遺伝情報の発現(転写・翻訳・ゲノム) ── 問題
基礎
- DNA の鋳型鎖の塩基配列が ATT のとき、転写されてできる mRNA の塩基配列はどれですか。 (ア ATT イ UAA ウ AUU エ UUA undefined TAA)
- 次の説明にあてはまる用語はどれですか。 翻訳の開始を指定するコドン(AUG) (ア 終止コドン イ リボソーム ウ tRNA エ 開始コドン)
- DNA と RNA の違いとして正しいものはどれですか。 (ア RNA は糖がリボースで、T でなく U をもつ イ RNA は塩基が A と U の 2 種類しかない ウ RNA は遺伝情報をまったくもたない エ RNA は糖がデオキシリボースで 2 本鎖)
- 真核細胞で転写と翻訳が行われる場所の組み合わせとして正しいものはどれですか。 (ア 転写:核内、翻訳:細胞質のリボソーム イ 転写:リボソーム、翻訳:核内 ウ 両方ともミトコンドリア エ 両方とも核内)
標準
- 217 個のアミノ酸からなるタンパク質を指定する mRNA の塩基は、終止コドンを除いて何個必要ですか。
- ある遺伝子から転写された mRNA の翻訳される部分(開始コドンから終止コドンの直前まで)が 987 塩基であった。できるタンパク質のアミノ酸は何個ですか。
- 遺伝暗号表(一部):AUG = メチオニン、UUU = フェニルアラニン、GCU = アラニン、CCU = プロリン、GAA = グルタミン酸、AAG = リシン、UGG = トリプトファン、UAA・UAG・UGA = 終止。 mRNA の配列 AUG GAA AAG GCU UGA が指定するアミノ酸の並びはどれですか。 (ア メチオニン・グルタミン酸・リシン・アラニン・終止 イ アラニン・リシン・グルタミン酸・メチオニン ウ グルタミン酸・リシン・アラニン エ メチオニン・グルタミン酸・リシン・アラニン)
- 多細胞生物の分化した細胞について正しいものはどれですか。 (ア 分化した細胞ではすべての遺伝子が発現している イ 細胞ごとにゲノムの塩基配列が異なる ウ 分化した細胞は必要な遺伝子だけを残し、他は失っている エ 同じゲノムをもつが、発現する遺伝子が異なる)
- コドンについて正しいものはどれですか。 (ア 塩基 2 個で 1 アミノ酸を指定する イ 64 通りすべてが、いずれかのアミノ酸を指定する ウ 塩基 3 個で 64 通り、20 種類のアミノ酸を指定する エ アミノ酸と同じ 20 通りしかない)
- ある遺伝子の DNA の鋳型鎖の塩基の割合は、A が 31 %、T が 20 %、G が 35 %、C が 14 % であった。この部分から転写された mRNA で、U(ウラシル)の割合は何 % ですか。
- あるタンパク質の分子量は 38720 である。アミノ酸 1 個の平均の分子量を 110 とすると、このタンパク質を指定する mRNA の塩基の数は、終止コドンを除いて何個ですか(つながるときの水の分は考えない)。
- ヒトの皮膚の細胞と肝臓の細胞を調べると、どちらの DNA にも遺伝子 X があったが、遺伝子 X の mRNA は肝臓の細胞だけで見つかった。この結果の説明として最も適当なものはどれですか。 (ア 肝臓の細胞だけ DNA の塩基配列がちがう イ 皮膚の細胞では遺伝子 X が失われている ウ mRNA は細胞の外から取りこまれている エ 細胞によって、発現している遺伝子がちがう)
- コドンは 64 種類あるが、タンパク質をつくるアミノ酸は約 20 種類である。このことから言えることとして正しいものはどれですか。 (ア 約 44 種類のコドンはまったく使われない イ 1 種類のアミノ酸を複数のコドンが指定することがある ウ 1 つのコドンが複数のアミノ酸を指定することがある エ コドンの数とアミノ酸の数は常に等しい)
発展
- だ腺染色体のパフについて正しいものはどれですか。 (ア 発生のどの時期でも常に同じ位置にある イ DNA が盛んに複製されている部分 ウ 転写が盛んな部分で、発生の時期で位置が変わる エ 染色体が切れて、ふくらんだ部分)
- セントラルドグマの説明として正しいものはどれですか。 (ア タンパク質の情報が DNA に書き込まれるという原則 イ 遺伝情報が DNA → RNA → タンパク質と流れる原則 ウ 遺伝子は親から子へ半分ずつ伝わるという原則 エ RNA が DNA を複製するという原則)
- タンパク質のはたらきの例として適切でないものはどれですか。 (ア 抗体による異物の排除 イ ヘモグロビンによる酸素の運搬 ウ エネルギーの貯蔵物質としてのデンプン エ 酵素としての反応の触媒)
- 遺伝暗号表(一部):AUG = メチオニン、UUU = フェニルアラニン、GAA = グルタミン酸、AAG = リシン、UGG = トリプトファン、UAA・UAG・UGA = 終止。 mRNA「AUG UUU GAA AAG UGG UAA」の 3 番目のコドン GAA の最初の G が U に置きかわった。できるタンパク質はどうなりますか。 (ア 置きかわる前と同じタンパク質ができる イ 読みわくがずれ、あとのアミノ酸がすべて変わる ウ アミノ酸 2 個で翻訳が終わり、短くなる エ グルタミン酸だけがほかのアミノ酸に変わる)
- アフリカツメガエルのオタマジャクシの腸の細胞から核を取り出し、核を除いた未受精卵に移植すると、正常なカエルに育つものがあった。この結果から考えられることはどれですか。 (ア 未受精卵の細胞質に、個体をつくる遺伝情報がすべて入っている イ 分化した細胞の核には、腸をつくる遺伝情報しか残っていない ウ 分化した細胞の核にも、個体をつくる遺伝情報がすべて残っている エ 核を移植すると、腸の細胞の遺伝情報が書きかえられて増える)
- 大腸菌のゲノムは約 460 万塩基対で遺伝子は約 4,000 個、ヒトのゲノムは約 30 億塩基対で遺伝子は約 2 万個である。この資料から言えることとして最も適当なものはどれですか。 (ア ヒトはゲノムのうち遺伝子の部分の割合が大きい イ 遺伝子の数が多い生物ほど、ゲノムは小さい ウ ゲノムの大きさと遺伝子の数は正確に比例する エ ヒトはゲノムのうち遺伝子の部分の割合が小さい)
遺伝情報の発現(転写・翻訳・ゲノム) ── 解答
基礎
- イ UAA 転写では DNA の A → mRNA の U、T → A、G → C、C → G(RNA には T がなく U を使う)。答え:UAA。
- エ 開始コドン 答え:開始コドン。
- ア RNA は糖がリボースで、T でなく U をもつ DNA:デオキシリボース・A T G C・2 本鎖。RNA:リボース・A U G C・1 本鎖。
- ア 転写:核内、翻訳:細胞質のリボソーム DNA は核内にあるので転写は核内。mRNA が核から出てリボソームで翻訳される。
標準
- 651 コドンは塩基 3 個で 1 アミノ酸。217 × 3 = 651 個。
- 329 987 ÷ 3 = 329 個(終止コドンはアミノ酸を指定しない)。
- エ メチオニン・グルタミン酸・リシン・アラニン mRNA を 5′ 側から 3 塩基ずつ区切り、開始コドン AUG(メチオニン)から順に読む。終止コドン(UAA・UAG・UGA)はアミノ酸を指定せず翻訳を終える。答え:メチオニン・グルタミン酸・リシン・アラニン。
- エ 同じゲノムをもつが、発現する遺伝子が異なる 受精卵の体細胞分裂で同じゲノムがコピーされる。すい臓の細胞でインスリン遺伝子が発現するなど、使う遺伝子が違う。
- ウ 塩基 3 個で 64 通り、20 種類のアミノ酸を指定する 4³ = 64。うち 3 つは終止コドンでアミノ酸を指定しない。同じアミノ酸に複数のコドンが対応することがある。
- 31 mRNA は鋳型鎖と相補的で、鋳型鎖の A に U、T に A、G に C、C に G が対応する。U の割合 = 鋳型鎖の A の割合 = 31 %。
- 1056 アミノ酸の数 = 38720 ÷ 110 = 352 個。1 個のアミノ酸を 3 塩基(1 コドン)が指定するので、352 × 3 = 1056 個。
- エ 細胞によって、発現している遺伝子がちがう どちらの細胞も同じゲノムをもつが、どの遺伝子を転写するかは細胞ごとに異なる(選択的な遺伝子発現)。これが細胞の分化を生む。
- イ 1 種類のアミノ酸を複数のコドンが指定することがある 64 種類のうち 3 つは終止コドンで、残り 61 種類で 20 種類のアミノ酸を指定する。多くのアミノ酸は 2〜6 種類のコドンに対応する。
発展
- ウ 転写が盛んな部分で、発生の時期で位置が変わる パフでは mRNA が盛んに合成されている。時期で場所が変わる = 発現する遺伝子が変わる。
- イ 遺伝情報が DNA → RNA → タンパク質と流れる原則 DNA の複製、転写、翻訳という一方向の流れ。
- ウ エネルギーの貯蔵物質としてのデンプン デンプンは炭水化物。酵素・ヘモグロビン・抗体・コラーゲン・インスリンなどはタンパク質。
- ウ アミノ酸 2 個で翻訳が終わり、短くなる GAA が UAA(終止コドン)に変わるので、メチオニン・フェニルアラニンの 2 個で翻訳が止まる。1 塩基の置換では読みわくはずれない。
- ウ 分化した細胞の核にも、個体をつくる遺伝情報がすべて残っている 腸に分化した細胞の核から個体全体ができたので、分化しても遺伝情報(ゲノム)は失われていない。分化は遺伝子の発現のちがいによる。
- エ ヒトはゲノムのうち遺伝子の部分の割合が小さい ヒトのゲノムは大腸菌の約 650 倍なのに、遺伝子の数は約 5 倍。ヒトのゲノムでは遺伝子として使われない部分が大半をしめる。
受験のしらべ / https://juken-shirabe.com/daigaku/science/bb-04/test/ / 問題は毎回の表示で数が変わります。印刷したものはその一例です。
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