・108 研究のまとめでは、答えだけを求める質問は成績と負の関係だった

映像授業の見方

2 倍速までは理解の差が小さかった実験が日本にも海外にもある。差がはっきり出たのは、区切りごとに止めて小テストを解くかどうか

音楽を聴きながらの勉強

読む勉強のじゃまになるのは、とくに歌詞のある曲。65 研究のまとめで「聞き取れる話し声と歌詞つきの音楽」が読みを最も妨げた

過去問の使い方

過去問そのものの研究は少ない。教室の小テスト 222 研究(約 4.8 万人)で平均の効果量 0.499 ── 「解く・直す・日をあけて解き直す」で組み立てる

間隔反復(分散練習)

同じ内容に日をあけて戻る。184 論文のメタ分析と中1・大学生の実験で確かめられたやり方

計算ミスと見直し

中2 の 86 人に他人の誤答を見せると、ルールの思いちがいを約 3 割が「ケアレスミスかも」と判断した。まず「うっかり」と「思いちがい」を分け、検算は別の道で

現代文の読み方

センター試験の国語を解いた高校生18人のうち89%は、設問の順に本文の一部だけを読んで答えていた。要約や自分への問いを教える指導は、英語圏の研究のまとめで差が出ている

交互練習(混ぜて解く)

今日の型と前の型を混ぜて解く。中1の教室で1か月後テスト 61% 対 38%

集中と休憩

「何分ごとが最適か」は研究でまだ決まっていない。分かっているのは休み方のほう ── 覚えた直後の 8 分を SNS に使うと、静かに休んだときより 1 日後の記憶が低かった

小論文の書き方の練習

日本の高 2・59 人の実験で、意見文の「型」と例文を示して練習した群は、内容の評価も高まり 1 か月後も続いた

速読は本当か

速読の研究をまとめた総説の結論は「速さと理解は引きかえ」。理解を保ったまま2〜3倍にするのは考えにくい。英語の長文を速く読む近道は、語彙と読み慣れだった

勉強する場所を変える

大学生 16 人の実験で、40 語を 2 つの部屋で覚えた群は、1 つの部屋で覚えた群より多く思い出した(平均 24.4 語と 15.9 語)

勉強の計画と部活の両立

「がんばる」より「部活から帰って着替えたら英単語 15 分」。if–then の形で決めておくと、94 の検証をまとめた分析で目標の達成に d = 0.65 の差

友達と勉強する

中学生前後の年代 1 万 7 千人超・148 研究のまとめで、協力する形のほうが、競争やひとりの形より成績も友人関係も上だった

予習のしかた

授業の前に「答えられない問い」に答えてみると、そのあと学んだ所が残りやすい。日本の中 2 歴史では、教科書を読む予習の効果が授業中のメモを通して出た

生活と本番

「最初の答えは変えるな」は本当か

33 研究をまとめた総説では、書き直した答えは「誤→正」が多かった。歯学部 160 人の記録では、変えた答えの約 65% が誤→正、正→誤は 10% あまり

ご褒美とやる気

アメリカの 3 都市・200 校超でお金のご褒美を試した実験では、成績への影響はどの都市も統計的にゼロ。すぐ渡すご褒美は、そのテストの点を動かした

スマホと勉強

「スマホは机にあるだけで頭の働きを下げる」は、56 の効果をまとめた分析では作業記憶への小さな影響だけ。通知とながら利用は別の実験で影響が出ている

やる気と「頭は伸びる」という考え方

「頭は伸びる」と教える 1 時間弱の教材で、アメリカの成績が下半分の生徒は、比べる群より評定(4 段階)が平均 0.10 高かった。研究全体のまとめでは「小さい」と「ほぼゼロ」に評価が分かれる

運動と勉強

体を動かす時間を増やした実験 26 本(4〜13 歳・約 1 万人)のまとめで、算数・数学に小さな差(効果量 0.21)。運動で勉強が下がった、という結果は目立たない

睡眠と一夜漬け

いつもより睡眠を削って勉強した翌日は、授業の理解とテストでつまずきが増えていた。高校生 535 人・3 学年分の日誌調査

設問を先に読むか

日本の大学生206人のリスニング実験で、設問を先に見た2群は見ない群より平均が2〜3点高かった(41点満点)。一方、平均に差が出なかった研究もある。結論は条件で割れる

先延ばし

先延ばしを減らす介入 24 研究(1,173 人)のまとめで、先延ばしは大きく減り、その後も保たれた。「締め切りを区切ると先延ばしが減る」の根拠に挙げられてきた実験は、2026 年に撤回されている

朝ごはんと食事

2026 年度の全国学力調査で、数学の平均正答率は、朝食を毎日食べる中 3 で 60.2%、全く食べない中 3 で 43.1%。ただし相関。くじで分けた実験で差が出たのは「その日の午前の注意や記憶」まで

朝型・夜型と勉強の時間帯

31 研究・2 万 7 千人のまとめでは、夜型ほど成績が低めという弱い関係(r = 0.14 前後)。オランダの高校では、朝型との点の差は午後の試験で消えた

勉強時間の長さと質

2026 年度の全国学力調査で、平日 3 時間以上勉強する中 3 と 2〜3 時間の中 3 の数学の差は 0.9 ポイント。表は相関で、時間の長い層どうしでは点の差が小さい

本番の緊張

日本の中 2・141 人の研究で、期末試験の前に短く書き出すとテスト不安が下がった。ただし海外の追試では効果が出なかった例もある

面接の準備

面接の不安と評価には負の関係(相関 −.19)。昇任面接の受験者 213 人の研究では、ロールプレイなどの準備と評価の高さに関係があった

模試の結果の使い方

結果の伝え方(フィードバック)の 607 効果量をまとめた分析では、平均はプラスでも 3 分の 1 以上で成績が下がった。判定より「どこで落としたか」と「次のやり方」を見る

保護者向け

保護者のかかわり方

中学生の保護者のかかわりを調べた 50 研究のまとめで、成績と正の関係が出なかったのは「宿題の手伝い」だけ。いちばん強かったのは、勉強の意味や将来を話すかかわり