政治制度(議院内閣制・大統領制・半大統領制) ── 問題
基礎
- フランス(第五共和制)の政治制度の説明として妥当なものはどれですか。 (ア 議会は後継の首相を選出してからでないと現職の首相を不信任できず、大統領は儀礼的な元首にとどまる イ 国民の直接選挙で選ばれた大統領が首相を任命し、首相と内閣は下院に責任を負い、大統領は下院を解散できる ウ 議会が選んだ 7 人の合議体が行政を担当し、その中から 1 年交代で象徴的な元首が選ばれる エ 下院の多数党の党首が国王から首相に任命され、内閣は下院に連帯して責任を負い、野党第一党は影の内閣を組織する undefined 国民が選んだ選挙人が行政府の長を選び、行政府の長は議会を解散できず、議会も行政府の長を不信任できない)
- 議院内閣制と大統領制の比較に関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア 議院内閣制では内閣が議会の信任に基づいて成立するのに対し、大統領制では大統領と議会がそれぞれ別の選挙で選ばれ、任期中はお互いをやめさせることができない イ 議院内閣制では閣僚は議員を兼ねることができず官僚から選ばれるのに対し、大統領制では閣僚は議会の多数派の議員から選ばれる ウ 議院内閣制では立法と行政が厳格に分立して相互に干渉できないのに対し、大統領制では大統領が議会の多数派を率いて両者が融合している エ 議院内閣制では議会が内閣を不信任できず内閣は任期を全うするのに対し、大統領制では議会が大統領を不信任して辞職させることができる undefined 議院内閣制では首相を国民が直接選挙で選ぶのに対し、大統領制では議会の多数派が大統領を選出し、大統領は議会の信任に基づいて在任する)
- アメリカの大統領に関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア 大統領は国民の直接投票で選ばれ、選挙人という仕組みは存在しない イ 大統領は議会の不信任決議によって辞職を義務づけられる ウ 大統領は議会を解散する権限をもち、議会との対立が深まったときに行使する エ 大統領の任期は 4 年で、再選の回数に憲法上の制限はない undefined 大統領は議会に法案を提出することはできず、教書を送って立法を勧告する)
- 日本の議院内閣制に関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア 内閣総理大臣は衆議院議員の中から国民の直接投票で選ばれ、国務大臣は全員が国会議員でなければならない イ 参議院も内閣不信任決議を行うことができ、可決されれば内閣は総辞職しなければならない ウ 内閣総理大臣は国会議員の中から国会の議決で指名され、国務大臣の過半数は国会議員でなければならない エ 内閣総理大臣は国務大臣を任命できるが、罷免するには国会の同意が必要である undefined 衆議院が内閣不信任を決議した場合、内閣は 30 日以内に総辞職しなければならず、解散で応じることはできない)
標準
- 政治制度の用語について、「コアビタシオン」の説明として妥当なものはどれですか。 (ア 二大政党が選挙後に大連立を組み、野党が事実上存在しなくなる状態で、ドイツで生じた イ 大統領の政党と議会の多数派が異なるとき、大統領が議会を解散して自らの政党の多数を回復しようとする状態で、アメリカで生じた ウ 大統領と首相が同じ政党に属し、大統領が首相を通じて議会を完全に掌握する状態で、ロシアで生じた エ 首相が所属政党を離れ、無所属のまま複数の政党の支持で政権を維持する状態で、イタリアで生じた undefined 大統領の政党と下院の多数派が異なるとき、大統領が多数派から首相を任命し、大統領と首相が別の政党になる状態で、フランスで生じた)
- 次の分類・議論を示した学者は誰ですか。議院内閣制の国でも党首・首相への権力集中と個人への注目が強まる傾向を「政治の大統領制化」と呼んだ (ア アーモンドとヴァーバ イ ポグントケとウェブ ウ シュガートとケアリー エ バクラックとバラッツ undefined ラザースフェルドとベレルソン)
- アメリカの連邦議会に関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア 大統領の拒否権が行使された法案は、両院それぞれの出席議員の過半数で再可決すれば大統領の署名なしに成立する イ 下院は上院に優越し、予算・条約・法律のすべてについて両院の議決が異なれば下院の議決が最終的なものとなる ウ 上院は各州の人口に比例して議員が配分されて任期 2 年、下院は各州 2 名ずつの計 100 名で任期 6 年であり、上院が下院に優越する エ 条約の承認と高官・裁判官の任命への同意は下院の固有の権限であり、上院は予算関係の法案の先議権をもつにとどまる undefined 上院は各州 2 名の計 100 名で任期 6 年、下院は人口比で配分された 435 名で任期 2 年であり、両院はほぼ対等の権限をもつ)
- イギリスの政治制度に関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア 閣僚は議員との兼職が禁止されており、議員が閣僚に就任する場合は議席を失う イ 野党は政権を批判するにとどまり、政権交代に備えて閣僚候補を決めておく慣行は存在しない ウ 成文の憲法典をもたず、議会主権の原則のもとで裁判所が法律を違憲無効とする違憲審査制は伝統的にとられてこなかった エ 下院と上院はほぼ対等の権限をもち、上院は下院を通過した法案を最終的に否決して成立を阻止することができる undefined 首相は総選挙と同時に行われる国民の直接選挙で選ばれ、下院の各党の議席数とは関係なく国王から任命される)
- フランス第五共和制の政治制度に関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア 大統領の任期は 7 年であり、国民議会の任期と一致しないためコアビタシオンが頻繁に生じている イ 首相は国民議会の議員の中から国民議会の議決で選ばれ、大統領は首相の任命にも罷免にも関与することができない ウ 大統領は国民議会と元老院の合同会議によって選出され、儀礼的な元首として国政の実権をもたず、首相が行政の全権を握る エ 大統領は国民の直接選挙で選ばれ、首相を任命し国民議会を解散する権限をもつ一方、首相と内閣は国民議会に責任を負う undefined 国民議会は内閣を不信任することができず、内閣は大統領の任期中は安定して存続する)
- ドイツの政治制度に関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア 連邦議会は首相をいつでも単純多数で不信任でき、その後の首相の選出と任命は大統領の裁量に委ねられている イ 大統領は儀礼的な元首であり、行政の実権は連邦議会が選出する連邦首相にある。連邦議会は後継首相を選出してからでないと首相を不信任できない ウ 大統領は連邦議会に法案を提出できないが、教書によって立法を勧告し、可決された法案に対して拒否権を行使できる エ 大統領は国民の直接選挙で選ばれ、首相を任命して連邦議会を解散する強い権限をもつ半大統領制の国である undefined 連邦参議院は国民の直接選挙で選ばれた議員で構成され、すべての法律について連邦議会と対等の権限をもつ)
- 議院内閣制の運用に関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア 議院内閣制では、首相が議会を解散すると同時に自らも失職するため、解散は事実上行われない イ イスラエルが導入した首相公選制は、首相と議会多数派の一致をもたらして安定した政権運営を実現し、現在も続いている ウ 議院内閣制では、議会の多数派が交代しても首相は任期満了まで在任するため、政権は大統領制より安定する エ バジョットはイギリスの制度を立法権と行政権の融合と捉え、内閣は議会と行政をつなぐ留め金の役割を果たすと説明した undefined バジョットはイギリスの制度を立法権と行政権の厳格な分立と捉え、内閣は議会から独立して政策を決めると説明した)
発展
- 次の架空の国の制度は、どの型に分類されますか。E 国では、国民が直接選挙で首相を選ぶが、首相と内閣は議会の信任に依存し、議会は首相を不信任できる。元首は儀礼的な大統領で、議会が選出する。 (ア 民主集中制 イ 半大統領制 ウ 首相公選制 エ 大統領制 undefined 議会統治制(会議制))
- リンスの大統領制批判に関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア 大統領が議会を解散して自らに有利な多数派をつくれるため、議会が大統領に従属して権力分立が形骸化すると論じた イ 大統領制の問題は議会の選挙制度によって解決でき、比例代表制を導入すれば分割政府は生じず対立も解消されると論じた ウ 大統領制では大統領選挙と議会選挙が同時に行われて多数派と大統領の政党が常に一致するため、野党の役割が失われると論じた エ 大統領と議会がともに国民に選ばれることによる二重の正統性と、任期が固定されている硬直性が、対立を解決しにくくして民主主義を不安定にすると論じた undefined 大統領制は任期が固定されているため議院内閣制よりも政権が安定しやすく、新興民主主義国はまず大統領制を採用すべきだと論じた)
- レイプハルトの民主主義の類型に関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア 小選挙区制・二大政党制・一党単独内閣などで多数派に権力を集中させる多数決型と、比例代表制・多党制・連立政権などで権力を分かち合うコンセンサス型に分けた イ 大統領の立法権限と内閣に対する権限の強さによって大統領制を純粋型と首相・大統領型に分け、後者が安定しやすいとした ウ 公的異議申立て(自由化)と包括性(参加)の 2 つの軸で政治体制を分類し、両方が高い水準にある現実の体制をポリアーキーと呼んだ エ 議会を、提出された法案を委員会で実質的に修正・作成する変換型と、与野党が次の選挙に向けて論戦を行う場となるアリーナ型に分けた undefined 政党の数と政党間のイデオロギー距離によって政党制を 7 つに分類し、反体制政党を含む分極的多党制の危険を指摘した)
- 二院制の第二院(上院)に関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア イギリスの貴族院は国民の直接選挙で選ばれた議員で構成され、下院と対等の立法権限をもち、下院を通過した法案を最終的に否決することができる イ アメリカの上院やドイツの連邦参議院は連邦を構成する州を代表する型、イギリスの貴族院は身分を代表する型、日本の参議院は第一院と同じ国民代表だが選び方や任期を変えて再考の機会をつくる型と整理できる ウ アメリカの上院は各州の人口に比例して議席が配分されており、人口の多い州ほど連邦政治への発言力が大きく、少数の大州が上院を主導する仕組みになっている エ ドイツの連邦参議院は国民の直接選挙で選ばれた議員で構成され、州政府は議員の選出にも議決にも関与せず、連邦議会と対等の権限をもつ undefined 日本の参議院は都道府県知事の推薦した候補から間接的に選ばれ、地方公共団体の利益を代表する機関として衆議院と対等の権限をもつと位置づけられている)
政治制度(議院内閣制・大統領制・半大統領制) ── 解答
基礎
- イ 国民の直接選挙で選ばれた大統領が首相を任命し、首相と内閣は下院に責任を負い、大統領は下院を解散できる 国民の直接選挙で選ばれた大統領が首相を任命し、首相と内閣は下院に責任を負い、大統領は下院を解散できる。「行政府の長を誰が選ぶか」「議会と行政府はお互いをやめさせられるか」の 2 問で型を見分ける。
- ア 議院内閣制では内閣が議会の信任に基づいて成立するのに対し、大統領制では大統領と議会がそれぞれ別の選挙で選ばれ、任期中はお互いをやめさせることができない 議院内閣制は立法と行政の融合、大統領制は厳格な分立。首相は議会が選び、大統領は国民が選ぶ。議員兼職は議院内閣制で通常、大統領制(アメリカ)では禁止。
- undefined 大統領は議会に法案を提出することはできず、教書を送って立法を勧告する 法案提出権はなく教書で勧告する。解散権はなく、議会も不信任できない(弾劾は別)。任期 4 年で 3 選禁止(修正 22 条)。国民が選んだ選挙人による間接選挙。
- ウ 内閣総理大臣は国会議員の中から国会の議決で指名され、国務大臣の過半数は国会議員でなければならない 憲法 67 条(国会議員の中から国会が指名)、68 条(過半数が国会議員・任意に罷免)、69 条(衆議院の不信任に対し 10 日以内に解散か総辞職)。参議院の問責決議に法的効果はない。
標準
- undefined 大統領の政党と下院の多数派が異なるとき、大統領が多数派から首相を任命し、大統領と首相が別の政党になる状態で、フランスで生じた 大統領の政党と下院の多数派が異なるとき、大統領が多数派から首相を任命し、大統領と首相が別の政党になる状態で、フランスで生じた。用語と国を 1 対 1 で結ぶ:建設的不信任=ドイツ、コアビタシオン=フランス、影の内閣=イギリス、教書・拒否権・分割政府=アメリカ。
- イ ポグントケとウェブ 議院内閣制の国でも党首・首相への権力集中と個人への注目が強まる傾向を「政治の大統領制化」と呼んだのはポグントケとウェブ。類型は「誰の分類か」をセットで覚える。
- undefined 上院は各州 2 名の計 100 名で任期 6 年、下院は人口比で配分された 435 名で任期 2 年であり、両院はほぼ対等の権限をもつ 上院 100 名(各州 2 名・任期 6 年・2 年ごとに 3 分の 1 改選)、下院 435 名(人口比・任期 2 年)。条約承認・人事同意は上院の権限。拒否権の乗り越えには両院それぞれ 3 分の 2 以上が必要。
- ウ 成文の憲法典をもたず、議会主権の原則のもとで裁判所が法律を違憲無効とする違憲審査制は伝統的にとられてこなかった 不文憲法・議会主権が特徴。下院優越で、上院は法案を遅らせることはできても最終的に阻止できない。首相は下院多数党党首。閣僚は議員から選ばれる。野党第一党は影の内閣を組織する。
- エ 大統領は国民の直接選挙で選ばれ、首相を任命し国民議会を解散する権限をもつ一方、首相と内閣は国民議会に責任を負う 半大統領制の定義そのもの。大統領任期は 2000 年の改正で 7 年から 5 年に短縮され、国民議会の任期とそろったためコアビタシオンは起きにくくなった。国民議会は内閣を不信任できる。
- イ 大統領は儀礼的な元首であり、行政の実権は連邦議会が選出する連邦首相にある。連邦議会は後継首相を選出してからでないと首相を不信任できない ドイツは議院内閣制。建設的不信任(後継首相の選出を要件とする不信任)が特徴。連邦参議院は州政府の代表で構成される。教書・拒否権はアメリカ大統領の権限。
- エ バジョットはイギリスの制度を立法権と行政権の融合と捉え、内閣は議会と行政をつなぐ留め金の役割を果たすと説明した バジョット『イギリス憲政論』。議院内閣制は多数派の交代で政権が代わりうる。首相公選制はイスラエルで 1990 年代に導入されたが、首相の政党と議会多数派のねじれが起きやすく数年で廃止された。
発展
- ウ 首相公選制 首相公選制。「行政府の長を誰が選ぶか」「お互いをやめさせられるか」で判定する。大統領がいても実権が首相にあれば議院内閣制。
- エ 大統領と議会がともに国民に選ばれることによる二重の正統性と、任期が固定されている硬直性が、対立を解決しにくくして民主主義を不安定にすると論じた リンス「大統領制の危険」。二重の正統性・硬直性・勝者総取りの性格を指摘。これに対し、大統領の権限や政党制によって危うさは変わるという反論(シュガートとケアリーなど)がある。
- ア 小選挙区制・二大政党制・一党単独内閣などで多数派に権力を集中させる多数決型と、比例代表制・多党制・連立政権などで権力を分かち合うコンセンサス型に分けた レイプハルト『民主主義対民主主義』。多数決型(ウェストミンスター型)の典型はイギリス、コンセンサス型の典型はスイス・ベルギー。変換型/アリーナ型はポルスビー、ポリアーキーはダール、政党制の 7 分類はサルトーリ。
- イ アメリカの上院やドイツの連邦参議院は連邦を構成する州を代表する型、イギリスの貴族院は身分を代表する型、日本の参議院は第一院と同じ国民代表だが選び方や任期を変えて再考の機会をつくる型と整理できる 第二院の 3 つの型。アメリカ上院は各州 2 名で人口に関係なく平等。イギリス貴族院は非公選で下院に劣後。連邦参議院は州政府の代表。日本の参議院は国民の直接選挙による国民代表。
受験のしらべ / https://juken-shirabe.com/koumuin/seiji/zp-03/test/ / 問題は毎回の表示で数が変わります。印刷したものはその一例です。
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