精神的自由②(表現の自由) ── 問題
基礎
- 次の判例について、北方ジャーナル事件(最大判昭和 61 年)で最高裁が示した結論として妥当なものはどれですか。 (ア 裁判所による出版の事前差止めは、行政権ではなく司法権が主体であっても、思想内容等の表現物を対象として発表前にその内容を審査し不適当と認めるものの発表を禁止するものであるため、21 条 2 項の検閲にあたり、公務員や公職の候補者に対する批判であるか否かを問わず、いかなる要件の下でも絶対的に禁止される イ 裁判所による出版の事前差止めは検閲にも事前抑制にもあたらないため、通常の民事保全の要件を満たせば足り、表現の自由に特別の配慮をする必要はない ウ 裁判所による出版の事前差止めは事前抑制にあたるため、公務員や公職の候補者に対する批判的な表現については、その内容の真実性を問わず一切許されない エ 裁判所による出版の事前差止めは検閲にはあたらないが事前抑制にあたり、公務員や公職の候補者への批判については、表現内容が真実でないか専ら公益目的でないことが明白で、かつ重大で著しく回復困難な損害を被るおそれがある場合に限って許される undefined 裁判所による出版の事前差止めは、名誉毀損の被害者の申立てがあれば、表現内容が公益目的であっても損害の回復が困難であると認められる限り広く許される)
- 表現の自由の基準や考え方について、表現の自由の規制のうち「内容中立規制」の説明として妥当なものはどれですか。 (ア 営利的な表現だけを対象とする規制で、政治的表現には適用されない イ 事後の刑罰による規制を指し、事前抑制と対比される概念である ウ 表現の内容や伝達効果に着目せず、表現の時・場所・方法だけを規制するもので、内容規制よりやや緩やかな審査でよいとされる エ 表現の内容を問わず一切の表現活動を禁止するもので、明白かつ現在の危険がある場合に限って許される undefined 表現の内容に着目して特定の思想や意見の表明を禁止するもので、内容中立という名称は規制の主体が中立であることを意味する)
- 知る権利に関する説明として妥当なものはどれですか。 (ア 知る権利は報道機関にのみ認められる権利であり、一般の国民には保障されない イ 知る権利は 21 条に明文で定められた具体的な権利であり、国民は情報公開法などの法律の定めがなくても 21 条を直接の根拠として、行政機関に対する行政文書の開示を裁判で請求することができる ウ 知る権利は 25 条の生存権から導かれる社会権であり、国は国民に情報を提供する具体的な義務を負う エ 知る権利は国家に妨げられずに情報を受け取る自由権としての側面に限られ、国に情報の公開を求める側面は含まれない undefined 知る権利は、表現の自由を情報の受け手の側からとらえ直したもので、国に情報の公開を求める請求権の側面は情報公開法などの法律があって初めて具体的な権利となる)
- 名誉毀損と表現の自由に関する説明として妥当なものはどれですか。 (ア 私人の私生活上の行状は、その人の社会的影響力にかかわらず公共の利害に関する事実にあたることはない イ 名誉毀損罪は、表現した事実が真実であっても常に成立し、真実性は量刑で考慮されるにすぎない ウ 刑法は、公共の利害に関する事実について専ら公益を図る目的で表現し、真実であることの証明があれば名誉毀損罪で処罰しないと定めており、判例はさらに真実と誤信したことに相当の理由があれば故意がないとしている エ 名誉毀損罪は、表現した事実が真実であれば、その事実が公共の利害に関するかどうかや表現の目的が公益を図るものかどうかを問わず、私人の私生活上の事実であっても常に成立しない undefined 公務員に対する批判は公共の利害に関するため、内容が虚偽であることを知りながら表現した場合でも名誉毀損罪は成立しない)
- 表現の自由の意義と審査の考え方に関する説明として妥当なものはどれですか。 (ア 二重の基準論とは、表現の内容に対する規制と時・場所・方法に対する規制を同じ基準で審査すべきだとする考え方である イ 表現の自由は自己実現の価値のみをもつ個人的な権利であって民主政の過程とは直接関係しないため、その規制の合憲性は経済的自由の規制と同じ程度の緩やかな審査で足りるとされる ウ 表現の自由は公共の福祉による制約を一切受けない絶対的な権利であるため、いかなる規制も違憲となる エ 表現の自由には、個人が表現を通じて人格を発展させる自己実現の価値と、国民が政治的意思決定に参加する自己統治の価値があり、後者から表現の自由の規制は経済的自由の規制より厳しく審査されるべきだとされる undefined 判例は、表現の自由の規制について、常に LRA の基準を用いて違憲審査を行っている)
標準
- 次の事例について、判例の考え方に照らした結論として妥当なものはどれですか。新聞社 C が、公務員の汚職疑惑を報じたが、後に記事の内容が真実であると証明できなかったため、名誉毀損罪で起訴された。 (ア 事実が公共の利害に関し専ら公益目的であれば、真実の証明ができなくても、確実な資料・根拠に照らして真実と誤信したことに相当の理由があるときは故意がなく処罰されない イ 名誉毀損罪の成否は被害者である公務員の同意の有無によって決まり、公務員が告訴しなければ処罰されない ウ 刑法 230 条の 2 は真実であることの証明があった場合に限って処罰しないと定めているため、真実の証明ができない以上、事実が公共の利害に関し専ら公益目的であっても、また真実と誤信したことに相当の理由があっても、名誉毀損罪の成立は免れない エ 真実の証明ができない場合でも、記事を掲載した時点で相当の注意を払っていれば、内容の真実性を裏付ける資料がなくても処罰されない undefined 公務員に関する報道は国民の知る権利に奉仕するため、真実性や誤信の相当性を問わず名誉毀損罪は成立しない)
- 表現の自由に関する判例について、レペタ事件(最大判平成元年)で最高裁が示した内容として妥当なものはどれですか。 (ア 法廷でのメモは報道機関の記者にのみ認められる取材の自由の一環であり、一般の傍聴人には及ばない イ 法廷でのメモは裁判の公開原則から導かれる傍聴人の権利であり、裁判長は法廷警察権によってもこれを制限することができない ウ 情報を摂取する自由は 21 条 1 項の派生原理として保障され、傍聴人が法廷でメモを取ることは尊重に値するので理由なく妨げてはならないが、本件の裁判長の措置は国家賠償法上違法とまではいえない エ 傍聴人が法廷でメモを取ることは 21 条 1 項の知る権利によって直接保障される具体的な権利であり、これを合理的な理由なく禁止した裁判長の措置は法廷警察権の範囲を逸脱して違法であるとして、国家賠償請求を認めた undefined 傍聴人が法廷でメモを取ることは 21 条の保障を受けないため、裁判長がこれを禁止しても憲法上の問題は生じない)
- 報道の自由・取材の自由に関する最高裁判所の判例の説明として妥当なものはどれですか。 (ア 取材の自由は 21 条の保障を受けないため、記者が取材のためにどのような手段を用いても刑事責任を問われることはない イ 報道の自由と取材の自由はいずれも 21 条で保障される権利であるため、裁判所が報道機関に取材フィルムの提出を命じることはできない ウ 新聞記者の取材源秘匿のための証言拒絶権は、報道の自由が国民の知る権利に奉仕するものであることから、刑事・民事を問わず 21 条の取材の自由から直接導かれる権利として例外なく認められる エ 新聞記者の取材源秘匿のための証言拒絶権は、刑事事件では公正な裁判の要請より優先して認められるが、民事事件では認められない undefined 刑事事件において新聞記者に取材源秘匿のための証言拒絶権は認められないが、民事事件においては取材源の秘密が職業の秘密として保護され証言拒絶が認められる場合がある)
- 検閲と事前抑制に関する説明として妥当でないものはどれですか。 (ア 税関検査は、国外ですでに発表済みの表現物を対象とし、発表そのものを禁止するものではないため、検閲にあたらない イ 裁判所による出版物の事前差止めは、司法権が主体であっても発表前に表現内容を審査するものであるから、21 条 2 項の検閲にあたり絶対的に禁止される ウ 判例によれば、検閲の禁止は公共の福祉を理由とする例外を認めない絶対的な禁止である エ 教科書検定は、不合格となっても一般図書として出版できるため発表の禁止にあたらず、検閲にあたらない undefined 事前抑制は、事後の処罰と比べて表現が世に出る機会そのものを奪い萎縮効果も大きいため、原則として許されず、許されるのは厳格かつ明確な要件を満たす場合に限られる)
- わいせつ表現の規制に関する最高裁判所の判例の説明として妥当なものはどれですか。 (ア チャタレー事件では、いたずらに性欲を興奮・刺激させ、普通人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反することをわいせつの要件とし、性的秩序の維持は公共の福祉にあたるとして処罰を合憲とした イ 四畳半襖の下張事件では、性描写の露骨さのみによってわいせつ性を判断し、文書全体における比重や思想性との関連は考慮しないとした ウ 悪徳の栄え事件では、芸術性・思想性のある文書はわいせつ性が否定されるとし、文書の一部分だけを取り出してわいせつ性を判断すべきであるとした エ チャタレー事件では、文学作品としての芸術性・思想性が認められる以上、露骨な性描写を含んでいても文書全体としてわいせつ文書にはあたらないとして、翻訳者と出版社をいずれも無罪とした undefined 判例は、わいせつ文書の頒布を処罰することは表現内容の規制であるため、明白かつ現在の危険がない限り違憲であるとしている)
- 集会の自由に関する最高裁判所の判例の説明として妥当なものはどれですか。 (ア 新潟県公安条例事件では、集団行動に対する許可制は基準の明確さを問わずすべて事前抑制として違憲であるとした イ 東京都公安条例事件では、集団行動は集団暴徒化のおそれがあるため、条例による許可制は明白かつ現在の危険の基準を満たさない限り違憲であるとした ウ 泉佐野市民会館事件では、反対団体による妨害のおそれがある場合には、警察の警備によって混乱を防止できるかどうかを問わず施設の管理者は広い裁量で使用を不許可にできるとして、不許可を適法とした エ 成田新法事件では、集会の自由は表現の自由の一形態にすぎず民主政との関係で特別の重要性をもたないとして、規制を合憲とした undefined 上尾市福祉会館事件では、主催者が平穏に集会を行おうとしているのに反対者の妨害を理由に不許可にできるのは、警察の警備等によっても混乱を防止できないなど特別な事情がある場合に限られるとして、不許可を違法とした)
発展
- 出版物の事前差止めに関する最高裁判所の判例の説明として妥当なものはどれですか。 (ア 北方ジャーナル事件は、裁判所による事前差止めは検閲にあたるとしつつ、名誉毀損の被害の重大性から例外的に許されるとした イ 北方ジャーナル事件は、公務員や公職の候補者に対する批判については事前抑制が民主政を害するとして名誉毀損を理由とする差止めを一切認めなかったが、「石に泳ぐ魚」事件はプライバシー侵害を理由とする差止めを認めた ウ 北方ジャーナル事件は名誉毀損を理由とする差止めについて公益目的の有無を含む厳格な要件を示したが、「石に泳ぐ魚」事件はプライバシーなど人格権の侵害を理由とする小説の出版差止めを、侵害の重大性と回復困難性を比較衡量して認めた エ 北方ジャーナル事件と「石に泳ぐ魚」事件はいずれも、表現内容が真実でないか専ら公益目的でないことが明白であることを差止めの要件とした undefined 「石に泳ぐ魚」事件は、モデル小説は文学作品として芸術的価値をもつため、プライバシー侵害があっても出版の差止めは認められないとした)
- 外務省秘密漏洩事件(最決昭和 53 年)で最高裁判所が示した内容として妥当なものはどれですか。 (ア 本件の取材は手段・方法において相当であったが、漏示された文書が国の安全に関わる秘密であったため違法とされた イ 報道機関が公務員に秘密の漏示をそそのかす行為は、国家公務員法の守秘義務を侵害するものであるため、報道の目的であっても常に違法である ウ 報道機関が公務員に秘密の漏示をそそのかす行為は、国民の知る権利に奉仕する報道のための取材活動である以上、取材対象者との私的関係を利用するなどその手段・方法を問わず、常に正当な業務行為として違法性が阻却され処罰されない エ 取材の自由は 21 条で直接保障される権利であるため、取材のための行為が刑罰法規に触れる場合でも、報道の公益性が認められれば処罰されない undefined 報道機関が公務員に秘密の漏示をそそのかす行為も、真に報道の目的から出たもので手段・方法が法秩序全体の精神に照らし相当なものであれば正当な業務行為となりうるが、取材対象者の人格の尊厳を著しく蹂躙するような態様の取材は違法である)
- 次の事例のうち、最高裁判所の判例の考え方に照らして、憲法または法律に反する(違法・違憲となる)可能性がもっとも高いものはどれですか。 (ア 国が、公職選挙法で戸別訪問を全面的に禁止し、違反者を処罰する イ 市が、労働組合の合同葬のための福祉会館の使用申請に対し、反対派の団体による妨害のおそれがあることだけを理由に、警備による対応を検討せずに不許可とする ウ 国が、教科書検定制度を設けて、検定に合格しない図書を教科書として使用できないこととする エ 裁判所が、刑事裁判の証拠とするため、報道機関に対してデモの現場を撮影した取材フィルムの提出を命じる undefined 市が、都市の美観風致を維持するため、条例で電柱や橋などへの広告物の貼付を、その内容が政治的なものであるか営利的なものであるかを問わず一律に禁止し、違反者を処罰する)
- 徳島市公安条例事件(最大判昭和 50 年)に関する説明として妥当なものはどれですか。 (ア 「交通秩序を維持すること」という遵守事項は、通常の判断能力を有する一般人の理解において、殊更な交通秩序の阻害をもたらす行為を禁止するものと読み取れるため、明確性を欠くとはいえず 21 条・31 条に反しない イ 本判決は、条例の文言が不明確であっても、行政機関が運用基準を定めて公表していれば明確性の要請を満たすとした ウ 本判決は、集団行動を規制する条例は法律の個別の委任がない限り制定できないとして、条例を違憲とした エ 刑罰法規の明確性は、法律の専門家の理解を基準に判断すべきであり、一般人の理解は考慮する必要がない undefined 「交通秩序を維持すること」という遵守事項は、通常の判断能力を有する一般人にはどのような行為が禁止されるのか判断できず、表現活動に萎縮効果を及ぼすため、漠然不明確な刑罰法規として 21 条・31 条に反し無効である)
精神的自由②(表現の自由) ── 解答
基礎
- エ 裁判所による出版の事前差止めは検閲にはあたらないが事前抑制にあたり、公務員や公職の候補者への批判については、表現内容が真実でないか専ら公益目的でないことが明白で、かつ重大で著しく回復困難な損害を被るおそれがある場合に限って許される 裁判所による出版の事前差止めは検閲にはあたらないが事前抑制にあたり、公務員や公職の候補者への批判については、表現内容が真実でないか専ら公益目的でないことが明白で、かつ重大で著しく回復困難な損害を被るおそれがある場合に限って許される。判例は「事案 → 結論 → 基準の言い回し」で覚える(zh-04 解説の表を参照)。
- ウ 表現の内容や伝達効果に着目せず、表現の時・場所・方法だけを規制するもので、内容規制よりやや緩やかな審査でよいとされる 表現の内容や伝達効果に着目せず、表現の時・場所・方法だけを規制するもので、内容規制よりやや緩やかな審査でよいとされる。
- undefined 知る権利は、表現の自由を情報の受け手の側からとらえ直したもので、国に情報の公開を求める請求権の側面は情報公開法などの法律があって初めて具体的な権利となる 知る権利は 21 条の解釈から導かれ、自由権的側面と請求権的側面をもつ。請求権的側面は抽象的権利で、情報公開法・情報公開条例で具体化される。
- ウ 刑法は、公共の利害に関する事実について専ら公益を図る目的で表現し、真実であることの証明があれば名誉毀損罪で処罰しないと定めており、判例はさらに真実と誤信したことに相当の理由があれば故意がないとしている 刑法 230 条の 2 と夕刊和歌山時事事件(最大判昭和 44 年 6 月 25 日)。月刊ペン事件(最判昭和 56 年)は私人の私生活上の行状でも社会的活動の性質・影響力によっては公共の利害にあたりうるとした。
- エ 表現の自由には、個人が表現を通じて人格を発展させる自己実現の価値と、国民が政治的意思決定に参加する自己統治の価値があり、後者から表現の自由の規制は経済的自由の規制より厳しく審査されるべきだとされる 二重の基準論。判例は多くの場面で比較衡量を基本とし、LRA の基準を正面から採用してはいない。
標準
- ア 事実が公共の利害に関し専ら公益目的であれば、真実の証明ができなくても、確実な資料・根拠に照らして真実と誤信したことに相当の理由があるときは故意がなく処罰されない 事実が公共の利害に関し専ら公益目的であれば、真実の証明ができなくても、確実な資料・根拠に照らして真実と誤信したことに相当の理由があるときは故意がなく処罰されない。対応する判例:NHK 記者証言拒絶事件(最決平成 18 年)・上尾市福祉会館事件(最判平成 8 年)・第一次家永教科書訴訟(最判平成 5 年)・夕刊和歌山時事事件(最大判昭和 44 年)・吉祥寺駅構内ビラ配布事件(最判昭和 59 年)。
- ウ 情報を摂取する自由は 21 条 1 項の派生原理として保障され、傍聴人が法廷でメモを取ることは尊重に値するので理由なく妨げてはならないが、本件の裁判長の措置は国家賠償法上違法とまではいえない 情報を摂取する自由は 21 条 1 項の派生原理として保障され、傍聴人が法廷でメモを取ることは尊重に値するので理由なく妨げてはならないが、本件の裁判長の措置は国家賠償法上違法とまではいえない。表現の時・場所・方法の規制は、判例ではおおむね合憲とされている。
- undefined 刑事事件において新聞記者に取材源秘匿のための証言拒絶権は認められないが、民事事件においては取材源の秘密が職業の秘密として保護され証言拒絶が認められる場合がある 石井記者事件(最大判昭和 27 年)と NHK 記者証言拒絶事件(最決平成 18 年)。博多駅事件は比較衡量で提出命令を合憲とした。西山記者事件は取材の手段・方法が社会観念上是認できない態様なら違法とした。
- イ 裁判所による出版物の事前差止めは、司法権が主体であっても発表前に表現内容を審査するものであるから、21 条 2 項の検閲にあたり絶対的に禁止される 北方ジャーナル事件(最大判昭和 61 年)は、裁判所の差止めは検閲ではないが事前抑制にあたるとし、厳格かつ明確な要件の下でのみ許されるとした。他の肢は税関検査事件・第一次家永教科書訴訟のとおり。
- ア チャタレー事件では、いたずらに性欲を興奮・刺激させ、普通人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反することをわいせつの要件とし、性的秩序の維持は公共の福祉にあたるとして処罰を合憲とした チャタレー事件(最大判昭和 32 年)。悪徳の栄え事件(最大判昭和 44 年)は芸術性があってもわいせつ性は否定されないとしつつ全体的考察方法をとり、四畳半襖の下張事件(最判昭和 55 年)は総合的判断の要素を示した。
- undefined 上尾市福祉会館事件では、主催者が平穏に集会を行おうとしているのに反対者の妨害を理由に不許可にできるのは、警察の警備等によっても混乱を防止できないなど特別な事情がある場合に限られるとして、不許可を違法とした 上尾市福祉会館事件(最判平成 8 年 3 月 15 日)。泉佐野は主催者側の危険性(明らかな差し迫った危険の具体的予見)を理由に適法。成田新法事件は集会の自由の重要性を強調しつつ合憲。新潟は特定の場所・方法についての合理的で明確な基準の下の許可制を認めた。東京都は合憲。
発展
- ウ 北方ジャーナル事件は名誉毀損を理由とする差止めについて公益目的の有無を含む厳格な要件を示したが、「石に泳ぐ魚」事件はプライバシーなど人格権の侵害を理由とする小説の出版差止めを、侵害の重大性と回復困難性を比較衡量して認めた 北方ジャーナル事件(最大判昭和 61 年 6 月 11 日)は要件を満たすとして差止めを適法とした。「石に泳ぐ魚」事件(最判平成 14 年 9 月 24 日)は人格権に基づく差止めを認め、公益目的の要件は用いていない。
- undefined 報道機関が公務員に秘密の漏示をそそのかす行為も、真に報道の目的から出たもので手段・方法が法秩序全体の精神に照らし相当なものであれば正当な業務行為となりうるが、取材対象者の人格の尊厳を著しく蹂躙するような態様の取材は違法である 西山記者事件。取材の正当性は目的と手段・方法の両面から判断され、本件は取材対象者との私的関係を利用した態様が人格の尊厳を著しく蹂躙するものとして違法とされた。
- イ 市が、労働組合の合同葬のための福祉会館の使用申請に対し、反対派の団体による妨害のおそれがあることだけを理由に、警備による対応を検討せずに不許可とする 上尾市福祉会館事件(最判平成 8 年)で違法とされた類型。他は大阪市屋外広告物条例事件・博多駅事件・戸別訪問禁止事件・第一次家永教科書訴訟でいずれも合憲とされた。
- ア 「交通秩序を維持すること」という遵守事項は、通常の判断能力を有する一般人の理解において、殊更な交通秩序の阻害をもたらす行為を禁止するものと読み取れるため、明確性を欠くとはいえず 21 条・31 条に反しない 明確性の判断基準は「通常の判断能力を有する一般人の理解」。本判決は、法律と条例の関係(道路交通法と公安条例が併存できるか)についても、趣旨・目的・内容・効果を比較して矛盾抵触がなければ条例は有効とした(zh-10)。
受験のしらべ / https://juken-shirabe.com/koumuin/horitsu/zh-04/test/ / 問題は毎回の表示で数が変わります。印刷したものはその一例です。
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