裁判所と違憲審査制 ── 問題
基礎
- 次の判例について、共産党袴田事件(最判昭和 63 年)で最高裁が示した結論として妥当なものはどれですか。 (ア 政党は議会制民主主義を支える公的な性格をもつため、除名処分については手続の公正さにとどまらず、除名の理由となった事実の有無や処分の相当性についても裁判所が実体的に全面的に審査することができる イ 政党の除名処分は部分社会の内部問題であるため、それを前提とする家屋の明渡請求についても裁判所は一切審査できない ウ 政党の除名処分は思想・良心の自由を侵害するものであるため、裁判所は処分を無効としなければならない エ 政党の内部規律に関する処分は原則として自律的な解決に委ねられ、一般市民としての権利利益を侵害する場合でも、裁判所の審査は処分が公正な手続に則ってなされたかどうかに限られる undefined 政党の除名処分は結社の自由により司法審査の対象外であり、除名された党員は民事上の救済を一切受けられない)
- 裁判所の組織と裁判官について、最高裁判所の裁判官の任命に関する説明として正しいものはどれですか。 (ア 長官は天皇が指名し、その他の裁判官は内閣総理大臣が任命する イ 長官は内閣の指名に基づいて天皇が任命し、その他の裁判官は内閣が任命する ウ 長官もその他の裁判官も国会の指名に基づいて天皇が任命する エ 長官もその他の裁判官も内閣が候補者を指名し、両議院の同意を経たうえで天皇が任命し、任命後は国会に対して責任を負う undefined 長官は最高裁判所の裁判官の互選で選ばれ、その他の裁判官は内閣が任命する)
- 「法律上の争訟」に関する説明として妥当なものはどれですか。 (ア 選挙の効力を争う選挙訴訟や住民訴訟は法律上の争訟にあたるため、法律の定めがなくても提起できる イ 国家試験の合否判定は受験者の権利に関わるため、法律上の争訟として裁判所の審査の対象になる ウ 法律上の争訟にあたらない紛争については、法律で特に定めても裁判所が裁判することはできない エ 法律上の争訟とは、当事者間の具体的な権利義務または法律関係の存否に関する紛争であって、法令の適用によって終局的に解決できるものをいう undefined 法律上の争訟とは、法律の解釈や適用について当事者の見解が対立するすべての紛争をいい、具体的な権利義務に関わるかどうかや法令の適用で解決できるかどうかは問わない)
- 裁判所の組織に関する説明として妥当なものはどれですか。 (ア 国会の弾劾裁判所は通常裁判所の系列に属しない特別裁判所であるため、76 条 2 項に反し違憲である イ 行政機関は法律の定めがあれば終審として裁判を行うことができ、その判断に対して裁判所に出訴することはできない ウ 家庭裁判所は家事事件と少年事件のみを扱う裁判所であるため、76 条 2 項が禁止する特別裁判所にあたるが、法律により例外的に認められている エ 最高裁判所は長官 1 人と裁判官 14 人の計 15 人で構成することが憲法に明記されている undefined 家庭裁判所は最高裁判所を頂点とする通常裁判所の系列に属するため、76 条 2 項が禁止する特別裁判所にはあたらない)
- 最高裁判所の規則制定権に関する説明として妥当なものはどれですか。 (ア 最高裁判所の規則は裁判官のみを拘束し、検察官や弁護士には及ばない イ 最高裁判所の規則制定権は裁判所の内部規律および司法事務処理に関する事項に限られ、訴訟に関する手続や弁護士に関する事項は国会中心立法の原則からすべて法律で定めなければならない ウ 最高裁判所の規則制定権は国会中心立法の原則に反するため、法律の個別の委任がある場合に限って行使できる エ 最高裁判所の規則は法律と同等以上の効力をもつため、規則と抵触する法律は当然に無効となる undefined 最高裁判所は、訴訟に関する手続、弁護士、裁判所の内部規律および司法事務処理に関する事項について規則を定める権限をもち、検察官はこの規則に従わなければならない)
- 裁判所の組織と裁判官に関する憲法・裁判所法の定めの説明として妥当でないものはどれですか。 (ア 下級裁判所の裁判官の任期は 10 年で、再任されることができる イ 最高裁判所は、長官 1 人とその他の裁判官 14 人の計 15 人で構成される ウ 弾劾裁判所は両議院の議員で組織され、裁判官の訴追は両議院の議員で構成する裁判官訴追委員会が行う エ 最高裁判所の裁判官の定年は 70 歳、地方裁判所などの下級裁判所の裁判官の定年は原則 65 歳(簡易裁判所の判事は 70 歳)である undefined 最高裁判所の裁判官は、任命後初めての衆議院議員総選挙の際に国民審査に付され、その後 5 年ごとの総選挙の際に再び審査に付される)
標準
- 次の事例について、判例の考え方に照らした結論として妥当なものはどれですか。政党 C は党員 D を除名し、党所有の家屋からの退去を求めた。D は除名処分の無効を主張して争った。 (ア 除名処分は D の党員としての地位を奪い家屋からの退去という具体的な不利益をもたらすものであるため、裁判所は処分の手続だけでなく理由の当否を含めて全面的に審査する イ 除名処分は D の思想・良心の自由を侵害するため、その理由を問わず無効である ウ 除名処分の効力は家屋の明渡しの前提問題として審査されるが、その審査は処分が政党の規範や条理に基づく公正な手続に則ってなされたかどうかに限られる エ 除名処分は結社の自由に属する政党の自律的判断であるため、裁判所は明渡請求の前提としても一切審査できない undefined 政党は公的な性格をもつため、除名処分は行政処分に準じて取消訴訟の対象になる)
- 違憲審査制と裁判の公開について、立法不作為と国家賠償に関する判例の説明として妥当なものはどれですか。 (ア 在宅投票制度廃止事件では、立法不作為について国家賠償を認めたが、在外邦人選挙権訴訟では立法裁量を理由に国家賠償を否定した イ 在外邦人選挙権訴訟では、公職選挙法の規定を違憲としたが、立法不作為による国家賠償請求は棄却した ウ 在宅投票制度廃止事件では、立法行為が国家賠償法上違法となるのは容易に想定し難い例外的な場合に限るとしたが、在外邦人選挙権訴訟では国会が正当な理由なく長期にわたって立法を怠ったとして国家賠償を認めた エ 判例は、立法不作為が違憲である場合には常に国家賠償請求が認められるとしている undefined 判例は、立法不作為は国会の政治的責任の問題であり、いかなる場合も国家賠償法上違法となることはないとしている)
- 司法権の限界に関する説明として妥当なものはどれですか。 (ア 砂川事件で最高裁は、日米安保条約のような高度に政治性のある条約については、内容を問わず一切審査しないとした イ 部分社会の法理によれば、団体の内部紛争は一般市民法秩序に関わる場合であっても司法審査の対象にならない ウ 統治行為とは法律上の争訟にあたらない行為をいい、苫米地事件で最高裁は衆議院の解散が法律上の争訟にあたらないとして訴えを却下した エ 議員の資格争訟の裁判や裁判官の弾劾裁判は、憲法が国会・議院に判断を委ねているため、裁判所の審査は及ばない undefined 警察法改正無効事件で最高裁は、法律の議決手続に瑕疵がある場合には裁判所が議事手続の有効無効を審理して法律を無効にできるとした)
- 司法権の独立に関する説明として妥当なものはどれですか。 (ア 寺西判事補事件で最高裁は、裁判官が積極的に政治運動をすることを禁止する裁判所法の規定は表現の自由を侵害し違憲であるとした イ 裁判官の職権の独立は立法権・行政権からの独立を意味するため、裁判所内部の上司や他の裁判官が担当裁判官に判断の方向を示すことは許される ウ 76 条 3 項の「良心」とは、裁判官個人の主観的な良心ではなく、裁判官としての客観的な良心を意味すると解されている エ 裁判官の懲戒は、司法権の独立を確保するため、国会の裁判官訴追委員会が行う undefined 大津事件では、大審院長が担当裁判官に法律の適用について働きかけたことが、行政からの司法権の独立を守ったものとして、裁判官の職権の独立の観点からも全く問題がないと評価されている)
- 最高裁判所裁判官の国民審査に関する説明として妥当なものはどれですか。 (ア 判例は、国民審査の法的性質を解職(リコール)の制度と解しており、何も記入しない投票は罷免を可としない票として扱われる イ 在外国民審査権訴訟で最高裁は、在外国民に国民審査の投票を認めていないことは立法裁量の範囲内であり合憲であるとした ウ 判例は、国民審査の法的性質を内閣による任命行為を国民が確認して完成させる手続と解しており、何も記入しない投票は意思が不明であるため無効票として扱われる エ 国民審査は最高裁判所の長官についてのみ行われ、その他の裁判官は対象にならない undefined 国民審査で投票者の 3 分の 2 以上が罷免を可としたときに限り、その裁判官は罷免される)
- 裁判の公開に関する説明として妥当なものはどれですか。 (ア 裁判の公開は 82 条に定められているが、裁判を受ける権利(32 条)とは無関係であり、非公開の裁判であっても 32 条には反しない イ 家事審判のような非訟事件は、裁判所が後見的に法律関係を形成する手続であり、82 条の公開の対象となる「裁判」にあたらないとするのが判例である ウ 刑事裁判における証人のビデオリンク方式や遮へい措置は、傍聴人が証人を直接見られなくなるため、裁判の公開に反し違憲である エ 純然たる訴訟事件であっても、法律で非訟手続によることを定めれば、非公開で審理・判断することが許される undefined 82 条の「裁判」には裁判所が行うすべての裁判手続が含まれるため、家事審判のような非訟事件であっても対審と判決を公開法廷で行わなければならない)
- 次の判例の趣旨として妥当なものはどれですか。技術士国家試験事件(最判昭和 41 年)。国家試験の不合格判定の取消しが求められた。 (ア 国家試験の合否の判定は受験者の職業選択の自由に関わるため、採点の当否を含めて裁判所の全面的な審査の対象になる イ 国家試験の合否の判定は行政処分であるため、裁量権の逸脱・濫用の有無にとどまらず、採点の正誤そのものを裁判所が審査できる ウ 国家試験の合否の判定は試験実施機関の内部問題であるため、受験者は判定に対して一切の訴訟を提起できない エ 国家試験の合否の判定は学問・技術上の知識や能力の優劣についての判断であり、その判断の当否は裁判所の審査の対象にならない undefined 国家試験の合否の判定は法律上の争訟にあたるが、統治行為として裁判所の審査の範囲外にある)
- 司法権の独立が問題となった事例に関する説明として妥当なものはどれですか。 (ア 平賀書簡事件(1969 年)では、地裁所長が担当裁判長に判断の方向を示唆する書簡を送ったが、裁判所内部の指導であるため司法権の独立の問題は生じないとされた イ 大津事件(1891 年)は司法権の行政からの独立を守った例とされるが、大審院長の児島惟謙が担当裁判官を説得した点は、裁判官の職権の独立の観点から問題があるとされる ウ 浦和事件(1949 年)では、参議院法務委員会が確定判決の量刑を不当と決議したことに対し、最高裁は国政調査権が司法権の独立に優先するとしてこれを容認した エ 寺西判事補事件(最大決平成 10 年)では、裁判官の積極的な政治運動を禁止する裁判所法の規定は裁判官の表現の自由を侵害し違憲であるとされた undefined 裁判官の職権の独立は立法権・行政権からの独立を意味するため、裁判所内部で上司にあたる裁判官が担当裁判官に判決の内容を指示することは許される)
- 裁判官の身分保障に関する説明として妥当なものはどれですか。 (ア 裁判官は心身の故障のために職務を執ることができないと決定された場合に罷免されるが、この決定は国会に設けられた弾劾裁判所が行う イ 裁判官の懲戒(戒告・過料)は、司法権の独立を確保するため、最高裁判所の指名に基づいて内閣が行う ウ 裁判官の罷免事由は憲法に限定されておらず、国会は法律で新たな罷免事由を自由に定めることができる エ 裁判官の報酬は在任中減額されないが、国会議員の歳費についても憲法に同様の減額禁止の規定がある undefined 弾劾裁判所は国会の両議院の議員で組織されるが、国会から独立して裁判を行い、その罷免の判断について国会の議決を要しない)
発展
- 最高裁判所が法律の規定を違憲と判断した事件(法令違憲)の組み合わせとして妥当なものはどれですか。 (ア 尊属殺重罰規定事件・薬事法距離制限事件・津地鎮祭事件・国籍法違憲判決・非嫡出子相続分規定事件 イ 尊属殺重罰規定事件・小売市場距離制限事件・森林法共有林事件・国籍法違憲判決・非嫡出子相続分規定事件 ウ 猿払事件・薬事法距離制限事件・森林法共有林事件・国籍法違憲判決・非嫡出子相続分規定事件 エ 尊属殺重罰規定事件・薬事法距離制限事件・森林法共有林事件・国籍法違憲判決・非嫡出子相続分規定事件 undefined 尊属殺重罰規定事件・薬事法距離制限事件・森林法共有林事件・堀木訴訟・非嫡出子相続分規定事件)
- 違憲審査に関する説明として妥当なものはどれですか。 (ア 81 条が「終審裁判所」と定めていることから、違憲審査は最高裁判所の大法廷でのみ行うことができ、小法廷は憲法判断をすることができない イ 下級裁判所が法律を違憲と判断した場合、その判決は最高裁判所の判断を経ることなく直ちに法律を一般的に失効させる ウ 付随的審査制の下では、裁判所は当事者から憲法問題が提起された以上、法律の解釈など他の理由で事件を解決できる場合であっても、常に憲法判断を示さなければならず、判断を避けることは許されない エ 立法不作為は国会の政治責任の問題にとどまるため、裁判所が立法不作為を違憲と判断することはできない undefined 裁判所は、事件を他の理由で解決できるときには憲法判断を避けることがあり、また法律の規定自体は合憲としつつ当該事件への適用を違憲とする適用違憲の手法をとることもある)
- 在外邦人選挙権訴訟(最大判平成 17 年)で最高裁判所が示した内容として妥当なものはどれですか。 (ア 在外国民に選挙区選挙の投票を認めていなかった公職選挙法の規定を違憲としたが、立法不作為による国家賠償請求については、在宅投票制度廃止事件の示した容易に想定し難い例外的な場合にあたらないとして棄却し、地位確認の訴えも不適法とした イ 在外国民の選挙権の制限は違憲状態にあるが、合理的期間内に是正されなかったとはいえないとして違憲の判断は避け、国会に立法を促すにとどめた ウ 在外国民の選挙権の制限は違憲であるが、選挙権は抽象的な権利であるため、選挙で投票できる地位の確認を求める訴えは不適法であるとした エ 在外国民に選挙区選挙の投票を認めていなかった公職選挙法の規定を違憲とし、国会が正当な理由なく長期にわたって立法措置を怠ったとして国家賠償請求を認め、さらに次回の選挙で投票できる地位の確認も認めた undefined 在外国民の選挙権の制限は選挙の公正の確保という立法目的のために合理的な範囲内であるとして合憲とし、国家賠償請求も棄却した)
- 次の事例のうち、判例の考え方に照らして裁判所が本案について審査する(訴えを却下せず、または司法審査の対象と認める)可能性がもっとも高いものはどれですか。 (ア 宗教団体の信者が、寄付の前提となった本尊の真偽の判断を求めて寄付金の返還を請求する イ 政党から除名された党員が、除名の理由となった事実の有無について裁判所の実体的な判断を求める ウ 政党が、具体的な事件を離れて、ある法律が憲法に違反することの確認を求める エ 国立大学の専攻科の学生が、修了の認定を拒否されたことについて、その違法を主張して争う undefined 国家試験の不合格者が、答案の採点が誤っているとして合否判定の取消しを求める)
- 最高裁判所が法律の規定を違憲と判断した事件(法令違憲)に関する説明として妥当なものはどれですか。 (ア 郵便法違憲判決(平成 14 年)は、郵便物の損害賠償責任を免除・制限する郵便法の規定の全部を 17 条に反するとして違憲とした イ 最高裁が初めて法律の規定を違憲としたのは薬事法距離制限事件(昭和 50 年)であり、尊属殺重罰規定事件(昭和 48 年)は適用違憲にとどまる ウ 令和に入っても、在外国民審査権の制限(令和 4 年)、性別変更の生殖腺除去要件(令和 5 年)、旧優生保護法の不妊手術規定(令和 6 年)が法令違憲とされた エ 夫婦同氏を定める民法 750 条は、平成 27 年の大法廷判決で 14 条・24 条に反するとして法令違憲とされた undefined 愛媛玉串料訴訟(平成 9 年)と空知太神社事件(平成 22 年)は、いずれも法律の規定そのものを憲法 20 条・89 条に反するとして法令違憲とした事件である)
裁判所と違憲審査制 ── 解答
基礎
- エ 政党の内部規律に関する処分は原則として自律的な解決に委ねられ、一般市民としての権利利益を侵害する場合でも、裁判所の審査は処分が公正な手続に則ってなされたかどうかに限られる 政党の内部規律に関する処分は原則として自律的な解決に委ねられ、一般市民としての権利利益を侵害する場合でも、裁判所の審査は処分が公正な手続に則ってなされたかどうかに限られる。「法律上の争訟か」「司法権の限界にあたるか」の 2 段で考える(zh-09 解説の表を参照)。
- イ 長官は内閣の指名に基づいて天皇が任命し、その他の裁判官は内閣が任命する 長官は内閣の指名に基づいて天皇が任命し、その他の裁判官は内閣が任命する。6 条 2 項・78 条〜80 条。数字は「15 人・任期 10 年・国民審査 10 年ごと・定年 70/65」。
- エ 法律上の争訟とは、当事者間の具体的な権利義務または法律関係の存否に関する紛争であって、法令の適用によって終局的に解決できるものをいう 裁判所法 3 条。国家試験の合否判定は審査の対象外(最判昭和 41 年)。選挙訴訟・住民訴訟は客観訴訟で、法律の定めがある場合に限って提起できる。
- undefined 家庭裁判所は最高裁判所を頂点とする通常裁判所の系列に属するため、76 条 2 項が禁止する特別裁判所にはあたらない 最大判昭和 31 年 5 月 30 日。行政機関は終審として裁判できない(76 条 2 項後段)。弾劾裁判所は憲法自身が認めた例外。最高裁の人数は裁判所法の定め。
- undefined 最高裁判所は、訴訟に関する手続、弁護士、裁判所の内部規律および司法事務処理に関する事項について規則を定める権限をもち、検察官はこの規則に従わなければならない 77 条。規則制定権は憲法自身が認めた国会中心立法の原則の例外で、法律の委任は不要。法律と規則の優劣は争いがあるが、法律優位説が多数。
- undefined 最高裁判所の裁判官は、任命後初めての衆議院議員総選挙の際に国民審査に付され、その後 5 年ごとの総選挙の際に再び審査に付される 国民審査は、任命後初めての衆議院議員総選挙の際と、その後 10 年を経過した後初めて行われる総選挙の際(79 条 2 項)。「5 年ごと」ではない。最高裁 15 人・下級裁判所の任期 10 年・定年 70 歳/65 歳(簡裁 70 歳)は裁判所法、弾劾裁判所は 64 条と裁判官弾劾法のとおり。
標準
- ウ 除名処分の効力は家屋の明渡しの前提問題として審査されるが、その審査は処分が政党の規範や条理に基づく公正な手続に則ってなされたかどうかに限られる 除名処分の効力は家屋の明渡しの前提問題として審査されるが、その審査は処分が政党の規範や条理に基づく公正な手続に則ってなされたかどうかに限られる。対応する判例:岩沼市議会事件(最大判令和 2 年)・富山大学事件(最判昭和 52 年)・共産党袴田事件(最判昭和 63 年)・警察予備隊違憲訴訟(最大判昭和 27 年)・板まんだら事件(最判昭和 56 年)。
- ウ 在宅投票制度廃止事件では、立法行為が国家賠償法上違法となるのは容易に想定し難い例外的な場合に限るとしたが、在外邦人選挙権訴訟では国会が正当な理由なく長期にわたって立法を怠ったとして国家賠償を認めた 在宅投票制度廃止事件では、立法行為が国家賠償法上違法となるのは容易に想定し難い例外的な場合に限るとしたが、在外邦人選挙権訴訟では国会が正当な理由なく長期にわたって立法を怠ったとして国家賠償を認めた。
- エ 議員の資格争訟の裁判や裁判官の弾劾裁判は、憲法が国会・議院に判断を委ねているため、裁判所の審査は及ばない 55 条・64 条。苫米地事件は法律上の争訟であることを前提に、審査権の外にあるとした。警察法改正無効事件は議事手続を審理しないとした。部分社会の法理は一般市民法秩序に関わる場合には審査する。砂川事件は「一見きわめて明白に違憲無効」でない限り、という留保つき。
- ウ 76 条 3 項の「良心」とは、裁判官個人の主観的な良心ではなく、裁判官としての客観的な良心を意味すると解されている 大津事件は行政からの独立は守ったが、裁判官の職権の独立の観点からは問題があるとされる(平賀書簡事件も裁判所内部からの干渉の例)。寺西判事補事件は合憲。懲戒は裁判所の分限裁判で行う。
- ア 判例は、国民審査の法的性質を解職(リコール)の制度と解しており、何も記入しない投票は罷免を可としない票として扱われる 最大判昭和 27 年 2 月 20 日。罷免は投票者の多数(79 条 3 項)。全裁判官が対象。在外国民審査権訴訟(最大判令和 4 年 5 月 25 日)は違憲とし国家賠償も認めた。
- イ 家事審判のような非訟事件は、裁判所が後見的に法律関係を形成する手続であり、82 条の公開の対象となる「裁判」にあたらないとするのが判例である 最大決昭和 35 年 7 月 6 日・最大決昭和 40 年 6 月 30 日。純然たる訴訟事件を非訟手続で処理すれば 82 条・32 条に反する。ビデオリンク等は合憲(最判平成 17 年 4 月 14 日)。
- エ 国家試験の合否の判定は学問・技術上の知識や能力の優劣についての判断であり、その判断の当否は裁判所の審査の対象にならない 国家試験の合否の判定は学問・技術上の知識や能力の優劣についての判断であり、その判断の当否は裁判所の審査の対象にならない。砂川事件は「一見きわめて明白に違憲無効でない限り」という留保つきの統治行為論で、留保のない苫米地事件と区別する。警察法改正無効事件は議院の自律権、技術士国家試験事件は法律上の争訟の 2 要件(法令の適用で終局的に解決できない)の話。寺西判事補事件・裁判員制度判決はいずれも合憲。
- イ 大津事件(1891 年)は司法権の行政からの独立を守った例とされるが、大審院長の児島惟謙が担当裁判官を説得した点は、裁判官の職権の独立の観点から問題があるとされる 大津事件は行政からの独立を守った例として有名だが、大審院長が担当裁判官に働きかけた点は職権の独立の観点から問題とされる。浦和事件では最高裁が国政調査権の限界を超えると抗議した。平賀書簡事件は裁判所内部からの干渉として問題になり所長は注意処分を受けた。寺西判事補事件は合憲。職権の独立は裁判所内部の干渉からの独立も含む。
- undefined 弾劾裁判所は国会の両議院の議員で組織されるが、国会から独立して裁判を行い、その罷免の判断について国会の議決を要しない 弾劾裁判所は両議院の議員で組織するが(64 条)、裁判は国会から独立して行い、判断に国会の議決は要らない。裁判官の懲戒は行政機関が行えず(78 条後段)、裁判所が分限裁判として行う。心身の故障による罷免は裁判所の決定(分限裁判)による。歳費には減額禁止の規定がない(49 条)。罷免事由は 78 条が限定しており、法律で自由に追加することはできない。
発展
- エ 尊属殺重罰規定事件・薬事法距離制限事件・森林法共有林事件・国籍法違憲判決・非嫡出子相続分規定事件 小売市場事件・津地鎮祭事件・猿払事件・堀木訴訟はいずれも合憲判決。法令違憲はほかに衆議院定数不均衡(昭和 51 年・60 年)・郵便法・在外邦人選挙権・再婚禁止期間・在外国民審査権・性同一性障害特例法・旧優生保護法など。
- undefined 裁判所は、事件を他の理由で解決できるときには憲法判断を避けることがあり、また法律の規定自体は合憲としつつ当該事件への適用を違憲とする適用違憲の手法をとることもある 憲法判断回避の準則(恵庭事件)と適用違憲。個別的効力説では下級審の違憲判断も当該事件限り。法律を違憲とする判断は大法廷で行う(裁判所法 10 条)が、先例に従った合憲判断は小法廷でもできる。在外邦人選挙権訴訟は立法不作為を違憲とした。
- エ 在外国民に選挙区選挙の投票を認めていなかった公職選挙法の規定を違憲とし、国会が正当な理由なく長期にわたって立法措置を怠ったとして国家賠償請求を認め、さらに次回の選挙で投票できる地位の確認も認めた 違憲判断・国家賠償の認容・地位確認の訴えの適法性と認容の 3 点がそろった判決。在宅投票制度廃止事件(最判昭和 60 年)の「例外的な場合」の枠組みを具体化した。
- エ 国立大学の専攻科の学生が、修了の認定を拒否されたことについて、その違法を主張して争う 富山大学事件で専攻科修了の認定は司法審査の対象とされた。政党の除名は手続の公正さの審査にとどまる(袴田事件)。本尊の真偽は法律上の争訟でない(板まんだら事件)。抽象的違憲審査は不可(警察予備隊訴訟)。国家試験の合否判定は審査の対象外(最判昭和 41 年)。
- ウ 令和に入っても、在外国民審査権の制限(令和 4 年)、性別変更の生殖腺除去要件(令和 5 年)、旧優生保護法の不妊手術規定(令和 6 年)が法令違憲とされた 令和 4 年(在外国民審査権)・令和 5 年(性同一性障害特例法の生殖腺除去要件)・令和 6 年(旧優生保護法)はいずれも法令違憲。夫婦同氏は平成 27 年・令和 3 年とも合憲。最高裁初の法令違憲は尊属殺重罰規定事件(昭和 48 年)。郵便法違憲判決は書留の故意・重過失と特別送達の軽過失の免責部分だけを違憲とした一部違憲。愛媛玉串料・空知太は地方公共団体の支出・行為を違憲とした事件で、法律の規定を違憲としたものではない。
受験のしらべ / https://juken-shirabe.com/koumuin/horitsu/zh-09/test/ / 問題は毎回の表示で数が変わります。印刷したものはその一例です。
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