労働と社会保障(労働法・年金・少子高齢化) ── 問題
基礎
- 時給 1000 円の労働者が、法定労働時間を超えて 4 時間の残業(深夜ではない)をした。労働基準法の割増率 25% で計算すると、この残業に対する賃金は何円ですか。
- 78 歳(一般の所得)の人が病院で治療を受け、医療費の総額が 10000 円だった。自己負担の割合が 1 割のとき、窓口で支払う額は何円ですか。
- 次の制度は、社会保障の 4 つの柱のどれにあたりますか。 生活保護(生活に困った人に最低限度の生活を全額税で保障) (ア 公衆衛生 イ 社会福祉 ウ 公的扶助 エ 社会保険)
- 日本で「国民皆保険・国民皆年金」が実現した年はどれですか。 (ア 1961 年 イ 1973 年 ウ 2000 年 エ 1947 年)
- ノーマライゼーションの意味はどれですか。 (ア 全員を同じ規格にそろえ、違いをなくしていくこと イ 障害者を専用の施設に集めて保護すること ウ 健康な人だけで社会をつくり、効率を高めること エ 障害のある人も地域で普通に暮らせる社会をめざすこと)
標準
- 月給 20 万円の会社員の厚生年金保険料率を 18.3% とする。本人が毎月負担する厚生年金保険料は何円ですか(労使で半分ずつ負担)。
- 賦課方式の年金で、高齢者 1 人に月 18 万円を支給するとき、現役世代 3 人で 1 人の高齢者を支えるとすると、現役 1 人あたりの月の負担は何万円ですか。
- ある国の国民所得が 400 兆円、税の負担が 100 兆円、社会保険料の負担が 88 兆円であった。国民負担率は何 % ですか。
- ある国の生産年齢人口(15〜64 歳)が 2000 万人、老年人口(65 歳以上)が 1000 万人である。高齢者 1 人を支える生産年齢人口は何人ですか。
- 労働法について、時間外労働に対する割増賃金の最低の割増率はどれですか。 (ア 25%(深夜 25% 加算、休日 35%、月 60 時間超は 50%) イ 10% ウ 100% エ 50%)
- 日本の雇用の変化と課題について、失業の 3 つの種類はどれですか。 (ア 自発的・強制的・季節的 イ 摩擦的失業(転職の途中)・構造的失業(産業構造の変化やミスマッチ)・景気的失業(不況) ウ 正規・非正規・無職 エ 都市・農村・海外)
- 社会保障と年金について、日本の国民負担率(税+社会保険料 ÷ 国民所得)と国際比較として正しいものはどれですか。 (ア 約 70% で世界最高の水準にあり、北欧諸国(約 45%)よりはるかに高い高福祉高負担 イ 約 20% で世界最低の水準にあり、アメリカ(約 35%)よりも低い低福祉低負担 ウ 約 45% で、北欧(60〜70%)より低くアメリカ(約 35%)より高い中福祉中負担 エ 約 100% で、国民所得のすべてが税と社会保険料として徴収されている)
- 「全世代型社会保障」がめざしていることはどれですか。 (ア 子育て・現役世代への支援も充実させ、全世代で支え合うこと イ 高齢者への給付をさらに増やし、その分を若者の負担で支えること ウ 若者だけに給付し、高齢者への給付をなくすこと エ 社会保障を廃止し、自助だけにゆだねること)
- ベーシックインカムとは何ですか。 (ア すべての人に無条件で一定額の現金を給付する構想 イ 高齢者だけに、保険料に応じて給付する年金 ウ 失業者だけに、求職活動を条件として給付する制度 エ 企業が従業員に支払うべき最低賃金の額)
- 生徒のアキさんとジュンさんの会話を読み、空欄に入る内容として最も適当なものを選びなさい。 アキ「1960 年には現役世代約 11 人で高齢者 1 人を支えていたのに、2025 年には約 2 人で 1 人なんだって。」 ジュン「日本の年金は( )だから、このままだと現役 1 人あたりの負担が重くなるね。2004 年に給付の伸びをおさえるマクロ経済スライドが入ったのもそのためだよ。」 (ア 物価や賃金に関係なく、給付額を一定にそろえた定額方式 イ 自分が払った保険料を積み立てて、将来に自分が受け取る積立方式 ウ その年の現役世代の保険料で、その年の高齢者の年金を払う賦課方式 エ 保険料を集めず、年金の全額を消費税でまかなう税方式)
発展
- 日本の年金制度を賦課方式から積立方式に切り替えることが難しい理由はどれですか。 (ア 国民の多くが積立方式のしくみを知らないから イ 積立方式は法律で禁止されており、導入できないから ウ 移行期の世代が「二重の負担」を負うことになるから エ 積立方式のほうが少子化の影響を受けやすいから)
- 「社会保障は経済の負担」という見方への反論として適切なものはどれですか。 (ア 医療・介護の雇用や、安心による消費など経済を支える面もある イ 社会保障が充実すれば、税や保険料は不要になる ウ 社会保障は経済と無関係で、どちらにも影響しない エ 社会保障は企業の利益だけを増やし、家計は関係ない)
- 次の資料は、日本の社会保障給付費(おおよその値)です。資料から読み取れることとして最も適当なものを選びなさい。 項目|値 給付費の総額(2024 年度)|約 140 兆円(GDP の約 22%) 内訳|年金 約 45%・医療 約 30%・福祉その他 約 25% 財源|保険料 約 6 割・税 約 4 割 1990 年の給付費の総額|約 47 兆円 (ア 給付費の総額は 1990 年から 5 倍以上に増え、財源の過半は税でまかなわれる イ 2024 年度の医療の給付は約 70 兆円で、年金の給付を上回っている ウ 2024 年度の年金の給付は約 63 兆円で、1990 年の給付費全体を上回る エ 給付費の総額は GDP の半分をこえ、すべて保険料でまかなわれている)
労働と社会保障(労働法・年金・少子高齢化) ── 解答
基礎
- 5000 割増賃金 = 1000 × 1.25 × 4 = 5000 円。深夜(22〜5 時)なら 1.5 倍、休日労働は 1.35 倍、月 60 時間超の残業は 1.5 倍。
- 1000 10000 × 1/10 = 1000 円。残りは医療保険が負担する。6〜69 歳は 3 割、70〜74 歳は 2 割、75 歳以上は原則 1 割(所得により 2〜3 割)。
- ウ 公的扶助 社会保険(保険料で備える 5 種)・公的扶助(生活保護・全額税)・社会福祉(支援が必要な人へのサービス)・公衆衛生(健康を守る)。答え:公的扶助。
- ア 1961 年 1973 年は「福祉元年」(老人医療費無料化など)、2000 年は介護保険の開始。
- エ 障害のある人も地域で普通に暮らせる社会をめざすこと バリアフリー・ユニバーサルデザイン・インクルージョンとあわせて理解する。
標準
- 18300 保険料 = 20 万 × 18.3% = 36600 円。労使半分ずつなので本人負担は 18300 円。会社も同額を負担する。
- 6 18 ÷ 3 = 6 万円。支える人数が 1960 年の 11 人から 2025 年の約 2 人、2060 年には 1.3 人に減るので、1 人あたりの負担が重くなる。
- 47 国民負担率 =(税 + 社会保険料)÷ 国民所得 × 100 =(100 + 88)÷ 400 × 100 = 47 %。日本は約 45%、北欧は 60〜70%、アメリカは約 35%。
- 2 2000 ÷ 1000 = 2 人。日本は 2025 年で約 2 人、2060 年には約 1.3 人になる見込み。
- ア 25%(深夜 25% 加算、休日 35%、月 60 時間超は 50%) 答え:25%(深夜 25% 加算、休日 35%、月 60 時間超は 50%)。
- イ 摩擦的失業(転職の途中)・構造的失業(産業構造の変化やミスマッチ)・景気的失業(不況) 答え:摩擦的失業(転職の途中)・構造的失業(産業構造の変化やミスマッチ)・景気的失業(不況)。数値は年で変わるので最新は厚生労働省で確認。
- ウ 約 45% で、北欧(60〜70%)より低くアメリカ(約 35%)より高い中福祉中負担 答え:約 45% で、北欧(60〜70%)より低くアメリカ(約 35%)より高い中福祉中負担。数値は年度で変わるので最新は厚生労働省・財務省で確認。
- ア 子育て・現役世代への支援も充実させ、全世代で支え合うこと 高齢者に偏っていた給付を見直し、能力に応じて全世代で支え合う。世代間の公平(シルバー民主主義の問題)への対応。財源として 2026 年からこども・子育て支援金が医療保険料に上乗せされる。
- ア すべての人に無条件で一定額の現金を給付する構想 既存の社会保障を簡素化できる一方、財源と労働意欲への影響が論点。AI による雇用の変化とあわせて議論される。給付付き税額控除という中間的な案もある。
- ウ その年の現役世代の保険料で、その年の高齢者の年金を払う賦課方式 賦課方式は世代間扶養のしくみで、インフレには強いが、少子高齢化で支える側が減ると負担が重くなる。積立方式は少子化の影響を受けにくいが、インフレや運用のリスクがある。基礎年金の半分は税(国庫負担)でまかなわれる。
発展
- ウ 移行期の世代が「二重の負担」を負うことになるから 二重の負担とは、今の高齢者の年金を支えながら自分の分も積み立てること。そのため日本は賦課方式を基本に、積立金の運用(GPIF)とマクロ経済スライドで調整している。
- ア 医療・介護の雇用や、安心による消費など経済を支える面もある 医療・介護は約 900 万人の雇用を生み、公的扶助は貧困による社会的コストを減らす。給付と負担のバランスをどう選ぶかは、効率と公正(kk-01・05)の問題として国民が決めること。
- ウ 2024 年度の年金の給付は約 63 兆円で、1990 年の給付費全体を上回る 年金は 140 × 0.45 ≒ 63 兆円で、1990 年の総額 47 兆円より大きい。医療は 140 × 0.3 ≒ 42 兆円。総額は 1990 年の約 3 倍で、GDP の 2 割あまり。財源は保険料が約 6 割、税が約 4 割。
受験のしらべ / https://juken-shirabe.com/daigaku/social/kk-08/test/ / 問題は毎回の表示で数が変わります。印刷したものはその一例です。
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