高1 / 漢文 / jk-03

更新 2026-09-13

句形②(比較・限定・累加・仮定・抑揚・詠嘆)と重要語

この単元でできるようになること

入試での位置づけ

句形①(否定・疑問・反語・使役・受身)に続く残りの句形。「A 不如 B(A は B に及ばない)」「与其 A 寧 B(A よりむしろ B)」「抑揚(A ですら B、ましてや C)」「限定の『のみ』」は選択肢の解釈で頻出。重要語の「」「」「」「」の読み分けは空欄補充・書き下しで問われます。


1. 比較・選択

まずここだけ

読み意味
A 不如 B・A 不若 BA は B に如かず(若かず)A は B に及ばない(B のほうがよい)
莫如 A・莫若 AA に如くは莫しA に及ぶものはない(A が最上)
A 於 B(形容詞+於)A は B より〜A は B より〜だ(苛政猛於虎)
A 孰与 B・A 孰若 BA は B に孰与れぞA と B ではどちらが〜か(比較の疑問。B のほうがよいという含み)
与其 A 寧 B・与其 A 不如 B其の A よりは寧ろ B(せよ)A するよりはむしろ B のほうがよい(選択)
寧 A 無 B寧ろ A するも B する無かれむしろ A しても B はするな
最・至・極最も・至りて・極めて最上級
如・若・猶・由〜のごとし〜のようだ(比況)

「百聞不如一見」→ 百聞は一見に如かず(百回聞くより一度見るほうがよい) 「与其生而無義、固不如烹」→ 其の生きて義無きよりは、固より烹らるるに如かず


2. 限定・累加

まずここだけ

限定

読み意味
唯・惟・只・但・徒・特・独 〜(耳)ただ〜(のみ)ただ〜だけ
〜耳・已・爾・而已・而已矣〜のみ〜だけだ(文末)
独 〜ひとり〜(のみ)〜だけ(「独〜んや」は反語:jk-02

「直不百歩耳」→ 直だ百歩ならざるのみ(ただ百歩でないだけだ)

累加(「〜だけでなく、さらに〜」):

読み意味
不唯 A、(而)B/不独 A/不特 A/不徒 A唯だに A のみならず、BA だけでなく B も
非唯 A、(亦)B/非独 A唯だに A のみに非ず、亦 BA だけでなく B も
豈唯 A(ん)や豈に唯だに A のみならんやどうして A だけであろうか(いや B も)

3. 仮定

まずここだけ

読み意味
若・如もし〜ばもし〜ならば
いやしくも〜ばもしも〜ならば・仮にも
〜(と)いへども〜であっても・〜だけれども(逆接仮定・確定)
縦・縦令・縦使たとひ〜ともたとえ〜でも
〜なかりせば〜がなかったら(反実仮想)
使・令(文頭)もし〜しめばもし〜させたら
〜ば則ち〜ならばそのときは(条件の結果)
不然・否則しからずんばそうでなければ

「微管仲、吾其被髪左衽矣」→ 管仲微かりせば、吾其れ被髪左衽せん(管仲がいなかったら、私たちは髪を振り乱し左前の衣を着ていただろう = 異民族のようになっていただろう) 「学而不思則罔」→ 学びて思はざれば則ち罔し


4. 抑揚

まずここだけ

抑揚 = 程度の低いものを抑えて(A すら B だ)、高いものを揚げる(ましてや C はなおさらだ)。

読み意味
A 且 B、況 C 乎A すら且つ B、況んや C をやA でさえ B だ、ましてや C はなおさらだ
A 猶 B、況 C 乎A すら猶 B、況んや C をや同上
A 尚 B、安 CA すら尚 B、安くんぞ C(んや)
況 C 乎(単独)況んや C をやましてや C は言うまでもない

「死馬且買之、況生者乎」→ 死馬すら且つ之を買ふ、況んや生ける者をや(死んだ馬でさえ買う、ましてや生きた馬はなおさらだ)


5. 詠嘆・願望

ここまでできれば十分

詠嘆

読み意味
嗚呼・嗟乎・噫・嗟夫ああああ(感嘆詞)
〜哉・〜夫・〜也・〜矣・〜乎(文末)〜かな・〜や〜だなあ
豈不 A 哉豈に A ならずやなんと A ではないか(反語的詠嘆)
不亦 A 乎亦 A ならずやなんとも A ではないか
何(其) A 也何ぞ(其れ)A なるやなんと A なことか
A 哉、B(倒置)A なるかな、BB は A だなあ(述語が前に出る)

「賢哉回也」→ 賢なるかな、回や(賢いなあ、回は:倒置)

願望

読み意味
願 V願はくは V(せん/せよ)どうか V したい/V してください
請 V請ふ V(せん/せよ)どうか V させてください/V してください
庶幾・冀・幸こひねがはくはどうか〜
欲 VV せんと欲すV したいと思う
欲 A VA の V せんことを欲すA が V することを望む

6. 重要語

まずここだけ

接続・文頭の語

読み意味
けだし思うに・そもそも(推測)
(文頭)それそもそも(文末「かな」は詠嘆)
およそ一般に
ゆゑにだから
是以・是故・以故ここをもつて・このゆゑにだから
しかり・しかるに・しかれどもそうだ・しかし
然則しからばすなはちそれならば
すなはち〜ならば(条件)・〜は(提示)
すなはちそこで・なんと(意外)
すなはちすぐに・とりもなおさず
便すなはちすぐに
遂・竟・終・卒ついについに・結局
所以ゆゑん理由・手段
所謂いはゆる世にいう
かつ(さらに)/まさに〜んとす(再読)/すら且つ(抑揚)
なほそれでもまだ
もとよりもともと
まさにちょうど今
甞・嘗かつて以前
つねに・〜ごとに
たちまち
俄・俄而にはかに
たまたまちょうどその時
ほとんど
すでに
しばらく(須く:再読)
少・頃しばらく

多義語

読みと意味
(〜と)/あたふ(与える)/あづかる(関与する)/か・や(文末の疑問)/ともに与其〜寧〜(よりは)
なす(する)/なるたり(〜である)/ため(〜のために)/つくる為〜所〜(受身)
もつて(〜で・〜によって)/以 A 為 B(A を B とする)/以為(おもへらく:思うことには)/ゆゑに(理由)/ひきゐる
ごとし(〜のようだ)/もし(仮定)/しく(及ぶ)/ゆく(行く)/如何(いかん)
そのそれ(強調)/其れ〜ん(か)(推量・反語)/其れ〜(せよ)(命令・願望)
(連体修飾)/これ(代名詞)/ゆく(行く)/主格の「の」
て・して(順接)/ども・も(逆接)/なんぢ(汝:二人称)/しかして(文頭)
自・従・由より(〜から)/みづから(自分で)/おのづから(自然に)/よる
みるる・らる(受身)/あらはる(現れる)
あひ(互いに・一方的に)/しょう(大臣)/みる
もの(人・こと)/(提示)/〜者、〜(〜というのは)
いづくにか/いづくんぞ/やすし(安らかだ)/いづくに〜(か)

7. よくある間違い


8. 自己チェック

  1. 不如・莫如・孰与・与其〜寧〜 を読み、訳せるか
  2. 限定(唯〜のみ・耳)と累加(不唯〜のみならず)を読めるか
  3. 若・苟・雖・縦・微 の読みと意味を言えるか
  4. 抑揚「A すら且つ B、況んや C をや」を読み、訳せるか
  5. 詠嘆(嗚呼・〜かな・倒置)と願望(願はくは・請ふ)を読めるか
  6. 蓋し・夫れ・是以・則・乃・所以・所謂・以為 を読めるか
  7. 与・為・以・如・其・之・而 の多義を言えるか

9. 小テストへ

→ 小テスト(jk-03

関連する単元

参考資料

このページの小テスト ── 間違えても、同じ型の別の問題でやり直せます。レベルを選んでそのまま始められます。
基礎から標準から発展から

高校国語の単元一覧まぜこぜテスト国語の勉強法