行政事件訴訟法 ── 問題
基礎
- 行政事件訴訟法の取消訴訟について、被告適格に関する規定として正しいものはどれですか。 (ア 処分をした行政庁を被告として提起しなければならず、国又は公共団体を被告とすることはできない イ 処分をした行政庁の長である公務員個人を被告として提起しなければならない ウ 処分をした行政庁とその所属する国又は公共団体のいずれを被告とするかは原告が自由に選択することができ、被告を誤った場合でも裁判所は職権で被告を変更しなければならない エ 処分をした行政庁が国又は公共団体に所属する場合、当該行政庁の所属する国又は公共団体を被告として提起しなければならない undefined 処分をした行政庁の上級行政庁を被告として提起しなければならず、上級行政庁がない場合は法務大臣を被告とする)
- 行政事件訴訟法の訴訟類型に関する説明として妥当なものはどれですか。 (ア 土地収用における損失補償の額を起業者と土地所有者の間で争う訴えは、抗告訴訟のうち処分の取消しの訴えにあたる イ 行政事件訴訟法は抗告訴訟を法定の 6 類型に限定しており、法定されていない無名抗告訴訟を提起することは認められない ウ 民衆訴訟と機関訴訟は、自己の法律上の利益にかかわらない資格で提起する客観訴訟であるため、法律に特別の定めがなくても、公益の実現を求める何人でも提起することができる エ 抗告訴訟として法定されているのは、処分の取消しの訴え、裁決の取消しの訴え、無効等確認の訴え、不作為の違法確認の訴え、義務付けの訴え、差止めの訴えの 6 つである undefined 当事者訴訟は行政庁の公権力の行使に関する不服の訴訟であり、営業停止処分の取消しを求める訴えがその典型である)
- 取消訴訟の審理に関する説明として妥当なものはどれですか。 (ア 裁判所は、当事者が主張していない事実についても職権で探知し、これに基づいて処分の違法性を判断することができる イ 処分の取消訴訟と裁決の取消訴訟の双方を提起できる場合、裁決の取消訴訟においても原処分の違法を主張することができる ウ 処分の違法性は、口頭弁論終結時の法令と事実を基準として判断される エ 裁判所は、必要があると認めるときは職権で証拠調べをすることができるが、その結果について当事者の意見を聴かなければならない undefined 原告は、自己の法律上の利益に関係のない違法であっても、処分に何らかの違法があればこれを理由として取消しを求めることができる)
- 当事者訴訟・民衆訴訟・機関訴訟に関する説明として妥当なものはどれですか。 (ア 地方公共団体の住民が、当該団体の違法な公金支出について提起する住民訴訟は、自己の権利利益の救済を目的とする抗告訴訟の一種である イ 当事者訴訟には取消訴訟の出訴期間の規定が準用されるため、公法上の法律関係の確認の訴えは処分を知った日から 6 か月以内に提起しなければならない ウ 在外国民が次回の衆議院議員選挙において投票できる地位にあることの確認を求める訴えは、選挙の効力を争う民衆訴訟にあたる エ 土地収用に伴う損失補償の額について、起業者と土地所有者の間で争う訴えは、法律の定めにより当事者間の訴訟の形式をとる形式的当事者訴訟である undefined 地方公共団体の長と議会との間の権限の存否に関する争いは、対等な当事者間の紛争であるため、法律の定めがなくても実質的当事者訴訟として提起することができる)
標準
- 次の事例について、最高裁判所の判例の考え方に照らした結論として妥当なものはどれですか。G 県は土地区画整理法に基づき、土地区画整理事業の事業計画を決定し公告した。施行地区内に宅地を所有する H は、この事業計画の決定の取消訴訟を提起した。 (ア 事業計画の決定には処分性が認められる。決定により H は換地処分を受けるべき地位に立たされ、建築制限も受けるのであり、換地処分の段階で争わせるのでは実効的な権利救済にならないからである イ 事業計画の決定には処分性が認められない。H は事業計画の決定によって生じた損失について損失補償を請求することができ、それで救済は足りるからである ウ 事業計画の決定には処分性が認められない。事業計画は事業の青写真にすぎず、これによる建築制限は付随的な効果であって、H は換地処分がされた段階でその取消訴訟を提起すれば権利救済として足りるからである エ 事業計画の決定には処分性が認められる。事業計画の決定の後に行われる換地処分は事業計画に拘束される事実行為であり、換地処分を争うことはできないからである undefined 事業計画の決定には処分性が認められない。事業計画の決定は行政計画であり、行政計画はその性質上取消訴訟の対象とならないからである)
- 取消訴訟の原告適格・訴えの利益に関する最高裁判所の判例について、公務員の免職処分の取消訴訟の係属中に、原告が公職選挙に立候補して公務員の地位を回復できなくなった場合の訴えの利益に関する判断として妥当なものはどれですか。 (ア 公務員としての地位は回復できないが、免職処分の違法を確定させること自体に法律上の利益があるため、訴えの利益は認められる イ 立候補による地位の喪失は原告の自発的な行為によるものであるため、原告は取消訴訟を取り下げて国家賠償請求に切り替えなければならない ウ 公務員としての地位は回復できないが、免職処分が取り消されれば免職から立候補までの間の給与請求権が認められるため、訴えの利益は認められる エ 公職に立候補したことにより免職処分を受け入れたものとみなされるため、訴えの利益は認められない undefined 公務員としての地位を回復することができなくなった以上、取消判決を得ても原告の法的地位に変動を生じさせることができないため、給与の問題は別途民事訴訟で争うべきであり訴えの利益は認められない)
- 取消訴訟の原告適格に関する説明として妥当なものはどれですか。 (ア 鉄道の特急料金の認可について、特急を日常的に利用する通勤者には、料金を不当に高く設定されない法律上の利益があるため原告適格が認められる イ 処分の相手方以外の第三者には、処分の根拠法令に当該第三者の利益を保護する旨の個別具体的な明文の規定がある場合に限って原告適格が認められ、関係法令の趣旨から原告適格を導くことはできない ウ 公正競争規約の認定について、一般消費者は表示に関して事実上の利害関係を有するため、消費者団体にも原告適格が認められる エ 史跡の指定解除処分について、当該遺跡を研究対象とする学術研究者には、文化財保護条例上の法律上の利益があるため原告適格が認められる undefined 裁判所は、処分の相手方以外の者の原告適格を判断するにあたり、処分の根拠法令の趣旨・目的のほか、関係法令の趣旨・目的や、処分により害されることとなる利益の内容・性質・程度をも考慮しなければならない)
- 取消訴訟の判決とその効力に関する説明として妥当なものはどれですか。 (ア 処分を取り消す判決は、訴訟の当事者である原告と被告との間でのみ効力を有し、訴訟に参加しなかった第三者には及ばないため、第三者との関係では処分は取消し後も有効なものとして扱われ、第三者の再審の訴えの制度も設けられていない イ 申請を却下した処分が判決により取り消された場合、処分庁は判決の拘束力により申請を認容する処分をしなければならず、別の理由で再び却下することはできない ウ 裁判所は、処分が違法であっても、これを取り消すことにより公の利益に著しい障害を生ずる場合において、一切の事情を考慮して取消しが公共の福祉に適合しないと認めるときは、請求を棄却し、判決の主文で処分が違法であることを宣言することができる エ 処分を取り消す判決が確定した場合、処分庁は取消判決の趣旨に従って改めて処分を取り消す行為をしなければ、処分の効力は失われない undefined 事情判決がされた場合、原告は処分が違法であることの宣言を得られるが、訴訟費用はすべて原告の負担となる)
- 行政事件訴訟法の執行停止と内閣総理大臣の異議に関する説明として妥当なものはどれですか。 (ア 執行停止の要件である「重大な損害」は、2004 年改正前の「回復の困難な損害」より厳格な要件であり、金銭で回復できる損害は一切含まれない イ 内閣総理大臣の異議は裁判所を拘束しないため、裁判所は異議に理由がないと認めるときは執行停止をすることができる ウ 裁判所は、取消訴訟が提起された場合、当事者の申立てがなくても、重大な損害を避けるため緊急の必要があると認めるときは職権で処分の執行停止をすることができ、その際に処分庁の意見を聴く必要はない エ 執行停止の決定に対しては、原告・被告のいずれも不服を申し立てることができない undefined 内閣総理大臣は執行停止の申立てがあった場合、執行停止の決定の前後を問わず理由を付して異議を述べることができ、異議があったときは裁判所は執行停止をすることができず、すでにした執行停止は取り消さなければならない)
- 取消訴訟の訴えの利益に関する最高裁判所の判例の説明として妥当なものはどれですか。 (ア 市街化調整区域内の土地についての開発許可は、これにより建築制限が解除される仕組みになっているため、開発工事が完了した後も許可の取消しを求める訴えの利益は失われない イ 土地改良事業の施行認可の取消訴訟において、工事が完了し、換地処分も終わって原状回復が社会的・経済的に著しく困難となった場合には、認可を取り消しても事業を元に戻すことができないため訴えの利益は失われる ウ 生活保護の変更決定の取消訴訟において、原告である受給者が死亡した場合、保護受給権は相続人に承継されるため相続人が訴訟を承継する エ メーデーのための皇居外苑の使用不許可処分について、集会の期日が経過した後も、将来同種の申請をする可能性がある限り訴えの利益は失われない undefined 運転免許証の更新にあたり優良運転者である旨の記載をされなかった者には、記載の有無は法的地位に影響しないため、更新処分の取消しを求める訴えの利益は認められない)
発展
- 義務付け訴訟に関する説明として妥当なものはどれですか。 (ア 行政庁が一定の処分をすべきであるにもかかわらずこれをしない場合の義務付け訴訟のうち、申請を前提としないもの(非申請型)は、一定の処分がされないことにより重大な損害を生ずるおそれがあり、かつその損害を避けるため他に適当な方法がないときに限り提起することができる イ 義務付け訴訟の本案において、裁判所は行政庁の裁量に属する処分については義務付けの判決をすることができず、法令の規定から処分をすべきことが明らかな場合に限って認容することができる ウ 非申請型の義務付け訴訟は、処分の相手方となるべき者に限って提起することができ、第三者が規制権限の発動を求めて提起することはできない エ 申請に対する処分の義務付けを求める訴訟(申請型)は、申請に対して相当の期間内に処分がされない場合や申請が拒否された場合のいずれにおいても単独で提起することができ、不作為の違法確認訴訟や拒否処分の取消訴訟と併合して提起する必要はない undefined 義務付け訴訟には仮の救済の制度が設けられておらず、原告は執行停止の申立てによって暫定的な救済を求めるほかない)
- 無効等確認訴訟と不作為の違法確認訴訟に関する説明として妥当なものはどれですか。 (ア 不作為の違法確認訴訟は、法令に基づく申請をしていない者であっても、行政庁が規制権限を行使しないことにより生命・身体・財産などの法律上の利益を害されるおそれのある者であれば、申請の有無を問わず提起することができる イ 無効等確認訴訟には出訴期間の制限はないが、処分があったことを知った日から 6 か月を経過した後は提起することができない ウ 無効等確認訴訟は、当該処分に続く処分により損害を受けるおそれのある者、又は処分の無効を前提とする現在の法律関係に関する訴えによって目的を達することができない者に限って提起することができる エ 無効等確認訴訟を提起するには、処分の瑕疵が重大かつ明白であることを訴訟要件として原告が疎明しなければならない undefined 不作為の違法確認訴訟の認容判決が確定すると、行政庁は原告の申請を認容する処分をする義務を負う)
- 差止訴訟と公法上の当事者訴訟に関する最高裁判所の判例(最判平成 24 年 2 月 9 日)の説明として妥当なものはどれですか。 (ア 懲戒処分の差止訴訟は適法であるとした上で、本案においてすべての種類の懲戒処分について差止めを認容した イ 職務命令に従う義務のないことの確認を求める訴えは、将来の処分の差止めを実質的に求めるものであるため、公法上の当事者訴訟としては不適法であり、差止訴訟によるべきであるとした ウ 差止訴訟は処分の相手方となるべき者に原告適格が認められないため、教職員は差止訴訟を提起することができず、当事者訴訟によるほかないとした エ 卒業式等での国歌斉唱時の起立斉唱を命ずる職務命令に基づく懲戒処分について、処分が反復して行われることが見込まれ、事後の取消訴訟等では救済が困難であることから差止訴訟の「重大な損害」の要件を満たすとし、あわせて職務命令に従う義務のないことの確認を求める公法上の当事者訴訟も適法とした undefined 懲戒処分の差止訴訟は、処分がされた後に取消訴訟の提起と執行停止の申立てによって十分な救済を受けることができ、処分が反復して行われるとしてもそのつど争えば足りるため、「重大な損害を生ずるおそれ」の要件を欠き不適法であるとした)
- 次の事例のうち、行政事件訴訟法の規定又は判例に照らして、原告の訴えが訴訟要件を満たすと考えられるものはどれですか。 (ア 処分の日から 2 年後に、処分の存在を 1 か月前に初めて知ったとして、正当な理由を主張することなく処分の取消訴訟を提起した イ 処分を知った日から 5 か月後に、審査請求を経ることなく、処分をした県の知事が所属する県を被告として、県庁所在地を管轄する地方裁判所に処分の取消訴訟を提起した ウ 申請をしていない者が、行政庁が自分に有利な処分をしないのは違法であるとして、不作為の違法確認訴訟を提起した エ 処分を知った日から 2 か月後に、処分をした県知事個人を被告として、知事の住所地を管轄する地方裁判所に処分の取消訴訟を提起した undefined 審査請求前置が個別法で定められている処分について、審査請求をした翌週に、裁決を待たずに処分の取消訴訟を提起した(緊急の必要や正当な理由は特にない))
行政事件訴訟法 ── 解答
基礎
- エ 処分をした行政庁が国又は公共団体に所属する場合、当該行政庁の所属する国又は公共団体を被告として提起しなければならない 処分をした行政庁が国又は公共団体に所属する場合、当該行政庁の所属する国又は公共団体を被告として提起しなければならない。出訴期間(14 条)・被告(11 条)・自由選択主義(8 条)・管轄(12 条)・執行停止(25 条)は 2004 年改正後の条文で覚える(zg-09 解説 §4・§5)。
- エ 抗告訴訟として法定されているのは、処分の取消しの訴え、裁決の取消しの訴え、無効等確認の訴え、不作為の違法確認の訴え、義務付けの訴え、差止めの訴えの 6 つである 3 条 2〜7 項。民衆訴訟・機関訴訟は法律に定めがある場合に法律に定める者に限り提起できる(42 条)。当事者訴訟は対等な当事者間の公法上の法律関係に関する訴訟(4 条)で、損失補償額の争いは形式的当事者訴訟。無名抗告訴訟は否定されていない。
- エ 裁判所は、必要があると認めるときは職権で証拠調べをすることができるが、その結果について当事者の意見を聴かなければならない 職権証拠調べ(24 条)はできるが職権探知はできない。違法判断の基準時は処分時。取消理由の制限(10 条 1 項)。原処分主義(10 条 2 項)により裁決の取消訴訟では裁決固有の瑕疵しか主張できない。
- エ 土地収用に伴う損失補償の額について、起業者と土地所有者の間で争う訴えは、法律の定めにより当事者間の訴訟の形式をとる形式的当事者訴訟である 土地収用法 133 条の訴えは形式的当事者訴訟の典型。在外国民選挙権訴訟(最大判平成 17 年 9 月 14 日)の地位確認の訴えは公法上の当事者訴訟。住民訴訟は民衆訴訟(客観訴訟)。長と議会の争いは機関訴訟で、法律に定めがある場合に限られる(42 条)。当事者訴訟に出訴期間の規定は準用されない。
標準
- ア 事業計画の決定には処分性が認められる。決定により H は換地処分を受けるべき地位に立たされ、建築制限も受けるのであり、換地処分の段階で争わせるのでは実効的な権利救済にならないからである 事業計画の決定には処分性が認められる。決定により H は換地処分を受けるべき地位に立たされ、建築制限も受けるのであり、換地処分の段階で争わせるのでは実効的な権利救済にならないからである。医療法勧告(最判平成 17 年 7 月 15 日・肯定)、保育所廃止条例(最判平成 21 年 11 月 26 日・肯定)、用途地域指定(最判昭和 57 年 4 月 22 日・否定)、土地区画整理事業計画決定(最大判平成 20 年 9 月 10 日・肯定に変更)、通達(最判昭和 43 年 12 月 24 日・否定)。処分性は「法の仕組みの中で直接・具体的な不利益が確実か」で判断する(zg-09 解説 §2)。
- ウ 公務員としての地位は回復できないが、免職処分が取り消されれば免職から立候補までの間の給与請求権が認められるため、訴えの利益は認められる 公務員としての地位は回復できないが、免職処分が取り消されれば免職から立候補までの間の給与請求権が認められるため、訴えの利益は認められる。もんじゅ事件(最判平成 4 年 9 月 22 日)、小田急高架訴訟(最大判平成 17 年 12 月 7 日)、免許停止(最判昭和 55 年 11 月 25 日)、建築確認(最判昭和 59 年 10 月 26 日)、免職と立候補(最大判昭和 40 年 4 月 28 日)。訴えの利益は「残っている法効果」を探す(zg-09 解説 §3)。
- undefined 裁判所は、処分の相手方以外の者の原告適格を判断するにあたり、処分の根拠法令の趣旨・目的のほか、関係法令の趣旨・目的や、処分により害されることとなる利益の内容・性質・程度をも考慮しなければならない 9 条 2 項(2004 年改正)。主婦連ジュース事件(最判昭和 53 年 3 月 14 日)、近鉄特急料金事件(最判平成元年 4 月 13 日)、伊場遺跡事件(最判平成元年 6 月 20 日)はいずれも原告適格を否定。明文の規定がなくても法令の趣旨から個別的利益として保護されていれば原告適格は認められる。
- ウ 裁判所は、処分が違法であっても、これを取り消すことにより公の利益に著しい障害を生ずる場合において、一切の事情を考慮して取消しが公共の福祉に適合しないと認めるときは、請求を棄却し、判決の主文で処分が違法であることを宣言することができる 事情判決(31 条)。取消判決には第三者効がある(32 条)。取消判決には形成力があり、処分庁の取消し行為は不要。拘束力(33 条)により同一理由で同一処分はできないが、別の理由による再処分は妨げられない。訴訟費用について特別の規定はない。
- undefined 内閣総理大臣は執行停止の申立てがあった場合、執行停止の決定の前後を問わず理由を付して異議を述べることができ、異議があったときは裁判所は執行停止をすることができず、すでにした執行停止は取り消さなければならない 27 条。執行停止は申立てが必要(25 条 2 項)。「重大な損害」は「回復の困難な損害」より緩和された要件で、損害の回復の困難の程度・性質・程度、処分の内容・性質を考慮する(25 条 3 項)。異議には裁判所を拘束する効力がある。執行停止の決定には即時抗告ができる(25 条 7 項)。
- ア 市街化調整区域内の土地についての開発許可は、これにより建築制限が解除される仕組みになっているため、開発工事が完了した後も許可の取消しを求める訴えの利益は失われない 最判平成 27 年 12 月 14 日。土地改良事業は工事完了後も訴えの利益あり(最判平成 4 年 1 月 24 日。原状回復の困難は事情判決の考慮事情)。優良運転者の記載は法律上の地位にかかわり訴えの利益あり(最判平成 21 年 2 月 27 日)。生活保護受給権は一身専属で訴訟は終了(朝日訴訟)。皇居外苑は期日経過で消滅(最大判昭和 28 年 12 月 23 日)。
発展
- ア 行政庁が一定の処分をすべきであるにもかかわらずこれをしない場合の義務付け訴訟のうち、申請を前提としないもの(非申請型)は、一定の処分がされないことにより重大な損害を生ずるおそれがあり、かつその損害を避けるため他に適当な方法がないときに限り提起することができる 37 条の 2 第 1 項。申請型は不作為の違法確認訴訟または取消訴訟・無効等確認訴訟との併合提起が必要(37 条の 3 第 3 項)。本案要件は「法令の規定から明らか」または「裁量権の逸脱・濫用」(37 条の 2 第 5 項)。仮の義務付けがある(37 条の 5)。非申請型は隣地の違法建築に是正命令を求める第三者などが典型。
- ウ 無効等確認訴訟は、当該処分に続く処分により損害を受けるおそれのある者、又は処分の無効を前提とする現在の法律関係に関する訴えによって目的を達することができない者に限って提起することができる 36 条。無効等確認訴訟に出訴期間の制限はない。不作為の違法確認訴訟は申請をした者に限られる(37 条)。認容判決は不作為の違法を確認するだけで、何らかの応答義務は生ずるが認容処分を義務づけるものではない。瑕疵の重大明白性は本案の問題であり訴訟要件ではない。
- エ 卒業式等での国歌斉唱時の起立斉唱を命ずる職務命令に基づく懲戒処分について、処分が反復して行われることが見込まれ、事後の取消訴訟等では救済が困難であることから差止訴訟の「重大な損害」の要件を満たすとし、あわせて職務命令に従う義務のないことの確認を求める公法上の当事者訴訟も適法とした 差止訴訟の適法性を認め(免職以外の処分については本案で棄却)、当事者訴訟としての確認の訴えも適法とした。差止訴訟と当事者訴訟の使い分けを示した判例。
- イ 処分を知った日から 5 か月後に、審査請求を経ることなく、処分をした県の知事が所属する県を被告として、県庁所在地を管轄する地方裁判所に処分の取消訴訟を提起した 6 か月・1 年の出訴期間内、自由選択主義、被告は県(国・公共団体)、管轄は被告の普通裁判籍所在地であり適法。前置主義では 3 か月経過などの例外がなければ裁決を経る必要がある(8 条 2 項)。処分の日から 1 年を経過すると正当な理由がない限り不適法(14 条 2 項)。被告は行政庁が所属する公共団体(11 条)。不作為の違法確認訴訟は申請者に限られる(37 条)。
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