返り点・書き下し文・再読文字・置き字 ── 問題
基礎
- 次の再読文字の読みと意味はどれですか。「未」 (ア なほ〜(ごと)し(ちょうど〜のようだ) イ いまだ〜ず(まだ〜ない) ウ まさに〜べし(きっと〜だろう) エ まさに〜べし(当然〜すべきだ))
- 次の漢字は、書き下し文でどう扱いますか。「孔子(人名)」 (ア ひらがな「と」にする(助詞) イ ひらがな「のみ」にする(助詞) ウ 漢字のまま エ ひらがな「ず」にする(助動詞))
- 「学びて時に之を習ふ、亦説ばしからずや」(論語)のもとの漢文「学而時習之、不亦説乎」で、書き下し文に書かれていない字はどれですか。 (ア 之 イ 而(置き字) ウ 不 エ 乎)
- 再読文字の「未」を含む「未知生、焉知死」(論語)の書き下し文はどれですか。 (ア いまだ生知らず、いずくんぞ死知る イ 未だ生を知らず、焉くんぞ死を知らん ウ 未知の生、焉の死を知る エ 生を未だ知る、死を焉くにか知る)
標準
- 次の白文(返り点なし)の正しい書き下し文はどれですか。語順のルール(主語+動詞+目的語、否定詞・助動詞は動詞の前、前置詞句は返る)から考えてください。「未知生」 (ア 未知の生 イ 未だ生を知る ウ 生を未だ知る エ 未だ生を知らず)
- 返り点「一レ点」の読み方として正しいものはどれですか。 (ア 2 字の熟語を 1 語として扱い、まとめて返る イ すぐ下の 1 字を先に読んで、上の字に返る ウ まずレ点として 1 字返って読み、その字を一点として二点の字に返る エ 一点の字を読んだあと二点の字に返る。間に何字あっても(2 字以上離れて返るときに使う))
- 置き字と語順について、「治於人」の「於」の用法と訳はどれですか。 (ア 起点:「人より治む」(人から始めて治める) イ 場所:「人に治む」(人のいる所で治める) ウ 比較:「人より治む」(人よりもよく治める) エ 受身:「人に治めらる」(人に治められる))
- 「有朋自遠方来」を「朋の遠方より来たる有り」と読むための返り点はどれですか。 (ア 有(下)朋 自(二)遠方(一)来(上) イ 返り点は不要(上から順に読む) ウ 有(レ)朋 自(レ)遠方 来 エ 有(一)朋 自(二)遠方(三)来)
- 「当」と「応」はどちらも「まさに〜べし」と読みますが、意味の違いはどれですか。 (ア 「当」は過去、「応」は未来 イ 「当」は当然・義務、「応」は推量 ウ 違いはなく、どちらも当然・義務 エ 「当」は推量、「応」は当然・義務)
- 『論語』の一節「過猶不及」の書き下し文として正しいものはどれですか(「猶」は再読文字です)。 (ア 過ぎたるは及ばざるを猶ぶ イ 過ぎたるは猶ほ及ばざるがごとし ウ 過ぎたるは猶ほ及ばず エ 猶ほ過ぎたるは及ばざるがごとし)
- 『論語』の「温故而知新」を「故きを温めて新しきを知る」と読むための返り点として正しいものはどれですか。 (ア 温 故(レ)而 知 新(レ) イ 温(二)故 而 知(一)新 ウ 温(レ)故 而 知(レ)新 エ 温(一)故 而 知(二)新)
- 『論語』の「温故而知新、可以為師矣」の書き下し文として正しいものはどれですか。 (ア 故きを温めて而して新しきを知る、以て師と為るべし矣 イ 温故にして新を知れば、以て師為るべきか ウ 故きを温めて新しきを知れば、以て師と為るべし エ 故きを温めて新しきを知り、師を以て為すべし)
- 『論語』の「人不知而不慍、不亦君子乎」の意味として最も適当なものはどれですか。 (ア 人が自分のことを知らないので怒らないのは、君子ではないのだろうか イ 人が知らないうちに怒らないようになれば、やがて君子になれるだろう ウ 自分が人を知らなくても怒らないのは、また君子らしくないことではないか エ 人に認められなくても不満に思わない、なんと君子らしいことではないか)
発展
- 白文「苛政猛於虎」に返り点をつけて「苛政は虎より猛なり」と読ませるとき、返り点の位置として正しいものはどれですか。 (ア 苛政(レ)猛於虎 イ 猛(二)於虎(一) ウ 於(二)虎(一)猛 エ 猛(レ)於虎)
- 「使人読書」を「人をして書を読ましむ」と読むときの構造として正しいものはどれですか。 (ア 「読書」を名詞として「読書を使ふ」と読む イ 「使人」で「使者」という名詞、「読書」が述語 ウ 「使」は「つかふ」と読む動詞で、「人」を目的語にとる エ 使役の「使」が対象「人」と動作「読書」をとる)
- 『論語』で孔子が弟子に言った「盍各言爾志」の書き下し文として正しいものはどれですか(「盍」は再読文字、「爾」は「なんぢ」と読みます)。 (ア 盍ぞ各爾の志を言ふべけんや イ 各爾の志を言ふこと盍し ウ 盍ぞ各爾の志を言はざる エ 盍ぞ各爾の志を言はんや)
- 『韓非子』の「吾盾之堅、莫能陥也」を「吾が盾の堅きこと、能く陥すもの莫きなり」と読むとき、「莫能陥也」の返り点として正しいものはどれですか。 (ア 莫(レ)能(レ)陥 也 イ 莫(二)能 陥(一)也 ウ 莫 能(レ)陥 也 エ 莫(一)能 陥(二)也)
- 『韓非子』の「以子之矛、陥子之盾、何如」の書き下し文として正しいものはどれですか。 (ア 子の矛の以て、子の盾の陥すは、何如 イ 子の矛を以て、子の盾を陥さば、何如 ウ 子の矛を以て子の盾を陥す、何如ぞや エ 子を以て矛とし、子の盾を陥す、何如)
返り点・書き下し文・再読文字・置き字 ── 解答
基礎
- イ いまだ〜ず(まだ〜ない) 再読文字は 1 度目を副詞、2 度目を助動詞として読む。当(当然)と応(推量)は同じ読みで意味が違う。答え:いまだ〜ず(まだ〜ない)。
- ウ 漢字のまま 助詞・助動詞にあたる字はひらがな、置き字(而・於・于・乎〈文中〉・焉・矣)は書かない、再読文字は 2 度目だけひらがな、人名・地名は漢字。答え:漢字のまま。
- イ 而(置き字) 「而」は順接の置き字で「学びて」の「て」として送り仮名に吸収される。之・不・乎はひらがなで書く。
- イ 未だ生を知らず、焉くんぞ死を知らん 「未」は「いまだ〜ず」。ここの「焉」は文頭で「いづくんぞ」(反語の疑問詞)と読む(置き字ではない)。
標準
- エ 未だ生を知らず S+V+O は O を先に読んで V に返る。否定詞・助動詞は書かれる位置が前でも読みは後。前置詞(於・以)+名詞は「名詞+助詞」で動詞の前に返る。置き字は書かない。答え:未だ生を知らず。
- ウ まずレ点として 1 字返って読み、その字を一点として二点の字に返る レ(1 字)→ 一二三(離れて)→ 上中下(一二をはさんで)→ 甲乙丙(上下をはさんで)の順に大きな返りになる。答え:まずレ点として 1 字返って読み、その字を一点として二点の字に返る。
- エ 受身:「人に治めらる」(人に治められる) 答え:受身:「人に治めらる」(人に治められる)。
- ア 有(下)朋 自(二)遠方(一)来(上) 「自遠方」(前置詞句)を一二点で処理し「遠方より」を作る。それをはさんで「来たる → 有り」と返るので上下点を使う。
- イ 「当」は当然・義務、「応」は推量 「当」は当然・義務(〜すべきだ)、「応」は推量(きっと〜だろう)。「宜」(よろしく〜べし:〜するのがよい)、「須」(すべからく〜べし:必要)とあわせて 4 つの「べし」を区別する。
- イ 過ぎたるは猶ほ及ばざるがごとし 「猶」は再読文字で、1 度目は「なほ」、2 度目は「ごとし」(書き下しではひらがな)。「不及」は「及ばざる」と連体形にして「がごとし」に続ける。意味は「やり過ぎは足りないのと同じようによくない」。出典:『論語』先進篇(著作権の保護期間外の古典)。
- ウ 温(レ)故 而 知(レ)新 「故きを温め」は「故 → 温」と 1 字返るのでレ点、「新しきを知る」も「新 → 知」でレ点。「而」は置き字で読まず、「温めて」の「て」として送り仮名に表す。出典:『論語』為政篇(著作権の保護期間外の古典)。
- ウ 故きを温めて新しきを知れば、以て師と為るべし 「可」は助動詞「べし」でひらがなにし、文末の「矣」は置き字で書かない。「以」は「以て」、「為師」は「師と為る」。「古いことを学び直して新しい意味を見いだせば、人の師となることができる」。出典:『論語』為政篇(著作権の保護期間外の古典)。
- エ 人に認められなくても不満に思わない、なんと君子らしいことではないか 「而」は逆接(〜ても)の置き字で、「人知らずして慍みず」。「不亦〜乎」は「亦〜ずや」と読み、「なんと〜ではないか」と感動をこめて言う形。出典:『論語』学而篇(著作権の保護期間外の古典)。
発展
- イ 猛(二)於虎(一) 「虎より」を先に読んで「猛」に返る。「於+名詞」は比較の「〜より」で、「於」は置き字で読まない。置き字をはさむので 2 字以上離れる → 一二点。
- エ 使役の「使」が対象「人」と動作「読書」をとる 「人をして」→「書を」→「読ま」→「しむ」の順に読み、「使」はひらがな「しむ」で書く。使役の句形「使 A V」=「A をして V しむ」(jk-02)。
- ウ 盍ぞ各爾の志を言はざる 「盍」は「なんぞ〜ざる」と読む再読文字で「どうして〜しないのか(〜したらどうか)」。2 度目の「ざる」はひらがな。ここは「それぞれ自分の志を言ってみてはどうか」とうながしている。出典:『論語』公冶長篇(著作権の保護期間外の古典)。
- イ 莫(二)能 陥(一)也 読む順は「能(く)→ 陥(す)→ 莫(し)→ 也」。「能」はその位置で読み、「陥」から 2 字上の「莫」へ返るので一二点。レ点を重ねると「陥 → 能 → 莫」の順になり、「陥すを能くする莫し」と別の読みになる。出典:『韓非子』難一篇(著作権の保護期間外の古典)。
- イ 子の矛を以て、子の盾を陥さば、何如 「以」は「〜を以て」(〜で)と読み、下の「矛」から返る。「陥子之盾」は「子の盾を陥さば」と仮定に読んで「何如」(どうなるか)に続ける。「之」は「の」でひらがな。出典:『韓非子』難一篇(著作権の保護期間外の古典)。
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