漢詩の形式(絶句・律詩・押韻・対句)と思想・故事成語・文学史 ── 問題
基礎
- 4 句からなり、1 句が 7 字の漢詩の形式の名前はどれですか。 (ア 七言律詩 イ 五言律詩 ウ 五言絶句 エ 七言絶句 undefined 古詩)
- 五言絶句で押韻する(韻を踏む)句はどれですか。 (ア 第 2・4・6・8 句の末字(偶数句末) イ 奇数句の末字 ウ 第 1 句・第 2 句・第 4 句の末字(第 1 句末+偶数句末) エ 第 2 句と第 4 句の末字(偶数句末))
- 次の漢詩の作者はどれですか。「早発白帝城」 (ア 王維 イ 王之渙 ウ 李白 エ 陶淵明)
- 次の思想家の学派と主張はどれですか。「荘子」 (ア 儒家:性善説、王道政治、易姓革命 イ 兵家:「彼を知り己を知れば百戦殆からず」 ウ 儒家:性悪説、礼治主義 エ 道家:万物斉同、胡蝶の夢)
- 律詩の 8 句を 2 句ずつまとめた呼び名を順に並べたものはどれですか。 (ア 首聯・頷聯・頸聯・尾聯 イ 首聯・頸聯・頷聯・尾聯 ウ 起聯・承聯・転聯・結聯 エ 起句・承句・転句・結句)
- 「春眠不覚暁、処処聞啼鳥、夜来風雨声、花落知多少」(孟浩然「春暁」)の形式と押韻の字はどれですか。 (ア 五言絶句。押韻は暁・鳥・少 イ 七言絶句。押韻は声・少 ウ 古詩。押韻なし エ 五言律詩。押韻は鳥・少)
標準
- 次の漢詩の空欄に入る字を、押韻から選びなさい(韻を踏む位置の字です)。 国破山河在/城春草木深/感時花濺涙/恨別鳥驚〔 〕(杜甫「春望」前半) (ア 花 イ 別 ウ 心 エ 涙)
- 次の故事成語の意味と出典はどれですか。「先従隗始」 (ア 手近なことから始めよ・言い出した者から始めよ(『戦国策』) イ 敵どうしが同じ場所にいること・協力すること(『孫子』) ウ 強者の力を借りて威張ること(『戦国策』) エ やり過ぎは足りないのと同じでよくないこと(『論語』))
- 漢詩・思想・文学史について、王維が「詩仏」とよばれる理由はどれですか。 (ア 晩年に出家して僧になり、「鹿柴」「竹里館」を寺で書いたから。李白・杜甫とともに三大詩人 イ 仏像を作る職人でもあり、詩の中で仏像の美しさを多く詠んだから。画家でもあった ウ 寺で生まれ育ち、僧として修行しながら詩を作ったから。「鹿柴」「竹里館」は寺での生活を詠む エ 仏教に深く帰依し、自然を静かに描く詩(鹿柴・竹里館)を多く作ったから。画家でもあった)
- 杜甫「春望」の「国破れて山河在り、城春にして草木深し」に表れている心情はどれですか。 (ア 春の景色を素直に楽しむ、のどかな気持ち イ 戦乱を逃れて故郷に帰れた安心と喜び ウ 都は荒れても自然は変わらない、という悲しみ エ 安史の乱で反乱軍に勝ち、都を取り戻した喜び)
- 王維「送元二使安西」の「勧君更尽一杯酒、西出陽関無故人」の「故人」の意味と、この詩の主題はどれですか。 (ア 死んだ人。亡くなった友を悼む、哀悼の詩 イ 旧友。友のいない西へ旅立つ人を送る、送別の詩 ウ 家族。故郷へ帰る喜びを歌う、帰郷の詩 エ 昔の皇帝。過去の皇帝の政治を批判する、諷刺の詩)
- 柳宗元「江雪」の前半 2 句「千山鳥飛絶、万径人蹤滅」の表現の説明として最も適当なものはどれですか。 (ア 上下の句の末字を同じ韻でそろえた押韻だけの表現 イ 数・名詞・動詞が上下の句で対応する対句 ウ 上の句の「鳥」を下の句で「人」にたとえた比喩 エ 上の句で問いかけ、下の句で答える問答の形)
- 王之渙「登鸛鵲楼」の後半「欲窮千里目、更上一層楼」の意味として最も適当なものはどれですか。 (ア はるか遠くまで見えなくなったので、楼を降りていく イ はるか遠くまで見渡そうとして、さらにもう一階上に登る ウ はるか遠くまで見渡したので、もう楼に登る必要はない エ はるか遠くの友に会うため、楼を一つずつ建てていく)
- 『史記』に見える「寧為鶏口、無為牛後」(寧ろ鶏口と為るとも、牛後と為る無かれ)の意味として最も適当なものはどれですか。 (ア 小さな集団の長でいるより、大きな集団の末端にいるほうが安全だ イ どんな集団にいても、長になろうとしてはならない ウ 大きな集団の末端にいるより、小さな集団の長になるほうがよい エ 大きな集団の長になるには、まず末端から始めるべきだ)
発展
- 「矛盾」の故事(『韓非子』)が法家の思想を説明するために使われた意図はどれですか。 (ア 商人の正直さをたたえ、誠実な商いの大切さを説くため イ 戦争の悲惨さを訴え、武器を捨てることを説くため ウ 堯と舜を共に聖人とする儒家の主張が成り立たないと示すため エ 武器の性能を比べ、矛と盾のどちらが強いかを示して説明するため)
- 漢詩の空欄補充問題で押韻のほかに使える手がかりはどれですか。 (ア 訓読みにしたときの読みの長さ イ 選択肢の字が詩全体に何回出てくるか ウ 対句の品詞の対応、起承転結の流れ、題と作者の境遇 エ 字の画数(偶数句末には画数の多い字が来る))
- 柳宗元「江雪」の全文「千山鳥飛絶、万径人蹤滅。孤舟蓑笠翁、独釣寒江雪。」から読み取れる情景として最も適当なものはどれですか。 (ア 多くの人が集まる雪の川で、老人たちが釣りを競っている イ 人の気配が絶えた雪の川で、一人の老人が釣りをしている ウ 雪がやんだ川辺で、旅人が一人の老人に道をたずねている エ 鳥が群れ飛ぶ春の川で、一人の老人が舟をこいでいる)
- 次の 2 つの文を比べたとき、考え方の違いの説明として最も適当なものはどれですか。 『孟子』「人皆有不忍人之心」(人皆人に忍びざるの心有り) 『荀子』「人之性悪、其善者偽也」(人の性は悪にして、其の善なる者は偽なり) (ア 孟子は人の本性に善の芽があるとし、荀子は善は後からの努力で作られるとする イ 孟子も荀子も、人の本性は生まれつき善で、努力は必要ないとする ウ 孟子は人の本性を悪とし、荀子は人の善はすべてうそやいつわりにすぎないとする エ 孟子は法による刑罰を重んじ、荀子は人を思いやる心を重んじる)
漢詩の形式(絶句・律詩・押韻・対句)と思想・故事成語・文学史 ── 解答
基礎
- エ 七言絶句 4 句 = 絶句(起承転結)、8 句 = 律詩(首聯・頷聯・頸聯・尾聯)。1 句 5 字 = 五言、7 字 = 七言。答え:七言絶句。
- エ 第 2 句と第 4 句の末字(偶数句末) 五言詩は偶数句末、七言詩は第 1 句末も押韻する。韻は字の音読みの母音部分で判定する。答え:第 2 句と第 4 句の末字(偶数句末)。
- ウ 李白 李白(詩仙・月と酒)、杜甫(詩聖・社会派)、王維(詩仏・自然)、白居易(平易・日本で愛読)、孟浩然(春暁)。答え:李白。
- エ 道家:万物斉同、胡蝶の夢 儒家(孔・孟・荀)、道家(老・荘)、法家(韓非)、墨家(墨子)、兵家(孫子)。答え:道家:万物斉同、胡蝶の夢。
- ア 首聯・頷聯・頸聯・尾聯 起承転結は絶句の 4 句の呼び名。律詩は頷聯・頸聯が対句。
- ア 五言絶句。押韻は暁・鳥・少 五言詩は偶数句末の押韻が原則だが、この詩のように第 1 句も踏む場合がある。暁(ギョウ)・鳥(チョウ)・少(ショウ)。
標準
- ウ 心 押韻の字は音読みの母音部分が同じ。深(シン)と同じ -in の韻:心(シン)。答え:心。
- ア 手近なことから始めよ・言い出した者から始めよ(『戦国策』) 答え:手近なことから始めよ・言い出した者から始めよ(『戦国策』)。出典の傾向:寓話 = 韓非子・戦国策・荘子、歴史 = 史記、教訓 = 論語・孟子。
- エ 仏教に深く帰依し、自然を静かに描く詩(鹿柴・竹里館)を多く作ったから。画家でもあった 答え:仏教に深く帰依し、自然を静かに描く詩(鹿柴・竹里館)を多く作ったから。画家でもあった。
- ウ 都は荒れても自然は変わらない、という悲しみ 杜甫は安史の乱(755〜763)で捕らえられ長安にいた。「国破」と「山河在」、「城春」と「草木深」の対比で、人事と自然を対比させて悲しみを表す。
- イ 旧友。友のいない西へ旅立つ人を送る、送別の詩 西の陽関を出たらもう友はいないから、もう一杯飲め、という意味。題の「送〜」は送別。柳(柳色新)と酒は別れの定番の詩語。
- イ 数・名詞・動詞が上下の句で対応する対句 「千 ⇔ 万」(数)、「山 ⇔ 径」(場所)、「鳥 ⇔ 人」、「飛絶 ⇔ 蹤滅」が対応する対句。どの山にも鳥の姿が消え、どの小道にも人の足跡が消えた、という一面の雪景色。出典:柳宗元「江雪」(唐代。著作権の保護期間外の古典)。
- イ はるか遠くまで見渡そうとして、さらにもう一階上に登る 「欲」は「〜んと欲す」(〜しようとする)。「千里の目を窮めんと欲して、更に上る一層の楼」で、遠くまで見尽くそうと、もう一階上へ登るという意味。前半「白日山に依りて尽き、黄河海に入りて流る」とともに、2 句ずつが対句になっている。出典:王之渙「登鸛鵲楼」(唐代。著作権の保護期間外の古典)。
- ウ 大きな集団の末端にいるより、小さな集団の長になるほうがよい 「寧ろ A とも、B 無かれ」は選択の形で「A であっても、B にはなるな」。鶏のくちばし(小国の王)と牛のしり(大国に従う家来)を比べ、秦に従うより独立を保てと説いた蘇秦の言葉とされる。故事成語「鶏口牛後」。出典:司馬遷『史記』蘇秦列伝(著作権の保護期間外の古典)。
発展
- ウ 堯と舜を共に聖人とする儒家の主張が成り立たないと示すため どんな盾も貫く矛とどんな矛も防ぐ盾が両立しないのと同じく、儒家のいう「堯と舜が同時に聖人だった」は成り立たない、と論理的に批判する。韓非子の寓話は、儒家の徳治を批判し法による統治を説く文脈で語られることが多い(守株も同じ)。
- ウ 対句の品詞の対応、起承転結の流れ、題と作者の境遇 対句なら対応する位置の語の品詞(名詞・動詞・色彩語など)、題と作者の境遇(送別・登高・戦乱)、定番の詩語(月・雁・柳・酒)も手がかり。韻で 2 つに絞れたら、対句の品詞と意味の流れで決める。
- イ 人の気配が絶えた雪の川で、一人の老人が釣りをしている 前半で鳥も人の足跡も消えた広い雪景色を描き、後半で小舟に乗った蓑と笠の老人が「独り」寒い川の雪の中で釣りをする姿に焦点を絞る。広い景色と小さな一人の対比で、孤独な姿を際立たせている。出典:柳宗元「江雪」(唐代。著作権の保護期間外の古典)。
- ア 孟子は人の本性に善の芽があるとし、荀子は善は後からの努力で作られるとする 孟子は、他人の不幸を見過ごせない心(不忍人之心)がだれにも生まれつきあるとする性善説。荀子の「偽」は「人為」(人の手が加わったもの)の意味で「いつわり」ではなく、善は学問や礼による後からの努力で身につくとする性悪説。出典:『孟子』公孫丑上篇・『荀子』性悪篇(いずれも著作権の保護期間外の古典)。
受験のしらべ / https://juken-shirabe.com/daigaku/japanese/jk-04/test/ / 問題は毎回の表示で数が変わります。印刷したものはその一例です。
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