古文読解の型(主語の判定・省略・敬語からの人物関係・和歌の解釈) ── 問題
基礎
- 次の文(自作)の傍線部の動作の主語は誰ですか。 「人々、花を見て、歌を詠み、酒を飲みて遊ぶ。」(傍線部:遊ぶ) (ア 人々 イ 作者(語り手) ウ 読者 エ 作者)
- 次の接続助詞のあとで、主語は「続く」「変わりやすい」のどちらですか。「〜に」 (ア 主語は続く(同じ人の動作) イ 主語が変わりやすい ウ 主語は必ず天皇になる エ 主語は必ず作者になる)
- 「中将、姫君に文を奉り給ひて、返り事を待ち給ふに、姫君、恥づかしがりて書き給はず。」の「書き給はず」の主語はどれですか。 (ア 乳母 イ 姫君 ウ 中将 エ 作者)
- 会話文の中で相手に「給ふ」を使い、自分の動作に「申す」「侍り」を使っている話し手の立場はどれですか。 (ア 相手より目上 イ 作者自身 ウ 相手と対等 エ 相手より目下)
標準
- 次の文(自作)の会話文「 」の話し手は誰ですか。 「乳母、『姫君はまだ幼くおはします』と中将に申す。」 (ア 乳母 イ 作者(語り手) ウ 読者への呼びかけ エ 中将)
- 次の文(自作)「乳母、姫君に『はや書き給へ』と申しければ、姫君、書き給ひぬ。」の現代語訳として正しいものはどれですか。選択肢は主語・助動詞・単語のどれかがすり替えられています。 (ア 乳母が姫君に「早くお書きなさい」と申し上げたけれども、姫君はお書きにならなかった イ 姫君が乳母に「早く書け」と申し上げたので、乳母は書いた ウ 乳母が姫君に「早くお書きなさい」と申し上げたので、姫君はお書きになるだろう エ 乳母が姫君に「早くお書きなさい」と申し上げたので、姫君はお書きになった)
- 古文読解の手順と考え方について、「を」「に」「ば」「ど」のあとの主語について正しいものはどれですか。 (ア 別の人の反応になって主語が変わりやすい(敬語でも確認する) イ 主語は作者(語り手)になるので、「ば」のあとは作者の感想として読む ウ 必ず同じ主語が続くので、「ば」のあとも前の人物の動作として読む エ 主語が消えて動作だけが続くので、誰の動作かは考えなくてよい)
- 選択肢「中将は姫君に手紙を差し上げたが、返事がなかったので、ひどく悲しんで泣いた」に対し、本文(自作)が「中将、文を奉り給へど、返り事なければ、いとほしと思して、また文を書き給ふ。」だった場合、選択肢のどこが誤りですか。 (ア 「中将」(本文で手紙を送ったのは姫君) イ 「差し上げた」(本文では手紙を受け取った) ウ 「悲しんで泣いた」(本文は「また文を書き給ふ」) エ 「返事がなかった」(本文では姫君から返事があった))
- 本文(自作)「女、『今は来じ』と思ひしに、男、来たり。」の場面で女の心情として最も自然なものはどれですか。 (ア 男にもう来るなと命じていたので、怒った イ 来ないと思っていた男が来たので、意外に思った ウ 男が来ると確信していたので、落ち着いて迎えた エ 男がやはり来なかったので、悲しんだ)
- 次の文章(この問題のために書いた古文ふうの文章)を読んで答えなさい。「昔、大和の国に、琴をいとよく弾く女ありけり。都より下りたる男、その音を聞きて、いかでこの人に会はむと思ひて、文をやりけれど、女、返り事もせず。男、なほ思ひ絶えずして、月のおもしろき夜、垣のもとに立ちて笛を吹きければ、女、琴をかき鳴らしてこれに合はせけり。男うれしく思ひて、『月影に合はせし音こそ忘られね』と書きておこせたりければ、女、『音にのみ聞きて止みなむ』とばかり書きて返しけり。」 「返り事もせず」と「おこせたりければ」の主語の組み合わせとして正しいものはどれですか。 (ア 「返り事もせず」は女、「おこせたりければ」は男 イ 「返り事もせず」は男、「おこせたりければ」は女 ウ 「返り事もせず」も「おこせたりければ」も女 エ 「返り事もせず」も「おこせたりければ」も男)
- 次の文章(この問題のために書いた古文ふうの文章)を読んで答えなさい。「昔、大和の国に、琴をいとよく弾く女ありけり。都より下りたる男、その音を聞きて、いかでこの人に会はむと思ひて、文をやりけれど、女、返り事もせず。男、なほ思ひ絶えずして、月のおもしろき夜、垣のもとに立ちて笛を吹きければ、女、琴をかき鳴らしてこれに合はせけり。男うれしく思ひて、『月影に合はせし音こそ忘られね』と書きておこせたりければ、女、『音にのみ聞きて止みなむ』とばかり書きて返しけり。」 「いかでこの人に会はむと思ひて」の現代語訳として最も適当なものはどれですか。 (ア どのようにしてこの人に会ったのかと思って イ どうしてこの人に会おうか、いや会うまいと思って ウ なんとかしてこの人に会いたいと思って エ この人にきっと会えるだろうと思って)
- 次は『徒然草』第百九段の一節です。「高名の木登りといひし男、人をおきてて、高き木に登せて梢を切らせしに、いと危ふく見えしほどは言ふこともなくて、降るる時に、軒長ばかりになりて、『あやまちすな。心して降りよ』と言葉をかけ侍りしを、」この中の「言ふこともなくて」と「降るる時に」の主語の組み合わせとして正しいものはどれですか。 (ア 「言ふ」も「降るる」も木登りの名人 イ 「言ふ」は筆者、「降るる」は木に登った人 ウ 「言ふ」は木登りの名人、「降るる」は木に登った人 エ 「言ふ」は木に登った人、「降るる」は木登りの名人)
発展
- 「宮、『いかで参らせ給はぬ』とのたまはすれば、大臣、『所労にて』と啓し給ふ。」(自作)の人物関係として正しいものはどれですか。 (ア 大臣が天皇で、宮はその家臣にあたる イ 宮と大臣は対等で、互いに同じ敬語を使う ウ 宮は皇族で、大臣は敬われつつも宮より下の立場 エ 宮のほうが大臣より身分が低く、大臣に敬語を使う)
- 共通テストの古文で「文章と、それについての生徒の話し合い(鑑賞文)」が組み合わされた問題を解くときの注意点はどれですか。 (ア 話し合いは無視して、本文だけを読んで答える イ 空欄前後の主張から問いを決め、本文の根拠と照合する ウ 話し合いの発言はすべて正しいので、そのまま答えにする エ 本文は読まずに、話し合いの発言だけを根拠に解く)
- 次の文章(この問題のために書いた古文ふうの文章)を読んで答えなさい。「昔、大和の国に、琴をいとよく弾く女ありけり。都より下りたる男、その音を聞きて、いかでこの人に会はむと思ひて、文をやりけれど、女、返り事もせず。男、なほ思ひ絶えずして、月のおもしろき夜、垣のもとに立ちて笛を吹きければ、女、琴をかき鳴らしてこれに合はせけり。男うれしく思ひて、『月影に合はせし音こそ忘られね』と書きておこせたりければ、女、『音にのみ聞きて止みなむ』とばかり書きて返しけり。」 男が書いた「月影に合はせし音こそ忘られね」の解釈として最も適当なものはどれですか。 (ア 月の光の下で、あなたと合わせた笛の音を早く忘れてしまいたい イ 月の光の下で、あなたの琴の音に合わせなかったことが悔やまれる ウ 月の光の下で、あなたが合わせてくれた琴の音が忘れられない エ 月の光の下で合わせた音は、すぐに忘れられてしまうだろう)
- 次の文章(この問題のために書いた古文ふうの文章)を読んで答えなさい。「昔、大和の国に、琴をいとよく弾く女ありけり。都より下りたる男、その音を聞きて、いかでこの人に会はむと思ひて、文をやりけれど、女、返り事もせず。男、なほ思ひ絶えずして、月のおもしろき夜、垣のもとに立ちて笛を吹きければ、女、琴をかき鳴らしてこれに合はせけり。男うれしく思ひて、『月影に合はせし音こそ忘られね』と書きておこせたりければ、女、『音にのみ聞きて止みなむ』とばかり書きて返しけり。」 女が返した「音にのみ聞きて止みなむ」の意図として最も適当なものはどれですか。 (ア 琴を弾くのはもう止めにしようと、自分の気持ちを語っている イ 笛の音がもう聞こえなくなったので、男の身を案じている ウ うわさや音に聞くだけで、会わずに終わりにしようと断っている エ 音を聞いて心を動かされたので、近いうちに会おうと誘っている)
- 次の文章(この問題のために書いた古文ふうの文章)を読んで答えなさい。「昔、大和の国に、琴をいとよく弾く女ありけり。都より下りたる男、その音を聞きて、いかでこの人に会はむと思ひて、文をやりけれど、女、返り事もせず。男、なほ思ひ絶えずして、月のおもしろき夜、垣のもとに立ちて笛を吹きければ、女、琴をかき鳴らしてこれに合はせけり。男うれしく思ひて、『月影に合はせし音こそ忘られね』と書きておこせたりければ、女、『音にのみ聞きて止みなむ』とばかり書きて返しけり。」 この文章について生徒が話し合っています。空欄に入る発言として最も適当なものはどれですか。 生徒 A:女は手紙には返事をしなかったのに、笛には琴で合わせているね。 生徒 B:音楽のやりとりでは、男の思いに応えたように見えるよ。 生徒 C:でも最後の女の返事を読むと、( )と考えられるね。 (ア 女は初めから男に会いたくて、手紙の返事を待っていた イ 女は琴が下手だと思われたくなくて、男を避けていた ウ 女は笛の音を聞くまで、男がだれなのか知らなかった エ 女は音楽では応じても、男と会うつもりまではなかった)
- 次は『徒然草』第百九段の一節です。「高名の木登りといひし男、人をおきてて、高き木に登せて梢を切らせしに、いと危ふく見えしほどは言ふこともなくて、降るる時に、軒長ばかりになりて、『あやまちすな。心して降りよ』と言葉をかけ侍りしを、」このあと名人は、わけを尋ねた筆者に「危ない所では本人が用心しているので何も言わない。失敗は、易しい所になってから起こすものだ」という意味のことを答えます。名人が軒の高さまで降りてきたときに声をかけた理由として最も適当なものはどれですか。 (ア 降りる途中で、弟子の腕前がどれほどか試したかったから イ 低い所まで来れば、自分の声がやっと相手の耳に届くから ウ 高い所で声をかけると、驚いて足をすべらせてしまうから エ 危険が減って気がゆるんだときに、失敗が起こりやすいから)
古文読解の型(主語の判定・省略・敬語からの人物関係・和歌の解釈) ── 解答
基礎
- ア 人々 手がかり:「て」「、」で続く。「て・で・つつ」は主語が続く、「を・に・ば・ど」は主語が変わりやすい。尊敬語の主語は貴人、謙譲語の主語は目下。答え:人々。
- イ 主語が変わりやすい 「て・で・つつ」は同じ主語の動作が続く。「を・に・ば・ど・ども・が」の後は別の人の反応になりやすい(絶対ではないので敬語でも確認)。答え:主語が変わりやすい。
- イ 姫君 「て」までは中将、「に」で主語が転換し、直前に「姫君、」とある。「恥づかしがりて」の「て」で姫君が続く。
- エ 相手より目下 尊敬語を相手に、謙譲語・丁寧語を自分に使っているので目下。逆に、敬語を使わず命令形で話していれば目上。
標準
- ア 乳母 会話の終わりは「〜」と+(言ふ・申す・のたまふ・思ふ)。話し手は「と」の下の動詞の主語。会話の中の敬語は話し手から。「申す」の主語。会話の中で姫君に「おはします」(尊敬)、中将に「申す」(謙譲)→ 乳母は両者より下。答え:乳母。
- エ 乳母が姫君に「早くお書きなさい」と申し上げたので、姫君はお書きになった 選択肢は主語(誰が)・敬語(誰に)・助動詞(ず・じ・ぬ・む・まし・ば の仮定と確定)・単語(うつくし・あさまし・ありがたし)の 4 点で照合し、1 つでも違えば×。答え:乳母が姫君に「早くお書きなさい」と申し上げたので、姫君はお書きになった。
- ア 別の人の反応になって主語が変わりやすい(敬語でも確認する) 答え:別の人の反応になって主語が変わりやすい(敬語でも確認する)。
- ウ 「悲しんで泣いた」(本文は「また文を書き給ふ」) 本文は「いとほしと思して、また文を書き給ふ」= 気の毒だと思って再び手紙を書いた。本文にない心情や行動を足すのは典型的なひっかけ。「いとほし」は「気の毒だ」(jg-01)。
- イ 来ないと思っていた男が来たので、意外に思った 「来じ」(打消推量)と「に」(逆接的な転換)から、予想と反する展開を読み取る(驚き・うれしさ)。
- ア 「返り事もせず」は女、「おこせたりければ」は男 直前に「女、」とあるので「返り事もせず」は女。「男うれしく思ひて、…と書きておこせたり」は主語の男が続いている(「て」でつながると主語は変わりにくい)。女が「とばかり書きて返しけり」と返事をしていることとも合う。
- ウ なんとかしてこの人に会いたいと思って 「いかで〜む」で、男が手紙を送り続けていることから、願望・意志の「なんとかして〜したい」。反語なら手紙を送る行動と逆になってしまう。
- ウ 「言ふ」は木登りの名人、「降るる」は木に登った人 名人は人に指図して(おきてて)木に登らせ、梢を切らせている(「登せ」「切らせ」の使役)。危ない間に何も言わなかったのは名人、木から降りるのは登らされた人。使役の形では、指図する人と動作をする人が分かれる。出典:兼好法師『徒然草』(鎌倉時代末。著作権の保護期間外の古典)第百九段。
発展
- ウ 宮は皇族で、大臣は敬われつつも宮より下の立場 「のたまはす」は最高敬語、「啓す」は中宮・東宮に申し上げる絶対敬語なので、宮は中宮・東宮などの皇族。大臣も「給ふ」で敬意を受けている。最高敬語と絶対敬語から身分の上下を判定する。「参らせ給はぬ」は「参る」+使役・尊敬「す」+「給ふ」+打消「ず」の連体形(「どうして参上なさらないのか」)。
- イ 空欄前後の主張から問いを決め、本文の根拠と照合する 話し合いの発言も、本文の根拠がなければ正しいとは限らない。複数資料型は「資料どうしの対応関係」を問う。jn-04(現代文の複数資料)と同じ考え方。
- ウ 月の光の下で、あなたが合わせてくれた琴の音が忘れられない 「こそ〜ね」は係り結びで、「ね」は打消「ず」の已然形。「忘られね」は「忘れることができない」。「し」は過去「き」の連体形で、あの夜に笛と琴を合わせたことを指す。
- ウ うわさや音に聞くだけで、会わずに終わりにしようと断っている 「音に聞く」は「うわさに聞く」で、ここでは琴と笛の音も重なる。「止みなむ」は強意の「ぬ」+意志の「む」で「終わりにしてしまおう」。それだけを書いて返しており、会うことは断っている。
- エ 女は音楽では応じても、男と会うつもりまではなかった 女は琴で笛に合わせたが、最後は「音にのみ聞きて止みなむ」(うわさに聞くだけで終わりにしよう)と返している。生徒 B の「応えたように見える」を「でも」で受けるので、応じた面と断った面の両方をふまえた発言が入る。
- エ 危険が減って気がゆるんだときに、失敗が起こりやすいから 名人の答えの要点は「あやまちは、やすき所になりて」起こすということ。危ない所では本人が気をつけるので言わず、気がゆるむ低い所で注意した。筆者はこの言葉を、身分は低いが聖人の戒めにかなうと評している。出典:兼好法師『徒然草』(鎌倉時代末。著作権の保護期間外の古典)第百九段。
受験のしらべ / https://juken-shirabe.com/daigaku/japanese/jg-08/test/ / 問題は毎回の表示で数が変わります。印刷したものはその一例です。
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