国会 ── 問題
基礎
- 衆議院の優越について、予算について両議院の議決が異なった場合の取扱いとして正しいものはどれですか。 (ア 衆議院で出席議員の 3 分の 2 以上の多数で再び可決しなければ予算は成立しない イ 参議院で総議員の 3 分の 2 以上の多数で否決したときは、衆議院の議決にかかわらず不成立となる ウ 参議院が受け取ってから 60 日以内に議決しないときは、衆議院は否決とみなすことができる エ 両院協議会を開いても意見が一致しないときは、衆議院の議決が国会の議決となる undefined 両院協議会を開くかどうかは衆議院の判断に委ねられ、開かずに衆議院の議決を国会の議決とできる)
- 国会の議事について、臨時会の召集を内閣に義務づけるために必要な要求の要件はどれですか。 (ア いずれかの議院の総議員の 4 分の 1 以上 イ いずれかの議院の総議員の過半数 ウ いずれかの議院の総議員の 3 分の 1 以上 エ いずれかの議院の出席議員の 4 分の 1 以上 undefined 両議院それぞれの総議員の 4 分の 1 以上)
- 憲法 41 条の「国権の最高機関」「唯一の立法機関」に関する説明として妥当なものはどれですか。 (ア 「国権の最高機関」とは、国会が内閣や裁判所を法的に指揮監督する権限をもつことを意味し、内閣の閣議決定や裁判所の判決は国会の決議に法的に拘束されるとするのが通説である イ 「国権の最高機関」とは、国会が主権者たる国民に直接選ばれ国政の中心にあることを表す政治的美称であって、他の機関を法的に統括する意味ではないとするのが通説である ウ 「唯一の立法機関」であるため、内閣に法律案の提出権を認めることは国会単独立法の原則に反し違憲である エ 「唯一の立法機関」であるため、内閣が政令を制定することや地方公共団体が条例を制定することは憲法上認められない undefined 「唯一の立法機関」の「立法」とは形式的意味の法律の制定を指すため、国民の権利義務に関わる規範であっても命令の形式なら国会以外が定めてよい)
- 国会の組織に関する説明として妥当なものはどれですか。 (ア 衆議院が解散されたときも参議院は閉会せず、内閣の求めがなくても独自に活動を続けることができる イ 衆議院議員の任期は 4 年で、参議院議員の任期は 6 年で 2 年ごとに 3 分の 1 ずつ改選される ウ 衆議院議員の任期は 4 年で解散のときは期間満了前に終了し、参議院議員の任期は 6 年で 3 年ごとに半数が改選される エ 両議院の議員は選出された選挙区の住民の代表であり、選挙区の有権者の指図に法的に拘束される undefined 両議院の議員定数と被選挙権の年齢は憲法に直接定められており、法律で変更することはできない)
- 国会の議事手続に関する説明として妥当なものはどれですか。 (ア 両議院の議事は総議員の過半数で決し、可否同数のときは否決されたものとみなす イ 両議院の会議は非公開が原則であり、出席議員の 3 分の 2 以上の議決があったときに限り公開される ウ 両議院の議事は出席議員の過半数で決し、可否同数のときは議長を含めて改めて採決を行う エ 両議院の議事は出席議員の過半数で決し、可否同数のときは議長の決するところによる undefined 両議院は各々その会議の記録を保存しなければならないが、公表・頒布については各議院の自由な判断に委ねられている)
標準
- 国会の種類と会期について、会期不継続の原則の説明として正しいものはどれですか。 (ア 同じ会期中に一度議決した案件は再び審議しないという原則で、一事不再議の原則と同じ意味である イ 衆議院の解散があった場合にのみ適用され、通常の閉会では案件は次の会期に引き継がれる ウ 会期中に議決に至らなかった案件は後の会期に継続しないが、議院の議決で閉会中審査に付された案件は継続する エ 憲法に明文で定められた原則であり、閉会中審査の制度も憲法が直接規定している undefined 会期中に議決に至らなかった案件はすべて廃案となり、次の会期で改めて提出し直さなければならない)
- 議員の特権と国政調査権について、国政調査権の行使手段の説明として正しいものはどれですか。 (ア 証人に対して黙秘権や証言拒否権は認められず、自己の刑事責任に関わる事項についても証言を強制できる イ 証人の出頭・証言・記録の提出を要求できるが、正当な理由なく拒否されても罰則はなく、議院証言法もあくまで任意の協力を求める手続を定めるにとどまる ウ 証人の出頭・証言・記録の提出を要求でき、正当な理由のない拒否や偽証には議院証言法により罰則があるが、捜索・押収などの強制はできない エ 証人の出頭・証言・記録の提出を要求できるほか、必要があれば裁判官の令状を得て捜索・押収を行うこともできる undefined 証人の出頭・証言を要求できるが、記録の提出を求めることはできず、行政機関の文書は情報公開請求によるほかない)
- 両院協議会に関する説明として妥当なものはどれですか。 (ア 両院協議会は各議院の議長と副議長で組織され、その意見が一致しないときは衆議院議長の判断で成案を決める イ 両院協議会は法律案についてのみ開催が義務づけられ、予算や条約については開催せずに衆議院の議決が国会の議決となる ウ 法律案・予算の議決・条約の承認・内閣総理大臣の指名のいずれについても、両議院の議決が異なるときは両院協議会を開かなければならず、開かずに再可決することは許されない エ 両院協議会で成案が得られたときは、その成案は両議院の議決を経ることなくそのまま国会の議決となる undefined 予算の議決・条約の承認・内閣総理大臣の指名で両議院の議決が異なるときは両院協議会を開かなければならないが、法律案では衆議院が開催を求めることができるにとどまる)
- 衆議院の優越に関する説明として妥当でないものはどれですか。 (ア 内閣総理大臣の指名について衆議院が指名の議決をした後 10 日以内に参議院が指名の議決をしないときは、衆議院の議決が国会の議決となる イ 条約の承認については予算と同様に衆議院に先議権があり、内閣は条約をまず衆議院に提出しなければならない ウ 法律案について参議院が衆議院の可決した法律案を受け取った後 60 日以内に議決しないときは、衆議院は参議院がその法律案を否決したものとみなすことができる エ 衆議院の優越が認められる理由は、任期が短く解散もある衆議院のほうが民意をより直接に反映しやすいことにあると説明される undefined 予算について参議院が衆議院の可決した予算を受け取った後 30 日以内に議決しないときは、衆議院の議決が国会の議決となる)
- 参議院の緊急集会に関する説明として妥当なものはどれですか。 (ア 緊急集会を求めることができるのは内閣に限られ、参議院議員や参議院議長が自ら求めることはできない イ 緊急集会でとられた措置は、次の国会開会の後 10 日以内に衆議院の同意がなければさかのぼって無効となる ウ 緊急集会でとられた措置は、次の国会開会の後 30 日以内に両議院の同意がなければ効力を失う エ 緊急集会は、衆議院の解散中だけでなく衆議院議員の任期満了による選挙の期間中にも開くことができる undefined 緊急集会でとられた措置は正式の国会の議決と同じ効力をもち、後に衆議院の同意を得る必要はない)
- 議院の自律権に関する説明として妥当なものはどれですか。 (ア 両議院は各々院内の秩序を乱した議員を懲罰することができるが、除名については裁判所の判決を経なければならない イ 両議院の議事手続に瑕疵があるかどうかは法律の有効性に直結するため、裁判所は議事手続の適否を審査して法律を無効とすることができる ウ 両議院は各々その議長その他の役員を選任するが、議院規則の制定については両議院一致の議決を必要とする エ 議員の資格争訟の裁判は議院の自律権に属するが、その判断に不服がある議員は裁判所に出訴して取消しを求めることができる undefined 両議院は各々その議員の資格に関する争訟を裁判するが、議員の議席を失わせるには出席議員の 3 分の 2 以上の多数による議決を必要とする)
発展
- 国会議員の免責特権に関する最高裁判所の判例(最判平成 9 年)の説明として妥当なものはどれですか。 (ア 国会議員が議院で行った質疑等により個人の名誉を害しても議員個人は責任を負わず、国の賠償責任も、議員が職務と無関係に違法・不当な目的で事実を摘示し、または虚偽と知りながらあえて摘示したなどの特別の事情がない限り生じない イ 国会議員が議院で行った質疑等により個人の名誉を害した場合、免責特権により議員個人は民事・刑事の責任を負わないが、その発言は国の公務員の職務行為にあたるため、国は被害者に対して発言の目的や内容を問わず常に国家賠償責任を負う ウ 国会議員が議院で行った質疑等により個人の名誉を害した場合、免責特権は刑事責任にのみ及ぶため、議員個人は民事上の損害賠償責任を負う エ 国会議員が議院で行った質疑等により個人の名誉を害した場合、発言が事実に反していれば免責特権の保護を受けず、議員個人が責任を負う undefined 国会議員が議院で行った質疑等については、免責特権により議員個人も国もいかなる場合にも責任を負わない)
- 国政調査権の限界に関する説明として妥当なものはどれですか。 (ア 検察事務は行政作用であるため調査の対象となりうるが、起訴・不起訴の判断に政治的圧力を加えることを目的とする調査や、捜査の続行に重大な支障を及ぼすような調査は許されない イ 国政調査権は各議院の独立の権能であるため、確定した判決の量刑が不当かどうかを調査して決議することも司法権の独立を侵さない ウ 検察事務は準司法的作用として司法権の独立に準じた保障を受けるため、捜査中・公判中を問わず、また調査の目的を問わず、検察の活動に関する調査は一切許されない エ 国政調査権は立法目的に限って行使できるため、行政の監督や国政の疑惑の解明を目的とする調査は許されない undefined 国政調査権の行使にあたっては、調査の必要があれば証人の思想・良心にわたる事項についても証言を強制できる)
- 次の記述のうち、憲法または国会法の定めに照らして正しいものはどれですか。 (ア 衆議院議員の任期満了による総選挙の後に召集される国会は特別会であり、解散による総選挙の後に召集される国会は臨時会である イ 常会の会期は憲法により 150 日と定められており、両議院一致の議決があっても延長することはできない ウ 衆議院が解散されたときも参議院は閉会とならず、解散の日から 40 日以内に総選挙を行い、その選挙の日から 30 日以内に特別会を召集しなければならない エ 衆議院が解散されたときは参議院も同時に閉会となり、解散の日から 30 日以内に総選挙を行い、その選挙の日から 40 日以内に国会を召集しなければならない undefined 衆議院が解散されたときは参議院も同時に閉会となり、解散の日から 40 日以内に総選挙を行い、その選挙の日から 30 日以内に国会を召集しなければならない)
- 次の事例のうち、憲法の定めに照らして法律として成立する(または国会の議決となる)ものはどれですか。 (ア 衆議院が可決した予算を参議院が否決したため、両院協議会を開かずに衆議院が出席議員の 3 分の 2 以上の多数で再び可決した イ 衆議院が可決した法律案を参議院が受け取ってから 30 日たっても議決しないため、衆議院が参議院は否決したものとみなし、出席議員の過半数で再び可決した ウ 衆議院と参議院が異なる者を内閣総理大臣に指名したため、両院協議会を開かずに衆議院の指名した者を国会の指名とした エ 衆議院が可決した条約の承認案を参議院が受け取ってから 10 日たっても議決しないため、衆議院の議決を国会の議決とした undefined 衆議院が可決した法律案を参議院が否決したため、衆議院が出席議員の 3 分の 2 以上の多数で再び可決した)
国会 ── 解答
基礎
- エ 両院協議会を開いても意見が一致しないときは、衆議院の議決が国会の議決となる 両院協議会を開いても意見が一致しないときは、衆議院の議決が国会の議決となる。衆議院の優越は「法・予・条・首 = 60・30・30・10」。再可決が要るのは法律案だけで、他は衆議院の議決が国会の議決になる。
- ア いずれかの議院の総議員の 4 分の 1 以上 いずれかの議院の総議員の 4 分の 1 以上。分母が「総議員」なのは定足数(3 分の 1)・憲法改正の発議(3 分の 2)・臨時会の要求(4 分の 1)の 3 つだけ。他の 3 分の 2 はすべて「出席議員」。
- イ 「国権の最高機関」とは、国会が主権者たる国民に直接選ばれ国政の中心にあることを表す政治的美称であって、他の機関を法的に統括する意味ではないとするのが通説である 政治的美称説が通説。政令(73 条 6 号)・条例(94 条)・両議院規則(58 条 2 項)・最高裁規則(77 条)は国会中心立法の原則の憲法上の例外。内閣の法律案提出権は、国会が自由に修正・否決できるので国会単独立法の原則に反しないと解されている。「立法」は実質的意味の立法を指す。
- ウ 衆議院議員の任期は 4 年で解散のときは期間満了前に終了し、参議院議員の任期は 6 年で 3 年ごとに半数が改選される 45 条・46 条。定数・被選挙権年齢は公職選挙法の定め(44 条・47 条)。衆議院解散時は参議院も同時に閉会する(54 条 2 項・同時活動の原則)。43 条の「全国民の代表」は自由委任を意味する。
- エ 両議院の議事は出席議員の過半数で決し、可否同数のときは議長の決するところによる 56 条 2 項。会議は公開が原則で、出席議員の 3 分の 2 以上の議決で秘密会にできる(57 条 1 項)。記録は秘密会の記録のうち特に秘密を要するもの以外は公表・頒布しなければならない(57 条 2 項)。
標準
- ウ 会期中に議決に至らなかった案件は後の会期に継続しないが、議院の議決で閉会中審査に付された案件は継続する 会期中に議決に至らなかった案件は後の会期に継続しないが、議院の議決で閉会中審査に付された案件は継続する。会期 150 日と延長回数は国会法の定め。特別会は「解散 → 40 日以内に総選挙 → 30 日以内に召集」。緊急集会を求められるのは内閣だけ。
- ウ 証人の出頭・証言・記録の提出を要求でき、正当な理由のない拒否や偽証には議院証言法により罰則があるが、捜索・押収などの強制はできない 証人の出頭・証言・記録の提出を要求でき、正当な理由のない拒否や偽証には議院証言法により罰則があるが、捜索・押収などの強制はできない。不逮捕特権は「会期中だけ・訴追は妨げない」、免責特権は「院外の法的責任だけ」、国政調査権は「補助的権能・司法権の独立と人権が限界」と整理する。
- undefined 予算の議決・条約の承認・内閣総理大臣の指名で両議院の議決が異なるときは両院協議会を開かなければならないが、法律案では衆議院が開催を求めることができるにとどまる 59 条 3 項(法律案は「求めることを妨げない」)、60 条 2 項・61 条・67 条 2 項(開催必須)。協議委員は各議院 10 人ずつで、成案は各議院で改めて議決する(国会法)。
- イ 条約の承認については予算と同様に衆議院に先議権があり、内閣は条約をまず衆議院に提出しなければならない 先議権があるのは予算だけ(60 条 1 項)。条約は参議院から審議してもよい。他の肢は 59 条 4 項・60 条 2 項・67 条 2 項のとおり(日数は国会休会中の期間を除いて数える)。
- ア 緊急集会を求めることができるのは内閣に限られ、参議院議員や参議院議長が自ら求めることはできない 54 条 2 項・3 項。衆議院の解散中に限られ、措置は臨時のもので、次の国会開会後 10 日以内に衆議院の同意がないと「将来に向かって」効力を失う。
- undefined 両議院は各々その議員の資格に関する争訟を裁判するが、議員の議席を失わせるには出席議員の 3 分の 2 以上の多数による議決を必要とする 55 条。懲罰・除名は議院が行う(58 条 2 項・除名は出席議員の 3 分の 2 以上)。警察法改正無効事件(最大判昭和 37 年 3 月 7 日)は、両院で議決を経て公布されている以上、裁判所は議事手続の有効無効を審理しないとした。議院規則は各議院がそれぞれ定める。資格争訟の裁判は司法審査の対象にならないと解されている。
発展
- ア 国会議員が議院で行った質疑等により個人の名誉を害しても議員個人は責任を負わず、国の賠償責任も、議員が職務と無関係に違法・不当な目的で事実を摘示し、または虚偽と知りながらあえて摘示したなどの特別の事情がない限り生じない 病院長自殺事件(最判平成 9 年 9 月 9 日)。議員個人の責任は否定し、国の責任は「特別の事情」がある場合に限って認めうるとした。
- ア 検察事務は行政作用であるため調査の対象となりうるが、起訴・不起訴の判断に政治的圧力を加えることを目的とする調査や、捜査の続行に重大な支障を及ぼすような調査は許されない 日商岩井事件(東京地判昭和 55 年 7 月 24 日)の考え方。浦和事件(昭和 24 年)では参議院法務委員会の量刑不当決議に最高裁が抗議した。思想・良心の調査や黙秘権を侵す証言強制はできない。補助的権能説でも議院の権能は広いので調査範囲は国政のほぼ全般に及ぶ。
- undefined 衆議院が解散されたときは参議院も同時に閉会となり、解散の日から 40 日以内に総選挙を行い、その選挙の日から 30 日以内に国会を召集しなければならない 54 条 1 項・2 項。任期満了による総選挙の後に召集されるのは臨時会(国会法)。常会の会期 150 日と延長 1 回は国会法の定め。
- undefined 衆議院が可決した法律案を参議院が否決したため、衆議院が出席議員の 3 分の 2 以上の多数で再び可決した 59 条 2 項。法律案のみなし否決は 60 日経過後で、その後も再可決には出席議員の 3 分の 2 以上が要る。予算・首相指名は両院協議会の開催が必須で、不一致なら衆議院の議決が国会の議決となる(再可決の手続はない)。条約は参議院が受け取ってから 30 日以内に議決しないときに衆議院の議決が国会の議決となる(10 日は首相指名)。
受験のしらべ / https://juken-shirabe.com/koumuin/horitsu/zh-07/test/ / 問題は毎回の表示で数が変わります。印刷したものはその一例です。
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