民主政治の原理と日本国憲法(人権・三権分立・違憲審査) ── 問題
基礎
- 日本国憲法の次の権利・規定は第何条に定められていますか。 憲法は最高法規 (ア 第 13 条 イ 第 98 条 ウ 第 96 条 エ 第 26 条)
- 次の権利は、基本的人権のどの分類に入りますか。 職業選択の自由、財産権 (ア 平等権 イ 自由権(経済の自由) ウ 社会権 エ 新しい人権(13 条などを根拠に主張))
- 日本国憲法の三大原則はどれですか。 (ア 国民主権・基本的人権の尊重・平和主義 イ 天皇主権・臣民の権利・富国強兵 ウ 法の支配・三権分立・議院内閣制 エ 自由・平等・友愛)
- 労働三権とは何ですか。 (ア 団結権・団体交渉権・団体行動権 イ 選挙権・被選挙権・請願権 ウ 生存権・教育権・勤労権 エ 勤労権・休息権・賃金請求権)
標準
- 次の判例の争点と結論として正しいものはどれですか。 在外邦人選挙権訴訟(2005) (ア 県が神社に玉串料を公金から支出したことは政教分離に反し違憲 イ 薬局の開設に距離制限を設ける規定は職業選択の自由を侵害し違憲 ウ 小説のモデルとされた人物のプライバシーの権利を認めた エ 海外在住の日本人の選挙権を制限していた公職選挙法は違憲)
- 大日本帝国憲法と日本国憲法を比べたとき、憲法の制定のされ方の違いはどれですか。 (ア 帝国憲法は天皇が定めた欽定憲法、日本国憲法は国民が定めた形の民定憲法 イ 帝国憲法は国民が定めた民定憲法、日本国憲法は天皇が定めて国民に与えた欽定憲法 ウ 帝国憲法も日本国憲法もどちらも国民投票によって国民が直接承認して制定された エ 帝国憲法も日本国憲法もどちらも天皇が定めて国民に与えた欽定憲法である)
- 民主政治の原理と人権について、日本国憲法で憲法尊重擁護義務を負うのは誰ですか。 (ア 国民だけ(公務員は法律を守る義務を負うが、憲法を擁護する義務は国民にある) イ 天皇だけ(象徴として憲法を擁護する義務を負い、大臣や国会議員には課されない) ウ 天皇・大臣・国会議員・裁判官その他の公務員(99 条)。国民には課されていない エ 国民全員(すべての国民が憲法を尊重し擁護する義務を負い、公務員は含まれない))
- フランス人権宣言 16 条「権利の保障が確保されず、権力の分立が定められていない社会は憲法をもたない」が示す考え方はどれですか。 (ア 立憲主義 イ 人民主権 ウ 社会権の保障 エ 法治主義)
- 2015 年の最高裁判決で「合憲」とされ、2021 年にも同じ判断が示された制度はどれですか。 (ア 非嫡出子の相続分差別 イ 尊属殺重罰規定 ウ 夫婦同姓(民法 750 条) エ 女性の再婚禁止期間)
- 人権の保障や憲法に関する次の出来事ア〜エを古い順に並べたものはどれですか。 ア マグナ=カルタ イ 世界人権宣言の採択 ウ 難民条約の採択 エ 子どもの権利条約の採択 (ア ウ → ア → エ → イ イ エ → ウ → イ → ア ウ イ → ア → ウ → エ エ ア → イ → ウ → エ)
- 人権に関する最高裁判所の判例について述べた次の文 X・Y の正誤の組み合わせとして正しいものを選びなさい。 X 1973 年、最高裁判所は尊属殺重罰規定を法の下の平等に反するとし、これが最高裁による初めての法令違憲判決となった。 Y 1967 年の朝日訴訟で、最高裁判所は生存権を具体的な権利と認め、原告の訴えを全面的に認めた。 (ア X 正・Y 正 イ X 正・Y 誤 ウ X 誤・Y 正 エ X 誤・Y 誤)
- 日本国憲法のしくみについて述べた次の文 X・Y の正誤の組み合わせとして正しいものを選びなさい。 X 憲法 99 条は、天皇や国務大臣、国会議員、裁判官などの公務員とともに、国民にも憲法を尊重し擁護する義務を課している。 Y 憲法の改正は、各議院の総議員の 3 分の 2 以上の賛成で国会が発議し、国民投票で過半数の賛成を得て成立する。 (ア X 正・Y 正 イ X 正・Y 誤 ウ X 誤・Y 正 エ X 誤・Y 誤)
- 生徒のアオイさんとカイさんの会話を読み、空欄 A・B に入る語句の組み合わせとして最も適当なものを選びなさい。 アオイ「友だちが、私の写った写真を名前つきで勝手に SNS に載せたの。こういうことから守ってくれる権利はあるのかな。」 カイ「憲法に直接の規定はないけれど、( A )の権利として主張されているよ。根拠はおもに 13 条の( B )だね。」 (ア A アクセス・B 法の下の平等 イ A プライバシー・B 生存権 ウ A 知る・B 幸福追求権 エ A プライバシー・B 幸福追求権)
- 次の資料は大日本帝国憲法の条文です。日本国憲法と比べたときの人権の保障の違いとして最も適当なものを選びなさい。 資料 日本臣民ハ法律ノ範囲内ニ於テ言論著作印行集会及結社ノ自由ヲ有ス(第 29 条) (ア 帝国憲法は人権を永久不可侵とし、日本国憲法は法律の範囲内に限った イ 帝国憲法は法律で自由を制限できたが、日本国憲法は人権を永久不可侵とした ウ 帝国憲法は言論の自由を認めず、日本国憲法で初めて言論の自由が定められた エ どちらの憲法も、人権を法律の範囲内でのみ認める点では同じである)
発展
- 平和主義と違憲審査制について、憲法改正の限界について有力な考え方はどれですか。 (ア 天皇の承認があれば、国会の発議や国民投票を経なくても憲法を改正できる イ 96 条の手続きを踏めば、国民主権や基本的人権を含むどの条文でも改正できる ウ 日本国憲法は改正をいっさい認めておらず、96 条の手続きも実際には使えない エ 国民主権・基本的人権・平和主義などの根本原理は改正手続きによっても変えられない)
- 「自己決定権」に関わる事例として適切なものはどれですか。 (ア 宗教上の理由で輸血を拒否した患者に無断で輸血した事件 イ 企業が学生運動の経歴を理由に試用期間後の本採用を拒否した事件 ウ 小説で実在の人物の私生活を無断で公開した事件 エ 県が神社の例大祭に玉串料などを公金から支出した事件)
- 憲法の人権規定が私人間(企業と個人など)にどう適用されるかについて、三菱樹脂事件で最高裁が示した考え方はどれですか。 (ア 企業にも憲法が直接適用され、思想を理由とした採用拒否はすべて違憲となる イ 私人間には人権の考え方は一切及ばず、民法だけで判断する ウ 私人間には直接適用されず、民法の一般条項を通じて間接的に適用する エ 企業は国家と同じ扱いを受け、憲法が直接適用される)
- 次の資料は、最高裁判所が法律の規定を憲法違反とした判決(法令違憲判決)の一覧です(2024 年まで)。資料から読み取れることとして最も適当なものを選びなさい。 年|判決 1973|尊属殺重罰規定 1975|薬事法の距離制限 1976|衆議院の議員定数 1985|衆議院の議員定数 1987|森林法の共有林の分割制限 2002|郵便法の免責規定 2005|在外邦人の選挙権 2008|国籍法 2013|非嫡出子の相続分 2015|女性の再婚禁止期間 2022|在外国民の最高裁裁判官国民審査 2023|性同一性障害特例法の生殖不能要件 2024|旧優生保護法 (ア 1990 年代に最も多く出され、2000 年以降は 1 件も出ていない イ 8 件は 2000 年以降に出され、1990 年代には 1 件もない ウ 選挙や国民審査に関わる判決はなく、すべて平等に関わるものである エ 経済活動の自由に関わる判決が最も多く、全体の半分をこえている)
- 日本の平和主義について述べた次の文 X・Y の正誤の組み合わせとして正しいものを選びなさい。 X 1959 年の砂川事件で最高裁判所は、日米安全保障条約のような高度に政治的な問題は司法審査になじまないとして、違憲かどうかの判断を避けた。 Y 2014 年の閣議決定による憲法解釈の変更と 2015 年の安全保障関連法で、集団的自衛権の限定的な行使が認められた。 (ア X 正・Y 正 イ X 正・Y 誤 ウ X 誤・Y 正 エ X 誤・Y 誤)
民主政治の原理と日本国憲法(人権・三権分立・違憲審査) ── 解答
基礎
- イ 第 98 条 答え:第 98 条。9・13・14・21・25・96・98 は特に頻出。
- イ 自由権(経済の自由) 自由権は「国家からの自由」、社会権は「国家による自由」、参政権は「国家への自由」。答え:自由権(経済の自由)。
- ア 国民主権・基本的人権の尊重・平和主義 前文と 1 条(国民主権)、11・97 条(人権)、9 条(平和主義)。
- ア 団結権・団体交渉権・団体行動権 28 条。公務員は争議権が制限されている。労働三法(kk-08)と区別。
標準
- エ 海外在住の日本人の選挙権を制限していた公職選挙法は違憲 答え:海外在住の日本人の選挙権を制限していた公職選挙法は違憲。判例名 → 争点(どの人権)→ 結論(違憲か合憲か)の 3 点を組で覚える。
- ア 帝国憲法は天皇が定めた欽定憲法、日本国憲法は国民が定めた形の民定憲法 答え:帝国憲法は天皇が定めた欽定憲法、日本国憲法は国民が定めた形の民定憲法。
- ウ 天皇・大臣・国会議員・裁判官その他の公務員(99 条)。国民には課されていない 答え:天皇・大臣・国会議員・裁判官その他の公務員(99 条)。国民には課されていない。
- ア 立憲主義 憲法の本質は人権保障と権力分立にあるという考え方。「憲法」と名のつく文書があるだけでは近代的な憲法とはいえない。
- ウ 夫婦同姓(民法 750 条) 選択的夫婦別姓は国会での議論に委ねるとした。他の 3 つは違憲判決が出た。
- エ ア → イ → ウ → エ 古い順に マグナ=カルタ(1215 年)、世界人権宣言の採択(1948 年)、難民条約の採択(1951 年)、子どもの権利条約の採択(1989 年)。答え:ア → イ → ウ → エ。
- イ X 正・Y 誤 X:正しい。Y:誤り。朝日訴訟で最高裁は、25 条は国の政治的な責務を定めたもの(プログラム規定説)で、生活保護の基準は厚生大臣の裁量にゆだねられるとした。
- ウ X 誤・Y 正 X:誤り。99 条の憲法尊重擁護義務は公務員に課され、国民には課されていない(憲法で権力をしばる立憲主義の考え方)。Y:正しい(96 条)。日本国憲法は一度も改正されていない。
- エ A プライバシー・B 幸福追求権 私生活をみだりに公開されない権利はプライバシーの権利(『宴のあと』事件)。新しい人権の主な根拠は 13 条の個人の尊重・幸福追求権。現在は自己情報コントロール権の面も重視され、個人情報保護法(2003 年)がある。生存権は 25 条。
- イ 帝国憲法は法律で自由を制限できたが、日本国憲法は人権を永久不可侵とした 「法律ノ範囲内ニ於テ」は法律の留保で、議会が法律を作れば自由を制限できた(治安維持法など)。日本国憲法は基本的人権を「侵すことのできない永久の権利」(11・97 条)とし、制限は公共の福祉による場合に限られる。
発展
- エ 国民主権・基本的人権・平和主義などの根本原理は改正手続きによっても変えられない 答え:国民主権・基本的人権・平和主義などの根本原理は改正手続きによっても変えられない。
- ア 宗教上の理由で輸血を拒否した患者に無断で輸血した事件 エホバの証人輸血拒否事件(2000)。インフォームド=コンセントや尊厳死の議論も自己決定権に関わる。13 条の幸福追求権を根拠に、自分の生き方や医療を自分で決める権利。
- ウ 私人間には直接適用されず、民法の一般条項を通じて間接的に適用する 間接適用説。企業の採用の自由も尊重されるとして、原告の主張は退けられた。
- イ 8 件は 2000 年以降に出され、1990 年代には 1 件もない 2000 年以降は 2002・2005・2008・2013・2015・2022・2023・2024 年の 8 件で、1987 年のあと 2002 年まで間があく。選挙(衆議院の議員定数・在外邦人の選挙権)や国民審査の判決もあり、経済活動の自由(22・29 条)に関わるのは薬事法・森林法の 2 件。
- ア X 正・Y 正 X:正しい(統治行為論)。Y:正しい。憲法の改正ではなく、解釈の変更と法律によるもので、憲法学者の多くは違憲と指摘している。
受験のしらべ / https://juken-shirabe.com/daigaku/social/kk-02/test/ / 問題は毎回の表示で数が変わります。印刷したものはその一例です。
📄 紙で解くなら プリント(レベルと問題数を選べます)。このページをそのまま印刷しても各レベル 10 問と解答が出ます。