大気の構造と熱収支 ── 問題
基礎
- 地上の気温が 11 ℃ のとき、高度 6000 m の気温は何 ℃ ですか。対流圏の気温減率を 100 m あたり 0.65 ℃ とする。
- 大気の層構造について、大気中で最も気温が低くなる(約 −90 ℃)層はどれですか。 (ア 対流圏 イ 熱圏 ウ 成層圏 エ 中間圏)
- 乾燥空気の組成(体積 %)として正しいものはどれですか。 (ア 窒素 78%・酸素 21% イ 酸素 78%・窒素 21% ウ 窒素 78%・二酸化炭素 21% エ 窒素 50%・酸素 50%)
- 気圧について正しいものはどれですか。 (ア 高度が上がるほど大きくなる イ 地上でも上空でも、どの高度でも一定 ウ 上にある空気の重さによる圧力 エ 地上で約 10 hPa)
- 図は、大気の気温の高度分布です。矢印 A の高度(約 40 km)を含む層の名前を答えなさい。 (ア 対流圏 イ 中間圏 ウ 熱圏 エ 成層圏)
標準
- 地上(標高 0 m)の気温が 27 ℃、山頂の気温が 19.5 ℃ であった。気温減率を 100 m あたり 0.5 ℃ とすると、山頂の標高は何 m ですか。
- 太陽定数を 1.37 kW/m² とする。地球全体が受け取る太陽放射エネルギーを地表全体(球の表面積)で平均すると、1 m² あたり何 W になりますか。
- 地球の熱収支と温室効果について、温室効果ガスに含まれないものはどれですか。 (ア メタン CH₄ イ 窒素 N₂ ウ 二酸化炭素 CO₂ エ 水蒸気 H₂O)
- 地球全体が受け取る太陽放射エネルギーの計算で使う面積として正しいものはどれですか(地球の半径 R)。 (ア 2πR²(半球の表面積) イ 4πR²(表面積) ウ πR²(太陽に向いた断面積) エ 2πR(円周))
- 地表から大気へ熱が移動する方法として適切でないものはどれですか。 (ア 顕熱(伝導・対流) イ 潜熱(水の蒸発) ウ 可視光線の放射 エ 赤外線の放射)
- 図は、大気の気温の高度分布です。矢印 A の高度を含む層の特徴として正しいものはどれですか。 (ア オゾン層が紫外線を吸収するため、高度とともに気温が上がる イ 大気中でもっとも気温が低くなる高度を含む ウ 雲や雨などの天気の変化が起こり、高度とともに気温が下がる エ 大気がきわめて薄く、オーロラが見られる)
- ラジオゾンデ(気球につけた観測器)で、対流圏の気温を測った。 高度|気温 0 m|13 ℃ 1000 m|8 ℃ この間の気温減率は、100 m あたり何 ℃ ですか。気温は高度とともに一定の割合で下がるものとする。
- ペットボトルに少量の水と線香の煙を入れ、ポンプで空気を送りこんで中の圧力を高めた。そのあと栓を急に開けると、中が白くくもった。くもった理由として最も適当なものはどれですか。 (ア 空気が圧縮されて温度が上がり、水が蒸発したから イ 煙の粒が水を吸って大きくなり、白く見えるようになったから ウ 空気が膨張して温度が上がり、水蒸気が凝結したから エ 空気が膨張して温度が下がり、水蒸気が凝結したから)
- ペットボトルの中を白くくもらせる実験で、線香の煙を入れずに同じ操作をすると、くもりにくかった。煙の粒が果たしていた役割として最も適当なものはどれですか。 (ア ペットボトルの中の空気の圧力を高める イ 水蒸気が凝結するときの芯(凝結核)になる ウ 水蒸気を吸いこんで、中の湿度を下げる エ ペットボトルの中の空気の温度を下げる)
- 地球の大気の上端に届く太陽放射を 100 として、その行き先をおおよその値で表にした。 行き先|量 雲や大気による反射|20 地表による反射|10 大気や雲による吸収|20 地表による吸収|X 表の X の値と、地球全体の反射率(アルベド)の組み合わせとして正しいものはどれですか。 (ア X は 50、アルベドは約 0.5 イ X は 70、アルベドは約 0.3 ウ X は 50、アルベドは約 0.3 エ X は 30、アルベドは約 0.2)
発展
- 熱圏の気温は数百 ℃ 以上になるが、そこにある物体はそれほど熱くならない。その理由はどれですか。 (ア 空気が薄く、伝わる熱の量がわずかだから イ オゾンが熱を吸収するから ウ 熱圏には太陽光が届かないから エ 熱圏には水蒸気が多いから)
- 湿った空気が山を越えて反対側に吹き下りると、風上側より高温で乾燥する(フェーン現象)。その理由はどれですか。 (ア 山頂で太陽に強く温められるから イ 上昇時に凝結熱が出て、冷え方が小さくなるから ウ 下降する空気は圧縮されて逆に冷えるから エ 海からの湿った風が山で乾くから)
- 標高 0 m で気温 18 ℃ の空気が山の斜面を上昇し、標高 1200 m で雲ができはじめた。空気はそのまま山頂(標高 2000 m)まで雲をつくりながら上昇し、山頂で雲が消えたあと、反対側の斜面を標高 0 m まで吹き下りた。乾燥断熱減率を 1.0 ℃/100 m、湿潤断熱減率を 0.5 ℃/100 m とすると、吹き下りた空気の気温は何 ℃ ですか。
- 大気中の温室効果ガスが増え、地表から出る赤外線を大気がより多く吸収するようになった。そのあと、地球全体がふたたびつり合いの状態に落ち着いたとき、正しいものはどれですか。太陽から受けとる放射の量と反射率は変わらないものとする。 (ア 地表の温度は上がり、宇宙へ出ていく放射の合計は地球が吸収した太陽放射と等しい イ 地表の温度は上がり、宇宙へ出ていく放射の合計は地球が吸収した太陽放射より多い ウ 地表の温度は下がり、大気が吸収した熱は宇宙へ出ていかなくなる エ 地表の温度は変わらず、大気の温度だけがいつまでも上がり続ける)
大気の構造と熱収支 ── 解答
基礎
- −28 11 − 0.65 × 6000/100 = −28 ℃。
- エ 中間圏 対流圏(下がる・気象)→ 成層圏(上がる・オゾン)→ 中間圏(下がる・最低温)→ 熱圏(上がる・オーロラ)。答え:中間圏。
- ア 窒素 78%・酸素 21% 窒素 78%・酸素 21%・アルゴン 0.9%・二酸化炭素 0.04%。CO₂ はごくわずか(約 420 ppm)だが温室効果が大きい。水蒸気は場所により変わるので別扱い。
- ウ 上にある空気の重さによる圧力 その地点より上にある空気の重さによる圧力。地上で約 1013 hPa で、高度が上がると急に減る。約 5.5 km で半分、16 km で 1/10。
- エ 成層圏 気温が高度とともに下がる → 上がる → 下がる → 上がる の順に、対流圏(〜約 11 km)・成層圏(〜約 50 km)・中間圏(〜約 85 km)・熱圏。折れ曲がる高度が境界(圏界面)。成層圏。
標準
- 1500 気温差 27 − 19.5 = 7.5 ℃。0.5 ℃ で 100 m なので、7.5 ÷ 0.5 × 100 = 1500 m。
- 342.5 受け取るのは断面積 πR² 分、平均するのは表面積 4πR² なので 1/4。1.37 × 1000 ÷ 4 = 342.5 W/m²。
- イ 窒素 N₂ 太陽放射は可視光線、地球放射は赤外線。約 30% が反射。温室効果ガス(水蒸気・CO₂・メタン・オゾン)が赤外線を吸収・再放射し、平均気温を −18 ℃ から 15 ℃ に上げている。答え:窒素 N₂。
- ウ πR²(太陽に向いた断面積) 平行に来る太陽光を受け止めるのは円盤の面積。表面積で平均すると 1/4 になる。
- ウ 可視光線の放射 地表(約 15 ℃)は赤外線を放射する。可視光線を出すのは太陽のような高温の物体。
- ウ 雲や雨などの天気の変化が起こり、高度とともに気温が下がる 対流圏の特徴:雲や雨などの天気の変化が起こり、高度とともに気温が下がる。
- 0.5 気温は 13 ℃ から 8 ℃ まで 5 ℃ 下がった。これが 1000 m の間なので、100 m あたり 5 ÷ 10 = 0.5 ℃。
- エ 空気が膨張して温度が下がり、水蒸気が凝結したから 栓を開けると空気が急に膨張し(断熱膨張)、温度が下がる。露点より下がると水蒸気が凝結して小さな水滴になり、白くくもる。上昇する空気で雲ができるのと同じしくみ。
- イ 水蒸気が凝結するときの芯(凝結核)になる 水蒸気は、小さな粒(ちり・煙など)を芯にすると凝結しやすい。大気中のちりや海塩の粒も、雲粒をつくる凝結核のはたらきをする。
- ウ X は 50、アルベドは約 0.3 合計が 100 なので X = 100 − 20 − 10 − 20 = 50。宇宙へ反射されるのは 20 + 10 = 30 なので、アルベドは 30 ÷ 100 = 約 0.3。
発展
- ア 空気が薄く、伝わる熱の量がわずかだから 気温は分子の運動の激しさ。分子が少なければ物体に与える熱は小さい。
- イ 上昇時に凝結熱が出て、冷え方が小さくなるから 上昇時は雲ができて凝結熱が出るため冷え方が小さく(湿潤断熱減率 約 0.5 ℃/100 m)、下降時は雲がなく乾燥断熱減率 1 ℃/100 m で暖まる。この差で風下側が高温になる。
- 22 上り:0〜1200 m は 1.0 ℃/100 m で 18 − 12 = 6 ℃、1200〜2000 m は 0.5 ℃/100 m で 6 − 4 = 2 ℃。下り:2000 m を 1.0 ℃/100 m で下りて 2 + 20 = 22 ℃。
- ア 地表の温度は上がり、宇宙へ出ていく放射の合計は地球が吸収した太陽放射と等しい 大気から地表へもどる赤外線が増えるので地表の温度は上がる。ただし、つり合いに落ち着けば、地球全体として宇宙へ出ていく量は吸収した太陽放射と等しい(入る量 = 出る量)。
受験のしらべ / https://juken-shirabe.com/daigaku/science/eb-05/test/ / 問題は毎回の表示で数が変わります。印刷したものはその一例です。
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