世界の農業・食料問題 ── 問題
基礎
- ある国の米の国内生産量が 160 万トン、国内消費量が 800 万トンであった。この品目の自給率は何 % ですか。
- 次の農業の類型が主に見られる地域はどれですか。 焼畑農業 (ア 乾燥帯(西アジア・北アフリカ・モンゴル)やツンドラ イ 熱帯の森林地域(アマゾン・コンゴ盆地・東南アジアの山地) ウ ヨーロッパ中部・アメリカのコーンベルト エ アメリカのプレーリー・カナダ・アルゼンチンのパンパ・オーストラリア)
- 稲(米)の栽培に適した条件はどれですか。 (ア 高温多雨(年降水量 1000 mm 以上)の沖積平野 イ 冷涼でやや乾燥した(年降水量 500 mm 前後)草原 ウ 夏に高温で乾燥する地中海沿岸の丘陵 エ 年降水量 250 mm 以下の乾燥した砂漠)
- アジア式稲作の特徴として正しいものはどれですか。 (ア 小規模だが、土地生産性も労働生産性も低い イ 家畜の飼育との組合せが中心で、混合農業に近い ウ 小規模で労働集約的。土地生産性が高く、労働生産性は低い エ 大規模で機械化が進み、土地生産性は低く労働生産性が高い)
- 表は 5 つの農産物の生産上位 3 か国です。C にあてはまる農産物はどれですか。 (ア とうもろこし イ 大豆 ウ 米 エ 小麦)
- 衛星画像はアメリカ・カンザス州の農地です。多数の緑の円形が並ぶ理由として正しいものはどれですか。 (ア 円形の区画で輪作をしているから イ 家畜を円形の柵で放牧しているから ウ 焼畑で円形に森を焼くから エ 中心を軸に回る散水装置で灌漑しているから)
標準
- A 国は耕地面積 2000 万 ha で穀物を 6000 万トン生産し、農業従事者は 10 万人である。A 国の土地生産性(1 ha あたりの生産量)は何トンですか。
- B 国は耕地面積 150 万 ha、農業従事者 50 万人である。農業従事者 1 人あたりの耕地面積は何 ha ですか。
- 次の生産上位国(おおよそ 2022〜2023 年)にあたる農産物はどれですか。 1 位 中国、2 位 インド、3 位 バングラデシュ。生産の約 9 割がアジアで、貿易量は生産量に比べて少ない (ア コーヒー豆 イ パーム油(油やし) ウ 米 エ 大豆)
- 食料問題について、途上国の生産者に公正な価格を支払い、生活を支えるしくみはどれですか。 (ア アグリビジネス イ フードマイレージ ウ フェアトレード エ 地産地消)
- イランの乾燥地で見られる、山麓の地下水を地下の水路で集落へ導く灌漑施設はどれですか。 (ア フィードロット イ ポルダー ウ センターピボット エ カナート)
- 小麦の輸出国で南半球にあり、北半球と収穫期が逆になるため年中供給を支えている国はどれですか。 (ア カナダ・アメリカ イ 中国・インド ウ オーストラリア・アルゼンチン エ ロシア・ウクライナ)
- 表の A と B はどちらも中国・インドが 1・2 位です。A を米、B を小麦と判断できる理由はどれですか。 (ア B の 3 位にロシアがあり、小麦は冷涼でやや乾燥した地域でも作られるから イ A の 3 位にバングラデシュがあり、米は乾燥地で作られるから ウ A は貿易量が世界の穀物で最も大きいから エ B の生産の 9 割がアジアに集中しているから)
- 次の資料は日本の食料自給率(農林水産省)です。資料から読み取れることや、その背景の説明として最も適当なものを選びなさい。 年度|カロリーベース|生産額ベース 2024 年度|38%|64% 2025 年度(概算)|37%|66% (ア 2025 年度は生産額ベースがカロリーベースを大きく上回り、価格の高い品目の国産が比較的多い イ カロリーベースが 4 割を下回るのは、日本の米の自給率がおよそ 2 割しかないためである ウ 生産額ベースが 66% なので、国内で食べる食料の重さの 3 分の 2 を国産でまかなっている エ 2025 年度はカロリーベースが前年度より上がり、国産の食料で得るエネルギーの割合が増えた)
- 世界の穀物の生産と貿易について述べた次の文 X・Y の正誤の組み合わせとして正しいものを選びなさい。 X 米は生産の約 9 割がアジアで、自給用が多いため、生産量に比べて貿易量が少ない。 Y 小麦は中国とインドが生産の上位を占めるため、輸出でもこの 2 か国が上位を占める。 (ア X 正・Y 正 イ X 正・Y 誤 ウ X 誤・Y 正 エ X 誤・Y 誤)
発展
- とうもろこしの価格上昇が、発展途上国の食料問題を悪化させる経路として適切なものはどれですか。 (ア 燃料や飼料の需要増で国際価格が上がり、輸入国の貧しい人が買えなくなる イ とうもろこしの生産が減ると、同じ畑で作る米や小麦の生産も自動的に減る ウ 価格が上がると肥料が安くなり、穀物の作りすぎで農家が困窮する エ 価格が上がると、途上国の農家が一斉にとうもろこしの栽培をやめる)
- 日本の肉類の自給率が「約 53%」(2025 年度概算)でも、飼料の自給を考えると実質はさらに低くなる理由はどれですか。 (ア 家畜の飼料の大部分を輸入に頼っているから イ 国産の肉も、食肉加工の工程が海外で行われているから ウ 国内で飼育されている家畜の頭数が、もともと少ないから エ 国内で生産した肉の多くが、海外へ再輸出されているから)
- 次の表は、架空の 2 国 X・Y の穀物生産をまとめたものです。表から読み取れることとして正しいものはどれですか。 国|耕地面積(万 ha)|穀物生産量(万 t)|農業従事者(万人) X|122|514|60 Y|579|1635|730 (ア Y は土地生産性が高く、X は労働生産性が高い イ X は土地生産性が高く、Y は労働生産性が高い ウ Y の方が土地生産性も労働生産性も高い エ X の方が土地生産性も労働生産性も高い)
- 生徒のリクさんとサキさんの会話を読み、空欄に入る内容として最も適当なものを選びなさい。 リク「1960〜70 年代の緑の革命で、アジアの米や小麦は大きく増産されたんだよね。」 サキ「うん。でも( )という問題も指摘されているよ。」 (ア 増産した米や小麦がすべて輸出に回され、アジアの国内では穀物が不足してしまった イ 高収量品種は肥料をほとんど必要としないため、化学肥料の工場が次々に閉鎖された ウ 焼畑農業が広がって森林が急速に失われ、アジアの耕地面積が大きく減ってしまった エ 高収量品種には化学肥料や灌漑が欠かせず、資金のある農家とない農家の格差が広がった)
世界の農業・食料問題 ── 解答
基礎
- 20 自給率 = 生産 ÷ 消費 × 100 = 160 ÷ 800 × 100 = 20 %。
- イ 熱帯の森林地域(アマゾン・コンゴ盆地・東南アジアの山地) 自給的(焼畑・遊牧・オアシス・アジア式)は発展途上地域、商業的(混合・酪農・園芸・地中海式)はヨーロッパとその移住地、企業的(穀物・牧畜・プランテーション)は新大陸と熱帯。答え:熱帯の森林地域(アマゾン・コンゴ盆地・東南アジアの山地)。
- ア 高温多雨(年降水量 1000 mm 以上)の沖積平野 小麦は冷涼・やや乾燥(500〜750 mm)で広く作られる。
- ウ 小規模で労働集約的。土地生産性が高く、労働生産性は低い 狭い土地から多く収穫するが、1 人あたりの生産は少ない。企業的穀物農業はその逆。
- ア とうもろこし アメリカが 1 位で突出するのはとうもろこし(コーンベルト・飼料・バイオエタノール)。A は中国・インドが 1・2 位で米、B はロシアが入る小麦、D はブラジル 1 位の大豆、E は西アフリカのカカオ。
- エ 中心を軸に回る散水装置で灌漑しているから センターピボット灌漑:井戸を中心に長い散水アームが回転するため、水が届く範囲だけ作物が育ち円形になる。乾燥したグレートプレーンズで地下水(オガララ帯水層)を使う企業的農業の風景。
標準
- 3 土地生産性 = 生産量 ÷ 耕地面積 = 6000 万 t ÷ 2000 万 ha = 3 t/ha。
- 3 150 万 ha ÷ 50 万人 = 3 ha/人。日本は 2〜3 ha、アメリカは約 70 ha、オーストラリアは 100 ha 超。
- ウ 米 中国・インドが上位で貿易少 → 米。ロシア・カナダが目立つ → 小麦。アメリカ突出 → とうもろこし。ブラジル突出 → 大豆・コーヒー。西アフリカ → カカオ。統計は年で変わるので最新は FAO で確認。答え:米。
- ウ フェアトレード 答え:フェアトレード。
- エ カナート 北アフリカではフォガラ、アフガニスタンではカレーズと呼ぶ。センターピボットはアメリカの円形散水灌漑。
- ウ オーストラリア・アルゼンチン 南半球の収穫は 11〜1 月。北半球の端境期を埋める。
- ア B の 3 位にロシアがあり、小麦は冷涼でやや乾燥した地域でも作られるから 米はモンスーンアジア(高温多雨)で生産の約 9 割、自給用が多く貿易量は少ない。小麦は冷涼・やや乾燥した地域でも広く作られ、ロシア・ウクライナ・カナダが上位に入る。
- ア 2025 年度は生産額ベースがカロリーベースを大きく上回り、価格の高い品目の国産が比較的多い 2025 年度は 66% と 37% で、生産額ベースの方が高い(2024 年度も 64% と 38%)。野菜や畜産物など、カロリーの割に値段の高い品目の国内生産がある程度あるため。カロリーベースは 38% → 37% と下がった。米はほぼ自給できており、低い原因は小麦・大豆・飼料・油の輸入。生産額ベースは金額の割合で、重さではない。
- イ X 正・Y 誤 X:正しい。米の輸出上位はインド・タイ・ベトナム。Y:中国とインドは小麦の生産は多いが、ほとんどを国内で消費する。輸出の上位はロシア・アメリカ・カナダ・フランスなど。
発展
- ア 燃料や飼料の需要増で国際価格が上がり、輸入国の貧しい人が買えなくなる アメリカでバイオエタノール原料や飼料への需要が増えると国際価格が上がり、輸入に頼る国の貧しい人が買えなくなる。2007〜08 年の食料価格高騰で問題になった。肉 1 kg に穀物数 kg が必要という飼料の問題も同じ構図。
- ア 家畜の飼料の大部分を輸入に頼っているから 飼料自給率を考慮した肉類の自給率は 1 割前後。農林水産省はこれを区別して公表している。
- エ X の方が土地生産性も労働生産性も高い 土地生産性 = 生産量 ÷ 耕地面積で X 4.2・Y 2.8(t/ha)。労働生産性 = 生産量 ÷ 農業従事者で X 8.6・Y 2.2(t/人)。答え:X の方が土地生産性も労働生産性も高い。アジア式稲作は土地生産性が高く労働生産性が低い、新大陸の企業的農業はその逆になりやすい。
- エ 高収量品種には化学肥料や灌漑が欠かせず、資金のある農家とない農家の格差が広がった 緑の革命は高収量品種・化学肥料・灌漑の組み合わせで増産した。肥料や灌漑設備を買える農家ほど収量が上がり、貧しい農家との格差が広がった。化学肥料・農薬の環境負荷や地下水の枯渇も課題。
受験のしらべ / https://juken-shirabe.com/daigaku/social/gt-04/test/ / 問題は毎回の表示で数が変わります。印刷したものはその一例です。
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