労働基準法②(労働時間・休日・年次有給休暇・解雇) ── 問題
基礎
- 労働基準法が定める使用者が労働者に与えなければならない休日の日数として正しいものはどれですか。 (ア 毎週少なくとも 1 回(4 週間を通じ 5 日以上でも可) イ 毎週少なくとも 1 回(4 週間を通じ 3 日以上でも可) ウ 4 週間を通じ 6 日以上 エ 毎週少なくとも 1 回(4 週間を通じ 4 日以上でも可) undefined 毎週少なくとも 2 回)
- 高度プロフェッショナル制度を導入するために労働基準法上必要となる手続として正しいものはどれですか。 (ア 労使委員会の委員の 5 分の 4 以上の多数による決議と行政官庁への届出、および対象労働者本人の同意(年収要件はない) イ 就業規則等で始業・終業の時刻を労働者の決定に委ねる旨を定め、清算期間などについて労使協定を締結すること ウ 労使委員会の委員の 5 分の 4 以上の多数による決議と届出に加え、対象労働者本人の書面による同意と、年収要件を満たすこと エ 過半数組合(過半数代表者)との労使協定、または就業規則その他これに準ずるものによる定め undefined 過半数組合(過半数代表者)との労使協定を締結し、行政官庁に届け出ること(就業規則の定めだけでは不可))
- 労働時間・休憩・休日に関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア 使用者は、労働時間が 6 時間以上の場合は少なくとも 45 分、8 時間以上の場合は少なくとも 1 時間の休憩時間を与えなければならず、労働時間の前後に与えることもできる イ 使用者は、労働時間が 6 時間を超える場合は少なくとも 45 分、8 時間を超える場合は少なくとも 1 時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない ウ 使用者は労働者に対して毎週少なくとも 1 回の休日を与えなければならず、4 週間を通じて 4 日以上の休日を与える方法によることはできない エ 使用者は労働者に対して毎週少なくとも 2 回の休日を与えなければならず、週休 2 日制は法律上の義務である undefined 法定労働時間は 1 日 8 時間・1 週 40 時間であり、業種や規模による特例は一切設けられていない)
- 時間外・休日労働に関する労使協定(36 協定)に関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア 36 協定は、締結して行政官庁に届け出ることにより、それ自体で労働者に時間外労働に従事する私法上の義務を負わせる効力を持つ イ 36 協定は事業場の労働者の過半数で組織する労働組合と締結しなければならず、そのような組合がない事業場では時間外労働をさせることはできない ウ 36 協定を締結すれば、労働基準法上の上限時間にかかわらず、協定で定めた時間まで時間外労働をさせることができる エ 36 協定は使用者と個々の労働者との間で書面により締結するもので、労働組合や労働者代表が締結の当事者になることはない undefined 36 協定は、締結して行政官庁に届け出ることにより、法定労働時間を超えて労働させても使用者が罰則の適用を受けなくなるという効力を持ち、労働者に時間外労働の義務を負わせる効力は就業規則などの定めによる)
- 年次有給休暇に関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア 年次有給休暇は、雇入れの日から起算して 1 年間継続勤務し、全労働日の 8 割以上出勤した労働者に対して 10 労働日が付与される イ 使用者は、労働者の請求する時季に年次有給休暇を与えなければならないが、請求された時季に与えることが事業の正常な運営を妨げる場合は、他の時季に与えることができる ウ パートタイム労働者やアルバイトには、所定労働日数にかかわらず年次有給休暇は付与されない エ 年次有給休暇の請求権は、付与された年度内に行使しなければ消滅し、翌年度に繰り越すことはできない undefined 使用者は、業務が繁忙で労働者に休まれると困る場合には、労働者の年次有給休暇の請求を拒否することができる)
- 年少者の保護に関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア 未成年者の賃金は、親権者または後見人が未成年者に代わって受け取ることができる イ 親権者または後見人は、未成年者の利益のために、未成年者に代わって労働契約を締結することができる ウ 使用者は、満 15 歳に達した者であれば、その年度の途中であっても児童として制限なく使用することができる エ 使用者は、満 18 歳に満たない者を午後 10 時から午前 5 時までの間に使用してはならず、交替制の場合にも例外は認められない undefined 親権者または後見人は、未成年者に代わって労働契約を締結してはならず、未成年者は独立して賃金を請求することができる)
標準
- 細谷服装事件(最判昭和 35 年 3 月 11 日)に関する最高裁判所の判断として妥当なものはどれですか。 (ア 使用者は労働者が指定した時季に年休を取得できるよう、代替勤務者の確保など状況に応じた配慮をすべきで、それをせずに時季変更権を行使することは許されない イ 就業規則の解雇事由に該当する場合であっても、解雇が著しく不合理で社会通念上相当と認められないときは、解雇権の濫用として無効になる ウ 予告も予告手当の支払もない解雇は即時解雇としては無効だが、使用者が即時解雇に固執しない限り、通知後 30 日を経過するか予告手当を支払ったときに解雇の効力が生ずる エ 年次有給休暇の権利は要件を満たせば法律上当然に発生し、労働者の請求は時季の指定にすぎず、使用者の承認は不要で、利用目的も労働者の自由である undefined 長期かつ連続の年休を事前の調整なしに指定した場合、事業運営への支障の判断について使用者にある程度の裁量的判断が認められる)
- 所定労働時間が 1 日 8 時間、時間給 1000 円の労働者が、ある日(深夜ではない時間帯)に 2 時間の法定時間外労働をした。労働基準法上、この時間外労働の時間に対して支払わなければならない賃金の最低額(割増分を含む)はいくらですか。 (ア 2000 円 イ 3000 円 ウ 500 円 エ 2700 円 undefined 2500 円)
- 変形労働時間制およびフレックスタイム制に関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア 1 週間単位の非定型的変形労働時間制は、業種や規模を問わず、労使協定を締結すればどの事業場でも採用できる イ フレックスタイム制の清算期間は 3 か月以内とされ、清算期間が 1 か月を超える場合は労使協定を行政官庁に届け出なければならない ウ 1 か月単位の変形労働時間制を採用するには労使協定の締結が不可欠であり、就業規則の定めによって採用することはできない エ 1 年単位の変形労働時間制は、就業規則にその旨を定めれば労使協定を締結しなくても採用することができる undefined フレックスタイム制の清算期間は 1 か月以内に限られ、これを超える清算期間を定めることは認められていない)
- 労働時間規制の適用除外やみなし労働時間制に関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア 高度プロフェッショナル制度の対象労働者には労働時間・休憩・休日の規定は適用されないが、深夜労働の割増賃金は支払わなければならない イ 専門業務型裁量労働制の対象労働者については、協定で定めた時間労働したものとみなされるので、休日労働や深夜労働の割増賃金を支払う必要はない ウ 管理監督者に当たるかどうかは、就業規則や辞令上の役職名によって形式的に判断される エ 監督もしくは管理の地位にある者には、労働時間・休憩・休日の規定に加えて、深夜労働の割増賃金や年次有給休暇の規定も適用されない undefined 監督もしくは管理の地位にある者には労働時間・休憩・休日の規定が適用されないが、深夜労働の割増賃金と年次有給休暇の規定は適用される)
- 時間外労働の上限規制に関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア 臨時的な特別の事情がある場合の特別条項を設けても、時間外労働は年 720 時間以内、時間外労働と休日労働の合計は月 100 時間未満かつ 2〜6 か月平均 80 時間以内で、月 45 時間を超えられるのは年 6 か月までである イ 特別条項を設ければ、時間外労働は年 960 時間以内であれば認められ、月ごとの上限や複数月平均の上限は設けられていない ウ 特別条項による年 720 時間の上限には休日労働の時間も含まれ、月 100 時間未満の上限には休日労働の時間は含まれない エ 建設事業や自動車運転の業務については、上限規制は現在も適用が猶予されており、時間外労働の上限は設けられていない undefined 上限規制に違反しても行政指導の対象になるだけで、罰則の適用はない)
- 割増賃金に関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア 割増賃金の基礎となる賃金には、家族手当や通勤手当など労働者に支払われるすべての賃金を算入しなければならない イ 所定労働時間が 1 日 7 時間の事業場で 8 時間労働させた場合、7 時間を超える 1 時間について 2 割 5 分以上の割増賃金を支払わなければならない ウ 1 か月の時間外労働が 60 時間を超えた部分については、通常の賃金の 5 割以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならず、この規定は中小企業にも適用されている エ 深夜労働の割増賃金は午後 11 時から午前 6 時までの労働について支払われ、時間外労働と重なる場合でも割増率は 2 割 5 分で足りる undefined 法定休日に労働させた場合の割増賃金の率は 2 割 5 分以上であり、時間外労働の割増率と同じである)
- 年次有給休暇の取得を促す制度に関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア 使用者は、年次有給休暇の日数が 10 労働日以上である労働者について、基準日から 1 年以内に 5 日については労働者の意見を聴いたうえで時季を指定して与えなければならない イ 使用者は、すべての労働者について、付与日数にかかわらず年 5 日の年次有給休暇の時季を指定して与えなければならない ウ 労使協定による計画的付与は、労働者に付与された年次有給休暇の全日数について時季を定めることができる エ 労働者が自ら 5 日以上の年次有給休暇を取得した場合でも、使用者はこれとは別に 5 日の時季指定をしなければならない undefined 時間単位の年次有給休暇は、労使協定を締結すれば付与日数のすべてについて認めることができる)
- 妊産婦の保護に関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア 産後 6 週間を経過した女性が請求した場合は、医師の判断を要することなく、いかなる業務にも就かせることができる イ 使用者は、産前 6 週間については女性の請求の有無にかかわらず就業させてはならず、産後 8 週間については女性が請求した場合に限り就業させてはならない ウ 使用者は、6 週間(多胎妊娠の場合は 14 週間)以内に出産する予定の女性が休業を請求した場合は就業させてはならず、産後 8 週間を経過しない女性は原則として請求の有無にかかわらず就業させてはならない エ 使用者は、妊産婦から請求があった場合でも、36 協定を締結していれば時間外労働や休日労働をさせることができる undefined 生後満 1 年に達しない生児を育てる労働者は、男女を問わず 1 日 2 回各々少なくとも 30 分の育児時間を請求することができる)
- 解雇の予告に関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア 試用期間中の労働者については、試用期間の長さにかかわらず、解雇の予告や予告手当の支払は不要である イ 使用者は労働者を解雇しようとする場合、少なくとも 30 日前に予告しなければならず、平均賃金を支払うことによって予告に代えることは認められない ウ 使用者は労働者を解雇しようとする場合、少なくとも 30 日前に予告するか 30 日分以上の平均賃金を支払わなければならず、予告の日数は 1 日について平均賃金を支払った日数だけ短縮できる エ 労働者の責めに帰すべき事由に基づいて解雇する場合は、行政官庁の認定を受けなくても、その事由の存在を使用者が主張すれば予告義務は当然に免除される undefined 解雇の予告も予告手当の支払もしないでされた解雇は、その後 30 日が経過しても解雇としての効力を生ずることはない)
発展
- 産後休業を終えて 20 日目に職場復帰した労働者を解雇しようとする場合の労働基準法上の扱いとして正しいものはどれですか。 (ア 試用期間中で 14 日を超えて使用されていないので、解雇の予告や予告手当は不要である(21 条) イ 産後休業の終了後 30 日を経過していないので解雇できない(19 条) ウ 試用期間中でも 14 日を超えて使用されているので、30 日前の予告または予告手当が必要である エ 19 条の解雇制限の対象ではないので、予告など通常の手続をとれば解雇でき、有効かどうかは労働契約法 16 条で判断される undefined 療養のための休業期間とその後 30 日間は解雇できない(19 条))
- 解雇権濫用法理と整理解雇に関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア 解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして無効となり、整理解雇では人員削減の必要性・解雇回避努力・人選の合理性・手続の妥当性が判断の要素になる イ 解雇予告または予告手当の支払という労働基準法上の手続を履践した解雇は、その理由を問わず有効であり、裁判所が解雇の合理性を審査することはない ウ 解雇権濫用法理は判例上確立した法理であるが、労働契約法をはじめとする法律の条文には規定されていない エ 整理解雇は使用者の経営上の判断に基づくものであるから、人員削減の必要性さえ認められれば、解雇回避の努力をしていなくても有効である undefined 就業規則に定められた解雇事由に該当する事実があれば、解雇は当然に社会通念上相当なものと認められ、無効になることはない)
- 懲戒処分に関する最高裁判所の判例および労働契約法の規定の説明として妥当なものはどれですか。 (ア 懲戒処分は使用者の裁量に委ねられており、行為の性質・態様に照らして相当性を欠く処分であっても、権利濫用として無効になることはない イ 使用者は企業秩序を維持する権限を当然に有しているので、就業規則に懲戒の種別や事由を定めていなくても、労働者を懲戒することができる ウ 労働者の私生活上の行為は企業の業務と無関係であるから、それが企業の社会的評価を害する場合であっても懲戒の対象にすることは一切できない エ 使用者は懲戒処分の後に判明した労働者の非違行為であっても、処分の当時に存在していた事実である限り、事後的に処分の理由として追加することができる undefined 使用者が懲戒処分の当時に認識していなかった労働者の非違行為は、その懲戒処分の理由とされたものではないから、事後的にその処分の理由として追加することはできない)
- 有期労働契約の終了と無期転換に関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア 同一の使用者との間で締結された有期労働契約の通算契約期間が 5 年を超えたときは、労働者の申込みがなくても、その時点で当然に無期労働契約に転換する イ 無期転換後の労働条件は、通算 5 年の勤続に見合うものとして、正社員と同一の労働条件にしなければならない ウ 有期労働契約が反復更新され更新への合理的期待がある場合でも、契約期間の満了による雇止めは使用者の自由であり、解雇権濫用法理が類推されることはない エ 有期労働契約の契約期間の途中で使用者が労働者を解雇する場合は、期間の定めのない労働契約の解雇と同じ基準で判断される undefined 同一の使用者との間で締結された有期労働契約の通算契約期間が 5 年を超える労働者が、現在の契約期間中に無期労働契約の締結を申し込んだときは、使用者はその申込みを承諾したものとみなされる)
- 労働基準法上の「労働時間」の意義に関する最高裁判所の判例の説明として妥当なものはどれですか。 (ア 仮眠時間は労働者が現実に作業をしていない時間であるから、仮眠中に警報や電話への対応が義務づけられていても労働時間には当たらない イ 労働時間とは労働者が現実に作業に従事している時間に限られ、作業と作業の間に生ずる手待時間は労働時間に当たらない ウ 労働時間とは労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいい、それに当たるかどうかは就業規則等の定めではなく客観的に定まり、義務づけられた作業服・保護具の着脱の時間も労働時間に当たる エ 始業時刻前の準備行為や終業後の後始末は、使用者が義務づけていても、就業規則で労働時間と定めない限り労働時間に当たらない undefined 労働時間に当たるかどうかは就業規則や労働協約の定めによって決まり、就業規則が作業服の着脱時間を労働時間に含めないと定めていればその定めが優先する)
労働基準法②(労働時間・休日・年次有給休暇・解雇) ── 解答
基礎
- エ 毎週少なくとも 1 回(4 週間を通じ 4 日以上でも可) 使用者が労働者に与えなければならない休日の日数は「毎週少なくとも 1 回(4 週間を通じ 4 日以上でも可)」。休憩は 34 条(6 時間超 45 分・8 時間超 1 時間)、休日は 35 条、限度時間は 36 条 4 項(月 45・年 360)、休日割増は 37 条と政令(35 %)、年休は 39 条 1 項(6 か月・8 割・10 日)、解雇予告は 20 条(30 日前または 30 日分の平均賃金)。
- ウ 労使委員会の委員の 5 分の 4 以上の多数による決議と届出に加え、対象労働者本人の書面による同意と、年収要件を満たすこと 高度プロフェッショナル制度の手続は「労使委員会の委員の 5 分の 4 以上の多数による決議と届出に加え、対象労働者本人の書面による同意と、年収要件を満たすこと」。1 か月単位(32 条の 2)は就業規則でも可、1 年単位(32 条の 4)は労使協定+届出が必須。フレックス(32 条の 3)は就業規則等+労使協定。企画業務型裁量労働制(38 条の 4)と高度プロフェッショナル制度(41 条の 2)は労使委員会の 5 分の 4 決議+届出+本人同意で、高プロにはさらに年収要件がある。
- イ 使用者は、労働時間が 6 時間を超える場合は少なくとも 45 分、8 時間を超える場合は少なくとも 1 時間の休憩時間を労働時間の途中に与えなければならない 34 条。「超える」場合で、途中に与える。休日は週 1 回または 4 週 4 日(35 条)。常時 10 人未満の商業・保健衛生業などには週 44 時間の特例がある(施行規則 25 条の 2)。
- undefined 36 協定は、締結して行政官庁に届け出ることにより、法定労働時間を超えて労働させても使用者が罰則の適用を受けなくなるという効力を持ち、労働者に時間外労働の義務を負わせる効力は就業規則などの定めによる 36 条。協定の効力は免罰的効力。過半数組合がなければ過半数代表者と締結する。協定で定められる時間外労働は限度時間(月 45 時間・年 360 時間)の範囲内で、特別条項でも年 720 時間などの上限がある。
- イ 使用者は、労働者の請求する時季に年次有給休暇を与えなければならないが、請求された時季に与えることが事業の正常な運営を妨げる場合は、他の時季に与えることができる 39 条 5 項。使用者にあるのは時季変更権で、拒否権ではない。付与要件は 6 か月継続勤務・8 割出勤(39 条 1 項)。パート等にも比例付与がある(39 条 3 項)。請求権の時効は 2 年(115 条)。
- undefined 親権者または後見人は、未成年者に代わって労働契約を締結してはならず、未成年者は独立して賃金を請求することができる 58 条・59 条。深夜業の禁止(61 条)には交替制の満 16 歳以上の男性という例外がある。児童は満 15 歳に達した日以後の最初の 3 月 31 日まで原則使用禁止(56 条)。
標準
- ウ 予告も予告手当の支払もない解雇は即時解雇としては無効だが、使用者が即時解雇に固執しない限り、通知後 30 日を経過するか予告手当を支払ったときに解雇の効力が生ずる 細谷服装事件(最判昭和 35 年 3 月 11 日)の判断は「予告も予告手当の支払もない解雇は即時解雇としては無効だが、使用者が即時解雇に固執しない限り、通知後 30 日を経過するか予告手当を支払ったときに解雇の効力が生ずる」。白石営林署=承認不要・目的自由、弘前電報電話局=配慮義務、時事通信社=長期連続は裁量、高知放送=解雇権濫用、細谷服装=30 日経過で有効、山口観光=事後の理由追加不可、三菱重工長崎造船所=指揮命令下の時間、東芝柳町工場=雇止めに解雇法理を類推。
- undefined 2500 円 法定時間外労働の割増率は 25 % 以上(37 条)。1000 × 2 × 1.25 = 2500 円。法定休日なら 35 %、月 60 時間を超える部分は 50 %、深夜が重なればさらに 25 % を加算する。
- イ フレックスタイム制の清算期間は 3 か月以内とされ、清算期間が 1 か月を超える場合は労使協定を行政官庁に届け出なければならない 32 条の 3(清算期間は 2019 年 4 月から最長 3 か月)。1 か月単位は労使協定または就業規則(32 条の 2)、1 年単位は労使協定+届出が必須(32 条の 4)。1 週間単位は常時 30 人未満の小売業・旅館・料理店・飲食店に限る(32 条の 5・施行規則 12 条の 5)。
- undefined 監督もしくは管理の地位にある者には労働時間・休憩・休日の規定が適用されないが、深夜労働の割増賃金と年次有給休暇の規定は適用される 41 条 2 号。適用除外は労働時間・休憩・休日だけで、深夜割増と年休は適用。裁量労働制は労働時間の長さをみなすだけで休日・深夜割増は必要。高プロ(41 条の 2)は深夜割増も適用除外。管理監督者は職務内容・権限・待遇の実態で判断する。
- ア 臨時的な特別の事情がある場合の特別条項を設けても、時間外労働は年 720 時間以内、時間外労働と休日労働の合計は月 100 時間未満かつ 2〜6 か月平均 80 時間以内で、月 45 時間を超えられるのは年 6 か月までである 36 条 5 項・6 項。年 720 時間は時間外のみ、月 100 時間未満と 2〜6 か月平均 80 時間は休日労働を含む。違反には 6 か月以下の拘禁刑または 30 万円以下の罰金(119 条)。建設・自動車運転・医師は 2024 年 4 月から上限規制が適用(一部特例あり)。
- ウ 1 か月の時間外労働が 60 時間を超えた部分については、通常の賃金の 5 割以上の率で計算した割増賃金を支払わなければならず、この規定は中小企業にも適用されている 37 条 1 項但書(2023 年 4 月から中小企業も適用)。休日労働は 35 %。法定内残業には割増不要。家族手当・通勤手当などは基礎から除外できる(37 条 5 項・施行規則 21 条)。深夜は午後 10 時〜午前 5 時で、時間外と重なれば 50 %。
- ア 使用者は、年次有給休暇の日数が 10 労働日以上である労働者について、基準日から 1 年以内に 5 日については労働者の意見を聴いたうえで時季を指定して与えなければならない 39 条 7 項・8 項(2019 年 4 月施行)。対象は 10 日以上付与される労働者。労働者が自ら取得した日数や計画的付与の日数は 5 日から差し引く。計画的付与は 5 日を超える部分(39 条 6 項)、時間単位年休は年 5 日以内(39 条 4 項)。
- ウ 使用者は、6 週間(多胎妊娠の場合は 14 週間)以内に出産する予定の女性が休業を請求した場合は就業させてはならず、産後 8 週間を経過しない女性は原則として請求の有無にかかわらず就業させてはならない 65 条。産前は請求、産後は当然(産後 6 週間経過後に本人が請求し医師が支障ないと認めた業務は可)。妊産婦が請求すれば時間外・休日・深夜労働は禁止(66 条)。育児時間(67 条)は女性の権利。
- ウ 使用者は労働者を解雇しようとする場合、少なくとも 30 日前に予告するか 30 日分以上の平均賃金を支払わなければならず、予告の日数は 1 日について平均賃金を支払った日数だけ短縮できる 20 条。労働者の責めに帰すべき事由による解雇で予告を免れるには、その事由が実際に存在することが必要で、20 条 3 項は行政官庁の認定を受けることを求めている(使用者の主張だけでは足りない)。試用期間中は 14 日を超えれば予告が必要(21 条)。予告なしの解雇は 30 日経過または予告手当の支払で効力を生ずる(細谷服装事件)。
発展
- イ 産後休業の終了後 30 日を経過していないので解雇できない(19 条) 産後休業を終えて 20 日目に職場復帰した労働者の解雇は「産後休業の終了後 30 日を経過していないので解雇できない(19 条)」。19 条の制限は業務上の傷病と産前産後休業(それぞれ休業期間+30 日)だけ。予告が不要なのは試用期間 14 日以内(21 条)、天災事変・労働者の責めに帰すべき事由で行政官庁の認定を受けた場合(20 条)。
- ア 解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして無効となり、整理解雇では人員削減の必要性・解雇回避努力・人選の合理性・手続の妥当性が判断の要素になる 労働契約法 16 条(日本食塩製造事件 最判昭和 50 年 4 月 25 日の法理を条文化)。高知放送事件(最判昭和 52 年 1 月 31 日)は就業規則の解雇事由に当たっても権利濫用で無効とした。整理解雇は 4 要件(要素)を総合判断する。
- undefined 使用者が懲戒処分の当時に認識していなかった労働者の非違行為は、その懲戒処分の理由とされたものではないから、事後的にその処分の理由として追加することはできない 山口観光事件(最判平成 8 年 9 月 26 日)。私生活上の行為も企業の社会的評価を害すれば対象になりうる(関西電力事件 最判昭和 58 年 9 月 8 日)。懲戒には就業規則上の根拠が必要(フジ興産事件)。相当性を欠く懲戒は権利濫用で無効(労働契約法 15 条)。
- undefined 同一の使用者との間で締結された有期労働契約の通算契約期間が 5 年を超える労働者が、現在の契約期間中に無期労働契約の締結を申し込んだときは、使用者はその申込みを承諾したものとみなされる 労働契約法 18 条。申込みが必要で、転換後の労働条件は期間以外は従前と同一(別段の定めがあればそれによる)。雇止め法理は 19 条(東芝柳町工場事件・日立メディコ事件)。期間途中の解雇は「やむを得ない事由」が必要で、無期契約の解雇より厳しい(17 条 1 項)。
- ウ 労働時間とは労働者が使用者の指揮命令下に置かれている時間をいい、それに当たるかどうかは就業規則等の定めではなく客観的に定まり、義務づけられた作業服・保護具の着脱の時間も労働時間に当たる 三菱重工長崎造船所事件(最判平成 12 年 3 月 9 日)。仮眠時間も労働からの解放が保障されていなければ労働時間(大星ビル管理事件 最判平成 14 年 2 月 28 日)。手待時間は指揮命令下にあるので労働時間に当たる。
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