刑法総論④(未遂・中止犯・共犯・罪数) ── 問題
基礎
- 次の判例について、空気注射事件(最判昭和 37 年)で最高裁が示した結論として妥当なものはどれですか。 (ア 静脈に注射した空気の量が致死量に達していなかった以上、結果発生の危険は科学的に存在せず、行為者の主観にかかわらず不能犯として殺人未遂罪は成立せず、傷害罪も成立しない イ 静脈に空気を注射する行為は殺人の手段として一般人の目から見ても危険がないため、不能犯として殺人未遂罪は成立せず、身体への侵害として傷害罪だけが成立する ウ 静脈に空気を注射する行為は被害者の身体に対する有形力の行使にすぎず、死の結果を生じる現実的危険がないため殺人の実行の着手は認められず、暴行罪が成立するにとどまる エ 静脈に注射した空気の量が通常致死量に達しなくても、被害者の体調によっては死の危険がないとはいえず、一般人の目から見て危険があるため殺人未遂罪が成立する undefined 静脈に注射した空気の量が致死量に達していなくても、行為者が被害者は死ぬと信じていた以上、一般人の認識を問わずその主観を基準に危険性を判断して殺人未遂罪が成立する)
- 刑法の条文の定めについて、幇助犯(従犯)の刑の扱いとして正しいものはどれですか。 (ア 正犯の刑を減軽することができる(任意的減軽) イ 正犯の刑の 2 分の 1 を超えない範囲で裁判所が定める ウ 正犯の刑を減軽する(必要的減軽) エ 正犯の刑を科する undefined 正犯の刑を減軽し、または免除する(必要的減免))
- 未遂犯に関する説明として妥当なものはどれですか。 (ア すべての犯罪について未遂が処罰され、各本条に未遂処罰の規定がなくても 43 条を直接の根拠に処罰される イ 未遂を罰するには各本条に未遂処罰の規定が要り、傷害罪や器物損壊罪のように未遂処罰規定のない罪では未遂は処罰されない ウ 未遂犯が成立するには結果が発生しなかったことについて行為者に過失があることが要る エ 未遂犯は実行の着手前の予備行為を含む概念であり、殺人を決意して凶器を購入した時点で殺人未遂罪が成立する undefined 未遂犯の刑は正犯の刑を減軽したものとされ、裁判所は減軽をしないことができない)
- 中止犯に関する説明として妥当なものはどれですか。 (ア 中止犯は実行の着手前の予備の段階でも成立し、殺人予備を自己の意思で中止した者の刑は減軽または免除される イ 中止犯が成立するには実行の着手後であることが要り、強盗予備の段階で中止しても 43 条ただし書は準用されない ウ 中止犯が成立すれば犯罪自体が不成立となり、行為者は無罪となる エ 中止行為の後に結果が発生した場合でも、自己の意思で中止した以上は中止犯が成立する undefined 中止犯の減免の効果は共犯者全員に及ぶため、1 人が中止すれば他の共犯者の刑も減軽または免除される)
- 罪数に関する説明として妥当なものはどれですか。 (ア 観念的競合と牽連犯は本来的一罪と呼ばれ、いずれも 1 個の罪しか成立しない イ 同じ機会に同じ人から数回にわたって物を盗んだ場合、盗んだ回数分の窃盗罪が成立し併合罪となる ウ 業務上横領罪と単純横領罪のように一方が他方の特別規定である関係は、観念的競合として処理される エ 併合罪は確定裁判を経た 2 個以上の罪の関係をいい、確定裁判を経ていない罪は併合罪にならない undefined 観念的競合と牽連犯は科刑上一罪と呼ばれ、いずれも数個の罪が成立するが最も重い刑で処断される)
標準
- 次の事例について、判例の考え方に照らした結論として妥当なものはどれですか。A は B を殺そうと包丁で切りつけたが、B の傷から血が流れ出るのを見て驚愕し恐怖を感じてそれ以上の攻撃をやめ、B は一命をとりとめた。 (ア B が一命をとりとめた以上、殺人の結果は発生していないため、A の心理状態を問わず中止犯が成立し刑は免除される イ 血を見て驚愕・恐怖したことによる中止は外部的な障害によるものに近く、自己の意思による中止とはいえないため、中止犯は成立せず殺人の障害未遂となる ウ 血を見て驚愕・恐怖したとしてもそれ以上の攻撃をやめたのは A 自身の判断であるから、自己の意思による中止として中止犯が成立し刑は減軽または免除される エ A は実行行為を終えていないため中止犯の余地はなく、殺人予備罪が成立するにとどまる undefined 血を見て攻撃をやめた場合は、A が救護などの結果防止行為をしていない以上、中止犯にも障害未遂にもあたらず殺人既遂の刑で処断される)
- 次の事例で A に成立する共犯の類型として、判例・通説の考え方に照らして妥当なものはどれですか。A は、すでに C 宅への窃盗を決意していた B から頼まれて合鍵を作って渡し、B はその合鍵を使って C 宅で窃盗を実行した。 (ア 窃盗罪の教唆犯 イ 窃盗罪の共謀共同正犯 ウ 窃盗罪の間接正犯 エ 窃盗罪の幇助犯 undefined 窃盗罪の承継的共同正犯)
- 実行の着手時期に関する判例の説明として妥当なものはどれですか。 (ア 住居に侵入して窃盗をする場合、実際に財物に手を触れた時点で初めて窃盗の実行の着手が認められる イ 住居に侵入して窃盗をする場合、財物を自己の支配下に移した時点で実行の着手が認められ、それ以前は住居侵入罪だけが成立する ウ 住居に侵入して窃盗をする場合、家に入っただけでは足りず、金品を物色するためタンスに近づいた時点で窃盗の実行の着手が認められる エ 住居に侵入して窃盗をする場合、窃盗を決意して住居に向かって出発した時点で窃盗の実行の着手が認められる undefined 住居に侵入して窃盗をする場合、住居に侵入した時点で窃盗の実行の着手が認められ、物色行為は要らない)
- 中止犯の中止行為に関する説明として妥当なものはどれですか。 (ア 実行行為がまだ終わっていない段階でも、警察に通報するなど積極的な結果防止行為をしなければ中止行為にあたらない イ 実行行為が終わり結果発生に向かっている段階では、結果の発生を防止する真摯な努力が要り、放火後に隣人に消火を頼んで立ち去っただけでは中止行為にあたらない ウ 中止行為は行為者自身が単独で結果を防止した場合に限られ、他人の助力を得て結果を防止した場合は中止犯とならない エ 放火後に隣人に消火を頼んで立ち去った場合、消火が隣人によって実際に行われれば中止行為にあたる undefined 実行行為が終わった後は、それ以上何もしないという不作為で中止行為として足り、結果防止のための行動は要らない)
- 不能犯に関する判例の説明として妥当なものはどれですか。 (ア 硫黄の粉末を飲ませて人を殺そうとした事案では、硫黄で人を殺せないことが一般人にも明らかであるため不能犯とされ、殺人未遂罪は成立しないとされた イ 警察官から奪った拳銃に弾が入っていなかった事案では、結果発生が科学的に不可能であったため不能犯とされ、殺人未遂罪は成立しないとされた ウ 判例は、行為者が認識していた事情だけを基礎に危険性を判断し、一般人が認識できた事情は考慮しない立場をとっている エ 判例は、結果発生がおよそ起こりえない場合とたまたま起こらなかった場合とで区別し、後者の場合に限って不能犯とする立場をとっている undefined 硫黄の粉末を飲ませて人を殺そうとした事案では、行為者が殺せると信じていた以上、その主観を基準に殺人未遂罪が成立するとされた)
- 教唆犯と幇助犯に関する説明として妥当なものはどれですか。 (ア 教唆者を教唆した者(間接教唆)は、正犯からの距離が遠いため幇助犯として処罰される イ 教唆犯は教唆行為の時点で成立し、正犯が実行に着手したかどうかにかかわらず処罰される ウ 教唆犯が成立するには正犯が少なくとも実行に着手したことが要り、教唆したが相手が実行しなかった場合は原則として処罰されない エ 幇助犯が成立するには、幇助行為がなければ正犯の結果が発生しなかったという条件関係が要る undefined すでに犯罪を決意している者を激励して実行を後押しした場合は、決意を強めた以上教唆犯となる)
- 共犯からの離脱に関する判例(最決平成 21 年 6 月 30 日)の説明として妥当なものはどれですか。 (ア 住居侵入強盗の計画で、見張り役が実行着手前に現場を離れ仲間に電話で伝えれば、実行の着手前である以上、共犯関係は解消され以後の強盗については責任を負わない イ 住居侵入強盗の計画で、見張り役が実行着手前に現場を離れた場合、自己の意思による中止として中止犯が成立し、刑は減軽または免除される ウ 住居侵入強盗の計画で、見張り役が実行着手前に現場を離れ仲間に電話で伝えても、それまでの共謀に基づく行為の危険を除去する措置をとらず仲間の了承もなければ、共犯関係は解消されない エ 住居侵入強盗の計画で、見張り役が実行着手前に現場を離れた場合、離脱の意思を仲間に伝えていなくても現場にいない以上、共犯関係は解消される undefined 住居侵入強盗の計画で、見張り役が実行着手前に現場を離れた場合、離脱者には強盗予備罪だけが成立し、実行された強盗については責任を負わない)
- 観念的競合における「1 個の行為」の判断について、最高裁(最大判昭和 49 年 5 月 29 日)が示した基準として妥当なものはどれですか。 (ア 各罪の構成要件に該当する行為が法的に見て同一かどうかで判断し、自然的な観察は考慮しない イ 法的評価を離れ、自然的観察のもとで行為者の動態が社会的見解上 1 個のものと評価されるかどうかで判断する ウ 侵害された法益が同一であれば 1 個の行為とみて観念的競合とし、法益が異なれば併合罪とする エ 行為者が 1 個の意思決定に基づいて行った行為であれば、動態が複数であっても 1 個の行為とみる undefined 時間的・場所的に近接して行われた行為はすべて 1 個の行為とみて観念的競合とする)
発展
- 次の事例における罪数の処理として、判例の考え方に照らして妥当なものはどれですか。A は B 宅に侵入し、居合わせた B・C・D の 3 人を順に殺害した(住居侵入罪と殺人罪 3 個)。 (ア 3 個の殺人罪は併合罪であり、住居侵入罪はそのうち最初の殺人罪とだけ牽連犯となり、残りの殺人罪とは併合罪となる イ 住居侵入罪と 3 個の殺人罪はいずれも別個の行為であるためすべて併合罪となり、最も重い罪の長期の 1.5 倍を長期として処断される ウ 住居侵入罪が 3 個の殺人罪それぞれと牽連犯の関係に立つため、住居侵入罪がかすがいとなって全体が科刑上一罪として処理される エ 住居侵入罪は各殺人罪の手段にすぎず殺人罪に吸収されるため法条競合となり、3 個の殺人罪の併合罪として処理される undefined 住居侵入罪と 3 個の殺人罪は 1 個の計画に基づく行為であるため、全体が観念的競合として処理される)
- 共同正犯に関する判例の説明として妥当なものはどれですか。 (ア 他人が傷害行為を始めた後に途中から加わった者は、加わる前にすでに生じていた傷害については責任を負わない イ 他人が傷害行為を始めた後に途中から加わった者は、先行者の行為を認識して利用した以上、加わる前に生じていた傷害についても共同正犯として責任を負う ウ 過失犯には意思の連絡がありえないため、判例は過失犯の共同正犯を一貫して否定している エ 片面的共同正犯は、相手方に意思の連絡がなくても一方が共同実行の意思をもっていれば成立する undefined 共同正犯の成立には全員が実行行為の一部を分担することが要り、共謀のみに加わった者は共同正犯にならない)
- 共犯と身分(65 条)に関する説明として妥当なものはどれですか。 (ア 公務員でない者が公務員の収賄に加担した場合、収賄罪は身分がなければ成立しない真正身分犯であるため、65 条 1 項により公務員でない者にも収賄罪の共犯が成立する イ 公務員でない者が公務員の収賄に加担した場合、身分がないため収賄罪の共犯にはならず、贈賄罪が成立するにとどまる ウ 常習賭博者の賭博に非常習者が加担した場合、65 条 1 項により非常習者にも常習賭博罪が成立し、常習賭博罪の刑で処断される エ 65 条 1 項は不真正身分犯の共犯の成立に関する規定であり、2 項は真正身分犯の科刑に関する規定である undefined 業務上横領罪は身分がなければ成立しない真正身分犯であるため、65 条 2 項は適用されない)
- 共犯の錯誤に関する説明として、判例・通説の考え方に照らして妥当なものはどれですか。 (ア A と B が傷害を共謀し、B が殺意をもって C を殺害した場合、殺意のなかった A にも殺人罪の共同正犯が成立する イ A が B に C の殺害を教唆したところ B が誤って D を殺害した場合、A の認識と結果が食い違うため A には殺人罪の教唆犯は成立しない ウ A が B に窃盗を教唆したところ B が強盗を実行した場合、A の認識と結果が食い違うため A には故意がなく、いかなる罪も成立しない エ A が B に窃盗を教唆したところ B が強盗を実行した場合、A には窃盗罪と強盗罪が重なり合う範囲で窃盗罪の教唆犯が成立する undefined A が B に窃盗を教唆したところ B が強盗を実行した場合、A は B の行為の全体について責任を負うため強盗罪の教唆犯が成立する)
- 窃盗罪(10 年以下の拘禁刑)と傷害罪(15 年以下の拘禁刑)が併合罪の関係にあり、両罪について有期拘禁刑を科す場合、47 条による処断刑の長期として正しいものはどれですか。 (ア 30 年 イ 25 年 ウ 22 年 6 月 エ 20 年 undefined 15 年)
刑法総論④(未遂・中止犯・共犯・罪数) ── 解答
基礎
- エ 静脈に注射した空気の量が通常致死量に達しなくても、被害者の体調によっては死の危険がないとはいえず、一般人の目から見て危険があるため殺人未遂罪が成立する 静脈に注射した空気の量が通常致死量に達しなくても、被害者の体調によっては死の危険がないとはいえず、一般人の目から見て危険があるため殺人未遂罪が成立する。判例は「事案 → 結論 → 理由の言い回し」で覚える(zc-04 解説の表を参照)。
- ウ 正犯の刑を減軽する(必要的減軽) 正犯の刑を減軽する(必要的減軽)。未遂=任意的減軽(43 条本文)、中止犯=必要的減免(43 条ただし書)、教唆=正犯の刑(61 条)、幇助=必要的減軽(63 条)、併合罪=最も重い罪の長期の 1.5 倍(47 条)。
- イ 未遂を罰するには各本条に未遂処罰の規定が要り、傷害罪や器物損壊罪のように未遂処罰規定のない罪では未遂は処罰されない 44 条「未遂を罰する場合は、各本条で定める」。未遂の刑は任意的減軽(43 条本文)。予備は実行の着手前で、殺人予備など特に規定のある罪だけ処罰される。
- イ 中止犯が成立するには実行の着手後であることが要り、強盗予備の段階で中止しても 43 条ただし書は準用されない 最大判昭和 29 年 1 月 20 日は強盗予備罪への中止未遂規定の準用を否定。中止犯は必要的減免であって無罪ではなく、効果は中止した者だけの一身的なもの。結果が発生すれば既遂で中止犯にならない。
- undefined 観念的競合と牽連犯は科刑上一罪と呼ばれ、いずれも数個の罪が成立するが最も重い刑で処断される 54 条 1 項。特別関係は法条競合(本来的一罪)。併合罪は確定裁判を経ていない 2 個以上の罪(45 条)。同一機会の反復窃盗は接続犯として包括一罪。
標準
- イ 血を見て驚愕・恐怖したことによる中止は外部的な障害によるものに近く、自己の意思による中止とはいえないため、中止犯は成立せず殺人の障害未遂となる 血を見て驚愕・恐怖したことによる中止は外部的な障害によるものに近く、自己の意思による中止とはいえないため、中止犯は成立せず殺人の障害未遂となる。対応する判例:最判昭和 24 年 7 月 9 日(驚愕による中止)・最決平成元年 6 月 26 日(共犯関係の解消)・最判昭和 32 年 11 月 19 日(業務上横領と 65 条)・最判平成 17 年 4 月 14 日(監禁と恐喝)・最大判昭和 49 年 5 月 29 日(酒酔い運転と過失致死)。
- エ 窃盗罪の幇助犯 窃盗罪の幇助犯。共謀に加わり分け前の約束など正犯としての関与があれば共謀共同正犯(練馬事件)、決意を生じさせれば教唆、すでにある決意を助ければ幇助、相手が知らない一方的な加担は片面的幇助、事情を知らない者を道具として使えば間接正犯。
- ウ 住居に侵入して窃盗をする場合、家に入っただけでは足りず、金品を物色するためタンスに近づいた時点で窃盗の実行の着手が認められる 最判昭和 23 年 4 月 17 日。判例は、構成要件の実現に至る現実的な危険性を含む行為を開始した時点で着手を認める。侵入直後は住居侵入罪のみ、物色開始で窃盗未遂、財物を支配下に移せば既遂。
- イ 実行行為が終わり結果発生に向かっている段階では、結果の発生を防止する真摯な努力が要り、放火後に隣人に消火を頼んで立ち去っただけでは中止行為にあたらない 大判昭和 12 年 6 月 25 日。着手未遂なら不作為で足り、実行未遂なら真摯な防止努力が要る。他人の助力を得てもよいが、自分が防止したのと同視できる程度の行動が要る。
- ア 硫黄の粉末を飲ませて人を殺そうとした事案では、硫黄で人を殺せないことが一般人にも明らかであるため不能犯とされ、殺人未遂罪は成立しないとされた 大判大正 6 年 9 月 10 日(硫黄事件)は不能犯。拳銃に弾がなかった事案(福岡高判昭和 28 年 11 月 10 日)は一般人から見て危険があるとして未遂犯。判例は一般人が認識できた事情と行為者が特に知っていた事情を基礎に、一般人の目で危険性を判断する。
- ウ 教唆犯が成立するには正犯が少なくとも実行に着手したことが要り、教唆したが相手が実行しなかった場合は原則として処罰されない 共犯従属性。幇助は正犯の実行を促進・容易にした関係で足りる。すでに決意している者を後押しするのは精神的幇助。間接教唆は 61 条 2 項で教唆犯と同様に処罰。
- ウ 住居侵入強盗の計画で、見張り役が実行着手前に現場を離れ仲間に電話で伝えても、それまでの共謀に基づく行為の危険を除去する措置をとらず仲間の了承もなければ、共犯関係は解消されない 最決平成 21 年 6 月 30 日。離脱者がそれまでの自分の寄与(因果性)を除去したかで判断する。着手前でも、危険を作り出した者は積極的にそれを取り除く行動が要る。
- イ 法的評価を離れ、自然的観察のもとで行為者の動態が社会的見解上 1 個のものと評価されるかどうかで判断する 最大判昭和 49 年 5 月 29 日。この基準で、無免許運転と酒酔い運転は観念的競合、酒酔い運転と運転中の事故による過失致死は併合罪とされた。
発展
- ウ 住居侵入罪が 3 個の殺人罪それぞれと牽連犯の関係に立つため、住居侵入罪がかすがいとなって全体が科刑上一罪として処理される 住居侵入罪が 3 個の殺人罪それぞれと牽連犯の関係に立つため、住居侵入罪がかすがいとなって全体が科刑上一罪として処理される。罪数は「1 個の行為か(観念的競合)→ 類型的な手段・結果か(牽連犯)→ どちらでもなければ併合罪」の順に判定する。
- ア 他人が傷害行為を始めた後に途中から加わった者は、加わる前にすでに生じていた傷害については責任を負わない 最決平成 24 年 11 月 6 日(承継的共同正犯)。過失犯の共同正犯は判例が肯定(最判昭和 28 年 1 月 23 日)。片面的共同正犯は意思の連絡がなく否定(片面的幇助は肯定)。共謀共同正犯は練馬事件で肯定。
- ア 公務員でない者が公務員の収賄に加担した場合、収賄罪は身分がなければ成立しない真正身分犯であるため、65 条 1 項により公務員でない者にも収賄罪の共犯が成立する 判例は 65 条 1 項を真正身分犯の共犯の成立、2 項を不真正身分犯の科刑の規定と読む。常習賭博は不真正身分犯なので非常習者には 2 項により通常の賭博罪の刑。業務上横領では 1 項で業務上横領の共同正犯が成立し、2 項で単純横領の刑(最判昭和 32 年 11 月 19 日)。
- エ A が B に窃盗を教唆したところ B が強盗を実行した場合、A には窃盗罪と強盗罪が重なり合う範囲で窃盗罪の教唆犯が成立する 抽象的事実の錯誤は 38 条 2 項により重なり合う範囲で軽い罪。共犯の過剰(傷害の共謀で一方が殺害)では殺意のない者は傷害致死の限度で責任。具体的事実の錯誤(C と D の取り違え)は法定的符合説により故意を阻却しない。
- ウ 22 年 6 月 最も重い罪(傷害罪)の長期 15 年にその 2 分の 1(7 年 6 月)を加えて 22 年 6 月。各罪の長期の合計 25 年を超えないので 22 年 6 月が長期。
受験のしらべ / https://juken-shirabe.com/koumuin/horitsu/zc-04/test/ / 問題は毎回の表示で数が変わります。印刷したものはその一例です。
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