金融と財政(日本銀行・金融政策・税・国債) ── 問題
基礎
- ある年度の国の一般会計の歳入総額が 100 兆円で、そのうち公債金(国債の発行による収入)が 25 兆円であった。国債依存度は何 % ですか。
- 次の税は、直接税・間接税、国税・地方税のどれにあたりますか。 固定資産税 (ア 直接税・地方税 イ 間接税・国税 ウ 直接税・国税 エ 間接税・地方税)
- 金融緩和が景気に働く経路として正しいものはどれですか。 (ア 金利が上がる → 貯蓄が増える → 景気回復 イ 円高になる → 輸出が増える ウ 税収が増える → 公共事業が増える エ 金利が下がる → 企業が借りやすくなり投資が増え、住宅ローンも借りやすくなって消費が増える → 景気回復)
- 租税法律主義とは何ですか。 (ア 税務署が税率を決める原則 イ 税金は法律家が決めるという原則 ウ 天皇が税を定める原則 エ 新しい税を課したり税率を変えたりするには法律(国会の議決)が必要という原則(憲法 84 条))
標準
- 銀行に 500 万円の預金が新たに預けられ、すべての銀行が預金の 5% を支払準備として残して残りを貸し出すとする。信用創造によって、銀行全体の預金は最終的に何万円になりますか。
- 最初の預金が 1000 万円、支払準備率が 20% のとき、信用創造によって新たに生み出される預金(信用創造額)は何万円ですか。
- ある年度の国の一般会計で、歳入のうち税収等(公債金以外)が 80 兆円、歳出のうち国債費を除く政策的経費が 80 兆円であった。プライマリーバランス(基礎的財政収支)は何兆円ですか(赤字なら負の数)。
- 年収 200 万円の A さんは年間 160 万円を消費し、年収 1500 万円の B さんは年間 900 万円を消費した。消費税率を 10% とすると、A さんが払う消費税は年収の何 % にあたりますか。
- 日本銀行の金融政策について、2013 年に始まった「量的・質的金融緩和(異次元緩和)」の内容はどれですか。 (ア 国債の新規発行を禁止して財政規律を守り、円の信用を高めた イ 公定歩合を大幅に引き上げて銀行の貸出を抑え、物価の上昇を防いだ ウ 預金準備率を引き上げて銀行の資金を日銀に集め、市場の資金を吸収した エ 国債を大量に買い入れてマネタリーベースを 2 倍にし、2% の物価安定目標をめざした)
- 金融のしくみと自由化について、直接金融と間接金融の違いはどれですか。 (ア 直接金融は企業が株式・社債で投資家から直接調達、間接金融は銀行が預金を集めて企業に貸し出す イ 直接金融は銀行から直接お金を借りること、間接金融は株式や社債を通じて間接的に調達すること ウ 直接金融と間接金融に違いはなく、どちらも企業が資金を調達する方法の呼び名にすぎない エ 直接金融は現金で支払うこと、間接金融は電子マネーやクレジットカードで支払うこと)
- 財政と税・国債について、ビルトイン=スタビライザー(財政の自動安定化装置)とは何ですか。 (ア 累進課税と社会保障のしくみにより、不況では自動的に税収が減り給付が増え、好況では逆になって景気が安定すること イ 政府が毎年の景気を判断して予算を編成し、減税や公共事業を決めること(裁量的財政政策) ウ 日本銀行が景気の変動に応じて政策金利を自動的に調整すること(金融政策) エ 為替相場が景気の変動に応じて自動的に調整され、輸出入が安定すること)
- 「垂直的公平」と「水平的公平」の意味として正しいものはどれですか。 (ア 垂直的公平は全員同額、水平的公平は所得比例 イ 垂直的公平は担税力の大きい人がより多く負担すること(累進課税)、水平的公平は同じ担税力の人が同じ負担をすること(消費税など) ウ どちらも同じ意味 エ 垂直的公平は間接税、水平的公平は直接税)
- クラウディング・アウトとは何ですか。 (ア 銀行の貸し出しが増えて預金が不足すること イ 輸入が増えて国内産業が衰えること ウ 政府が国債を大量に発行して資金を吸収すると、市場の金利が上がって民間の投資が押し出されること エ 人口が減って消費が減ること)
発展
- 「日本の国債は問題ない」という主張と「危険だ」という主張の論点として適切なものはどれですか。 (ア 問題ない派は国債が外貨建てであることを根拠にする イ 危険派は国債が全くないことを根拠にする ウ 問題ない派は自国通貨建てで国内保有が多く低金利が続いたことを、危険派は将来世代の負担・金利上昇時の利払い急増・通貨の信認低下の恐れを根拠にする エ 両者に違いはない)
- 「社会保障と税の一体改革」で消費税が社会保障の財源とされた理由として適切なものはどれですか。 (ア 消費税は景気に最も左右されやすいから イ 消費税は景気に左右されにくく、働く世代だけでなく高齢者を含む全世代が負担するため、少子高齢化で膨らむ社会保障費の安定財源に向くと考えられたから ウ 消費税は高所得者だけが負担するから エ 消費税は企業だけが負担するから)
金融と財政(日本銀行・金融政策・税・国債) ── 解答
基礎
- 25 国債依存度 = 公債金 ÷ 歳入総額 × 100 = 25 ÷ 100 × 100 = 25 %。日本は 3 割前後で推移してきた。
- ア 直接税・地方税 直接税 = 納める人と負担する人が同じ(所得税・法人税・住民税・固定資産税)、間接税 = 別(消費税・酒税)。答え:直接税・地方税。
- エ 金利が下がる → 企業が借りやすくなり投資が増え、住宅ローンも借りやすくなって消費が増える → 景気回復 ただし金利がすでにゼロ近くだと下げる余地がなく効果が出にくいため、量的緩和などの非伝統的政策がとられた。
- エ 新しい税を課したり税率を変えたりするには法律(国会の議決)が必要という原則(憲法 84 条) 「代表なくして課税なし」(ht-02)の考えに由来する。
標準
- 10000 預金総額 = 最初の預金 ÷ 支払準備率 = 500 ÷ 0.05 = 10000 万円。増えた分(信用創造額)は 10000 − 500 = 9500 万円。
- 4000 預金総額 5000 万円 − 最初の預金 1000 万円 = 4000 万円。
- 0 プライマリーバランス = 税収等 − 国債費を除く歳出 = 80 − 80 = 0 兆円。負なら、借金に頼らずに政策経費をまかなえていない状態。
- 8 A の消費税 = 160 × 10% = 16 万円 → 年収の 8 %。B は 900 × 10% = 90 万円 → 年収の 6 %。低所得者ほど負担率が高い(逆進性)。
- エ 国債を大量に買い入れてマネタリーベースを 2 倍にし、2% の物価安定目標をめざした 緩和 = 買いオペ・利下げ → 金利↓・円安。引き締め = 売りオペ・利上げ → 金利↑・円高。答え:国債を大量に買い入れてマネタリーベースを 2 倍にし、2% の物価安定目標をめざした。
- ア 直接金融は企業が株式・社債で投資家から直接調達、間接金融は銀行が預金を集めて企業に貸し出す 答え:直接金融は企業が株式・社債で投資家から直接調達、間接金融は銀行が預金を集めて企業に貸し出す。
- ア 累進課税と社会保障のしくみにより、不況では自動的に税収が減り給付が増え、好況では逆になって景気が安定すること 答え:累進課税と社会保障のしくみにより、不況では自動的に税収が減り給付が増え、好況では逆になって景気が安定すること。数値は年度で変わるので最新は財務省で確認。
- イ 垂直的公平は担税力の大きい人がより多く負担すること(累進課税)、水平的公平は同じ担税力の人が同じ負担をすること(消費税など) 所得の把握率の差(クロヨン)は水平的公平を損なう問題。
- ウ 政府が国債を大量に発行して資金を吸収すると、市場の金利が上がって民間の投資が押し出されること 財政赤字の問題点の 1 つ。日本では金融緩和で金利が抑えられてきたため表面化しにくかった。
発展
- ウ 問題ない派は自国通貨建てで国内保有が多く低金利が続いたことを、危険派は将来世代の負担・金利上昇時の利払い急増・通貨の信認低下の恐れを根拠にする 2024 年以降の利上げで利払い費の増加が現実の問題になった。根拠を比べて考えるのが公共の学び方。
- イ 消費税は景気に左右されにくく、働く世代だけでなく高齢者を含む全世代が負担するため、少子高齢化で膨らむ社会保障費の安定財源に向くと考えられたから 一方で逆進性の問題があり、軽減税率や給付付き税額控除の議論がある(kk-08)。
受験のしらべ / https://juken-shirabe.com/daigaku/social/kk-06/test/ / 問題は毎回の表示で数が変わります。印刷したものはその一例です。
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