公共的な空間と人間(青年期・先哲の思想・功利主義と義務論) ── 問題
基礎
- 次の行動にあたる防衛機制はどれですか。 自分が相手を嫌っているのに「相手が自分を嫌っている」と感じる (ア 抑圧 イ 投影 ウ 反動形成 エ 昇華)
- 次の言葉・考え方と最も関係の深い思想家はどれですか。 性善説、四端、王道政治 (ア 孟子 イ ホッブズ ウ ハンナ=アーレント エ ロールズ)
- 社会契約説の 3 人の思想家と著作の組として正しいものはどれですか。 (ア ベンサム『道徳および立法の諸原理序説』・ミル『自由論』・ロールズ『正義論』 イ モンテスキュー『法の精神』・カント『純粋理性批判』・ヘーゲル『精神現象学』 ウ ホッブズ『リヴァイアサン』・ロック『統治二論』・ルソー『社会契約論』 エ ホッブズ『社会契約論』・ロック『リヴァイアサン』・ルソー『統治二論』)
- 宗教改革でルターが主張したことはどれですか。 (ア 聖像崇拝の奨励と修道院の拡大 イ 信仰義認・聖書中心・万人司祭 ウ 教皇の権威の強化と贖宥状の正当化 エ 予定説と職業召命観、長老制の教会運営)
標準
- 青年期と公共的な空間について、ハーバーマスが重視した、対話を通じて合意をめざす理性はどれですか。 (ア 道具的理性 イ 純粋理性 ウ 実践理性 エ 対話的理性(コミュニケーション的合理性))
- 先哲の思想について、ソクラテスの「無知の知」の意味はどれですか。 (ア 人は何も知ることができないので、知を求めること自体をあきらめるべきだ イ 自分が知らないことを自覚することが、知を求める出発点になる ウ 知識は人生の役に立たないので、知識よりも感覚や経験を重視すべきだ エ 自分が知っていることを他人に知られないよう隠すことが、賢者の態度である)
- 次の判断は、功利主義・義務論のどちらの考え方にもとづいていますか。 困っている人を助けるのは、見返りがあるからではなく、それが人としての義務だから (ア 徳倫理(行為者の人柄・習慣で判断) イ 義務論(動機・原則で判断) ウ 功利主義(結果・幸福の総量で判断))
- キリスト教の「隣人愛」とイスラームの「六信五行」に共通する点として適切なものはどれですか。 (ア どちらも多くの神々を信じる多神教である点 イ どちらも神の姿を像にして崇拝する点 ウ どちらも信者に出家を義務とする点 エ 神への信仰と他者への助け合いを一体として求める点)
- フランクフルト学派(アドルノ・ホルクハイマー)が批判した「道具的理性」とは何ですか。 (ア 対話によって相互の合意をめざす理性 イ 道具を作り出す技術そのもの ウ 目的を問わず手段の効率だけを考える理性 エ 自ら道徳法則を立てる実践理性)
- 次の資料 A・B は、ある思想家の考えをまとめたものです。A・B の思想家の組み合わせとして正しいものを選びなさい。 資料 A 行為の正しさは、その行為が関係する人々にもたらす快楽と苦痛の量を計算して決まる。社会全体の幸福の総量を最も大きくする行為がよい。 資料 B 行為の正しさは結果ではなく動機で決まる。誰もが従うべき道徳法則に従い、人格を単なる手段としてではなく、常に目的として扱わなければならない。 (ア A カント・B ベンサム イ A ロールズ・B カント ウ A ベンサム・B ニーチェ エ A ベンサム・B カント)
- 生徒のミオさんとレンさんの会話を読み、空欄に入る内容として最も適当なものを選びなさい。 ミオ「部活動の予算の分け方を決めるとき、自分の部が有利になる案ばかり出てまとまらないんだ。」 レン「ロールズの考え方を使うなら、『( )』って考えてみたらどうかな。」 (ア 自分がどの部に入っているか知らないとしたら、どの分け方を選ぶか イ 先生が最も納得してくれそうなのは、どの分け方か ウ 自分の部が受け取ることのできる予算が最も多くなるのは、どの分け方か エ 部員の数がいちばん多い部が最も喜ぶのは、どの分け方か)
- 青年期と心のはたらきについて述べた次の文 X・Y の正誤の組み合わせとして正しいものを選びなさい。 X エリクソンは、青年期の発達課題をアイデンティティ(自我同一性)の確立とし、社会的な責任が猶予される期間をモラトリアムと呼んだ。 Y 手に入らなかったものを「どうせ価値がない」と思いこむ「すっぱいぶどう」の反応は、防衛機制の投影にあたる。 (ア X 正・Y 正 イ X 正・Y 誤 ウ X 誤・Y 正 エ X 誤・Y 誤)
- 先哲の思想について述べた次の文 X・Y の正誤の組み合わせとして正しいものを選びなさい。 X アリストテレスは、真の実在は感覚を超えたイデア界にあるとし、哲学者が国を治める哲人政治を説いた。 Y ホッブズは、自然状態を「万人の万人に対する闘争」とし、人々は自然権を主権者に譲りわたして国家をつくるとした。 (ア X 正・Y 正 イ X 正・Y 誤 ウ X 誤・Y 正 エ X 誤・Y 誤)
- 次の資料は、ある思想家の考えをまとめたものです。この考えにもとづくと、政府が人々の財産を不当に奪い続けた場合、人々はどうしてよいとされますか。 資料 人は生まれながらに生命・自由・財産の権利をもつ。人々はこの権利をよりよく守るために、合意によって政府をつくり、権力を信託した。 (ア 国王の権力は神から授けられたので、服従しなければならない イ 主権者に権利を譲りわたしたので、政府に従い続けるしかない ウ 信託に反した政府に抵抗し、新しい政府につくりかえてよい エ 代表者を置かず、全員の直接投票で一般意志を示すしかない)
発展
- 功利主義・義務論・正義論の応用について、ミルの「満足した豚であるより不満足な人間であるほうがよい」の意味はどれですか。 (ア 人間は満足してはならず、常に不満をもって向上をめざすべきだという禁欲主義 イ 快楽はすべて同じ価値であり、量だけを比べればよいという量的功利主義 ウ 動物のほうが人間より幸福なので、人間は動物のように生きるべきだという自然主義 エ 快楽には質の違いがあり、精神的な高い快楽のほうが価値がある(質的功利主義))
- アーレントがアイヒマン裁判で指摘した「悪の陳腐さ」の意味はどれですか。 (ア 実行者は怪物でなく、思考をやめて命令に従った凡庸な人間だった イ 悪は英雄的で非凡な人物だけがなすものだ ウ 悪人は生まれつき決まっており、教育では変えられない エ 悪は社会に存在せず、個人の心の問題にすぎない)
- 日本の伝統的な人間観を表す「間人主義」(浜口恵俊)と西洋の「個人主義」の違いとして適切なものはどれですか。 (ア 間人主義は国家を最優先し、個人主義は家族を最も重視する イ どちらも同じ意味で、訳し方が違うだけ ウ 間人主義は人間関係を、個人主義は個人を基本単位とする エ 間人主義は個人を、個人主義は集団を基本単位とする)
- 文化祭の予算 30 万円の分け方について、次の 3 案が出された。「最も不遇な人の利益になる場合にだけ不平等を認める」という考え方に最も合う案と、その考え方を説いた思想家の組み合わせとして最も適当なものを選びなさい。 案 1|全 10 クラスに 3 万円ずつ均等に配る 案 2|来場者に人気が出そうな企画のクラスに多く配る 案 3|教室が狭く設備も古い 2 クラスに多めに配り、残りを均等に配る (ア 案 1・ノージック イ 案 3・ロールズ ウ 案 3・ベンサム エ 案 2・ロールズ)
- 次の会話の空欄に入る内容として、J.S. ミルの「他者危害の原則」に最も合うものを選びなさい。 ナオ「休日に一人で危険な登山をする人がいるけど、法律で禁止すべきかな。」 ユイ「ミルの考え方なら、( )ということになるね。」 (ア 本人の身を守るためであれば、国が強制的に禁止してもよい イ 危険を負うのが本人だけで他人を害さない限り、禁止すべきではない ウ 社会全体の幸福の総量が増えるなら、本人の自由は問わなくてよい エ 道徳法則に反する行為なので、結果に関係なく禁止すべきである)
公共的な空間と人間(青年期・先哲の思想・功利主義と義務論) ── 解答
基礎
- イ 投影 防衛機制(フロイト)は無意識に心を守るはたらき。昇華は社会的に望ましい形での発散。答え:投影。
- ア 孟子 答え:孟子。人物とキーワード 2 つの対応をまず固める。
- ウ ホッブズ『リヴァイアサン』・ロック『統治二論』・ルソー『社会契約論』 ロック → アメリカ独立宣言、ルソー → フランス革命に影響(ht-02・kk-02)。
- イ 信仰義認・聖書中心・万人司祭 カルヴァンは予定説・職業召命観を唱え、ウェーバーは資本主義の精神との関係を論じた。
標準
- エ 対話的理性(コミュニケーション的合理性) 答え:対話的理性(コミュニケーション的合理性)。
- イ 自分が知らないことを自覚することが、知を求める出発点になる 答え:自分が知らないことを自覚することが、知を求める出発点になる。
- イ 義務論(動機・原則で判断) 功利主義(ベンサム・ミル)は結果としての幸福の総量、義務論(カント)は行為の動機と普遍的な原則で善悪を判断する。答え:義務論(動機・原則で判断)。
- エ 神への信仰と他者への助け合いを一体として求める点 イエスの黄金律「人にしてもらいたいことを人にせよ」、イスラームの喜捨(ザカート)。
- ウ 目的を問わず手段の効率だけを考える理性 ナチスのような野蛮を生んだとした。ハーバーマスはこれに対して対話的理性を対置した。
- エ A ベンサム・B カント A は快楽計算と「最大多数の最大幸福」を説いたベンサム(量的功利主義)。B は動機(善意志)と道徳法則を重んじ、人格を目的として扱うことを説いたカント(義務論)。
- ア 自分がどの部に入っているか知らないとしたら、どの分け方を選ぶか ロールズは、自分の立場や能力を知らない「無知のヴェール」をかけた原初状態で人々が合意できる原理を正義とした。立場が分からなければ、最も不利な部になっても困らない分け方(格差原理)を選ぶと考えられる。部員の多さで決めるのは功利主義に近い。
- イ X 正・Y 誤 X:正しい。Y:誤り。もっともらしい理由をつけて自分を納得させるのは合理化。投影は自分の感情を相手のものとみなすこと(自分が嫌っているのに「相手が嫌っている」と感じる)。
- ウ X 誤・Y 正 X:誤り。イデア論と哲人政治はプラトン。アリストテレスは中庸や形相と質料を説いた。Y:正しい(『リヴァイアサン』)。
- ウ 信託に反した政府に抵抗し、新しい政府につくりかえてよい 資料は『統治二論』のロック。政府は自然権を守るための信託にもとづくので、信託に反した政府に人民は抵抗権(革命権)を行使できる。この考えはアメリカ独立宣言に影響した。権利を譲りわたして服従するのはホッブズ、一般意志はルソー。
発展
- エ 快楽には質の違いがあり、精神的な高い快楽のほうが価値がある(質的功利主義) 答え:快楽には質の違いがあり、精神的な高い快楽のほうが価値がある(質的功利主義)。
- ア 実行者は怪物でなく、思考をやめて命令に従った凡庸な人間だった 「思考の欠如」が悪を生む。公共的な空間で自分の頭で考え語ることの重要性につながる。
- ウ 間人主義は人間関係を、個人主義は個人を基本単位とする 和辻哲郎の「間柄的存在」、「世間」「本音と建前」などとつなげて理解する。
- イ 案 3・ロールズ ロールズの格差原理は、最も不利な立場の人の利益になるときだけ不平等を認める。条件の悪いクラスに多く配る案 3 があたる。来場者の満足の合計を大きくしようとする案 2 は功利主義(ベンサム)の発想に近い。
- イ 危険を負うのが本人だけで他人を害さない限り、禁止すべきではない ミルは『自由論』で、個人の自由を制限してよいのは他人に危害を加える場合だけだとした(他者危害の原則)。本人のためという理由で国が干渉することは認めない。結果に関係なく道徳法則を重んじるのはカントの義務論。
受験のしらべ / https://juken-shirabe.com/daigaku/social/kk-01/test/ / 問題は毎回の表示で数が変わります。印刷したものはその一例です。
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