評論の読み方(対比・具体と抽象・接続語・筆者の主張) ── 問題
基礎
- 次の接続語の種類(働き)はどれですか。「しかも」 (ア 添加(同じ方向の情報を追加) イ 理由(前の内容の根拠) ウ 転換(話題が変わる) エ 対比(比べる相手を示す))
- 「たしかに便利な道具は生活を楽にする。しかし、楽になった分だけ私たちは何かを失ってもいる。」この文で筆者の本音はどちらですか。 (ア 「しかし」の後:楽になった分だけ何かを失っている イ どちらも筆者の考えではない ウ 両方とも同じ重さの主張 エ 「たしかに」の後:便利な道具は生活を楽にする)
- 「私たちは本当に自由になったと言えるだろうか。」という文末表現の働きはどれですか。 (ア 読者への質問。答えを読者の判断にゆだねている イ 単なる疑問。筆者自身も答えを知らない ウ 反語。「自由になったとは言えない」と主張する エ 譲歩。自由になったことを認めている)
標準
- 次の自作の文章の空欄に入る接続語として最も適切なものはどれですか。 「子どもは遊びの中で規則を作り、壊し、また作り直す。〔 〕、遊びとは小さな社会の練習なのである。」 (ア しかし イ ところで ウ つまり エ たとえば)
- 次の自作の文章で、筆者の主張(最も抽象的なまとめ)にあたる文はどれですか。 「①町の小さな祭りには、毎年同じ顔ぶれが集まる。②屋台の数は年ごとに減り、太鼓の打ち手も高齢になった。③それでも祭りが続いているのは、続けること自体が目的になっているからだろう。④祭りとは、何かのための行事ではなく、人が集まり続けるための口実なのかもしれない。」 (ア ① イ ③ ウ ② エ ④)
- 次の自作の文章で、傍線部(「雨」)の「具体例」と「抽象(まとめ)」の関係として正しい説明はどれですか。 「言葉は使う人の立場を映す。たとえば、同じ雨でも農家は『恵みの雨』と言い、運動会の朝の子どもは『いやな雨』と言う。」 (ア 「雨」の例は具体。言葉が立場を映すという抽象を説明するためのもの(設問の答えは抽象の側) イ 「恵みの雨」が正しい言い方で「いやな雨」は誤った言い方だと、筆者が正誤を判定している ウ 農家と子どもの対比が主題で、言葉についての話はその対比を導くための前置きにすぎない エ 「雨」の例が筆者の主張そのもので、雨の呼び方が多いことを結論として述べている(例=主張))
- 次の自作の文章の対比の軸と、筆者がプラスに評価している側の組み合わせはどれですか。 「科学は『なぜ』に答えようとする。一方、芸術は『なぜ』と問うこと自体を作品にする。答えを急ぐ時代に、問いを問いのまま差し出す芸術の役割は、むしろ大きくなっている。」 (ア 科学(答える)/芸術(問う)。筆者は芸術の側の役割を評価 イ 科学(答えを出す・役に立つ)/芸術(答えを出さない・役に立たない)。筆者は科学の側を評価する ウ 答え(科学の目標)/問い(芸術の材料)。筆者は答えの側に立ち、問いを問いのままにする芸術を批判する エ 時代(答えを急ぐ)/個人(問いを持つ)。筆者は個人の側に立ち、時代を批判する)
- 次の自作の文章の傍線部「この作業」が指す内容として最も適切なものはどれですか。 「紙の地図を使うとき、私たちは周りの建物や川を見て、自分がどこにいるかを考える。この作業が、土地の記憶を身体に刻む。」 (ア 建物や川を地図に描き込むこと(自分で地図を作る作業のこと) イ 紙の地図を買い、持ち歩くこと(デジタルではなく紙を選ぶこと) ウ 周りを見て自分の位置を考えること エ 土地の記憶を思い出すこと(以前に来た場所を懐かしむこと))
- 評論の選択肢を吟味するとき、次の選択肢(自作)が外れる理由として最も適切なものはどれですか。 本文の主張:「私たちが美しいと感じる自然の多くは、人の営みと共に作られた。」 選択肢:「自然は人の手が入らないほど美しい。」 (ア 問いに答えていない(部分的に正しいが、傍線部の説明になっていない) イ 因果の逆転(原因と結果が逆になっている) ウ 本文にない(一般常識では正しそうでも本文に書かれていない) エ 内容の逆転(本文と反対のことを言っている))
- 次の設問の型に対する解き方として最も適切なものはどれですか。「「本文の展開の説明として適切なもの」(構成)」 (ア 最終段落と「つまり」の後を確認し、言い過ぎ(すべて・唯一)や本文にない主張を外す イ 空欄の前後の関係(反対なら逆接、例なら例示、まとめなら換言、追加なら添加)を確かめる ウ 傍線部の語を言い換えた箇所(直前直後・同じキーワードの文)を探し、比喩や指示語を普通の言葉に戻す エ 段落ごとに役割(問題提起・具体例・反論・結論)をメモし、選択肢の段落の説明と照合する)
- 評論を読むとき、本文より先に設問にざっと目を通す理由として適切なものはどれですか。 (ア 設問の数から、各問の配点と時間配分を計算するため イ 本文を読まなくても、設問の言葉だけで答えを決められるから ウ 選択肢を先に覚えておき、本文をその言葉で探しながら読めるから エ 傍線部と問いの型がわかり、該当箇所に印をつけながら読めるから)
- 「抽象 → たとえば → 具体 → つまり → 抽象」の型で書かれた段落について、設問「筆者の考えを説明したもの」の答えはどちらのレベルですか。 (ア 接続語そのもの。「つまり」が答えを示すから イ 具体例のレベル。例が最も詳しく説明しているから ウ どちらでもよい。両方とも筆者の考えだから エ 抽象(まとめ)のレベル。具体例は言い換えられるか消える)
- 次の文章(この問題のために書いた文章)を読んで答えなさい。「地図アプリは、目的地までの最短の道を一瞬で示してくれる。迷う心配がなくなったことは、たしかに大きな進歩だ。しかし、画面の矢印に従って歩くとき、私たちは街を見ていない。見ているのは、自分の現在地を示す小さな点だけである。かつて道に迷った人は、角の看板や坂の向き、川の音を手がかりに、自分のいる場所を確かめようとした。その試行錯誤のなかで、街は一つの立体的な広がりとして頭の中に組み立てられていった。迷うことは、街を知るための遠回りだったのである。早く着くことと、場所を知ることとは、同じではない。」 この文章の要旨として最も適当なものはどれですか。 (ア 地図アプリは不正確なので、看板や坂の向きを頼りに歩くほうが早く着ける イ 街を立体的に知るためには、紙の地図を持ち歩くことが欠かせない ウ 迷うことは時間のむだなので、地図アプリで最短の道を選ぶのがよい エ 早く着けるようになった一方で、迷いながら街を知る経験は失われやすい)
発展
- 評論で筆者が「A を否定するわけではない。しかし A だけでは〜」と書くとき、筆者の立場の読み方として適切なものはどれですか。 (ア A の価値も認めつつ、A に欠けた B の必要を説いている イ B を否定し、A だけで十分だと支持している ウ A を全面的に否定し、B だけが正しいと述べている エ A と B は無関係で、どちらも特に重要ではないと述べている)
- 選択肢を 2 つに絞ったあとの手順として適切なものはどれですか。 (ア 本文の言葉がそのまま多く入っている方を選ぶ イ 本文を読み直さず、文が長く詳しい方を選ぶ ウ 差がある部分だけを本文と照合し、根拠のない方を外す エ 本文から離れて、自分の考えに近い方を選ぶ)
- 次の文章(この問題のために書いた文章)を読んで答えなさい。「地図アプリは、目的地までの最短の道を一瞬で示してくれる。迷う心配がなくなったことは、たしかに大きな進歩だ。しかし、画面の矢印に従って歩くとき、私たちは街を見ていない。見ているのは、自分の現在地を示す小さな点だけである。かつて道に迷った人は、角の看板や坂の向き、川の音を手がかりに、自分のいる場所を確かめようとした。その試行錯誤のなかで、街は一つの立体的な広がりとして頭の中に組み立てられていった。迷うことは、街を知るための遠回りだったのである。早く着くことと、場所を知ることとは、同じではない。」 「迷うことは、街を知るための遠回りだったのである」と筆者が述べる理由として最も適当なものはどれですか。 (ア 迷った人は遠回りをするので、結局は最短の道より多く歩くことになるから イ 迷った人は時間がかかるので、街の景色をゆっくり楽しむことができたから ウ 迷った人は人に道を尋ねるので、街の人と知り合いになることができたから エ 迷った人は手がかりを探すうちに、街の広がりを頭に組み立てていったから)
- 次の文章(この問題のために書いた文章)を読んで答えなさい。「地図アプリは、目的地までの最短の道を一瞬で示してくれる。迷う心配がなくなったことは、たしかに大きな進歩だ。しかし、画面の矢印に従って歩くとき、私たちは街を見ていない。見ているのは、自分の現在地を示す小さな点だけである。かつて道に迷った人は、角の看板や坂の向き、川の音を手がかりに、自分のいる場所を確かめようとした。その試行錯誤のなかで、街は一つの立体的な広がりとして頭の中に組み立てられていった。迷うことは、街を知るための遠回りだったのである。早く着くことと、場所を知ることとは、同じではない。」 【資料】(この問題のために作った架空の調査)ある高校の 1 年生 200 人に「近所の地図を何も見ずに描けるか」を聞いた結果 地図アプリをよく使う人|描けた 40 % 地図アプリをあまり使わない人|描けた 55 % 文章と資料を合わせて考えたときの説明として最も適当なものはどれですか。 (ア アプリを使うと地図を描く力が下がることが、資料で証明された イ 主張と合う結果だが、アプリが原因で描けなくなったとまでは言えない ウ 主張と反対の結果なので、文章の主張はまちがっているとわかる エ 調べた人数が少なすぎるので、資料は文章の主張とは関係がないと言える)
- 次の文章(この問題のために書いた文章)を読んで答えなさい。「地図アプリは、目的地までの最短の道を一瞬で示してくれる。迷う心配がなくなったことは、たしかに大きな進歩だ。しかし、画面の矢印に従って歩くとき、私たちは街を見ていない。見ているのは、自分の現在地を示す小さな点だけである。かつて道に迷った人は、角の看板や坂の向き、川の音を手がかりに、自分のいる場所を確かめようとした。その試行錯誤のなかで、街は一つの立体的な広がりとして頭の中に組み立てられていった。迷うことは、街を知るための遠回りだったのである。早く着くことと、場所を知ることとは、同じではない。」 この文章について生徒が話し合っています。空欄に入る言葉として最も適当なものはどれですか。 生徒 A:筆者は地図アプリを使うなと言っているのかな。 生徒 B:いや、「たしかに大きな進歩だ」と認めているよ。 生徒 C:そうだね。筆者が問題にしているのは、( )ことなんだと思う。 (ア 看板や坂道が減って、街の手がかりが見つけにくくなった イ 地図アプリの案内がまちがっていて、目的地に着けなくなる ウ 地図アプリが高価で、だれもが使えるわけではない エ 早く着くことだけを考えて、街を知る機会を手放してしまう)
評論の読み方(対比・具体と抽象・接続語・筆者の主張) ── 解答
基礎
- ア 添加(同じ方向の情報を追加) 評論では「しかし」の後(筆者の本音)、「つまり」の後(まとめ)、「たとえば」の前(例が説明する抽象)に線を引く。答え:添加(同じ方向の情報を追加)。
- ア 「しかし」の後:楽になった分だけ何かを失っている 「たしかに/もちろん〜。しかし〜」は譲歩 → 反論の型。しかしの後が主張。
- ウ 反語。「自由になったとは言えない」と主張する 評論の「〜だろうか」「〜ではないだろうか」は多くの場合、反語で筆者の主張を強める。
標準
- ウ つまり 前後の関係を見る。換言:具体的な遊びの様子 → 「社会の練習」という抽象的なまとめ。答え:つまり。
- エ ④ 主張の目印は、文末(のである・のだ)、接続語(つまり・要するに・しかし の後)、抽象度の高さ。①②は具体的な様子、③は理由の推測、④は「〜なのかもしれない」で結ぶ抽象的な主張。答え:④。
- ア 「雨」の例は具体。言葉が立場を映すという抽象を説明するためのもの(設問の答えは抽象の側) 「たとえば」「具体的には」の後は具体例。設問の答えはその例が説明している抽象(直前の文)。具体例をそのまま書いた選択肢は「例にすぎない」で外す。答え:「雨」の例は具体。言葉が立場を映すという抽象を説明するためのもの(設問の答えは抽象の側)。
- ア 科学(答える)/芸術(問う)。筆者は芸術の側の役割を評価 「一方」「それに対して」で対比の軸を見つけ、「だが」「しかし」「むしろ」の後で筆者がどちらをプラスに評価するかを読む。筆者は A を全否定せず、B の価値を説く型が多い。答え:科学(答える)/芸術(問う)。筆者は芸術の側の役割を評価。
- ウ 周りを見て自分の位置を考えること 指示語は直前を見て、当てはめて文が成り立つか確かめる。文全体を指すこともある。答え:周りを見て自分の位置を考えること。
- エ 内容の逆転(本文と反対のことを言っている) 選択肢の外し方:本文にない/言い過ぎ/因果の逆転/主語のすり替え/具体例そのまま/問いに答えていない。答え:内容の逆転(本文と反対のことを言っている)。
- エ 段落ごとに役割(問題提起・具体例・反論・結論)をメモし、選択肢の段落の説明と照合する 本文の言葉で答えを作ってから選択肢を見る。答え:段落ごとに役割(問題提起・具体例・反論・結論)をメモし、選択肢の段落の説明と照合する。
- エ 傍線部と問いの型がわかり、該当箇所に印をつけながら読めるから 問いの型(理由・内容・趣旨)を先に知っておく。設問は見るが、選択肢はまだ読まない(引っ張られる)。本文で答えを作ってから選択肢と照合。
- エ 抽象(まとめ)のレベル。具体例は言い換えられるか消える 具体例は説明の材料。具体例をそのまま書いた選択肢は「例にすぎない」で外れることが多い。
- エ 早く着けるようになった一方で、迷いながら街を知る経験は失われやすい 「たしかに〜。しかし〜」で地図アプリの便利さを認めたうえで、矢印に従うと街を見なくなると述べる。最後の「早く着くことと、場所を知ることとは、同じではない」が主張。アプリが不正確だとも、紙の地図を持てとも書いていない。
発展
- ア A の価値も認めつつ、A に欠けた B の必要を説いている 対比は二者択一ではなく、両方を認めて一方の価値を強調する型が多い。「A は悪い」と決めつける選択肢や、「A は無意味」「B だけが正しい」は言い過ぎ。
- ウ 差がある部分だけを本文と照合し、根拠のない方を外す 本文の言葉をそのまま多く含む選択肢が、主語や因果をすり替えた罠であることも多い。差の部分だけ見る。
- エ 迷った人は手がかりを探すうちに、街の広がりを頭に組み立てていったから 直前の「その試行錯誤のなかで、街は一つの立体的な広がりとして頭の中に組み立てられていった」が根拠。「遠回り」は時間がかかるが、その分だけ街を知ることにつながった、という意味。人に尋ねる話や景色を楽しむ話は本文にない。
- イ 主張と合う結果だが、アプリが原因で描けなくなったとまでは言えない 「よく使う人」のほうが描けた割合が低く、文章の主張と同じ向きの結果。ただし表は二つのことが一緒に起きていることを示すだけで、もともと道に関心のある人がアプリをあまり使わない、という別の説明も残る。「証明された」は言い過ぎ。
- エ 早く着くことだけを考えて、街を知る機会を手放してしまう 筆者は便利さを認めたうえで、「早く着くことと、場所を知ることとは、同じではない」と述べる。問題にしているのは使い方(早さだけを求めて街を見なくなること)で、アプリの誤りや値段ではない。
受験のしらべ / https://juken-shirabe.com/daigaku/japanese/jn-01/test/ / 問題は毎回の表示で数が変わります。印刷したものはその一例です。
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