国民所得と経済成長・景気・物価 ── 問題
基礎
- 農家が小麦を 100 万円で製粉業者に売り、製粉業者はそれを小麦粉にして 250 万円でパン屋に売り、パン屋はパンにして 550 万円で消費者に売った。この一連の生産で生み出された付加価値の合計(GDP に計上される額)は何万円ですか。
- ある国の GDP が 400 兆円、海外から受け取った所得が 54 兆円、海外へ支払った所得が 24 兆円であった。この国の GNI(国民総所得)は何兆円ですか。
- ある国の実質 GDP が前年の 550 兆円から今年 552.75 兆円になった。経済成長率は何 % ですか。
- 景気循環の周期について、コンドラチェフの波の周期と主な要因はどれですか。 (ア 約 20 年。建設投資 イ 約 10 年。設備投資 ウ 約 40 か月(3〜4 年)。在庫投資 エ 約 50 年。技術革新)
- 日本の GDP を支出面から見たとき、最も大きな割合を占めるものはどれですか。 (ア 民間投資 イ 政府支出 ウ 純輸出(輸出 − 輸入) エ 民間消費(家計の消費、5〜6 割))
- 日本の産業別の GDP 構成(おおよそ)として正しいものはどれですか。 (ア 第 1 次産業 約 30%・第 2 次産業 約 40%・第 3 次産業 約 30% イ 第 1 次産業 約 50%・第 2 次産業 約 25%・第 3 次産業 約 25% ウ 第 1 次産業 約 10%・第 2 次産業 約 60%・第 3 次産業 約 30% エ 第 1 次産業 約 1%・第 2 次産業 約 25%・第 3 次産業 約 74%)
標準
- ある国の GNI が 600 兆円、固定資本減耗が 130 兆円、間接税が 50 兆円、補助金が 3 兆円であった。国民所得(NI)は何兆円ですか。
- ある国の名目 GDP が 500 兆円、GDP デフレーターが 125(基準年 = 100)であった。実質 GDP は何兆円ですか。
- ある年、名目賃金が前年より 2% 上がり、消費者物価は 4% 上がった。実質賃金はおよそ何 % 変化しましたか(「名目の上昇率 − 物価上昇率」の近似で。下がった場合は負の数)。
- 国民所得の指標について、経済成長を生み出す 3 つの要因はどれですか。 (ア 税・国債・補助金(政府の財政の 3 つの手段) イ 労働力・資本(設備投資)・技術進歩(生産性) ウ 輸出・輸入・為替(貿易に関わる 3 つの要素) エ 消費・貯蓄・投資(家計の所得の 3 つの使い道))
- 景気と物価について、戦後の日本で初めてマイナス成長になった年と原因はどれですか。 (ア 1991 年。バブル崩壊 イ 2008 年。リーマン=ショック ウ 1974 年。第 1 次石油危機 エ 1985 年。プラザ合意)
- 日本の対外純資産について正しいものはどれですか。 (ア 対外純資産は国富に含まれず、統計にも表れない イ 対外純資産は世界最大級で、その収益で GNI が GDP を上回る ウ 対外債務が世界最大で、海外への利払いで GNI が GDP を下回る エ 海外に資産をもっておらず、対外資産はゼロである)
- GDP に代わる豊かさの指標として提案されているものはどれですか。 (ア HDI(人間開発指数)やグリーン GDP イ GNI(国民総所得)と NI(国民所得) ウ 国債残高と一般会計の税収 エ 名目 GDP と実質 GDP)
- 次の表は、ある国の名目 GDP と実質 GDP です。今年の実質経済成長率は何 % ですか(下がった場合は負の数)。 年|名目 GDP|実質 GDP 昨年|510 兆円|500 兆円 今年|529 兆円|515 兆円
- 生徒のトモさんとハナさんの会話を読み、空欄に入る内容として最も適当なものを選びなさい。 トモ「家族が家で料理や介護をしても GDP は増えないのに、同じことをお店や介護サービスに頼むと GDP が増えるんだって。」 ハナ「GDP は( )から、豊かさを測るには HDI など別の指標も使われているんだよ。」 (ア 一時点の蓄えであるストックの大きさを表す イ 中間生産物の価格もすべて足し合わせて計算する ウ 外国人が日本の国内で生み出した付加価値を含まない エ 市場で取引されない家事労働やボランティアを含まない)
- 景気と国民所得について述べた次の文 X・Y の正誤の組み合わせとして正しいものを選びなさい。 X 景気循環のうち、約 40 か月の周期をもつキチンの波は、企業の在庫投資の変動が主な要因とされる。 Y 日本は対外純資産が世界最大級で、海外からの利子・配当の受け取りが多いため、GNI が GDP を上回る。 (ア X 正・Y 正 イ X 正・Y 誤 ウ X 誤・Y 正 エ X 誤・Y 誤)
発展
- 「賃金と物価の好循環」とはどのような状態ですか。 (ア 物価が下がって賃金も下がり、消費が減っていく状態 イ 賃金が物価以上に上がり、消費が増えてさらに賃金が上がる状態 ウ 賃金が上がらず物価だけが上がり、実質賃金が減る状態 エ 物価も賃金も動かず、景気が横ばいのままの状態)
- 人口減少が経済成長に与える影響と、それを補う方策として適切なものはどれですか。 (ア 人口が減れば 1 人あたり GDP は自動的に増えるので、何も問題はない イ 労働力が減って潜在成長率が下がり、生産性向上や労働参加の拡大で補う ウ 輸入を増やせば、労働力の不足は解決する エ 人口減少は経済に影響せず、成長率も変わらない)
- 次の資料 1・2 から考えられることとして最も適当なものを選びなさい。 資料 1 2022 年以降、ロシアのウクライナ侵攻による資源価格の高騰と円安で輸入物価が上がり、日本の消費者物価の上昇率は 3% 前後になった。 資料 2 物価の上昇に賃金の伸びが追いつかず実質賃金のマイナスが続いたが、2024・25 年の春闘では 5% をこえる賃上げが実現した。 (ア 資料 1 はスタグフレーションの終わりを示し、実質賃金は 2022 年から一度も下がっていない イ 資料 1 はデフレスパイラルにあたり、物価の下落と賃金の低下が悪循環になっている ウ 資料 1 はディマンド・プル・インフレで、需要が強すぎるので賃上げをやめれば物価は安定する エ 資料 1 はコスト・プッシュ・インフレで、賃金が物価以上に上がり続ければ賃金と物価の好循環に近づく)
国民所得と経済成長・景気・物価 ── 解答
基礎
- 550 付加価値 = 各段階の売上 − 仕入れ:100 +(250 − 100)+(550 − 250)= 550 万円。最終生産物の価格 550 万円と一致する。売上を単純に足すと二重計算になる。
- 430 GNI = GDP + 海外からの所得の純受取 = 400 +(54 − 24)= 430 兆円。日本は海外投資の収益が多いので GNI > GDP。
- 0.5 成長率 =(552.75 − 550)÷ 550 × 100 = 0.5 %。
- エ 約 50 年。技術革新 短い順に キチン(在庫)→ ジュグラー(設備)→ クズネッツ(建設)→ コンドラチェフ(技術革新)。答え:約 50 年。技術革新。
- エ 民間消費(家計の消費、5〜6 割) 消費が伸びないと成長しにくい理由。実質賃金の停滞が消費を抑えてきた。
- エ 第 1 次産業 約 1%・第 2 次産業 約 25%・第 3 次産業 約 74% 経済のサービス化(ペティ=クラークの法則:発展するほど第 3 次産業の割合が高まる)。
標準
- 423 NI = GNI − 固定資本減耗 − 間接税 + 補助金 = 600 − 130 − 50 + 3 = 423 兆円。
- 400 実質 GDP = 名目 GDP ÷(デフレーター ÷ 100)= 500 ÷ 1.25 = 400 兆円。
- −2 実質賃金の変化率 ≒ 2 − 4 = −2 %。物価上昇が賃金上昇を上回れば実質賃金は下がり、生活は苦しくなる。
- イ 労働力・資本(設備投資)・技術進歩(生産性) 答え:労働力・資本(設備投資)・技術進歩(生産性)。
- ウ 1974 年。第 1 次石油危機 答え:1974 年。第 1 次石油危機。
- イ 対外純資産は世界最大級で、その収益で GNI が GDP を上回る 貿易収支が赤字でも、第一次所得収支の黒字で経常収支は黒字(kk-09)。
- ア HDI(人間開発指数)やグリーン GDP 幸福度やウェルビーイング指標も提案されている。GDP は環境・格差・余暇を反映しないという限界への対応。ブータンの GNH(国民総幸福)も有名。
- 3 物価の変動を除いた実質 GDP で比べる。(515 − 500)÷ 500 × 100 = 3 %。名目 GDP で計算した 3.7 % には物価の変動が含まれる。
- エ 市場で取引されない家事労働やボランティアを含まない GDP は市場で取引された付加価値の合計で、家事・ボランティアや環境の悪化、余暇、格差を反映しない。外国人が国内で生んだ分は GDP に含まれる(含まないのは GNI)。GDP はフローで、中間生産物は引いて計算する。
- ア X 正・Y 正 X:正しい(設備投資による約 10 年の波はジュグラーの波)。Y:正しい。GNI = GDP + 海外からの所得の純受取。
発展
- イ 賃金が物価以上に上がり、消費が増えてさらに賃金が上がる状態 日本銀行が 2% 目標の持続の条件とした。2024〜25 年の春闘で 5% 超の賃上げが実現し、日銀は利上げに踏み切った。実質賃金がプラスに転じるかが焦点。
- イ 労働力が減って潜在成長率が下がり、生産性向上や労働参加の拡大で補う 成長の 3 要因(労働・資本・技術)のうち労働が減る分を他で補うという考え方(kk-08 の労働問題とつながる)。
- エ 資料 1 はコスト・プッシュ・インフレで、賃金が物価以上に上がり続ければ賃金と物価の好循環に近づく 輸入物価(原材料・エネルギー)の上昇が原因なのでコスト・プッシュ型。実質賃金の変化率 ≒ 名目賃金の上昇率 − 物価上昇率なので、賃金が物価以上に上がり続ければ実質賃金がプラスになり、消費が増える好循環に近づく。資料 2 のとおり実質賃金はマイナスが続いた。
受験のしらべ / https://juken-shirabe.com/daigaku/social/kk-07/test/ / 問題は毎回の表示で数が変わります。印刷したものはその一例です。
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