親族と相続 ── 問題
基礎
- 普通養子縁組で養親となることができる年齢として正しいものはどれですか。 (ア 18 歳 イ 20 歳 ウ 25 歳 エ 16 歳 undefined 15 歳)
- A が「全財産を第三者 X に遺贈する」と遺言して死亡した。相続人は直系尊属(A の父母)のみで、遺産は 3600 万円である。直系尊属 1 人の遺留分の額はいくらですか。 (ア 900 万円 イ 450 万円 ウ 600 万円 エ 1800 万円 undefined 300 万円)
- 婚姻の成立・無効・取消しに関する説明として妥当なものはどれですか。 (ア 詐欺によって婚姻をした者は、詐欺を発見した後 1 年以内に限り婚姻の取消しを請求できる イ 当事者間に婚姻をする意思がないときは、届出がされていても婚姻は無効である ウ 婚姻の取消しの効力は婚姻の時にさかのぼり、婚姻は初めから存在しなかったものとして扱われる エ 女性は前婚の解消の日から 100 日を経過した後でなければ再婚することができない undefined 婚姻適齢に達しない者の婚姻は当然に無効であり、取消しの手続を要しない)
- 相続人と法定相続分に関する説明として妥当なものはどれですか。 (ア 被相続人の兄弟姉妹が相続開始前に死亡していたときは、その兄弟姉妹の子・孫が順次代襲して相続人となる イ 被相続人の配偶者と兄弟姉妹が相続人であるとき、配偶者の相続分は 4 分の 3、兄弟姉妹の相続分は 4 分の 1 である ウ 嫡出でない子の相続分は、嫡出子の相続分の 2 分の 1 である エ 被相続人に子がいる場合でも、直系尊属は子と同順位で相続人となる undefined 被相続人の配偶者と直系尊属が相続人であるとき、配偶者の相続分は 2 分の 1、直系尊属の相続分は 2 分の 1 である)
- 認知に関する説明として妥当なものはどれですか。 (ア 父は、成年に達した子を認知するときも、その子の承諾を得る必要はない イ 認知をした父は、家庭裁判所の許可を得れば認知を撤回することができる ウ 父が死亡した後は、子は認知の訴えを提起することができない エ 父は、胎児を認知することができるが、その場合には母の承諾を得なければならない undefined 認知は届出によってしなければならず、遺言によって認知することはできない)
標準
- A が死亡し、相続人は配偶者 B と兄弟姉妹 1 人である。遺産は 1500 万円で、遺言はない。兄弟姉妹 1 人あたりの法定相続分はいくらですか。 (ア 1125 万円 イ 375 万円 ウ 250 万円 エ 750 万円 undefined 500 万円)
- 次の判例について、特定の相続人に特定の財産を「相続させる」旨の遺言に関する最高裁判所の判例の結論として妥当なものはどれですか。 (ア 原則として遺贈と解され、その相続人が遺贈を承認して初めて財産を取得する イ 原則として遺産分割方法の指定と解され、相続開始と同時にその財産はその相続人に承継される ウ 相続分の指定にすぎず、どの財産を取得するかは遺産分割で改めて決めなければならない エ 遺産分割協議を経なければ効力を生じず、他の相続人の同意がなければ財産を取得できない undefined このような遺言は方式に反するため無効であり、法定相続分に従って相続される)
- 離婚に関する説明として妥当なものはどれですか。 (ア 裁判所は、配偶者に不貞な行為があった場合でも、一切の事情を考慮して婚姻の継続が相当と認めるときは離婚の請求を棄却することができる イ 離婚による財産分与は、婚姻中に協力して得た財産の清算を目的とするものであり、離婚後の扶養の要素を含めることはできない ウ 配偶者の生死が 1 年以上明らかでないときは、他方の配偶者は裁判上の離婚を請求することができる エ 婚姻によって氏を改めた者は、離婚によって当然に婚姻前の氏に戻り、婚姻中の氏を続けて称することはできない undefined 離婚によっても姻族関係は当然には終了せず、生存配偶者の意思表示があって初めて終了する)
- 嫡出推定と嫡出否認に関する説明として妥当なものはどれですか(2024 年 4 月施行の改正後の規定による)。 (ア 嫡出否認の訴えは夫のみが提起することができ、子や母は提起することができない イ 婚姻前に懐胎し婚姻成立後に生まれた子も、夫の子と推定される ウ 嫡出否認の訴えは、夫が子の出生を知った時から 1 年以内に提起しなければならない エ 離婚の日から 300 日以内に生まれた子は、母が再婚していても前夫の子と推定される undefined 婚姻の成立の日から 200 日以内に生まれた子は、夫の子と推定されない)
- 相続の承認・放棄に関する説明として妥当なものはどれですか。 (ア 相続放棄をした後に相続財産を隠匿した場合でも、いったんした放棄の効力には影響がない イ 相続の放棄は、相続開始前であっても家庭裁判所の許可を得てすることができる ウ 相続を放棄した者は、その相続に関しては相続開始の時から相続人でなかったものとみなされるため、放棄者の子が代襲相続する エ 熟慮期間は相続開始の時から 3 か月であり、相続人が相続の開始を知らなかった場合でも延長されない undefined 相続人が相続財産の全部または一部を処分したときは、原則として単純承認をしたものとみなされる)
- 相続分の修正と遺産分割に関する説明として妥当なものはどれですか。 (ア 各共同相続人は、遺産分割前であっても、預貯金債権の全額を単独で払い戻すことができる イ 遺産分割の効力は相続開始の時にさかのぼるため、遺産分割前に相続人から相続財産を取得した第三者の権利も否定される ウ 婚姻期間が 20 年以上の夫婦の一方が他方に居住用不動産を贈与したときも、特別受益として常に持ち戻して相続分を計算する エ 寄与分は、被相続人の財産の維持・増加に特別の寄与をした者であれば、相続人でなくても認められる undefined 相続人でない被相続人の親族が無償で療養看護をして財産の維持・増加に特別の寄与をしたときは、相続人に対して特別寄与料の支払いを請求することができる)
発展
- 次の事例について、民法の規定および判例に照らした結論として妥当なものはどれですか。A が死亡し、相続人は妻 B と子 C・D である。C は多額の借金があったため家庭裁判所で相続放棄をした。C には子 E がいる。 (ア C の放棄は家庭裁判所の許可がなければ効力を生じないため、C はなお相続人である イ C の放棄により C の債権者が C に代わって相続分を取得する ウ C の放棄により、C の相続分は B のみに帰属し、B が 4 分の 3、D が 4 分の 1 を相続する エ E は C を代襲相続し、遺産は B が 2 分の 1、D と E が 4 分の 1 ずつ相続する undefined E は C を代襲相続せず、遺産は B と D が 2 分の 1 ずつ相続する)
- 養子縁組に関する説明として妥当なものはどれですか。 (ア 特別養子縁組が成立した後も、養子と実父母との間の親族関係は存続する イ 普通養子縁組において、自己の直系卑属を養子とする場合であっても、未成年者を養子とするには家庭裁判所の許可が必要である ウ 配偶者のある者が未成年者を普通養子とするには、原則として配偶者とともに縁組をしなければならない エ 特別養子縁組の離縁は、養親と実父母の協議が調えば、家庭裁判所の関与なしにすることができる undefined 特別養子縁組は、養親となる者と養子となる者の法定代理人との合意および届出によって成立する)
- 遺言に関する説明として妥当なものはどれですか。 (ア 2 人以上の者が同一の証書で遺言をすることは、夫婦であれば認められる イ 遺言者は、遺言をした後にこれを撤回する権利を放棄することができる ウ 公正証書遺言は、証人 1 人の立会いがあれば作成することができる エ 自筆証書遺言に添付する財産目録は自書することを要しないが、その各ページに署名し押印しなければならない undefined 自筆証書遺言は、全文・日付・氏名のほか財産目録もすべて自書しなければ無効である)
- 遺留分および配偶者居住権に関する説明として妥当なものはどれですか。 (ア 遺留分侵害額請求権は、相続の開始および遺留分を侵害する贈与・遺贈があったことを知った時から 3 年で時効により消滅する イ 配偶者居住権は、配偶者が第三者に譲渡することができ、登記をしなくても第三者に対抗できる ウ 遺留分を侵害された者は、受遺者または受贈者に対し、遺留分侵害額に相当する金銭の支払いを請求することができる エ 遺留分を侵害された者は、遺贈された不動産そのものの返還を請求することができ、金銭による解決は認められない undefined 直系尊属のみが相続人である場合の遺留分は、相続財産の 2 分の 1 である)
親族と相続 ── 解答
基礎
- イ 20 歳 普通養子縁組で養親となることができる年齢は 20 歳。婚姻適齢・成年は 18 歳、遺言は 15 歳、普通養子の養親は 20 歳、特別養子の養親は 25 歳(一方が 25 歳以上なら他方は 20 歳以上)、特別養子となる者は原則 15 歳未満。
- ウ 600 万円 遺留分の全体の割合は、直系尊属のみが相続人なら 1/3、それ以外は 1/2。これに法定相続分を掛ける。直系尊属の法定相続分は 1/2 なので、遺留分は 3600 × 1/3 × 1/2 = 600 万円。遺贈自体は有効で、X に対して金銭の支払いを請求する。
- イ 当事者間に婚姻をする意思がないときは、届出がされていても婚姻は無効である 742 条。婚姻適齢違反・重婚・近親婚は取消しの対象(無効ではない)。取消しの効果は将来に向かってのみ生じる(748 条)。詐欺・強迫による取消権は 3 か月で消滅(747 条 2 項)。女性の再婚禁止期間は 2024 年 4 月に廃止された。
- イ 被相続人の配偶者と兄弟姉妹が相続人であるとき、配偶者の相続分は 4 分の 3、兄弟姉妹の相続分は 4 分の 1 である 900 条 3 号。配偶者と直系尊属なら 2/3 と 1/3(同条 2 号)。血族相続人は子 → 直系尊属 → 兄弟姉妹の順で、先順位がいれば後順位は相続人にならない。嫡出でない子の相続分は嫡出子と同じ(2013 年改正)。兄弟姉妹の代襲は甥・姪までで再代襲はない(889 条 2 項は 887 条 3 項を準用していない)。
- エ 父は、胎児を認知することができるが、その場合には母の承諾を得なければならない 783 条 1 項。成年の子の認知には子の承諾が必要(782 条)。認知は遺言でもできる(781 条 2 項)。認知の撤回は認められない(785 条)。父の死亡後 3 年以内なら検察官を相手に認知の訴えを提起できる(787 条)。
標準
- イ 375 万円 配偶者と兄弟姉妹が相続人のとき、配偶者 3/4・兄弟姉妹全体で 1/4。配偶者 B は 1500 × 3/4 = 1125 万円。残り 1500 − 1125 万円を 1 人で均等に分けて、1 人 375 万円。
- イ 原則として遺産分割方法の指定と解され、相続開始と同時にその財産はその相続人に承継される 原則として遺産分割方法の指定と解され、相続開始と同時にその財産はその相続人に承継される。判例は「事案 → 結論 → 理由づけ」の 3 段で覚える(zm-12 解説の各表を参照)。
- ア 裁判所は、配偶者に不貞な行為があった場合でも、一切の事情を考慮して婚姻の継続が相当と認めるときは離婚の請求を棄却することができる 770 条 2 項。生死不明は 3 年以上(同条 1 項 3 号)。離婚から 3 か月以内に届け出れば婚姻中の氏を続けられる(767 条 2 項)。財産分与には清算・扶養・慰謝料の要素を含めうる。姻族関係は離婚で当然に終了し(728 条 1 項)、配偶者の死亡では生存配偶者の意思表示で終了する(同条 2 項)。
- イ 婚姻前に懐胎し婚姻成立後に生まれた子も、夫の子と推定される 改正後の 772 条 1 項後段。改正により「婚姻成立後 200 日以内」の子も推定され、離婚後 300 日以内でも母が再婚していれば再婚後の夫の子と推定される。嫡出否認の訴えは父・子・母(および前夫)が提起でき、期間は 3 年(父は出生を知った時から、子・母は出生から)。
- undefined 相続人が相続財産の全部または一部を処分したときは、原則として単純承認をしたものとみなされる 921 条 1 号(法定単純承認)。相続開始前の放棄はできない(遺留分の放棄と区別)。熟慮期間は自己のために相続の開始があったことを知った時から 3 か月(915 条)。放棄は代襲原因ではない。放棄後の隠匿・私的消費は単純承認とみなされる(921 条 3 号)。
- undefined 相続人でない被相続人の親族が無償で療養看護をして財産の維持・増加に特別の寄与をしたときは、相続人に対して特別寄与料の支払いを請求することができる 1050 条(特別寄与料。2019 年 7 月施行)。寄与分(904 条の 2)は相続人に限られる。婚姻 20 年以上の夫婦間の居住用不動産の贈与は持戻し免除の意思表示が推定される(903 条 4 項)。遺産分割前の払戻しは預貯金債権の 1/3 に法定相続分を乗じた額で、同一金融機関ごとに 150 万円が上限(909 条の 2)。遺産分割の遡及効は第三者の権利を害せない(909 条ただし書)。
発展
- undefined E は C を代襲相続せず、遺産は B と D が 2 分の 1 ずつ相続する E は C を代襲相続せず、遺産は B と D が 2 分の 1 ずつ相続する。家族法の事例は「代襲原因は死亡・欠格・廃除(放棄は含まない)」「兄弟姉妹に遺留分なし」「特別養子は実方との関係終了」「限定承認は全員共同」「認知は出生時にさかのぼる(第三者の権利は害せない)」の 5 つを軸に判定する。
- ウ 配偶者のある者が未成年者を普通養子とするには、原則として配偶者とともに縁組をしなければならない 795 条。自己または配偶者の直系卑属を養子とする場合は家庭裁判所の許可は不要(798 条ただし書)。特別養子縁組は家庭裁判所の審判で成立し(817 条の 2)、実方との親族関係は終了する(817 条の 9)。離縁は養親の虐待等と実父母が監護できることを要件に家庭裁判所の審判のみで認められる(817 条の 10)。
- エ 自筆証書遺言に添付する財産目録は自書することを要しないが、その各ページに署名し押印しなければならない 968 条 2 項(2019 年 1 月施行)。公正証書遺言は証人 2 人以上(969 条)。共同遺言は夫婦でも禁止(975 条)。撤回権は放棄できない(1026 条)。
- ウ 遺留分を侵害された者は、受遺者または受贈者に対し、遺留分侵害額に相当する金銭の支払いを請求することができる 1046 条(2019 年 7 月施行の金銭債権化)。直系尊属のみなら 1/3(1042 条)。侵害額請求権は知った時から 1 年・相続開始から 10 年(1048 条)。配偶者居住権は譲渡できず(1032 条 2 項)、登記が対抗要件(1031 条)。
受験のしらべ / https://juken-shirabe.com/koumuin/horitsu/zm-12/test/ / 問題は毎回の表示で数が変わります。印刷したものはその一例です。
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