句形②(比較・限定・累加・仮定・抑揚・詠嘆)と重要語 ── 問題
基礎
- 次の句形の読みと意味はどれですか。「A 且 B、況 C 乎」 (ア A すら且つ B、況んや C をや(A でさえ B だ、ましてや C はなおさらだ) イ A 微かりせば(A がなかったら) ウ 願はくは A(どうか A したい・してください) エ 其の A よりは寧ろ B(A するよりはむしろ B がよい))
- 次の重要語の読みと意味はどれですか。「毎」 (ア なほ(それでもまだ) イ つねに・〜ごとに ウ すなはち(〜ならば・〜は) エ すなはち(そこで・なんと))
- 「百聞は一見に如かず」の「如かず」の意味はどれですか。 (ア 同じではない イ 行かない ウ 及ばない エ 〜のようではない)
- 「死馬すら且つ之を買ふ、況んや生ける者をや」の句形はどれですか。 (ア 限定 イ 抑揚 ウ 比較 エ 反語)
- 図の 1 番目の白文「百聞不如一見」で、4 番目に読む字はどれですか。 (ア 如 イ 見 ウ 一 エ 不)
標準
- 次の漢文の訳として正しいものはどれですか。「与其生而無義、固不如烹」(其の生きて義無きよりは、固より烹らるるに如かず) (ア 生きて義がなければ、煮殺される イ 生きて義を失うよりは、もとより煮殺されるほうがよい ウ 生きることと義のないことは、煮られることと同じだ エ 義があるので生きるほうが煮殺されるよりよい)
- 多義語「以」が次の文で表す読みと意味はどれですか。「以A為B」 (ア A を以て B と為す(A を B とする) イ おもへらく(〜と思う) ウ もつて(〜で) エ 置き字として読まない)
- 句形の読み方・訳し方について、「所以」の読みと意味はどれですか。 (ア 「ところもつて」:場所・位置(〜する所を使って) イ 「ゆゑん」:理由・手段(〜する理由・〜するための手段) ウ 「いはゆる」:世にいう・いわゆる(下の名詞を導く連体詞) エ 「ここをもつて」:だから・これによって(「是以」と同じ接続))
- 「学而不思則罔、思而不学則殆」(論語)の「則」の働きと訳はどれですか。 (ア 「すぐに」の意味:「学んですぐに考えないと道理に暗い」 イ 置き字で読まない:「学んで考えず道理に暗い」 ウ 断定の「なり」:「学んで考えないのは道理に暗いのである」 エ 条件の結果を示す:「学んでも考えなければ道理に暗い」)
- 「管仲微かりせば、吾其れ被髪左衽せん」(論語)の「微」の働きはどれですか。 (ア 限定「〜だけ」を表す副詞 イ 否定「〜ない」を表す、打消の副詞 ウ 程度「かすかに」を表す副詞 エ 反実仮想の仮定「〜がなかったら」)
- 図の 3 番目の白文「死馬且買之、況生者乎」の書き下し文として正しいものはどれですか。 (ア 死馬且つ之を買はんとす、況んや生ける者を イ 死馬すら之を買はず、況んや生ける者をや ウ 死馬且つ之を買ふ、生ける者は況んやなり エ 死馬すら且つ之を買ふ、況んや生ける者をや)
- 杜牧「山行」の結句「霜葉紅於二月花」の意味として最も適当なものはどれですか。 (ア 霜で色づいた葉は、春二月の花のように赤い イ 霜で色づいた葉は、春二月の花よりも赤い ウ 霜で色づいた葉は、春二月の花に赤を与える エ 霜で色づいた葉は、春二月の花ほど赤くない)
- 『孟子』の「助長」の話の結びにある「非徒無益、而又害之」の意味として最も適当なものはどれですか。 (ア 益がないのはむだなので、これを害してしまおう イ 益もなく害もないので、そのままにしておくのがよい ウ 益がないわけではなく、ただ害を与えているだけだ エ ただ益がないだけでなく、そのうえ害を与えている)
- 『史記』で、四方から楚の歌が聞こえてきたとき、項羽は驚いて「漢皆已得楚乎。是何楚人之多也」と言いました。「是何楚人之多也」の意味として最も適当なものはどれですか。 (ア 楚の人がどれほど多いというのか イ なんと楚の人の多いことよ ウ 楚の人が多いのは当然のことだ エ どうして楚の人が多いのか教えよ)
発展
- 「非独 A、亦 B」と「非 A、B」の違いはどれですか。 (ア 前者も後者も A を否定し、B を肯定する イ どちらも累加で、A も B も肯定する ウ 前者は A を否定して B、後者は累加(A も B も肯定) エ 前者は累加(A も B も肯定)、後者は A を否定して B)
- 「与」が「か」(疑問)と読まれるのはどのような位置のときですか。 (ア 文頭にあって、下に名詞が続くとき イ 文末にあって、上が連体形で終わるとき ウ 2 つの名詞の間にあるとき(「と」) エ 動詞として目的語をとるとき(「あたふ」))
- 『史記』「鴻門の会」で、樊噲は項王に酒をすすめられて「臣死且不避、卮酒安足辞」と答えました。この句の意味として最も適当なものはどれですか(「卮酒」は大杯の酒)。 (ア 私が死を避けないのなら、大杯の酒も断るべきだろう イ 私は死でさえ避けない、まして大杯の酒など断るはずがない ウ 私は死を避けないが、大杯の酒だけはどうしても断らせてほしい エ 私は死ぬのはいやなので、大杯の酒も断ることにしよう)
- 『論語』の「唯仁者能好人、能悪人」の意味として最も適当なものはどれですか。 (ア 仁徳のある人だけは、人を好むが人を憎むことはない イ 仁徳のある人だけが、本当に人を好み、人を憎むことができる ウ 仁徳のある人は、人を好むことも憎むことも決してしないものだ エ 仁徳のある人でも、人を好んだり憎んだりしてしまう)
句形②(比較・限定・累加・仮定・抑揚・詠嘆)と重要語 ── 解答
基礎
- ア A すら且つ B、況んや C をや(A でさえ B だ、ましてや C はなおさらだ) 比較(不如・莫如・孰与・与其〜寧)、限定(唯〜のみ)、累加(不唯〜のみならず)、仮定(若・苟・雖・縦・微)、抑揚(すら且つ〜況んや〜をや)、詠嘆(嗚呼・豈不〜哉・倒置)、願望(願はくは・請ふ)。答え:A すら且つ B、況んや C をや(A でさえ B だ、ましてや C はなおさらだ)。
- イ つねに・〜ごとに 答え:つねに・〜ごとに。「すなはち」と読む字(則・乃・即・便)は意味が違う:則 = 条件、乃 = そこで・意外、即 = すぐに。
- ウ 及ばない 「A 不如 B」= A は B に及ばない(一見のほうがよい)。「如」は「しく」(及ぶ)と読む。
- イ 抑揚 「死んだ馬でさえ買う、ましてや生きた馬はなおさらだ」。「A 且 B、況 C 乎」。「すら」「況んや〜をや」を補って読む。
- イ 見 百 → 聞 → (不・如は返り点で飛ばす)→ 一 → 見 → 如 → 不。「百聞は一見に如かず」。一二点で「一見」から「如」へ返り、レ点で「不」へ返る。
標準
- イ 生きて義を失うよりは、もとより煮殺されるほうがよい 答え:生きて義を失うよりは、もとより煮殺されるほうがよい。句形の型どおりに訳す:不如 → 及ばない、与其〜寧 → よりはむしろ、耳 → だけ、不唯 → だけでなく、若・微 → もし/なかったら、雖・縦 → ても、況 → ましてや。
- ア A を以て B と為す(A を B とする) 多義語は文中の位置(文頭・文末・動詞の前後)と下に続く語で読みを決める。答え:A を以て B と為す(A を B とする)。
- イ 「ゆゑん」:理由・手段(〜する理由・〜するための手段) 答え:「ゆゑん」:理由・手段(〜する理由・〜するための手段)。
- エ 条件の結果を示す:「学んでも考えなければ道理に暗い」 「〜ば則ち」の形で、「学んでも考えなければ道理に暗く、考えても学ばなければ危険だ」。「而」は逆接(〜ても)。「罔」は「くらし」(道理に暗い)、「殆」は「あやふし」。
- エ 反実仮想の仮定「〜がなかったら」 「管仲がいなかったら、私たちは(異民族のように)髪を振り乱し衣を左前に着ていただろう」。古文の「せば〜まし」(jg-03)にあたる。孔子が管仲の功績を評価した言葉。
- エ 死馬すら且つ之を買ふ、況んや生ける者をや 抑揚「A 且 B、況 C 乎」は「A すら且つ B、況んや C をや」と読む。「すら」「をや」を補うのが決まり。「死んだ馬でさえ買う、ましてや生きた馬はなおさらだ」。
- イ 霜で色づいた葉は、春二月の花よりも赤い 「形容詞+於+A」は「A より〜」と比較を表す。「霜葉は二月の花よりも紅なり」で、「於」は置き字。晩秋の紅葉が春の花にまさる美しさだと詠む。出典:杜牧「山行」(唐代。著作権の保護期間外の古典)。
- エ ただ益がないだけでなく、そのうえ害を与えている 「非徒 A、又 B」は「徒(ただ)に A のみに非ず、又 B」と読む累加で「ただ A だけでなく、そのうえ B」。苗を引っぱるような手助けは、役に立たないうえに害になる、という意味。「而」は置き字。出典:『孟子』公孫丑上篇(著作権の保護期間外の古典)。
- イ なんと楚の人の多いことよ 「何〜也」は「何ぞ〜や」と読む詠嘆で「なんと〜ことよ」。前の「漢皆已に楚を得たるか」(漢はもう楚を全部手に入れたのか)と合わせて、敵の陣に楚の人が多くいることへの驚きと嘆き。故事成語「四面楚歌」のもと。出典:司馬遷『史記』項羽本紀(著作権の保護期間外の古典)。
発展
- エ 前者は累加(A も B も肯定)、後者は A を否定して B 「非独 A、亦 B」は「A だけでなく B も」、「非 A、B」は「A ではなく B だ」。限定の「独・唯」が否定「非・不」の下にあると累加になる。「のみに非ず」と「のみ」を補って読む。
- イ 文末にあって、上が連体形で終わるとき 文末では「〜か」と読み、「歟・邪・耶」と同じ働き。位置で読みが決まる:名詞と名詞の間 → と、動詞 → あたふ、文末 → か・や、「与其〜寧〜」→ よりは。
- イ 私は死でさえ避けない、まして大杯の酒など断るはずがない 「A すら且つ B、C 安くんぞ D」は抑揚の形。「臣死すら且つ避けず、卮酒安くんぞ辞するに足らんや」で、重い「死」でさえ避けないのだから、軽い「酒」を断るはずがない(後半は反語)。出典:司馬遷『史記』項羽本紀(著作権の保護期間外の古典)。
- イ 仁徳のある人だけが、本当に人を好み、人を憎むことができる 「唯〜」は「唯だ〜のみ」と読む限定。「唯だ仁者のみ能く人を好み、能く人を悪む」。私心のない仁者だけが、正しく人を好み、正しく人を憎める、という意味。出典:『論語』里仁篇(著作権の保護期間外の古典)。
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