金融と財政(日本銀行・金融政策・税・国債) ── 問題
基礎
- ある年度の国の一般会計の歳入総額が 110 兆円で、そのうち公債金(国債の発行による収入)が 22 兆円であった。国債依存度は何 % ですか。
- 次の税は、直接税・間接税、国税・地方税のどれにあたりますか。 消費税 (ア 間接税・地方税 イ 直接税・国税 ウ 間接税・国税 エ 直接税・地方税)
- 金融緩和が景気に働く経路として正しいものはどれですか。 (ア 金利が上がる → 家計の貯蓄が増える → 景気回復 イ 円高になる → 輸出企業の海外での売上が増える → 景気回復 ウ 税収が増える → 公共事業が増える → 景気回復 エ 金利が下がる → 企業の投資や住宅購入が増える → 景気回復)
- 租税法律主義とは何ですか。 (ア 税率は各地の税務署が実情に応じて決めるという原則 イ 税金の種類や税率は裁判所などの法律家が決めるという原則 ウ 天皇が勅令で税を定めるという原則 エ 税を課したり税率を変えたりするには法律が必要という原則)
標準
- 銀行に 100 万円の預金が新たに預けられ、すべての銀行が預金の 25% を支払準備として残して残りを貸し出すとする。信用創造によって、銀行全体の預金は最終的に何万円になりますか。
- 最初の預金が 200 万円、支払準備率が 20% のとき、信用創造によって新たに生み出される預金(信用創造額)は何万円ですか。
- ある年度の国の一般会計で、歳入のうち税収等(公債金以外)が 75 兆円、歳出のうち国債費を除く政策的経費が 80 兆円であった。プライマリーバランス(基礎的財政収支)は何兆円ですか(赤字なら負の数)。
- 年収 250 万円の A さんは年間 200 万円を消費し、年収 1000 万円の B さんは年間 600 万円を消費した。消費税率を 10% とすると、A さんが払う消費税は年収の何 % にあたりますか。
- 日本銀行の金融政策について、不況のときに日本銀行が行う金融緩和の手段はどれですか。 (ア 増税と公共事業の削減による財政の引き締め(政府の財政政策) イ 売りオペレーション(国債などを売って資金を吸収)・政策金利の引き上げ ウ 買いオペレーション(国債などを買って資金を供給)・政策金利の引き下げ エ 預金準備率の引き上げ(銀行が日銀に預ける割合を増やして貸出を減らす))
- 金融のしくみと自由化について、BIS 規制(バーゼル合意)の内容はどれですか。 (ア 国際業務を行う銀行は貸出を預金の 8% 以下に抑えなければならない イ 国際業務を行う銀行は預金金利を 8% 以上にしなければならない ウ 国際業務を行う銀行は資産の 8% 以上を国債で保有しなければならない エ 国際業務を行う銀行は自己資本比率を 8% 以上に保つ)
- 財政と税・国債について、財政赤字の問題点として適切なものはどれですか。 (ア 公共事業が増えすぎて建設業の人手が不足し、景気が悪くなること イ 国債が売れなくなって金利が下がり、銀行の収益が悪化すること ウ 税収が増えすぎて政府が使い切れず、余った資金が無駄になること エ 将来世代への負担の先送り、国債費の増大による財政の硬直化、クラウディング・アウト、インフレや通貨の信認低下の恐れ)
- 「垂直的公平」と「水平的公平」の意味として正しいものはどれですか。 (ア 垂直的公平は全員が同額を負担、水平的公平は所得に比例して負担すること イ 垂直的公平は担税力の大きい人ほど多く、水平的公平は同じ担税力なら同じ負担 ウ 垂直的公平と水平的公平は同じ意味で、使い分けはない エ 垂直的公平は間接税の考え方、水平的公平は直接税の考え方)
- クラウディング・アウトとは何ですか。 (ア 銀行の貸し出しが増えすぎて、手元の預金が不足すること イ 安い輸入品が増えて、国内の産業が衰えること ウ 国債の大量発行で金利が上がり、民間投資が減ること エ 人口が減って、国内の消費や投資が減っていくこと)
- 生徒のショウさんとマリさんの会話を読み、空欄 A・B に入る語句の組み合わせとして最も適当なものを選びなさい。 ショウ「日本銀行は 2024 年 3 月にマイナス金利を解除して、7 月以降は利上げもしたんだって。」 マリ「金融( A )の方向への転換だね。一般には、金利が上がると企業や家計がお金を借りにくくなって、( B )とされているよ。」 (ア A 緩和・B 投資や消費が増え、円安の方向に向かう イ A 引き締め・B 投資や消費がかえって増え、円安の方向に向かう ウ A 緩和・B 物価の上昇がおさえられ、円高の方向に向かう エ A 引き締め・B 物価の上昇がおさえられ、円高の方向に向かう)
発展
- 「日本の国債は問題ない」という主張と「危険だ」という主張の論点として適切なものはどれですか。 (ア 問題ない派は国債が外貨建てで、海外投資家が多く保有することを根拠にする イ 危険派は日本の国債残高がほぼゼロで、市場が小さいことを根拠にする ウ 問題ない派は自国通貨建てと国内保有を、危険派は利払い増を根拠にする エ 両者の根拠に違いはなく、どちらも金利の低さを挙げる)
- 「社会保障と税の一体改革」で消費税が社会保障の財源とされた理由として適切なものはどれですか。 (ア 消費税は景気に最も左右されやすく、好況時に大きな増収が見込めるから イ 景気に左右されにくく、高齢者を含む全世代が負担するから ウ 消費税は高所得者だけが負担し、累進性が高いから エ 消費税は企業だけが負担し、家計の負担がないから)
- 次の資料は、2026 年度の国の一般会計予算(当初・おおよその値)です。資料から読み取れることとして最も適当なものを選びなさい。 歳入|金額 税収|約 84 兆円 公債金|約 30 兆円 その他|約 8 兆円 歳出|金額 社会保障関係費|約 39 兆円 国債費|約 31 兆円 地方交付税交付金等|約 21 兆円 その他(防衛・公共事業など)|約 31 兆円 合計(歳入・歳出とも)|約 122 兆円 (ア 国債費が公債金を上回っており、プライマリーバランスは黒字になっている イ 公債金が歳入の 4 割をこえ、借金に頼る割合が過去になく高まっている ウ 歳出で最も大きいのは国債費で、社会保障関係費の 2 倍近くにのぼる エ 地方交付税交付金等は国債費より大きく、歳出の 3 割をこえている)
- 財政の自動安定化装置(ビルトイン=スタビライザー)が不況のときにはたらく流れとして、最も適当なものを選びなさい。 (ア 景気が悪化 → 国会が減税の法律を新たに成立させ、公共事業も増やす → 景気が回復に向かう イ 景気が悪化 → 累進課税で税収が自動的に減り、失業給付が増える → 家計の購買力の落ちこみがやわらぐ ウ 景気が悪化 → 日本銀行が国債を買い入れる → 金利が下がって企業の投資が増える エ 景気が悪化 → 累進課税で税収が自動的に増え、失業給付が減る → 家計の購買力がさらに落ちこむ)
金融と財政(日本銀行・金融政策・税・国債) ── 解答
基礎
- 20 国債依存度 = 公債金 ÷ 歳入総額 × 100 = 22 ÷ 110 × 100 = 20 %。日本は 3 割前後で推移してきた。
- ウ 間接税・国税 直接税 = 納める人と負担する人が同じ(所得税・法人税・住民税・固定資産税)、間接税 = 別(消費税・酒税)。消費税 10% のうち 2.2% は地方消費税だが、分類は国税の間接税として扱う。答え:間接税・国税。
- エ 金利が下がる → 企業の投資や住宅購入が増える → 景気回復 ただし金利がすでにゼロ近くだと下げる余地がなく効果が出にくいため、量的緩和などの非伝統的政策がとられた。
- エ 税を課したり税率を変えたりするには法律が必要という原則 国会の議決が必要(憲法 84 条)。「代表なくして課税なし」(ht-02)の考えに由来する。
標準
- 400 預金総額 = 最初の預金 ÷ 支払準備率 = 100 ÷ 0.25 = 400 万円。増えた分(信用創造額)は 400 − 100 = 300 万円。
- 800 預金総額 1000 万円 − 最初の預金 200 万円 = 800 万円。
- −5 プライマリーバランス = 税収等 − 国債費を除く歳出 = 75 − 80 = −5 兆円。負なら、借金に頼らずに政策経費をまかなえていない状態。
- 8 A の消費税 = 200 × 10% = 20 万円 → 年収の 8 %。B は 600 × 10% = 60 万円 → 年収の 6 %。低所得者ほど負担率が高い(逆進性)。
- ウ 買いオペレーション(国債などを買って資金を供給)・政策金利の引き下げ 緩和 = 買いオペ・利下げ → 金利↓・円安。引き締め = 売りオペ・利上げ → 金利↑・円高。答え:買いオペレーション(国債などを買って資金を供給)・政策金利の引き下げ。
- エ 国際業務を行う銀行は自己資本比率を 8% 以上に保つ 答え:国際業務を行う銀行は自己資本比率を 8% 以上に保つ。
- エ 将来世代への負担の先送り、国債費の増大による財政の硬直化、クラウディング・アウト、インフレや通貨の信認低下の恐れ 答え:将来世代への負担の先送り、国債費の増大による財政の硬直化、クラウディング・アウト、インフレや通貨の信認低下の恐れ。数値は年度で変わるので最新は財務省で確認。
- イ 垂直的公平は担税力の大きい人ほど多く、水平的公平は同じ担税力なら同じ負担 所得の把握率の差(クロヨン)は水平的公平を損なう問題。
- ウ 国債の大量発行で金利が上がり、民間投資が減ること 財政赤字の問題点の 1 つ。日本では金融緩和で金利が抑えられてきたため表面化しにくかった。
- エ A 引き締め・B 物価の上昇がおさえられ、円高の方向に向かう 利上げは金融引き締め。借り入れが減って投資・消費がおさえられ、物価の上昇を抑える。日本の金利が上がると円建ての資産が買われやすくなり、円高の方向に働く。2013 年からの異次元緩和・2016 年のマイナス金利からの政策転換にあたる。
発展
- ウ 問題ない派は自国通貨建てと国内保有を、危険派は利払い増を根拠にする 危険派は将来世代の負担・金利上昇時の利払い急増・通貨の信認低下を挙げる。2024 年以降の利上げで利払い費の増加が現実の問題になった。根拠を比べて考えるのが公共の学び方。
- イ 景気に左右されにくく、高齢者を含む全世代が負担するから 少子高齢化で膨らむ社会保障費の安定財源に向くと考えられた。一方で逆進性の問題があり、軽減税率や給付付き税額控除の議論がある(kk-08)。
- ア 国債費が公債金を上回っており、プライマリーバランスは黒字になっている プライマリーバランス =(歳入 − 公債金)−(歳出 − 国債費)=(122 − 30)−(122 − 31)≒ +1 兆円で、国の一般会計ベースでは 28 年ぶりの黒字。公債金は歳入の約 4 分の 1。歳出の最大は社会保障関係費(約 32%)。国と地方を合わせた政府目標のベースではまだ赤字が残る。
- イ 景気が悪化 → 累進課税で税収が自動的に減り、失業給付が増える → 家計の購買力の落ちこみがやわらぐ ビルトイン=スタビライザーは、累進課税と社会保障(失業給付など)によって、政府が新たに決めなくても自動的に景気の振れを小さくするしくみ。減税や公共事業を決めて行うのは裁量的財政政策(フィスカル=ポリシー)、国債の買い入れは日本銀行の金融政策。
受験のしらべ / https://juken-shirabe.com/daigaku/social/kk-06/test/ / 問題は毎回の表示で数が変わります。印刷したものはその一例です。
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