西洋思想と日本思想・文学と芸術の流れ ── 問題
基礎
- ベンサムの思想の説明として正しいものはどれですか。 (ア 人間は自然の中で最も弱い「考える葦」であるが、考えることによって宇宙をも包むと述べた イ 人間の心は生まれつき白紙(タブラ・ラサ)だとし、政府が信託に反したときの抵抗権を認めた ウ 快楽と苦痛を計算できると考え、「最大多数の最大幸福」を原理とする量的功利主義を唱えた エ 自然状態を「万人の万人に対する闘争」ととらえ、自然権を国家に全面的に譲渡する社会契約を説いた undefined 生産力と生産関係の矛盾が歴史を動かすとする唯物史観を唱え、資本主義における労働の疎外を批判した)
- 内村鑑三の思想の説明として正しいものはどれですか。 (ア 復古神道を体系化し、その思想は幕末の尊王攘夷運動に影響を与えた イ 『古事記伝』を著して漢意(からごころ)を批判し、「もののあはれ」を文学の本質とした ウ 天賦人権論と独立自尊を説き、実学を重んじて「一身独立して一国独立す」と述べた エ イエス(Jesus)と日本(Japan)の「二つの J」に生涯をささげるとし、無教会主義を唱えた undefined 陽明学を学んで知行合一を説き、孝を重んじて「近江聖人」と呼ばれた)
- 『好色一代男』の作者として正しいのはだれですか。 (ア 近松門左衛門 イ 井原西鶴 ウ 滝沢(曲亭)馬琴 エ 上田秋成 undefined 松尾芭蕉)
- 古代ギリシャの思想に関する説明として妥当なものはどれですか。 (ア アリストテレスは事物が形相と質料からなると考え、徳を両極端を避ける中庸に求め、「人間はポリス的動物である」と述べた イ プラトンは感覚でとらえられる現象界こそ真の実在であり、イデアは人間の想像にすぎないと説いた ウ ソクラテスは自らの知恵を誇り、問答法によって相手に知識を教え込むことを教育の目的とした エ エピクロス派は禁欲によって情念に動かされないアパテイアの境地をめざし、ストア派は精神的快楽によるアタラクシアを説いた undefined ソクラテスは『国家』を著し、理想の国家は哲学者が統治する哲人政治によって実現すると説いた)
- 日本の近代思想に関する説明として妥当なものはどれですか。 (ア 和辻哲郎は主観と客観が分かれる前の純粋経験を真の実在とし、『善の研究』を著した イ 西田幾多郎は人間を間柄的存在ととらえ、『風土』で気候風土と人間のあり方の関係を論じた ウ 中江兆民はイギリスの功利主義を紹介し、「東洋のベンサム」と呼ばれた エ 内村鑑三はカトリックの教会組織を重んじ、日本にローマ教皇庁の直轄教区を設けることを主張した undefined 福沢諭吉は天賦人権論に立って独立自尊と実学を説き、『学問のすゝめ』で「一身独立して一国独立す」と述べた)
- 江戸時代の思想に関する説明として妥当なものはどれですか。 (ア 石田梅岩は万人直耕の自然世を理想として身分社会を批判し、『自然真営道』を著した イ 中江藤樹は朱子学の立場から上下定分の理を説き、幕府の官学の基礎を築いた ウ 荻生徂徠は復古神道を体系化し、その思想は幕末の尊王攘夷運動に影響を与えた エ 伊藤仁斎は「東洋道徳・西洋芸術」を唱え、西洋の科学技術の導入を説いた undefined 本居宣長は『古事記伝』を著し、漢意(からごころ)を退けて「もののあはれ」を文学の本質とした)
標準
- 近代文学の流派「自然主義」に属する作家と作品の組み合わせとして正しいものはどれですか。 (ア 坪内逍遥『小説神髄』・二葉亭四迷『浮雲』 イ 小林多喜二『蟹工船』・徳永直『太陽のない街』 ウ 芥川龍之介『羅生門』・菊池寛 エ 島崎藤村『破戒』・田山花袋『蒲団』 undefined 森鷗外『舞姫』・樋口一葉『たけくらべ』・与謝野晶子『みだれ髪』)
- 思想について、社会契約説の説明として正しいものはどれですか。 (ア ルソーは人間の心を白紙(タブラ・ラサ)ととらえ、経験によって観念が形成されるとして、政府の権力は人民の信託によると説いた イ ホッブズ・ロック・ルソーはいずれも王権神授説の立場から、国家の権力は神に由来するとして社会契約を否定した ウ ホッブズは自然状態を「万人の万人に対する闘争」ととらえて自然権の全面的な譲渡を説き、ロックは抵抗権を認め、ルソーは一般意志にもとづく直接民主制を唱えた エ ロックは自然状態を「万人の万人に対する闘争」ととらえ、これを避けるために絶対王政を擁護し、ホッブズは政府に対する抵抗権を認めた undefined ホッブズは自然状態を自由で平等な理想の状態ととらえ、ロックは自然権を国家(リヴァイアサン)に全面的に譲渡すべきだとして絶対王政を擁護し、ルソーは代表者による間接民主制を唱えて名誉革命を正当化した)
- 近代の西洋思想に関する説明として妥当なものはどれですか。 (ア マキャヴェリは『君主論』で政治は宗教と道徳に従うべきだと説き、君主の権力を教会の下に置いた イ カルヴァンは人が救われるかどうかは善行の積み重ねによって決まると説き、職業労働を世俗的なものとして軽んじた ウ ヘーゲルは正・反・合の弁証法を否定し、歴史には法則がなく個人の偶然の選択の積み重ねにすぎないとして、国家を人倫の完成態とみなす考えを退けた エ ルターは教会の権威と伝統を信仰の基礎とし、聖書を一般の人々が読むことを禁じた undefined カントは無条件に「〜せよ」と命じる定言命法を道徳の原理とし、人格を単なる手段としてではなく常に同時に目的として扱うべきだと説いた)
- 現代の西洋思想に関する説明として妥当なものはどれですか。 (ア アーレントは『全体主義の起原』で、公共的な空間での人々の活動を否定し、私的な労働だけが人間の本質だと説いた イ デューイは知識を問題解決のための道具とみなす道具主義を唱え、経験を通じて学ぶ教育を重んじた ウ ロールズは『正義論』で、各人が自分の境遇を知った上で合意する原理こそ正義であると説いた エ ハイデガーは人間を「死への存在」ととらえることを否定し、死を考えない日常こそ本来的なあり方だと説いた undefined レヴィ=ストロースは西洋近代の理性を人類の到達点とし、未開社会の思考を劣ったものと位置づけた)
- 日本の古典文学に関する説明として妥当なものはどれですか。 (ア 『方丈記』は鴨長明、『徒然草』は兼好法師による鎌倉時代の随筆で、いずれも無常観を基調としている イ 『源氏物語』は清少納言、『枕草子』は紫式部による平安時代の作品で、いずれも和歌集である ウ 『万葉集』は平安時代に紀貫之らが編んだ最初の勅撰和歌集で、かな文字で書かれている エ 『古今和歌集』は奈良時代に大伴家持らが編んだ歌集で、万葉仮名で書かれている undefined 『平家物語』は室町時代に世阿弥が著した能の理論書で、『風姿花伝』とともに武家の教養とされた)
- 江戸時代の文学に関する説明として妥当なものはどれですか。 (ア 元禄期の上方では井原西鶴が浮世草子、松尾芭蕉が蕉風俳諧、近松門左衛門が人形浄瑠璃の脚本で活躍した イ 上田秋成は化政期に人形浄瑠璃の脚本『曽根崎心中』を書き、義理と人情の葛藤を描いた ウ 近松門左衛門は『好色一代男』などの浮世草子で町人の生活を描き、上方文化を代表した エ 井原西鶴は『おくのほそ道』で旅と自然を詠み、俳諧を芸術の域に高めた undefined 化政期には十返舎一九が『南総里見八犬伝』、滝沢馬琴が『東海道中膝栗毛』を著して江戸の町人に読まれた)
発展
- 明治以降の文学に関する説明として妥当なものはどれですか。 (ア 島崎藤村と田山花袋は白樺派の中心として人道主義的な作品を書き、志賀直哉は自然主義の代表作『破戒』を著した イ 坪内逍遥は『小説神髄』で写実主義を唱え、二葉亭四迷は『浮雲』で言文一致体を試みた ウ 芥川龍之介はプロレタリア文学の代表作『蟹工船』を著し、小林多喜二は新思潮派として『羅生門』を書いた エ 川端康成は無頼派の中心として『人間失格』を著し、太宰治は新感覚派として『雪国』を書いた undefined 夏目漱石と森鷗外は自然主義の中心作家で、『蒲団』『破戒』などの告白的な私小説を書いた)
- 日本の美術に関する説明として妥当なものはどれですか。 (ア 平等院鳳凰堂の阿弥陀如来像は鎌倉時代に運慶が一木造でつくった作品である イ 明治時代にはフェノロサと岡倉天心が西洋画の普及に努め、黒田清輝は日本画の『悲母観音』を描いた ウ 鎌倉時代には運慶・快慶らが東大寺南大門の金剛力士像を制作し、写実的で力強い彫刻がつくられた エ 化政期の浮世絵では葛飾北斎が『東海道五十三次』、歌川広重が『富嶽三十六景』を描いた undefined 室町時代の東山文化では狩野永徳が『唐獅子図屏風』などの障壁画を描き、雪舟は浮世絵を大成した)
- 西洋の美術・音楽に関する説明として妥当なものはどれですか。 (ア ドラクロワはロココ様式の代表として『落穂拾い』を描き、農民の生活を写実的に表現した イ ピカソはロマン主義の代表として『民衆を導く自由の女神』を描いた ウ ルネサンス期のレオナルド・ダ・ヴィンチはキュビスムの手法で『ゲルニカ』を描いた エ 印象派のモネは光と色彩の移ろいを描いた『印象・日の出』を発表し、後期印象派のゴッホやセザンヌは独自の表現へ進んだ undefined バロック音楽の代表はベートーヴェンとショパンで、古典派の代表はバッハとヘンデル、ロマン派の代表はハイドンとモーツァルトである)
西洋思想と日本思想・文学と芸術の流れ ── 解答
基礎
- ウ 快楽と苦痛を計算できると考え、「最大多数の最大幸福」を原理とする量的功利主義を唱えた ベンサムは「快楽と苦痛を計算できると考え、「最大多数の最大幸福」を原理とする量的功利主義を唱えた」。思想家は「人物 ── キーワード 1 つ ── 主著 1 つ」の 3 点セットで、系統(経験論か合理論か・量的か質的か)を先に決めて覚える。
- エ イエス(Jesus)と日本(Japan)の「二つの J」に生涯をささげるとし、無教会主義を唱えた 内村鑑三は「イエス(Jesus)と日本(Japan)の「二つの J」に生涯をささげるとし、無教会主義を唱えた」。日本思想は「仏教 → 江戸の儒学(朱子学・陽明学・古学)・国学・町人思想 → 明治の啓蒙・近代哲学」の系統で分ける。
- イ 井原西鶴 『好色一代男』の作者は井原西鶴。近代文学は「流派 → 代表作家 → 代表作」、古典は「時代 → ジャンル → 作品・作者」で表にして覚える。
- ア アリストテレスは事物が形相と質料からなると考え、徳を両極端を避ける中庸に求め、「人間はポリス的動物である」と述べた 『国家』と哲人政治はプラトン。プラトンは現象界の背後にイデアという真の実在を認めた。アパテイアはストア派、アタラクシアはエピクロス派。ソクラテスは無知の知を自覚し、問答によって相手に無知を気づかせた。
- undefined 福沢諭吉は天賦人権論に立って独立自尊と実学を説き、『学問のすゝめ』で「一身独立して一国独立す」と述べた 中江兆民はルソーを翻訳し「東洋のルソー」と呼ばれた。間柄的存在・『風土』は和辻哲郎、純粋経験・『善の研究』は西田幾多郎(入れかえ)。内村鑑三は無教会主義。
- undefined 本居宣長は『古事記伝』を著し、漢意(からごころ)を退けて「もののあはれ」を文学の本質とした 万人直耕・『自然真営道』は安藤昌益(石田梅岩は石門心学)。上下定分の理は林羅山(中江藤樹は陽明学・知行合一)。復古神道は平田篤胤(荻生徂徠は古文辞学・経世済民)。「東洋道徳・西洋芸術」は佐久間象山(伊藤仁斎は古義学・誠)。
標準
- エ 島崎藤村『破戒』・田山花袋『蒲団』 自然主義は島崎藤村『破戒』・田山花袋『蒲団』。流派は時代順に「写実 → ロマン → 自然 → 反自然・耽美・白樺・新思潮 → プロレタリア・新感覚 → 戦後(無頼派)」と並べて覚える。
- ウ ホッブズは自然状態を「万人の万人に対する闘争」ととらえて自然権の全面的な譲渡を説き、ロックは抵抗権を認め、ルソーは一般意志にもとづく直接民主制を唱えた ホッブズは自然状態を「万人の万人に対する闘争」ととらえて自然権の全面的な譲渡を説き、ロックは抵抗権を認め、ルソーは一般意志にもとづく直接民主制を唱えた。思想の誤答は「別の思想家のキーワードを当てる」型がほとんどなので、人物とキーワードの対応を 1 対 1 で確かめる。
- undefined カントは無条件に「〜せよ」と命じる定言命法を道徳の原理とし、人格を単なる手段としてではなく常に同時に目的として扱うべきだと説いた ヘーゲルは弁証法によって歴史を絶対精神の自己展開ととらえた。カルヴァンは予定説(救いは神があらかじめ定める)を説き、職業を神の召命として重んじた。マキャヴェリは政治を宗教・道徳から切り離した。ルターは聖書中心主義で、聖書をドイツ語に翻訳した。
- イ デューイは知識を問題解決のための道具とみなす道具主義を唱え、経験を通じて学ぶ教育を重んじた ロールズは「無知のヴェール」のもと(自分の境遇を知らない状態)で合意される原理を正義とした。ハイデガーは死への存在の自覚を本来的なあり方とした。レヴィ=ストロースは構造主義の立場から未開社会の思考(野生の思考)にも西洋と同等の論理を認めた。アーレントは公共的な活動を重んじた。
- ア 『方丈記』は鴨長明、『徒然草』は兼好法師による鎌倉時代の随筆で、いずれも無常観を基調としている 『源氏物語』は紫式部、『枕草子』は清少納言で、それぞれ物語と随筆。『万葉集』は奈良時代の歌集(万葉仮名)、『古今和歌集』(905)は最初の勅撰和歌集で紀貫之ら。『平家物語』は鎌倉時代の軍記物語、『風姿花伝』は世阿弥の能楽論。
- ア 元禄期の上方では井原西鶴が浮世草子、松尾芭蕉が蕉風俳諧、近松門左衛門が人形浄瑠璃の脚本で活躍した 『南総里見八犬伝』は滝沢(曲亭)馬琴、『東海道中膝栗毛』は十返舎一九(入れかえ)。『おくのほそ道』は芭蕉、『好色一代男』は西鶴、『曽根崎心中』は近松(元禄期)。上田秋成は『雨月物語』。
発展
- イ 坪内逍遥は『小説神髄』で写実主義を唱え、二葉亭四迷は『浮雲』で言文一致体を試みた 藤村『破戒』・花袋『蒲団』は自然主義、志賀直哉は白樺派。漱石・鷗外は反自然主義。『蟹工船』は小林多喜二(プロレタリア文学)、『羅生門』は芥川(新思潮派)。『雪国』は川端(新感覚派)、『人間失格』は太宰(無頼派)。
- ウ 鎌倉時代には運慶・快慶らが東大寺南大門の金剛力士像を制作し、写実的で力強い彫刻がつくられた 平等院の阿弥陀如来像は平安時代の定朝が寄木造でつくった。狩野永徳の障壁画は桃山文化、雪舟は水墨画。『富嶽三十六景』は北斎、『東海道五十三次』は広重(入れかえ)。フェノロサ・天心は日本美術の復興、『悲母観音』は狩野芳崖、黒田清輝は西洋画『湖畔』。
- エ 印象派のモネは光と色彩の移ろいを描いた『印象・日の出』を発表し、後期印象派のゴッホやセザンヌは独自の表現へ進んだ 『ゲルニカ』はピカソ(キュビスム)。バロック音楽はバッハ・ヘンデル、古典派はハイドン・モーツァルト・ベートーヴェン、ショパンはロマン派。『落穂拾い』はミレー(写実主義)。『民衆を導く自由の女神』はドラクロワ(ロマン主義)。
受験のしらべ / https://juken-shirabe.com/koumuin/jinbun/zj-10/test/ / 問題は毎回の表示で数が変わります。印刷したものはその一例です。
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