総則①(権利能力・意思能力・制限行為能力者) ── 問題
基礎
- 被補助人 A が、同意を要する旨の審判の対象になっていない行為を単独で B とした。この行為の効力はどうなりますか。 (ア 無効である イ 有効であり、取り消すこともできない ウ 法定代理人が追認しない限り効力を生じない エ 取り消すことができる undefined 相手方が善意であれば有効となる)
- A は 2016 年 5 月に乗っていた船が沈没して行方がわからなくなり、その後、家庭裁判所が失踪宣告をした。民法上、A が死亡したものとみなされる時期はいつですか。 (ア 2026 年 5 月 イ 2019 年 5 月 ウ 2016 年 5 月 エ 2023 年 5 月 undefined 2017 年 5 月)
- 意思能力に関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア 意思能力は 18 歳に達すると当然に備わるものとされている イ 意思能力を有しない状態でした法律行為は取り消すことができ、取消権は 5 年で消滅する ウ 意思能力の有無は、成年後見の審判を受けているかどうかで形式的に決まる エ 意思能力を欠く者がした契約でも、相手方が善意無過失であれば有効である undefined 意思能力を有しない状態でした法律行為は無効であり、2017 年改正で明文の規定が置かれた)
- 未成年者が法定代理人の同意を得ずに単独でしても、取り消すことができない行為はどれですか。 (ア アルバイト先から前借りをする消費貸借契約 イ スマートフォンの通信契約 ウ 祖父から負担のない現金の贈与を受ける契約 エ 自分の預金口座から預金を引き出して家電を買う契約 undefined 自分の所有する自転車を友人に売る契約)
- 成年年齢の引下げ(2022 年 4 月 1 日施行)に関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア 成年年齢は 18 歳となり、婚姻適齢も男女とも 18 歳に統一されたため、婚姻による成年擬制の規定は廃止された イ 成年年齢は 18 歳となったが、婚姻による成年擬制の規定はそのまま残っている ウ 成年年齢の引下げにあわせて、遺言ができる年齢も 15 歳から 18 歳に引き上げられた エ 成年年齢は 18 歳となったが、親権者の同意なしにした契約の取消しは 20 歳まで認められる undefined 成年年齢は 18 歳となったが、婚姻適齢は男性 18 歳・女性 16 歳のまま維持された)
標準
- 制限行為能力者 A と契約した相手方 B が、未成年者 A 本人に対し、1 か月以上の期間を定めて追認するかどうか確答するよう催告したが、期間内に確答がなかった。民法上、契約はどう扱われますか。 (ア B は契約を取り消すことができる イ 追認したものとみなされる ウ 契約は無効となる エ 取り消したものとみなされる undefined 催告は効力を生じない)
- 未成年者 A は 2005 年に、親権者の同意なく B と契約をした。A は 2009 年に成年に達し、その時に取消権があることも知った。行為の時を基準にすると、A の取消権は西暦何年に時効で消滅しますか。
- 被保佐人 A が、自宅を取り壊して新築する請負契約を B と結ぶ場合について、民法上の扱いとして妥当なものはどれですか。なお、家庭裁判所による同意権拡張の審判はないものとする。 (ア 保佐人が A を代理して行わなければならず、A 本人はできない イ 保佐人の同意があっても、A 本人は後から取り消すことができる ウ 保佐人の同意に加えて、家庭裁判所の許可を得なければ無効である エ 保佐人の同意は不要で、単独で確定的に有効な行為ができる undefined 保佐人の同意が必要で、同意なしにした場合は取り消すことができる)
- 17 歳の A は、生年月日を書き換えた身分証を B に見せ、成年者だと信じさせてB と 40 万円のパソコンの売買契約を結んだ。親権者の同意はない。この契約について妥当なものはどれですか。 (ア B のみが契約を取り消すことができる イ 親権者は取り消せるが、A 本人は取り消せない ウ A も親権者も取り消すことができない エ A も親権者も取り消すことができる undefined 契約は当初から無効であり、追認もできない)
- 胎児の権利能力に関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア 胎児はすべての法律関係について、すでに生まれたものとみなされる イ 胎児が死産だった場合でも、胎児であった間に取得した権利は母に承継される ウ 胎児は不法行為に基づく損害賠償請求・相続・遺贈については、すでに生まれたものとみなされる エ 判例は、胎児の間に母が胎児を代理して加害者と示談をすることを認めている undefined 胎児は相続については生まれたものとみなされるが、不法行為に基づく損害賠償請求については認められない)
- 失踪宣告に関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア 特別失踪では、危難が去った後 1 年間生死不明であることが宣告の要件で、死亡したものとみなされるのは危難が去った時である イ 普通失踪では、生死不明が 7 年続くことが宣告の要件で、死亡したものとみなされるのは失踪の時である ウ 失踪宣告が取り消されると、宣告後に善意でされた契約もすべて効力を失う エ 失踪宣告を受けた者が実は生存していたときは、宣告は当然に効力を失う undefined 失踪宣告によって財産を得た相続人は、宣告が取り消されたとき、受け取った財産の全額を返還しなければならない)
- 成年被後見人に関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア 成年後見人は、成年被後見人の居住用不動産を家庭裁判所の許可なく売却できる イ 後見開始の審判は、本人以外の者が請求するときは本人の同意が必要である ウ 成年被後見人が成年後見人の同意を得てした法律行為は、取り消すことができない エ 成年被後見人が日用品の購入その他日常生活に関する行為をしたときは、取り消すことができない undefined 成年被後見人は、事理を弁識する能力が著しく不十分な者である)
発展
- 保佐・補助に関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア 補助開始の審判を本人以外の者が請求するには、本人の同意が必要である イ 保佐人は審判なしに当然に被保佐人の財産に関する法律行為の代理権をもつ ウ 保佐開始の審判を本人以外の者が請求するには、本人の同意が必要である エ 保佐人が正当な理由なく同意しない場合でも、被保佐人は家庭裁判所に同意に代わる許可を求めることができない undefined 被補助人は、13 条 1 項に列挙されたすべての行為について当然に補助人の同意を要する)
- 未成年者 A が親権者の同意なく B から 50 万円を借り、うち 30 万円を遊興費に使い、20 万円を生活費に充てた。その後 A がこの契約を取り消した場合の返還について、判例の立場として妥当なものはどれですか。 (ア A は 50 万円全額を返還しなければならない イ A は一切返還する必要がない ウ A は生活費に充てた 20 万円分を返還すればよく、遊興費に使った 30 万円分は返還しなくてよい エ A は遊興費に使った 30 万円分を返還すればよく、生活費に充てた 20 万円分は返還しなくてよい undefined A は手元に現金が残っていなければ、一切返還する必要がない)
- 制限行為能力を理由とする取消しと追認に関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア 取消権は行為の時から 5 年で消滅する イ 取消しができる行為は、取り消されるまでは無効であり、追認によって初めて有効になる ウ 取消しは法定代理人・保佐人・補助人だけができ、制限行為能力者本人はできない エ 未成年者が成年に達する前に単独でした追認も、確定的に有効である undefined 制限行為能力者本人は、法定代理人の同意を得なくても単独で取り消すことができる)
総則①(権利能力・意思能力・制限行為能力者) ── 解答
基礎
- イ 有効であり、取り消すこともできない 意思能力を欠く行為は無効(3 条の 2)。制限行為能力者が保護者の関与なしにした行為は取消し(5 条・9 条・13 条・17 条)。ただし日用品の購入、単に権利を得る行為、許された営業・財産の処分は取り消せない。答え:有効であり、取り消すこともできない。
- ウ 2016 年 5 月 普通失踪は生死不明が 7 年続いた時(期間満了時)、特別失踪は危難が去った時に死亡したものとみなされる(30 条・31 条)。特別失踪の「1 年」は宣告の要件で、死亡時期ではない。答え:2016 年 5 月。
- undefined 意思能力を有しない状態でした法律行為は無効であり、2017 年改正で明文の規定が置かれた 3 条の 2。意思能力は行為ごとに実際の判断能力で決まり、審判の有無や年齢で形式的に決まるものではない。無効なので相手方の善意悪意は関係ない。
- ウ 祖父から負担のない現金の贈与を受ける契約 単に権利を得、または義務を免れる行為は同意不要(5 条 1 項ただし書)。他は原則どおり取消し可能。預金の引出しも、処分を許された財産でなければ同意が必要。
- ア 成年年齢は 18 歳となり、婚姻適齢も男女とも 18 歳に統一されたため、婚姻による成年擬制の規定は廃止された 4 条・731 条(平成 30 年改正)。婚姻適齢が 18 歳になったため未成年者の婚姻は起こらず、旧 753 条(成年擬制)は削除された。遺言年齢は 15 歳のまま(961 条)。
標準
- undefined 催告は効力を生じない 20 条。単独で追認できる者(能力者となった本人・法定代理人・保佐人・補助人)が黙っていれば追認、単独で追認できない被保佐人・被補助人本人が黙っていれば取消し。未成年者・成年被後見人本人には受領能力がなく催告は無効(98 条の 2)。未成年者 A 本人への催告 → 催告は効力を生じない。
- 2025 取消権は追認をすることができる時から 5 年、行為の時から 20 年で消滅する(126 条)。行為の時を基準にすると 2025 年。
- undefined 保佐人の同意が必要で、同意なしにした場合は取り消すことができる 13 条 1 項の行為(借財・保証・重要な財産の得喪・訴訟行為・相続の承認放棄・新築など)には保佐人の同意が必要。日用品の購入など日常生活に関する行為は対象外。遺言には制限行為能力の規定が適用されない(962 条)。自宅を取り壊して新築する請負契約を B と結ぶ場合 → 保佐人の同意が必要で、同意なしにした場合は取り消すことができる。
- ウ A も親権者も取り消すことができない 制限行為能力者が行為能力者であると(または法定代理人の同意があると)信じさせるため詐術を用いたときは取り消せない(21 条)。単なる黙秘は詐術に当たらず、相手方が悪意でも取消しは妨げられない(最判昭和 44 年 2 月 13 日)。本問 → A も親権者も取り消すことができない。
- ウ 胎児は不法行為に基づく損害賠償請求・相続・遺贈については、すでに生まれたものとみなされる 721 条・886 条・965 条の 3 つが例外。判例(阪神電鉄事件 大判昭和 7 年 10 月 6 日)は、生きて生まれたときにさかのぼって権利能力を認める立場(停止条件説)で、胎児中の法定代理を認めなかった。死産なら最初から権利能力はない。
- ア 特別失踪では、危難が去った後 1 年間生死不明であることが宣告の要件で、死亡したものとみなされるのは危難が去った時である 30 条・31 条。普通失踪は 7 年の期間満了時に死亡とみなす。宣告の取消しには家庭裁判所の審判が必要(32 条)。取消し前に善意でした行為は有効(判例は双方善意を要求)。財産を得た者は現に利益を受けている限度で返還すればよい。
- エ 成年被後見人が日用品の購入その他日常生活に関する行為をしたときは、取り消すことができない 9 条ただし書。成年後見人に同意権はなく、同意があっても取り消せる。居住用不動産の処分には家庭裁判所の許可が必要(859 条の 3)。本人の同意が要るのは補助開始の審判(15 条 2 項)。「著しく不十分」は被保佐人で、成年被後見人は「欠く常況」。
発展
- ア 補助開始の審判を本人以外の者が請求するには、本人の同意が必要である 15 条 2 項。保佐開始には本人の同意は不要。被補助人の同意を要する行為は 13 条 1 項の一部に限って審判で定める(17 条 1 項)。保佐人の代理権は審判で付与(876 条の 4)。同意に代わる許可は 13 条 3 項。
- ウ A は生活費に充てた 20 万円分を返還すればよく、遊興費に使った 30 万円分は返還しなくてよい 制限行為能力者は現に利益を受けている限度で返還すれば足りる(121 条の 2 第 3 項)。判例(大判昭和 7 年 10 月 26 日)は、生活費に充てた分は他の財産の支出を免れているので現存利益があり、浪費した分は現存利益がないとする。
- undefined 制限行為能力者本人は、法定代理人の同意を得なくても単独で取り消すことができる 120 条 1 項。取消し可能な行為は取り消されるまでは有効で、取消しで遡及的に無効になる(121 条)。追認は取消しの原因となった状況が消滅した後でなければ効力がない(124 条 1 項)。取消権は追認できる時から 5 年・行為の時から 20 年(126 条)。
受験のしらべ / https://juken-shirabe.com/koumuin/horitsu/zm-01/test/ / 問題は毎回の表示で数が変わります。印刷したものはその一例です。
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