財政・地方自治・憲法改正 ── 問題
基礎
- 財政に関する憲法の規定について、租税法律主義(84 条)に関する説明として正しいものはどれですか。 (ア あらたに租税を課し、または現行の租税を変更するには、法律によることを必要とし、条例で地方税を定めることは許されない イ あらたに租税を課すには法律によることを必要とするが、現行の租税の税率を変更することは政令で行うことができる ウ 租税は法律で定めなければならないが、課税要件が不明確であっても通達で補えば足りる エ あらたに租税を課し、または現行の租税を変更するには、法律または法律の定める条件によることを必要とする undefined 租税の賦課は内閣の権限であり、国会の議決を経た予算に計上されていれば法律の根拠は不要である)
- 地方自治法の直接請求について、条例の制定に必要な署名数と請求先の組み合わせとして正しいものはどれですか。 (ア 有権者の 50 分の 1 以上 ── 選挙管理委員会 イ 有権者の 50 分の 1 以上 ── 長 ウ 有権者の 3 分の 1 以上 ── 長 エ 有権者の 50 分の 1 以上 ── 議会の議長 undefined 有権者の 3 分の 1 以上 ── 選挙管理委員会)
- 財政民主主義に関する説明として妥当なものはどれですか。 (ア 憲法 83 条は国の財政を処理する権限は内閣に属すると定めており、国会は決算の審査を通じて事後的に関与するにとどまる イ 財政民主主義の原則により、国債の発行は国会の議決を要しないが、租税の賦課には法律の根拠が必要である ウ 83 条は国の財政処理の権限を国会の議決に基づいて行使するよう定め、予算の議決・租税法律主義・決算の国会提出はその具体化である エ 財政民主主義の原則により、皇室の費用は国会の議決を経ることなく皇室が自ら決定できる undefined 財政民主主義の原則により、内閣は財政状況を国会にのみ報告すればよく、国民への報告は不要である)
- 憲法 89 条と私立学校への助成に関する説明として妥当なものはどれですか。 (ア 私学助成は 89 条後段の問題ではなく、89 条前段の政教分離の問題として合憲性が判断される イ 私立学校振興助成法などにより業務・会計の報告徴収や予算変更の勧告などの監督が及んでいれば「公の支配」に属するとして、私学助成を合憲とするのが通説・実務である ウ 89 条後段は教育の事業への支出を一切禁止しているため、私立学校への助成は法律の定めがあっても許されない エ 私立学校は国や地方公共団体の設置するものではないため「公の支配」に属さず、私学助成は 89 条後段に反し違憲であるとするのが通説・実務である undefined 89 条後段は「公の支配」に属しない事業への支出を禁止しているが、教育の事業はこの規定の対象外である)
- 地方自治法の直接請求に関する説明として妥当なものはどれですか。 (ア 地方税の賦課徴収に関する条例も、他の条例と同様に制定・改廃の直接請求の対象となる イ 長の解職の請求は有権者の 3 分の 1 以上の署名で議会に対して行い、議会の 3 分の 2 以上の同意で長は失職する ウ 条例の制定・改廃の請求は有権者の 50 分の 1 以上の署名で長に対して行い、長は意見を付けて議会にかけるが、議会が否決すれば条例は成立しない エ 議会の解散の請求は有権者の 50 分の 1 以上の署名で長に対して行い、長が議会を解散する undefined 条例の制定・改廃の請求は有権者の 3 分の 1 以上の署名で選挙管理委員会に対して行い、住民投票で過半数の同意があれば条例は成立する)
- 憲法上の「地方公共団体」の意味に関する説明として妥当なものはどれですか。 (ア 憲法上の地方公共団体にあたるかどうかは、団体の名称や規模によって形式的に決まり、住民の共同生活の実態は考慮されない イ 憲法上の地方公共団体には、住民が共同体意識をもつ社会的基盤があり、相当程度の自主立法権・自主行政権・自主財政権などを与えられた地域団体であることが必要である ウ 憲法上の地方公共団体とは都道府県のみを指し、市町村は法律によって設けられた行政区画にすぎない エ 最高裁は、東京都の特別区は憲法上の地方公共団体にあたるとして、区長の公選制を廃止した法律を 93 条 2 項に反し違憲とした undefined 地方自治法が地方公共団体と定めている団体はすべて憲法上の地方公共団体にあたるため、法律で地方公共団体と位置づければ 93 条の直接選挙の要請が及ぶ)
標準
- 次の事例について、判例の考え方に照らした結論として妥当なものはどれですか。D 市の条例が、道路交通法と同じ目的で、法律より厳しい基準で集団行進を規制していた。この条例は法律の範囲内といえるか。 (ア 条例は住民の代表機関が制定する自主法であるため、法律と矛盾抵触しても地域の実情に合致する限り有効である イ 法律と条例が同じ事項を規制する場合、後に制定されたほうが優先するため、条例が法律より後に制定されていれば有効である ウ 法律と条例の趣旨・目的・内容・効果を比較し、法律が全国一律の規制を意図していないと解されれば、より厳しい規制を定める条例も法律の範囲内として有効である エ 法律と同じ目的で法律より厳しい規制を定める条例は、法律の対象事項と重複する以上、常に法律の範囲を超え無効である undefined 法律に明文の規定がない事項であれば、法律がその事項を放置する趣旨であっても条例で規制することができる)
- 地方自治と憲法改正について、憲法改正の手続(96 条)の説明として妥当なものはどれですか。 (ア 各議院の出席議員の 3 分の 2 以上の賛成で国会が発議し、国民投票で過半数の賛成を得て承認され、天皇が国民の名で公布する イ 内閣が改正案を作成して国会に提出し、各議院の総議員の過半数の賛成で発議し、国民投票で 3 分の 2 以上の賛成を得て承認される ウ 各議院の総議員の 3 分の 2 以上の賛成で国会が発議し、国民投票で過半数の賛成を得て承認され、天皇が国民の名で公布する エ 衆議院の総議員の 3 分の 2 以上の賛成があれば参議院の議決にかかわらず国会が発議したものとみなされ、国民投票で過半数の賛成を得て承認される undefined 各議院の総議員の 3 分の 2 以上の賛成で国会が議決すれば成立し、国民投票は任意である)
- 租税法律主義に関する最高裁判所の判例の説明として妥当なものはどれですか。 (ア 旭川市国民健康保険条例事件では、国民健康保険料は 84 条の租税にあたるため、保険料率を条例で定めず告示に委任することは違憲であるとした イ パチンコ球遊器事件では、通達は法律ではないため、通達を根拠として新たに課税を行うことは 84 条の租税法律主義に反し違憲であるとした ウ 旭川市国民健康保険条例事件では、国民健康保険料は租税ではないため 84 条の趣旨は一切及ばず、料率の決定方法は市長の裁量に委ねられるとした エ 判例によれば、84 条の租税法律主義は国税についてのみ適用され、地方税については条例で自由に課税要件を定めることができる undefined パチンコ球遊器事件では、通達をきっかけとする課税でも、通達の内容が法の正しい解釈に合致する以上、法の根拠に基づく処分として 84 条に反しないとした)
- 予算に関する説明として妥当なものはどれですか。 (ア 国会は予算を減額修正することはできるが、増額修正はいかなる場合も内閣の予算作成権を侵害するため許されないとするのが政府見解である イ 予算の作成・提出権は内閣に専属するが、国会議員も予算案を発議することができる ウ 通説は予算を法律とは異なる国法の一形式ととらえる予算法形式説をとっており、この立場では予算は政府を拘束する法規範であるが国民を直接拘束するものではない エ 年度開始までに予算が成立しないときは、明治憲法と同様に前年度の予算をそのまま施行することが憲法で認められている undefined 通説は予算を法律の一種ととらえる予算法律説をとっており、予算が成立すればそれに対応する法律がなくても内閣は支出をすることができる)
- 地方公共団体の組織に関する説明として妥当なものはどれですか。 (ア 長と議員がともに住民の直接選挙で選ばれる二元代表制をとりつつ、議会の不信任決議と長の議会解散という議院内閣制的な要素も取り入れている イ 最高裁は東京都の特別区を憲法上の地方公共団体にあたるとし、区長の公選制を廃止した法律を違憲とした ウ 93 条 2 項の「住民」には外国人も含まれるため、外国人に地方選挙権を認めていない公職選挙法は違憲である エ 地方公共団体の議会は諮問機関であり、条例の制定権は長に属する undefined 地方公共団体の長は、議会の議員の中から議会が指名して選出する議院内閣制がとられており、住民が長を直接選挙することは憲法上認められていない)
- 徳島市公安条例事件(最大判昭和 50 年)で最高裁判所が示した法律と条例の関係に関する説明として妥当なものはどれですか。 (ア 法律が規制している事項については、目的のいかんを問わず条例で重ねて規制することはできず、法律より厳しい基準を定める条例は常に無効である イ 法律に明文の規定がない事項については、法律がその事項についていかなる規制もせず放置する趣旨である場合でも、条例で自由に規制することができる ウ 法律と条例が同じ目的で同じ事項を規制する場合、条例は法律と全く同じ内容でなければならず、規制対象を広げること(横出し)は許されない エ 条例は住民の代表機関が制定する自主法であるため、法律と矛盾抵触しても地域の実情に適合する限り有効である undefined 抵触の有無は対象事項と文言の対比だけでなく趣旨・目的・内容・効果を比較して決め、法律が全国一律の規制の趣旨でなければ、同目的でより厳しい条例も許される)
- 財政・地方自治・憲法改正に関する学説について、地方自治の法的性格に関する「固有権説」の説明として妥当なものはどれですか。 (ア 地方自治は、国が法律で認めた制度にすぎず、法律によっていくらでも変更・廃止できるとする考え方 イ 憲法は地方自治という制度の核心部分を法律によっても侵せないものとして保障しているとする考え方 ウ 地方自治権は住民の基本的人権の一部であり、13 条の幸福追求権から直接導かれるとする考え方 エ 地方自治権は、国から与えられたものではなく、地方公共団体が固有にもつ前国家的な権利であるとする考え方 undefined 地方自治は国の統治機構の一部であり、地方公共団体は国の出先機関としての性格をもつとする考え方)
- 予算と国会の関係に関する説明として妥当なものはどれですか。 (ア 暫定予算と補正予算はいずれも憲法に明文で定められており、内閣は国会の議決を経ることなくこれらを執行できる イ 予算は成立したが、その支出の根拠となる法律が成立しなかった場合でも、内閣は予算の議決に基づいてその支出をすることができる ウ 国会は予算を減額修正でき、増額修正も内閣の予算作成権を損なわない範囲で可能とするのが政府見解だが、予算の同一性を損なう大幅な修正はできないとされる エ 法律は成立したが、その執行に必要な予算が成立しなかった場合、内閣はその法律の執行を自由に拒むことができ、予備費の支出や補正予算の提出をする義務は一切ない undefined 年度開始までに予算が成立しない場合、日本国憲法の下でも明治憲法と同様に前年度の予算をそのまま施行することができる)
- 憲法改正の手続に関する説明として妥当でないものはどれですか。 (ア 憲法改正の原案を国会に提出するには、国会法により、衆議院では 100 人以上、参議院では 50 人以上の議員の賛成が必要である イ 憲法改正の原案は各議院の憲法審査会で審査され、本会議で総議員の 3 分の 2 以上の賛成により可決される ウ 国民投票は、国民投票法により、国会の発議の日から 60 日以後 180 日以内に行われ、投票権は満 18 歳以上の日本国民がもつ エ 国民投票で承認されたときは、内閣総理大臣が内閣を代表して、この憲法と一体をなすものとして直ちにこれを公布する undefined 憲法改正の発議について両議院は対等であり、衆議院の優越は認められていない)
発展
- 条例制定権の限界に関する説明として妥当でないものはどれですか。 (ア 法定受託事務についても、法令に反しない範囲であれば地方公共団体は条例を制定することができる イ 条例で財産権を制限することは 29 条 2 項の「法律」に反せず、災害防止のための内在的制約であれば補償も不要であるとするのが判例である ウ 条例で罰則を定めるには、政令への委任と同様に法律による個別具体的な委任が必要であり、地方自治法の一般的な委任規定では 31 条の要請を満たさないとするのが判例である エ 条例による課税は 84 条の「法律の定める条件」による課税として許されるが、地方税法の趣旨に反する条例は違法無効であるとするのが判例である undefined 条例によって処罰の有無に地域差が生じることは、憲法が条例制定権を認めた以上当然に予定されており、14 条に反しないとするのが判例である)
- 憲法改正の国民投票に関する説明として妥当なものはどれですか。 (ア 国民投票法により、国民投票は国会の発議の日から 30 日以内に行われ、投票権者は満 20 歳以上の日本国民で、有権者総数の過半数の賛成があれば承認される イ 国民投票法により、国民投票は国会の発議の日から 60 日以後 180 日以内に行われ、投票権者は満 18 歳以上の日本国民で、有効投票総数の過半数の賛成があれば承認される ウ 憲法 96 条は国民投票の承認の要件を「過半数」と定めているが、国民投票法はこれを有権者総数の過半数と定め、あわせて最低投票率を 50 パーセントとしている エ 国民投票で承認されなかった場合、国会は同一内容の改正案を 10 年間発議することができない undefined 国民投票は必ず衆議院議員総選挙と同時に行わなければならず、特別の国民投票を単独で実施することは認められていない)
- 憲法改正に関する説明として妥当なものはどれですか。 (ア 憲法改正の発議は各議院の出席議員の 3 分の 2 以上の賛成を要し、参議院が否決した場合には衆議院が総議員の 3 分の 2 以上で再可決すれば発議したものとみなされる イ 日本国憲法は明治憲法 73 条の改正手続によって成立したため、通説は日本国憲法を明治憲法の改正として法的に連続したものと説明している ウ 憲法改正の原案は内閣のみが国会に提出することができ、国会議員には原案の提出権が認められていない エ 憲法改正が国民投票で承認されたときは、内閣総理大臣が内閣の名で直ちにこれを公布する undefined 憲法改正の発議は各議院の総議員の 3 分の 2 以上の賛成を要し、この点について衆議院の優越は認められておらず、両院がそれぞれ可決して初めて国会が発議したことになる)
- 次の記述のうち、憲法または法律の定めに照らして正しいものはどれですか。 (ア 予備費の支出について事後に国会の承諾が得られなかった場合、その支出はさかのぼって無効となり、内閣は支出額を国庫に返還しなければならない イ 予備費の支出について事後に国会の承諾が得られなかった場合でも、既に行われた支出の法的効力には影響せず、内閣の政治責任が問われるにとどまる ウ 予算について参議院が衆議院と異なる議決をした場合、両院協議会を開かずに衆議院が出席議員の 3 分の 2 以上で再可決すれば予算は成立する エ 決算について国会が否認の議決をした場合、当該年度の支出はすべて無効となり、内閣は総辞職しなければならない undefined 会計検査院は内閣の下に置かれる行政機関であるため、内閣の指揮監督に従って決算を検査する)
- 地方自治法上の住民の直接請求などに関する説明として妥当なものはどれですか。 (ア 副知事・副市町村長など主要公務員の解職請求は有権者の 3 分の 1 以上の署名で選挙管理委員会に対して行い、住民投票で過半数の同意があれば失職する イ 住民訴訟は、住民監査請求を経ることなく、違法な財務会計行為があると考える住民が直接に提起することができる ウ 条例の制定・改廃の請求は、地方税の賦課徴収や使用料・手数料に関する条例を含め、すべての条例を対象として行うことができる エ 住民監査請求は有権者の 50 分の 1 以上の署名を集めて監査委員に対して行う必要があり、住民 1 人で請求することはできない undefined 解散・解職の請求に必要な署名数は原則として有権者の 3 分の 1 以上だが、有権者数が 40 万人を超える団体では、超える部分について要件が緩和されている)
財政・地方自治・憲法改正 ── 解答
基礎
- エ あらたに租税を課し、または現行の租税を変更するには、法律または法律の定める条件によることを必要とする あらたに租税を課し、または現行の租税を変更するには、法律または法律の定める条件によることを必要とする。財政の条文は「誰が・何を・どの段階で」を主語つきで確認する。
- イ 有権者の 50 分の 1 以上 ── 長 条例の制定の直接請求は有権者の 50 分の 1 以上 ── 長。「50 分の 1 は長・監査委員/3 分の 1 は選管(解散・解職)と長(主要公務員)」と 2 グループで覚える。有権者 40 万人超の団体では 3 分の 1 の要件が緩和される。
- ウ 83 条は国の財政処理の権限を国会の議決に基づいて行使するよう定め、予算の議決・租税法律主義・決算の国会提出はその具体化である 83 条。国債の発行(債務負担)も国会の議決による(85 条)。皇室費用は予算に計上して国会の議決を経る(88 条)。内閣は国会と国民に財政状況を報告する(91 条)。
- イ 私立学校振興助成法などにより業務・会計の報告徴収や予算変更の勧告などの監督が及んでいれば「公の支配」に属するとして、私学助成を合憲とするのが通説・実務である 「公の支配」を緩やかに解し、89 条後段の趣旨を公費の濫用防止と理解する立場。宗教系私立学校への助成は前段(政教分離)との関係も問題になりうるが、教育目的の助成は許されると解されている。
- ウ 条例の制定・改廃の請求は有権者の 50 分の 1 以上の署名で長に対して行い、長は意見を付けて議会にかけるが、議会が否決すれば条例は成立しない 条例制定改廃は 50 分の 1・長。解散は 3 分の 1・選管・住民投票。長の解職は 3 分の 1・選管・住民投票。地方税等に関する条例は直接請求の対象外。
- イ 憲法上の地方公共団体には、住民が共同体意識をもつ社会的基盤があり、相当程度の自主立法権・自主行政権・自主財政権などを与えられた地域団体であることが必要である 最高裁(最大判昭和 38 年 3 月 27 日)は、憲法上の地方公共団体といえるためには社会的基盤と相当程度の自治権が必要だとし、東京都の特別区は当時これにあたらないとして区長公選制の廃止を合憲とした。法律上の地方公共団体と憲法上の地方公共団体は一致するとは限らない。都道府県と市町村の二段階制を憲法が保障するかは学説上争いがあるが、市町村を単なる行政区画とする見解は一般的でない。
標準
- ウ 法律と条例の趣旨・目的・内容・効果を比較し、法律が全国一律の規制を意図していないと解されれば、より厳しい規制を定める条例も法律の範囲内として有効である 法律と条例の趣旨・目的・内容・効果を比較し、法律が全国一律の規制を意図していないと解されれば、より厳しい規制を定める条例も法律の範囲内として有効である。対応する判例:旭川市国民健康保険条例事件(最大判平成 18 年)・神奈川県臨時特例企業税事件(最判平成 25 年)・徳島市公安条例事件(最大判昭和 50 年)・大阪市売春取締条例事件(最大判昭和 37 年)・東京都売春等取締条例事件(最大判昭和 33 年)。
- ウ 各議院の総議員の 3 分の 2 以上の賛成で国会が発議し、国民投票で過半数の賛成を得て承認され、天皇が国民の名で公布する 各議院の総議員の 3 分の 2 以上の賛成で国会が発議し、国民投票で過半数の賛成を得て承認され、天皇が国民の名で公布する。
- undefined パチンコ球遊器事件では、通達をきっかけとする課税でも、通達の内容が法の正しい解釈に合致する以上、法の根拠に基づく処分として 84 条に反しないとした パチンコ球遊器事件(最判昭和 33 年 3 月 28 日)。旭川市国保条例事件は保険料を租税でないとしつつ 84 条の趣旨は及ぶとし、本件は合憲とした。地方税も地方税法の枠内で条例により定める(84 条の「法律の定める条件」)。
- ウ 通説は予算を法律とは異なる国法の一形式ととらえる予算法形式説をとっており、この立場では予算は政府を拘束する法規範であるが国民を直接拘束するものではない 予算法形式説。予算と法律の不一致は制度上ありうる。増額修正は限界説が多数だが政府見解も可能とする。予算の提出権は内閣のみ(73 条 5 号・86 条)。日本国憲法に前年度予算施行の制度はなく、暫定予算で対応する(財政法)。
- ア 長と議員がともに住民の直接選挙で選ばれる二元代表制をとりつつ、議会の不信任決議と長の議会解散という議院内閣制的な要素も取り入れている 93 条と地方自治法。「住民」は日本国民(最判平成 7 年 2 月 28 日)。特別区は当時憲法上の地方公共団体にあたらないとされ、区長公選制廃止は合憲(最大判昭和 38 年 3 月 27 日)。議会は議事機関で条例を制定する。
- undefined 抵触の有無は対象事項と文言の対比だけでなく趣旨・目的・内容・効果を比較して決め、法律が全国一律の規制の趣旨でなければ、同目的でより厳しい条例も許される 上乗せ条例・横出し条例が許される枠組み。法律が放置する趣旨なら条例は違法。目的が異なれば法律の目的・効果を阻害しない限り有効。
- エ 地方自治権は、国から与えられたものではなく、地方公共団体が固有にもつ前国家的な権利であるとする考え方 地方自治権は、国から与えられたものではなく、地方公共団体が固有にもつ前国家的な権利であるとする考え方。予算の法的性格は予算行政説(行政行為)・予算法律説(法律そのもの)・予算法形式説(通説。法律とは別の国法形式)。地方自治の法的性格は承認説・固有権説・制度的保障説(通説)。憲法改正の限界は無限界説と限界説(通説。国民主権・基本的人権・平和主義と 96 条自体は改正できない)。名前と中身を入れかえた肢が出るので、説の名前から中身を言えるようにする。
- ウ 国会は予算を減額修正でき、増額修正も内閣の予算作成権を損なわない範囲で可能とするのが政府見解だが、予算の同一性を損なう大幅な修正はできないとされる 減額修正は制限なし(多数説)、増額修正は内閣の予算作成権との関係で「同一性を損なう大幅な修正はできない」とするのが政府見解。予算があっても根拠法がなければ支出できず、法律があって予算がなければ内閣は予備費の支出や補正予算の提出などで執行に努める義務がある。前年度予算の施行は日本国憲法にはなく、暫定予算・補正予算は財政法の制度で国会の議決を要する。
- エ 国民投票で承認されたときは、内閣総理大臣が内閣を代表して、この憲法と一体をなすものとして直ちにこれを公布する 改正の公布は天皇が「国民の名で」行う(96 条 2 項)。内閣総理大臣ではない。原案提出の 100 人・50 人、憲法審査会、総議員の 3 分の 2、両院対等、60 日以後 180 日以内、18 歳以上はいずれも正しい(原案提出の人数と国民投票の期間は国会法・国民投票法の定め。最新は e-Gov で確認)。
発展
- ウ 条例で罰則を定めるには、政令への委任と同様に法律による個別具体的な委任が必要であり、地方自治法の一般的な委任規定では 31 条の要請を満たさないとするのが判例である 大阪市売春取締条例事件(最大判昭和 37 年 5 月 30 日)は、条例は自主法で法律に類するため、相当な程度に具体的で限定された委任で足りるとした。他は奈良県ため池条例事件・神奈川県臨時特例企業税事件・東京都売春等取締条例事件・地方自治法のとおり。
- イ 国民投票法により、国民投票は国会の発議の日から 60 日以後 180 日以内に行われ、投票権者は満 18 歳以上の日本国民で、有効投票総数の過半数の賛成があれば承認される 日本国憲法の改正手続に関する法律(2007 年成立・2010 年施行)。最低投票率の定めはない。96 条は特別の国民投票または国会の定める選挙の際の投票のいずれも認めている。再発議の制限規定はない。
- undefined 憲法改正の発議は各議院の総議員の 3 分の 2 以上の賛成を要し、この点について衆議院の優越は認められておらず、両院がそれぞれ可決して初めて国会が発議したことになる 96 条。原案は国会議員が提出(衆議院 100 人以上・参議院 50 人以上の賛成。国会法)。公布は天皇が国民の名で行う。通説は八月革命説により、明治憲法の改正の限界を超えた新憲法の制定と説明する。
- イ 予備費の支出について事後に国会の承諾が得られなかった場合でも、既に行われた支出の法的効力には影響せず、内閣の政治責任が問われるにとどまる 87 条 2 項。決算の否認も支出の効力に影響しない(90 条)。予算は両院協議会の開催が必須で、不一致なら衆議院の議決が国会の議決となる(60 条 2 項)。会計検査院は内閣から独立した憲法上の機関(90 条・会計検査院法)。
- undefined 解散・解職の請求に必要な署名数は原則として有権者の 3 分の 1 以上だが、有権者数が 40 万人を超える団体では、超える部分について要件が緩和されている 解散・解職の 3 分の 1 要件は、有権者数 40 万人を超える部分は 6 分の 1、80 万人を超える部分は 8 分の 1 に緩和される。主要公務員の解職請求は「長」に対して行い、議会で 3 分の 2 以上の出席・4 分の 3 以上の同意で失職(住民投票ではない)。住民監査請求は 1 人でも可能で署名は不要。地方税・分担金・使用料・手数料に関する条例は制定・改廃請求の対象外。住民訴訟は住民監査請求を経た後でなければ提起できない(監査請求前置)。
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