市場経済のしくみ(需要と供給・市場の失敗・企業) ── 問題
基礎
- ある商品の需要量 D と供給量 S が価格 P(円)に対して D = 70 − 3P、S = 20 + 2P で表されるとき、均衡価格は何円ですか。
- 時給 1000 円のアルバイトを 3 時間休んで、入場料 2000 円のイベントに行った。このとき、イベントに行くことの機会費用(あきらめたアルバイト収入)は何円ですか。
- 次の出来事が起こったとき、需要曲線・供給曲線はどう動き、均衡価格はどうなりますか。 その商品が SNS で流行して人気が高まった (ア 供給曲線が右に動き、均衡価格は下がる イ 需要曲線が右に動き、均衡価格は上がる ウ 供給曲線が左に動き、均衡価格は上がる エ 需要曲線が左に動き、均衡価格は下がる)
- 需要曲線と供給曲線の形として正しいものはどれですか。 (ア 需要曲線は右下がり(価格が下がると買う量が増える)、供給曲線は右上がり(価格が上がると売る量が増える) イ 需要曲線は右上がり、供給曲線は右下がり ウ どちらも水平 エ どちらも右上がり)
- 公共料金の例として正しいものはどれですか。 (ア 電気・ガス・水道・鉄道運賃など、政府や自治体が決定・認可する価格 イ 株式の価格 ウ 為替レート エ スーパーの食品の価格)
標準
- 需要量 D = 170 − P、供給量 S = 20 + 2P の市場で、価格が 80 円に設定された。このとき超過供給(売れ残り)は何個ですか。
- ある会社の株を 1 株 2000 円で 200 株買い、1 年後に 1 株 1800 円で売った。この間に 1 株あたり 50 円の配当を受け取った。利益の合計は何円ですか(損失なら負の数で)。
- 次の事例は「市場の失敗」のどの類型にあたりますか。 養蜂家のミツバチが近くの果樹園の受粉を助けている (ア 情報の非対称性(逆選択) イ 外部経済(外部性) ウ 外部不経済(外部性) エ 公共財(非排除性・非競合性))
- 経済の考え方と経済思想について、「効率」と「公正」の関係として正しいものはどれですか。 (ア 効率は経済の問題、公正は政治の問題であり、両者はまったく無関係である イ 公正な分配を重視すれば人々の意欲が高まるので、効率も必ず同時に上がる ウ 効率を上げれば生産が増えて全員が豊かになるので、公正も必ず同時に実現する エ 効率(無駄なく資源を使う)を追求すると格差が生まれ、公正(公平な分配)を重視すると効率が落ちることがあり、トレードオフの関係にある)
- 市場と企業について、コーポレート=ガバナンスの意味はどれですか。 (ア 政府が企業の経営に直接参加し、役員を派遣して企業を運営すること イ 株主などが経営者を監視し、企業が適切に運営されるようにするしくみ(社外取締役・情報開示・内部通報など) ウ 企業が政府の政策を監視し、企業に不利な規制をなくすよう働きかけること エ 従業員が投票で株主を選び、従業員の代表が会社を所有すること)
- 「価格が下がったので需要量が増えた」という変化を需給曲線で表すとどうなりますか。 (ア 需要曲線が右にシフトする イ 供給曲線が右にシフトする ウ 需要曲線が左にシフトする エ 需要曲線は動かず、同じ需要曲線上を右下へ移動する)
- 消費者を守る制度として正しいものはどれですか。 (ア クーリングオフ、製造物責任法(PL 法:欠陥商品の被害は企業に無過失責任)、消費者契約法、消費者庁(2009) イ 独占禁止法と公正取引委員会 ウ 労働三法 エ 金融政策と財政政策)
発展
- 「政府の失敗」とは何ですか。 (ア 政府が選挙で負けること イ 市場の失敗を直すための政府の介入が、かえって非効率・既得権・財政赤字などを生むこと ウ 政府が法律を作れないこと エ 市場が機能しないこと)
- 排出量取引が「市場メカニズムを使った環境対策」といわれる理由はどれですか。 (ア 税金で環境対策の費用をまかなうから イ 政府が排出量を直接命令するから ウ CO₂ の排出枠に価格をつけて売買させることで、削減コストの低い企業から削減が進み、社会全体で効率よく排出を減らせるから エ 企業が自主的に排出を減らすから)
市場経済のしくみ(需要と供給・市場の失敗・企業) ── 解答
基礎
- 10 D = S より 70 − 3P = 20 + 2P → 5P = 50 → P = 10 円。均衡数量は 40 。
- 3000 機会費用 = あきらめた選択肢の価値 = 1000 × 3 = 3000 円。入場料 2000 円は実際の支出で、機会費用とは別に数える(合計の負担は 5000 円)。
- イ 需要曲線が右に動き、均衡価格は上がる 買い手側の事情(所得・流行・関連商品の価格)は需要曲線、売り手側の事情(コスト・技術・天候・税・補助金)は供給曲線を動かす。右 = 増加。答え:需要曲線が右に動き、均衡価格は上がる。
- ア 需要曲線は右下がり(価格が下がると買う量が増える)、供給曲線は右上がり(価格が上がると売る量が増える) 横軸が数量、縦軸が価格。交点が均衡価格・均衡数量。
- ア 電気・ガス・水道・鉄道運賃など、政府や自治体が決定・認可する価格 自然独占になりやすい事業で、市場に任せると価格が高くなりすぎるため。
標準
- 90 価格 80 のとき D = 90、S = 180。S − D = 90 個の超過供給。均衡価格 50 円より高いので売れ残りが出て価格は下がる。
- −30000 売買差益(キャピタルゲイン)=(1800 − 2000)× 200 = -40000 円、配当 = 50 × 200 = 10000 円。合計 −30000 円。
- イ 外部経済(外部性) 市場の失敗:独占・寡占、外部性(不経済・経済)、公共財、情報の非対称性。それぞれ政府の介入(独禁法・環境税・税による供給・消費者保護)の根拠になる。答え:外部経済(外部性)。
- エ 効率(無駄なく資源を使う)を追求すると格差が生まれ、公正(公平な分配)を重視すると効率が落ちることがあり、トレードオフの関係にある 答え:効率(無駄なく資源を使う)を追求すると格差が生まれ、公正(公平な分配)を重視すると効率が落ちることがあり、トレードオフの関係にある。
- イ 株主などが経営者を監視し、企業が適切に運営されるようにするしくみ(社外取締役・情報開示・内部通報など) 答え:株主などが経営者を監視し、企業が適切に運営されるようにするしくみ(社外取締役・情報開示・内部通報など)。
- エ 需要曲線は動かず、同じ需要曲線上を右下へ移動する 価格そのものの変化は曲線上の移動。曲線がシフトするのは価格以外の要因(所得・流行・コストなど)が変わったとき。
- ア クーリングオフ、製造物責任法(PL 法:欠陥商品の被害は企業に無過失責任)、消費者契約法、消費者庁(2009) 情報の非対称性への対策。2022 年の成年年齢引き下げで 18・19 歳の契約トラブルが課題。
発展
- イ 市場の失敗を直すための政府の介入が、かえって非効率・既得権・財政赤字などを生むこと 新自由主義は政府の失敗を強調し、ケインズ主義は市場の失敗を強調する。どちらをどれだけ重くみるかが政策の対立軸。
- ウ CO₂ の排出枠に価格をつけて売買させることで、削減コストの低い企業から削減が進み、社会全体で効率よく排出を減らせるから 外部不経済を「内部化」する方法。環境税(ピグー税)も同じ発想。
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