情報公開法と個人情報保護 ── 問題
基礎
- 情報公開法(行政機関の保有する情報の公開に関する法律)について、法の適用対象となる機関に関する説明として正しいものはどれですか。 (ア 国会・裁判所を含む国のすべての機関が対象であり、地方公共団体の機関にも法が直接適用される イ 国の行政機関と地方公共団体の機関が対象であり、地方公共団体は条例を制定する必要がない ウ 国の行政機関と独立行政法人が同じ法律で規律され、地方公共団体には法の趣旨に沿った条例の制定が義務づけられている エ 国の行政機関が対象であり、国会と裁判所は対象に含まれず、地方公共団体には各団体の条例が対応する undefined 国の行政機関のうち内閣府と各省に限られ、会計検査院や独立行政法人は対象に含まれない)
- 情報公開・個人情報保護の制度について、2021 年(令和 3 年)の個人情報保護法改正の内容として正しいものはどれですか。 (ア 民間事業者に関する規律を総務省の所管に移し、行政機関に関する規律は情報公開・個人情報保護審査会が監督することとした イ 3 本の法律を 1 本に統合したが、地方公共団体には引き続き各団体の条例のみが適用され、法律は直接適用されないこととした ウ 民間・国の行政機関・独立行政法人等の 3 本の法律を 1 本に統合し、地方公共団体にも法律を直接適用して、監督を個人情報保護委員会に一元化した エ 国の行政機関に関する規律を行政機関個人情報保護法として独立させ、監督は各省庁の長に委ねたまま、地方公共団体には従来どおり各団体の条例による対応を継続させることとした undefined 地方公共団体の個人情報保護条例をすべて廃止し、地方公共団体には個人情報保護法の適用を除外して国の行政機関のみを対象とした)
- 情報公開法の不開示情報に関する説明として妥当なものはどれですか。 (ア 不開示情報が記録されている行政文書については、その一部に不開示情報がある場合でも全部を不開示としなければならない イ 行政機関の長は、不開示情報が記録されていても、公益上特に必要があると認めるときは開示することができる ウ 国の安全に関する情報は、公にすることにより国の安全が害されることが客観的に証明された場合に限って不開示となる エ 個人に関する情報は、公にすることによりプライバシーが害されると個別に認められる場合に限って不開示情報にあたる undefined 審議・検討に関する情報は、意思決定の前後を問わず、行政機関内部の情報である限りすべて不開示となる)
- 情報公開法と個人情報保護法の関係に関する説明として妥当なものはどれですか。 (ア 情報公開法に基づく開示請求では、請求者本人の個人情報は請求者に対しても不開示情報として扱われるため、本人が自己の情報を得る手段は存在しない イ 情報公開法は何人にも行政文書の開示請求権を認める制度であり、個人情報保護法は本人に自己の保有個人情報の開示・訂正・利用停止を求める権利を認める制度である ウ 情報公開法も個人情報保護法も、開示請求ができるのは当該文書に記録された情報の本人又はその代理人に限られ、利害関係のない第三者は開示を請求することができない エ 個人情報保護法に基づく開示請求は、情報公開法に基づく開示請求と異なり、審査請求や取消訴訟によって争うことができない undefined 情報公開法と個人情報保護法の不開示情報は全く異なる基準で定められており、両者に共通する類型はない)
- 個人情報保護法の定義に関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア 法人に関する情報も個人情報保護法の個人情報にあたり、法人はその情報の開示・訂正を請求することができる イ 他の情報と照合することによって初めて特定の個人を識別できる情報は、それ単独では識別できないため個人情報にあたらない ウ 死者に関する情報も個人情報にあたるため、遺族は死者の情報について常に開示請求をすることができる エ 個人情報とは、生存する個人に関する情報のうち氏名・生年月日・住所の 3 つに限られ、顔画像や指紋などの生体情報は含まれない undefined 要配慮個人情報とは、人種・信条・社会的身分・病歴・犯罪の経歴など、不当な差別や偏見が生じないよう取扱いにとくに配慮を要する情報をいう)
標準
- 次の事例について、情報公開法の規定に照らした結論として妥当なものはどれですか。A は、ある省庁の会議の議事録の開示を請求した。議事録には民間委員の発言部分に個人の病歴が含まれていたが、その部分は他の部分と容易に区分できる。 (ア 行政機関の長の裁量で、病歴の部分を除いた残りを開示することができる。部分開示をするかどうかは長の判断に委ねられている イ 病歴の部分を除いた残りの部分を開示しなければならない。不開示情報の部分を容易に区分して除くことができるときは部分開示が義務づけられる ウ 議事録の全部を不開示としなければならない。個人の病歴は要配慮個人情報であり、これが一部にでも含まれる文書は一体として不開示情報にあたると解される エ 病歴の部分を含めて議事録の全部を開示しなければならない。会議の議事録は公務員の職務遂行に関する情報であり不開示情報にあたらない undefined 文書の存否を明らかにしないで開示請求を拒否することができる。病歴の有無を答えること自体が不開示情報の開示にあたる)
- 情報公開法の開示請求手続に関する説明として妥当なものはどれですか。 (ア 開示請求は口頭ですることができ、行政機関の長は請求を受けた日から 14 日以内に開示決定等をしなければならない イ 開示請求に係る行政文書に第三者に関する情報が記録されているとき、行政機関の長は当該第三者に例外なく意見書を提出する機会を与えなければならず、第三者が開示に反対する意見書を提出した場合には当該第三者の同意を得ない限り開示決定をすることができない ウ 開示請求には請求手数料はかからず、開示の実施の際にのみ実費の範囲内で手数料を納めればよい エ 開示請求に係る行政文書が著しく大量である場合、行政機関の長は開示請求を却下することができる undefined 開示請求に係る行政文書に第三者に関する情報が記録されているとき、行政機関の長は当該第三者に意見書を提出する機会を与えることができ、人の生命等を保護するために開示する場合には与えなければならない)
- 情報公開法に関する最高裁判所の判例の説明として妥当なものはどれですか。 (ア 不開示決定の取消訴訟では、裁判所は明文の規定がなくても、当該行政文書を非公開で見分するインカメラ審理を行うことができる イ 不存在を理由とする不開示決定の取消訴訟では、開示請求の時点で行政機関が当該文書を保有していたことについて、開示請求者が立証責任を負う ウ 過去のある時点で行政文書が作成された事実が認められれば、その後も保有が継続していることは反証を許さない法律上の推定を受ける エ 不存在を理由とする不開示決定の取消訴訟では、文書が存在しないことについて行政機関が立証責任を負い、廃棄の経緯を立証できなければ請求が認容される undefined 地方公共団体の長の交際費に関する文書は、相手方が識別されうる場合であっても、公金の使途に関する情報である以上すべて公開しなければならない)
- 個人情報保護法における行政機関等の義務に関する説明として妥当なものはどれですか。 (ア 行政機関等は、法令の定める所掌事務の遂行に必要な場合に限り、利用目的をできる限り特定して個人情報を保有しなければならない イ 行政機関等は、本人の同意がない限り、いかなる場合も利用目的以外の目的で保有個人情報を利用し、又は提供してはならない ウ 行政機関等は、保有個人情報の漏えいが発生した場合、個人情報保護委員会への報告を要せず、本人への通知のみを行えばよい エ 行政機関等は、個人情報ファイルを保有するときは個人情報保護委員会の許可を受けなければならず、個人情報ファイル簿の公表は任意である undefined 行政機関等は、本人から直接書面で個人情報を取得するときであっても、利用目的を本人に明示する必要はない)
- 個人情報・プライバシーに関する最高裁判所の判例の説明として妥当なものはどれですか。 (ア 住基ネットによる本人確認情報の管理・利用は、行政目的の範囲を超えて個人情報を集積するものであり、憲法 13 条に反して違憲である イ 住基ネットによる本人確認情報の管理・利用は、法令の根拠を欠くものであるが、漏えいの具体的な危険がないため憲法 13 条には反しない ウ 大学が講演会参加者の学籍番号・氏名・住所・電話番号を本人の同意なく警察に提出したことは、プライバシーに関する情報を無断で開示したものとして不法行為にあたる エ 大学が講演会参加者の氏名・住所等を警察に提出したことは、これらの情報が秘匿の必要性の低い単純な情報であるため、不法行為にはあたらない undefined みだりに指紋の押捺を強制されない自由は憲法 13 条により保障されるが、その保障は日本国民のみに及び、在留外国人には及ばないため、外国人登録法の指紋押捺制度は憲法上の問題を生じない)
- 情報公開法(行政機関の保有する情報の公開に関する法律)の手続について、開示請求書に形式上の不備がある場合の規定として正しいものはどれですか。 (ア 行政機関の長は、形式上の不備がある開示請求を直ちに却下しなければならず、補正を求めることはできず、開示請求者は改めて請求をし直す必要がある イ 形式上の不備がある開示請求は到達の効力を生じないため、補正がされた日から改めて決定の期限が起算される ウ 行政機関の長は、開示請求者に対し、相当の期間を定めてその補正を求めることができ、補正の参考となる情報を提供するよう努めなければならない エ 形式上の不備は行政機関の長が職権で補正しなければならず、開示請求者に補正を求めることはできない undefined 行政機関の長は、開示請求者に補正を求めなければならず、補正を求めずに不開示決定をした場合、その決定は当然に無効となる)
- 個人情報保護委員会に関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア 個人情報保護委員会は情報公開・個人情報保護審査会と同一の機関であり、審査請求に対する答申と事業者への勧告の両方を行う イ 個人情報保護委員会は内閣府の外局である合議制の機関で、民間事業者だけでなく国の行政機関や地方公共団体の取扱いも監視・監督する ウ 個人情報保護委員会は総務省の内部部局であり、総務大臣の指揮監督の下で民間事業者の個人情報の取扱いを監督する エ 個人情報保護委員会の監督の対象は民間事業者に限られ、国の行政機関の個人情報の取扱いは各省庁の長が自ら監督する undefined 個人情報保護委員会は地方公共団体の個人情報の取扱いについて監督権限をもたず、地方公共団体は各団体の条例により自主的に対応する)
- 公文書等の管理に関する法律(公文書管理法)に関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア 国立公文書館に移管された歴史公文書等は永久に非公開とされ、利用請求をすることはできない イ 公文書管理法は文書の保存についてのみ定めており、行政機関に文書を作成する義務を課してはいない ウ 公文書管理法は保存期間が満了した行政文書をすべて廃棄することを義務づけており、国立公文書館への移管は認められていない エ 公文書管理法は、意思決定の過程を検証できるよう文書の作成を義務づけ、保存期間が満了した行政文書は国立公文書館等への移管または廃棄をすることとしている undefined 公文書管理法は情報公開法の一部として同時に制定されており、開示請求の対象となる行政文書の範囲を、決裁を終えた文書に限って情報公開法より狭く定めている)
- A 社の技術情報が記録された行政文書について、B が開示請求をし、行政機関の長は A 社の反対意見書にもかかわらず開示決定をした。A 社がとり得る手段として妥当なものはどれですか。 (ア A 社は開示決定の取消訴訟を提起して執行停止を申し立てることができ、法はそのために開示決定の日と開示を実施する日との間に少なくとも 2 週間を置くこととしている イ A 社は開示決定の取消訴訟を提起することはできるが、取消訴訟の提起によって開示の実施は当然に停止するため、執行停止を申し立てる必要はない ウ A 社は開示決定について審査請求をすることができるが、取消訴訟を提起することはできない エ 開示決定は B に対する処分であるため、第三者である A 社は開示決定を争う法律上の利益をもたず、争うことができない undefined A 社は情報公開・個人情報保護審査会に直接申し立てて、開示決定の取消しを求めることができる)
- 行政機関等による保有個人情報の利用・提供に関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア 行政機関等は、本人の同意がない限り、いかなる場合であっても保有個人情報を利用目的以外の目的のために利用・提供することができない イ 保有個人情報の目的外利用は行政機関内部での利用に限って認められ、他の行政機関に提供することは一切できない ウ 行政機関等は、利用目的以外の目的のために保有個人情報を提供する場合、提供先が行政機関であれば理由を問わず提供することができる エ 行政機関等は、保有個人情報を本人以外の者に提供するにあたり、常に個人情報保護委員会の事前の承認を得なければならない undefined 行政機関等は、法令に基づく場合には、本人の同意がなくても保有個人情報を利用目的以外の目的のために提供することができる)
発展
- 情報公開法に基づく不開示決定に対する救済に関する説明として妥当なものはどれですか。 (ア 情報公開・個人情報保護審査会は内閣府に置かれ、その答申は行政機関の長を法的に拘束する イ 不開示決定について取消訴訟を提起するには、まず審査請求をして情報公開・個人情報保護審査会の答申を経なければならない ウ 不開示決定について審査請求をせずに直ちに取消訴訟を提起することができ、訴訟は原告の普通裁判籍所在地を管轄する高等裁判所の所在地の地方裁判所にも提起できる エ 審査請求を受けた行政機関の長は、行政不服審査法の原則どおり審理員を指名して審理させ、審理員意見書を受けて行政不服審査会に諮問しなければならない undefined 情報公開・個人情報保護審査会は不開示情報該当性を判断するため行政文書の提示を求めることができるが、諮問庁は国の安全や公共の安全に関する情報についてはこれを拒むことができる)
- 個人情報保護法に基づく開示請求に関する説明として妥当なものはどれですか。 (ア 開示請求に対する決定は、請求があった日から 60 日以内にしなければならず、延長は認められない イ 開示決定等に不服がある者は審査請求をすることができるが、行政機関の長は情報公開・個人情報保護審査会に諮問する必要はない ウ 開示請求は本人のほか、未成年者や成年被後見人の法定代理人、本人の委任による任意代理人もすることができる エ 開示請求の対象となる保有個人情報には、死亡した個人に関する情報も含まれ、遺族は死者の情報の開示を請求することができる undefined 開示請求は本人のみがすることができ、代理人による請求は本人が心身の故障により自ら請求できない場合に限られる)
- 次のうち、情報公開法の規定に照らして、行政機関の長の対応として誤っているものはどれですか。 (ア 特定の個人を名指しした文書の開示請求について、文書の存否を答えるだけで当該個人の犯罪歴の有無が分かってしまうため、文書の存否を明らかにしないで開示請求を拒否した イ 法人の正当な利益を害するおそれのある情報について、公益上特に必要があると認め、当該法人に意見書を提出する機会を与えた上で開示した ウ 開示に反対する意見書を提出した第三者がいる文書について開示決定をし、決定の日と開示を実施する日との間に 2 週間以上の期間を置いた エ 審議・検討に関する情報が含まれる文書の開示請求に対し、当該部分を容易に区分して除くことができたが、行政機関の長の裁量により文書の全部を不開示とした undefined 開示請求に係る文書が著しく大量であったため、相当の部分について 60 日以内に開示決定をし、残りの部分について相当の期間内に開示決定をした)
- 次の事例のうち、情報公開法・個人情報保護法の規定に照らして、開示請求者の主張が認められる可能性がもっとも高いものはどれですか。 (ア 地方公共団体が保有する文書について、情報公開法に基づく開示請求を当該地方公共団体の長にしたところ、法の対象でないとして受け付けられなかった請求者が、条例によらず情報公開法が直接適用されるべきだと主張している イ 審議中の法案に関する省内の検討資料の開示を請求し、率直な意見交換を損なうおそれがあるとして不開示とされた請求者が、意思決定前であっても無条件に開示されるべきだと主張している ウ ある省庁の課長級職員が出席した会議の議事録について、出席した職員の職名と発言内容の部分を「個人に関する情報」として不開示とされた請求者が、その部分の開示を求めている エ 国会の委員会の速記録の開示を、情報公開法に基づき衆議院事務局に請求したところ、対象機関でないとして受け付けられず、その取消しを求めている undefined 亡くなった親の診療記録の開示を、個人情報保護法に基づく本人の開示請求として国立の医療機関に請求したところ、対象となる保有個人情報でないとされた遺族が、その取消しを求めている)
- 公文書の非公開決定における理由付記に関する最高裁判所の判例(最判平成 4 年 12 月 10 日)の説明として妥当なものはどれですか。 (ア 非公開決定の理由付記は行政手続法の理由の提示とは別の制度であり、記載が不十分でも決定は違法とならない イ 非公開決定の理由付記に不備があっても、後の審査請求の手続や訴訟で処分庁が理由を明らかにすれば瑕疵は治癒されるため、非公開決定の取消事由にはならない ウ 非公開決定の通知書には、非公開の根拠となる条例の条項を示せば足り、該当する要件や理由を具体的に示す必要はない エ 非公開決定の理由は、請求者から求めがあった場合に限って示せば足り、通知書に記載する必要はない undefined 根拠となる条例の条項を示すだけでは足りず、どの情報がどの要件に該当するのかを、請求者が通知書の記載自体から了知し得る程度に示さなければならない)
情報公開法と個人情報保護 ── 解答
基礎
- エ 国の行政機関が対象であり、国会と裁判所は対象に含まれず、地方公共団体には各団体の条例が対応する 国の行政機関が対象であり、国会と裁判所は対象に含まれず、地方公共団体には各団体の条例が対応する。情報公開法は「何人も」「行政文書」「原則開示」「30 日」のような 1 語・1 数字の入れかえで誤答が作られる(zg-07 解説 §1・§3)。
- ウ 民間・国の行政機関・独立行政法人等の 3 本の法律を 1 本に統合し、地方公共団体にも法律を直接適用して、監督を個人情報保護委員会に一元化した 民間・国の行政機関・独立行政法人等の 3 本の法律を 1 本に統合し、地方公共団体にも法律を直接適用して、監督を個人情報保護委員会に一元化した。審査会への諮問(情報公開法 19 条)、個人情報の定義(個人情報保護法 2 条)、2021 年改正、訂正・利用停止請求の開示前置、公務員情報の例外(情報公開法 5 条 1 号ハ)を整理する(zg-07 解説 §4・§5)。
- イ 行政機関の長は、不開示情報が記録されていても、公益上特に必要があると認めるときは開示することができる 裁量的開示(7 条)。部分開示は容易に区分できるときは義務(6 条)。個人情報は個人識別型で、プライバシー型ではない。国の安全等の情報は「おそれがあると行政機関の長が認めることにつき相当の理由がある情報」であり、客観的証明までは求められていない。審議・検討情報は率直な意見交換等を損なうおそれがある場合に限られる。
- イ 情報公開法は何人にも行政文書の開示請求権を認める制度であり、個人情報保護法は本人に自己の保有個人情報の開示・訂正・利用停止を求める権利を認める制度である 情報公開法は「何人も」、個人情報保護法の開示請求は「本人(代理人可)」。情報公開法では請求者本人の情報も個人識別情報として不開示になりうるため、自己情報は個人情報保護法の開示請求で得る。個人情報保護法の開示決定等も審査請求・取消訴訟の対象になる。不開示情報の類型は両法でほぼ対応している。
- undefined 要配慮個人情報とは、人種・信条・社会的身分・病歴・犯罪の経歴など、不当な差別や偏見が生じないよう取扱いにとくに配慮を要する情報をいう 個人情報保護法 2 条 3 項(要配慮個人情報)。個人情報は生存する個人に関する情報で、氏名などにより特定の個人を識別できるもの(他の情報と容易に照合して識別できるものを含む)と、個人識別符号(顔認証データ・指紋データ・マイナンバー等)を含むもの(2 条 1 項・2 項)。死者・法人の情報は個人情報ではない。
標準
- イ 病歴の部分を除いた残りの部分を開示しなければならない。不開示情報の部分を容易に区分して除くことができるときは部分開示が義務づけられる 病歴の部分を除いた残りの部分を開示しなければならない。不開示情報の部分を容易に区分して除くことができるときは部分開示が義務づけられる。部分開示(6 条・義務)、存否応答拒否(8 条)、第三者の意見書(13 条)、不存在の立証責任(沖縄返還密約事件 最判平成 26 年 7 月 14 日)、裁判所のインカメラ審理否定(最決平成 21 年 1 月 15 日)を事例から見分ける(zg-07 解説 §2〜§4)。
- undefined 開示請求に係る行政文書に第三者に関する情報が記録されているとき、行政機関の長は当該第三者に意見書を提出する機会を与えることができ、人の生命等を保護するために開示する場合には与えなければならない 13 条。第三者への意見聴取は原則任意、人の生命等の保護のための開示や裁量的開示のときは義務。請求は書面(4 条)、期限は 30 日(10 条)。大量請求は 11 条の特例で「相当の部分を 60 日以内、残りは相当の期間内」であり却下事由ではない。反対意見書に拘束力はなく、開示するときは 2 週間の猶予を置く(13 条 3 項)。手数料は開示請求手数料と開示実施手数料の 2 段階(16 条)。
- イ 不存在を理由とする不開示決定の取消訴訟では、開示請求の時点で行政機関が当該文書を保有していたことについて、開示請求者が立証責任を負う 沖縄返還密約事件(最判平成 26 年 7 月 14 日)。過去の作成事実から保有継続が推認される場合はあるが、法律上の推定ではなく、廃棄の可能性などの事情で推認が働かないこともある。裁判所のインカメラ審理は最決平成 21 年 1 月 15 日が否定。大阪府知事交際費事件(最判平成 6 年 1 月 27 日)は、相手方が識別されうる交際費は非公開情報にあたるとした。
- ア 行政機関等は、法令の定める所掌事務の遂行に必要な場合に限り、利用目的をできる限り特定して個人情報を保有しなければならない 61 条。目的外利用・提供は原則禁止だが、本人の同意のほか、法令に基づく場合、行政機関内部で相当の理由がある場合、他の行政機関等に提供する相当の理由がある場合などの例外がある(69 条)。直接書面取得時は利用目的の明示が必要(62 条)。漏えい等は委員会への報告と本人通知(68 条)。個人情報ファイル簿は作成・公表が義務(75 条)で、許可制ではない。
- ウ 大学が講演会参加者の学籍番号・氏名・住所・電話番号を本人の同意なく警察に提出したことは、プライバシーに関する情報を無断で開示したものとして不法行為にあたる 早稲田大学講演会名簿事件(最判平成 15 年 9 月 12 日)。個々の情報は単純でも、本人が開示を望まない情報として法的保護の対象になる。住基ネット事件(最判平成 20 年 3 月 6 日)は、法令の根拠に基づき正当な行政目的の範囲内で行われ、漏えいの具体的危険もないとして合憲。指紋押捺の自由は外国人にも及ぶ(最判平成 7 年 12 月 15 日)。
- ウ 行政機関の長は、開示請求者に対し、相当の期間を定めてその補正を求めることができ、補正の参考となる情報を提供するよう努めなければならない 行政機関の長は、開示請求者に対し、相当の期間を定めてその補正を求めることができ、補正の参考となる情報を提供するよう努めなければならない。第三者反対時の 2 週間(13 条 3 項)、大量請求の特例 60 日(11 条)、実施方法の申出 30 日(14 条 3 項)、補正の求め(4 条 2 項)、実施方法(14 条 1 項)。決定期限の 30 日+30 日延長(10 条)と数字を混ぜるのが定番の誤り(zg-07 解説 §3)。
- イ 個人情報保護委員会は内閣府の外局である合議制の機関で、民間事業者だけでなく国の行政機関や地方公共団体の取扱いも監視・監督する 個人情報保護委員会は 2016 年に内閣府の外局として設置され、委員長・委員は独立して職権を行う。2021 年改正により、国の行政機関・独立行政法人等・地方公共団体も委員会の監視の対象となった(資料提出要求・実地調査・指導・助言・勧告など)。審査請求の諮問機関である情報公開・個人情報保護審査会(総務省)とは別の機関。
- エ 公文書管理法は、意思決定の過程を検証できるよう文書の作成を義務づけ、保存期間が満了した行政文書は国立公文書館等への移管または廃棄をすることとしている 公文書管理法(2009 年制定・2011 年施行)は、作成義務(4 条)、行政文書ファイル管理簿、保存期間満了後の移管または廃棄(8 条)、国立公文書館等に移管された特定歴史公文書等の利用請求(16 条)などを定める。行政文書の定義は情報公開法と同じ。
- ア A 社は開示決定の取消訴訟を提起して執行停止を申し立てることができ、法はそのために開示決定の日と開示を実施する日との間に少なくとも 2 週間を置くこととしている 反対意見書を提出した第三者には開示決定を争う法律上の利益があり、審査請求(審査会への諮問あり)も取消訴訟もできる。取消訴訟に執行停止の効力はないので執行停止の申立てが要り、13 条 3 項の 2 週間はそのための猶予。審査会は審査庁の諮問に答える機関で、第三者が直接申し立てる先ではない。
- undefined 行政機関等は、法令に基づく場合には、本人の同意がなくても保有個人情報を利用目的以外の目的のために提供することができる 個人情報保護法 69 条。目的外の利用・提供は原則禁止だが、法令に基づく場合(捜査関係事項照会など)、本人の同意がある場合、行政機関内部の利用や他の行政機関等への提供で相当の理由がある場合、などに例外的に認められる。他の行政機関に提供する場合も「相当の理由」が要る。委員会の事前承認という制度はない。
発展
- ウ 不開示決定について審査請求をせずに直ちに取消訴訟を提起することができ、訴訟は原告の普通裁判籍所在地を管轄する高等裁判所の所在地の地方裁判所にも提起できる 審査請求前置ではなく自由選択。管轄の特例は 21 条(特定管轄裁判所)。情報公開法の審査請求では審理員・行政不服審査会の手続に代えて情報公開・個人情報保護審査会に諮問する(19 条)。審査会のインカメラ審理の求めを諮問庁は拒めない(審査会設置法 9 条)。審査会は総務省に置かれ、答申に法的拘束力はない。
- ウ 開示請求は本人のほか、未成年者や成年被後見人の法定代理人、本人の委任による任意代理人もすることができる 76 条 2 項。死者の情報は「生存する個人」の情報ではないので個人情報にあたらない(遺族自身の情報にもあたる場合は別)。決定期限は 30 日以内・30 日以内の延長可(83 条)。審査請求があれば原則として審査会に諮問しなければならない(105 条)。
- エ 審議・検討に関する情報が含まれる文書の開示請求に対し、当該部分を容易に区分して除くことができたが、行政機関の長の裁量により文書の全部を不開示とした 部分開示は、容易に区分して除くことができるときは義務であり(6 条)、裁量で全部不開示にすることはできない。他の肢は、存否応答拒否(8 条)、裁量的開示と義務的な意見聴取(7 条・13 条 2 項)、大量請求の特例(11 条)、第三者反対時の猶予期間(13 条 3 項)として適法な対応。
- ウ ある省庁の課長級職員が出席した会議の議事録について、出席した職員の職名と発言内容の部分を「個人に関する情報」として不開示とされた請求者が、その部分の開示を求めている 公務員の職と職務遂行の内容は個人に関する情報の不開示事由から除かれる(5 条 1 号ハ)ので、職名と発言内容の不開示は違法となる可能性が高い。地方公共団体には情報公開法は直接適用されず各団体の条例による(25 条は努力義務)。国会は情報公開法の対象外、死者の情報は個人情報にあたらず、審議・検討情報は意思決定前には不開示となりうる。
- undefined 根拠となる条例の条項を示すだけでは足りず、どの情報がどの要件に該当するのかを、請求者が通知書の記載自体から了知し得る程度に示さなければならない 東京都公文書開示条例に関する判例。理由付記の趣旨(判断の慎重・公正の担保と不服申立ての便宜)から、根拠条項だけを示した非公開決定を違法とした。理由付記の不備は後から理由を示しても治癒されない(最判昭和 47 年 12 月 5 日)。国の情報公開法による不開示決定なら、現在は行政手続法 8 条の理由の提示の問題になる(条例に基づく決定には各自治体の行政手続条例が適用される)。
受験のしらべ / https://juken-shirabe.com/koumuin/horitsu/zg-07/test/ / 問題は毎回の表示で数が変わります。印刷したものはその一例です。
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