遺伝情報と DNA(構造・複製・細胞周期) ── 問題
基礎
- ある生物の二本鎖 DNA を調べると、全塩基のうち A(アデニン) が 31 % であった。T(チミン) の割合は何 % ですか。
- 細胞周期の次の時期では何が起こりますか。 中期 (ア 染色体が縦に裂けて両極へ移動する イ 染色体が凝縮して太く短くなり、核膜が消える ウ 染色体が細胞の中央(赤道面)に並ぶ エ DNA が複製されて DNA 量が 2 倍になる)
- DNA を構成するヌクレオチドの糖はどれですか。 (ア グルコース イ リボース ウ フルクトース エ デオキシリボース)
- 二本鎖 DNA において、常に成り立つ関係はどれですか。 (ア A + T = 50% イ A の数 = G の数 ウ A の数 = T の数、G の数 = C の数 エ 4 種類の塩基がすべて 25% ずつ)
標準
- ある細胞の細胞周期は 15 時間である。この細胞集団 400 個を観察したところ、分裂期(M 期)の細胞が 20 個あった。分裂期の長さは何時間ですか。
- 細胞周期が 15 時間の細胞で、G₁ 期が 6 時間、S 期が 4 時間、分裂期(M 期)が 1 時間であった。G₂ 期は何時間ですか。
- 次の用語の説明として正しいものはどれですか。 塩基配列 (ア リン酸・糖・塩基が 1 つずつ結合した、DNA の構成単位 イ DNA のうち、タンパク質などの情報をもつ部分 ウ DNA の塩基の並び順。遺伝情報そのもの エ DNA がタンパク質に巻きついて折りたたまれたもの)
- 細胞周期の中で、細胞 1 個あたりの DNA 量が 2 倍になる時期はどれですか。 (ア G₂ 期 イ G₁ 期 ウ M 期 エ S 期)
- 体細胞分裂の観察で、染色体が最も観察しやすい時期はどれですか。 (ア 前期 イ 中期 ウ 終期 エ 間期)
- 病原性のある S 型菌をすりつぶした抽出液を、病原性のない R 型菌に混ぜると、一部が S 型菌に変わった(形質転換)。抽出液をあらかじめ DNA 分解酵素で処理すると形質転換は起こらず、タンパク質分解酵素で処理しても形質転換は起こった。この結果から分かることはどれですか。 (ア 形質転換を起こす物質は DNA である イ 形質転換には DNA とタンパク質の両方が必要 ウ 形質転換を起こす物質はタンパク質である エ 形質転換は分解酵素によって引き起こされる)
- タマネギの根を先端から 1 mm ずつ切り分けて観察すると、分裂期の細胞の割合は先端に近い部分で高く、先端から離れるほど低かった。この結果から考えられることはどれですか。 (ア 体細胞分裂は根の全体で同じように行われる イ 根の先端の細胞は分裂せず、大きくなるだけである ウ 体細胞分裂は根の先端付近でさかんに行われる エ 根の先端から離れた部分ほど分裂がさかんである)
- 体細胞分裂の観察で、根の先端を 60 ℃ 程度の希塩酸に数分間つける。この操作の目的として正しいものはどれですか。 (ア 細胞分裂をさかんにする イ 染色体を赤く染める ウ 細胞を生きた状態で止める エ 細胞どうしを離れやすくする)
発展
- ヒトのゲノムについて正しいものはどれですか。 (ア 約 30 億塩基対で、遺伝子の部分はごく一部 イ 遺伝子は塩基対と同じ約 30 億個ある ウ ゲノムのすべての塩基配列が遺伝子である エ ゲノムは 46 本の染色体 2 組分の情報である)
- タマネギの根端で体細胞分裂を観察する手順として正しい順序はどれですか。 (ア 解離 → 押しつぶし → 固定 → 染色 イ 押しつぶし → 染色 → 固定 → 解離 ウ 固定 → 解離 → 染色 → 押しつぶし エ 染色 → 固定 → 解離 → 押しつぶし)
- 一方の鎖の塩基配列が ATGCCA のとき、相補的なもう一方の鎖の配列はどれですか。 (ア TACGGA イ TACGGT ウ UACGGU エ ATGCCA)
- 細胞周期が 20 時間の培養細胞 200 個について、細胞 1 個あたりの DNA 量を測った。DNA 量が G₁ 期の細胞と同じものが 82 個、G₁ 期の 2 倍のものが 64 個、その中間のものが 54 個だった。S 期の長さは何時間ですか。各時期の細胞の数はその時期の長さに比例するものとする。
- 二本鎖 DNA の一方の鎖(X 鎖)の塩基の割合は、A が 26 %、G が 17 %、C が 22 % であった。この二本鎖 DNA 全体での A の割合は何 % ですか。
- T₂ ファージのタンパク質だけを ³⁵S で、DNA だけを ³²P で目印をつけ、それぞれ大腸菌に感染させた。しばらくして大腸菌とファージの殻を分けると、大腸菌の中から見つかったのは ³²P だけで、新しいファージもつくられた。この結果から分かることはどれですか。 (ア ファージの DNA は大腸菌の中に入らない イ ファージの遺伝子の本体は DNA である ウ 大腸菌の中で S が P に置きかわった エ ファージの遺伝子の本体はタンパク質である)
- 重い窒素 ¹⁵N だけを含む培地で何世代も育てた大腸菌を、ふつうの窒素 ¹⁴N の培地に移して 1 回分裂させた。DNA の重さを調べると、¹⁵N だけの DNA と ¹⁴N だけの DNA の中間の重さのものだけが見られた。この結果に合う考え方はどれですか。 (ア もとの 2 本鎖が 1 本ずつ新しい DNA に分かれて受けつがれる イ 新しい DNA は ¹⁵N と ¹⁴N が 1 塩基ずつ交互に並ぶ ウ もとの DNA は分解され、すべて新しい材料でつくり直される エ もとの 2 本鎖はそのまま残り、新しい 2 本鎖が別にできる)
遺伝情報と DNA(構造・複製・細胞周期) ── 解答
基礎
- 31 シャルガフの規則:A = T、G = C。相補的な塩基なら同じ 31 %。それ以外は残り (100 − 2 × 31) % を 2 つで分ける。答え:31 %。
- ウ 染色体が細胞の中央(赤道面)に並ぶ 間期(G₁ → S → G₂)→ 分裂期(前期 → 中期 → 後期 → 終期)。DNA は S 期に 2 倍、終期の分裂で元に戻る。答え:染色体が細胞の中央(赤道面)に並ぶ。
- エ デオキシリボース DNA(デオキシリボ核酸)はデオキシリボース、RNA はリボース。
- ウ A の数 = T の数、G の数 = C の数 シャルガフの規則。A–T、G–C が対をつくるため。A + G = T + C = 50%。
標準
- 0.75 各時期の時間は細胞数の割合に比例:15 × 20/400 = 0.75 時間。
- 4 G₁ + S + G₂ + M = 周期。G₂ = 15 − 6 − 4 − 1 = 4 時間。
- ウ DNA の塩基の並び順。遺伝情報そのもの 答え:DNA の塩基の並び順。遺伝情報そのもの。
- エ S 期 S 期(DNA 合成期)に複製される。G₂ 期は 2 倍のまま、M 期の終わりに半分になる。
- イ 中期 中期は染色体が凝縮して中央に整列するので数や形がわかりやすい。
- ア 形質転換を起こす物質は DNA である DNA を壊したときだけ形質転換が起こらない。タンパク質を壊しても起こるので、形質の変化を引き起こした物質(遺伝子の本体)は DNA。
- ウ 体細胞分裂は根の先端付近でさかんに行われる 分裂期の細胞の割合が高いところほど、分裂がさかん。根では先端付近(根端分裂組織)で細胞がふえ、その上の部分で細胞が伸びる。
- エ 細胞どうしを離れやすくする 希塩酸で細胞どうしをつなぐ物質をとかし(解離)、押しつぶしたときに細胞が 1 層に広がるようにする。生きた状態で止めるのは固定、染めるのは染色の目的。
発展
- ア 約 30 億塩基対で、遺伝子の部分はごく一部 ヒトのゲノムは約 30 億塩基対で、遺伝子は約 2 万個。ゲノムは 1 組(23 本分)で、体細胞は 2 組もつ。
- ウ 固定 → 解離 → 染色 → 押しつぶし 固定(酢酸で細胞を生きた状態に近く保つ)→ 解離(塩酸で細胞をばらす)→ 染色(酢酸オルセイン)→ 押しつぶし。
- イ TACGGT A ↔ T、G ↔ C。DNA なので U は使わない。
- 5.4 中間の DNA 量の細胞は DNA を複製中(S 期)。S 期の長さ = 20 × 54 ÷ 200 = 5.4 時間。
- 30.5 X 鎖の T は 100 − 26 − 17 − 22 = 35 %。相補鎖の A は X 鎖の T と同じ 35 %。全体の A = (26 + 35) ÷ 2 = 30.5 %。
- イ ファージの遺伝子の本体は DNA である 大腸菌の中に入ったのは DNA(³²P)だけで、それで新しいファージ(殻のタンパク質も含む)がつくられた。遺伝情報を伝えるのは DNA。
- ア もとの 2 本鎖が 1 本ずつ新しい DNA に分かれて受けつがれる 中間の重さ = ¹⁵N の鎖 1 本と ¹⁴N の鎖 1 本。もとの鎖が 1 本ずつ鋳型として残る半保存的複製に合う。もとの 2 本鎖がそのまま残るなら、重いものと軽いものに分かれるはず。
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