高1 / 古文 / jg-08

更新 2026-09-13

古文読解の型(主語の判定・省略・敬語からの人物関係・和歌の解釈)

この単元でできるようになること

入試での位置づけ

古文の失点の大半は「誰が誰に何をしたか」の取り違え。単語・文法を知っていても主語の判定ができないと選択肢が絞れません。この単元は jg-01〜07 の知識を読解の手順に組み立てる仕上げで、共通テストの本文(900〜1,200 字)を15 分で読む型を作ります。


1. 読む前に ── リード文・注・設問を先に見る

まずここだけ

  1. リード文(前書き)登場人物・人間関係・場面・直前の出来事が書いてある。人物名に印をつけ、身分の上下(帝 > 大臣 > 中将 > 女房)を確認
  2. :人物の呼び名(「宮」= 誰、「殿」= 誰)・地名・官職・和歌の説明。注番号の位置で難所の見当がつく
  3. 設問:傍線部の場所と問われ方(解釈・主体・心情・和歌・理由)を確認 → 読みながら該当箇所で立ち止まる
  4. 出典:ジャンル(物語/日記/説話/随筆)で読み方を変える(物語 = 人物関係、日記 = 作者の心情、説話 = 教訓)

2. 主語の判定 ── 5 つの手がかり

まずここだけ

手がかり内容
敬語尊敬語の動作主は身分の高い人、敬語なしは身分の低い人・作者、最高敬語(せ給ふ・おはします)は天皇・皇族。謙譲語の受け手は高い人「参り給ふ」→ 主語は貴人、相手はさらに上
接続助詞て・で・つつ」= 主語は変わらない(同じ人の動作が続く)。「を・に・ば・ど・ども・が」= 主語が変わりやすい(別の人の反応)「男、文を書き送る、女、返事せず」→ 書く・送る = 男、返事せず = 女
心情語・知覚語「思ふ・うれし・悲し・見る・聞く」は視点人物(多くは主人公・作者)「あはれと思ふ」→ 視点人物
会話文「〜」言ふ/とてなどの直前が会話の終わり。話し手は会話の中の敬語で決まる(相手に「給ふ」を使えば相手が上)「『いかで参らむ』申せば」→ 申す(謙譲)の主語は下位の人
文脈・常識場面(通い婚なら男が通う、女は家で待つ)、動作の自然さ(「垣間見る」のは男、「几帳の内にゐる」のは女)、指示語(この・かの・さ)が指すもの

主語の変わり目のサイン:「〜」「〜」「〜」の直後に敬語の有無が変わるなら別人。同じ敬語のレベルが続くなら同じ人。 省略された主語を補う練習:文ごとに「(誰が)」を鉛筆で書きこむ。


3. 会話文・心内文の切り出し

まずここだけ


4. 選択肢の切り方 ── 4 点照合

まずここだけ

解釈・内容一致の選択肢は、次の 4 点を本文と照合して1 つでも違えば×

  1. 主語(誰が):本文の主語判定と一致するか
  2. 敬語・人物関係(誰に):「〜申し上げた」の相手が合うか
  3. 助動詞・助詞:打消(ず)・完了(ぬ)・推量(む・べし)・反実仮想(まし)・可能・受身・使役・願望(ばや・なむ)・仮定と確定(ば)が訳に反映されているか。選択肢の語尾(〜ない/〜てしまった/〜だろう/〜たい)に注目
  4. 単語:古文単語の意味(うつくし = かわいい、あさまし = 驚きあきれる)が現代語の意味にすり替えられていないか

ひっかけの型:①主語のすり替え ②肯定と否定の入れかえ ③現代語の意味で訳す ④本文にない因果や心情を足す(「〜だから」「〜と後悔して」)⑤程度の誇張(「必ず」「まったく」)⑥時制(〜した/〜しよう)。 心情問題:心情語(うれし・つらし・あはれ・恥づかし)と直前の出来事をセットにする。「なぜ」は直前のば・ければ(〜ので)を探す。


5. 和歌の設問の解き方

ここまでできれば十分

  1. 誰が誰に詠んだか(贈歌・返歌・独詠)を本文から決める
  2. 掛詞・縁語・序詞を探す(jg-06)。ひらがなの語に印
  3. 句切れと助動詞で心情(けり = 詠嘆、らむ = 原因推量、まし = 反実仮想、ばや = 願望)
  4. 本文の場面と対応する語(歌の「松」が本文の「待つ女」など)を結ぶ
  5. 返歌は贈歌の語を受けて受け入れ/拒絶/切り返しのどれかを決める
  6. 選択肢は「掛詞の両方の意味」「詠み手の立場」が反映されているものを選ぶ

6. 共通テスト古文の手順(15 分)

まずここだけ

手順時間内容
① リード文・注・出典・設問2 分人物と身分に印、場面を把握
② 本文を主語を補いながら通読5 分「て」は続く、「を・に・ば」で変わる。会話の範囲に括弧。心情語に印
③ 語句の解釈(設問 1)2 分単語+文法(助動詞の訳)で選ぶ。現代語の意味は疑う
④ 内容・心情・理由(設問 2〜3)4 分傍線部の前後 2〜3 行を 4 点照合
⑤ 和歌・全体(設問 4〜5)2 分掛詞と詠み手、本文の場面と対応。複数資料(文章+鑑賞文)は資料の主張を先に読む

時間切れ対策:設問 1(語句)は本文を全部読まなくても解ける → 先に。内容一致は選択肢の主語だけで消せることが多い。


7. 練習 ── 主語判定(自作の短文)

ここまでできれば十分

例文(自作):「中将、姫君の御もとに文を奉り給ひて、返り事を待ち給ふに、姫君、恥づかしがりて書き給はず。乳母、『はや書き給へ』と申せば、いささか書きて奉る。」

  • 「奉り給ひて」:謙譲(奉る → 姫君へ)+尊敬(給ふ → 中将へ)→ 主語は中将
  • 「て」→ 「待ち給ふ」も中将
  • 「に」で主語転換 → 「恥づかしがりて書き給はず」は姫君(尊敬あり)
  • 「『はや書き給へ』と申せば」:会話の中の「給へ」は乳母から姫君への尊敬、「申す」は乳母の謙譲 → 話し手は乳母(目下)
  • 「ば」で転換 → 「書きて奉る」は姫君(乳母に言われて書き、中将に差し上げる。ここでは姫君に敬語がないのは省略的な表現) → 選択肢「中将が恥ずかしがって返事を書かなかった」は主語のすり替えで×

8. よくある間違い


9. 自己チェック

  1. 主語判定の 5 つの手がかりを言えるか
  2. 「て」は続く/「を・に・ば・ど」は変わる、の法則を例文で使えるか
  3. 会話文の終わりのサインと、話し手の決め方を言えるか
  4. 選択肢の 4 点照合とひっかけの型 6 つを言えるか
  5. 和歌の設問の 6 手順を言えるか
  6. 共通テスト古文の 15 分の手順を言えるか

10. 小テストへ

→ 小テスト(jg-08

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参考資料

このページの小テスト ── 間違えても、同じ型の別の問題でやり直せます。レベルを選んでそのまま始められます。
基礎から標準から発展から

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