GDP と国民所得統計(三面等価・物価指数) ── 問題
基礎
- ある国の 1 年間の総産出額(各企業の売上の合計)が 821 兆円、中間投入(原材料・部品などの仕入れ)の合計が 271 兆円であった。この国の GDP は何兆円ですか。
- ある国の GDP が 550 兆円、海外から受け取った要素所得(利子・配当・賃金)が 50 兆円、海外へ支払った要素所得が 28 兆円であった。GNI(国民総所得)は何兆円ですか。
- ある国の名目 GDP が 450 兆円、GDP デフレーターが 90(基準年 = 100)であった。実質 GDP は何兆円ですか。
- ある国の名目 GDP が 440 兆円、実質 GDP が 400 兆円であった。GDP デフレーターはいくらですか(基準年 = 100)。
- GDP の計上について、中古車の売買は、GDP にどう扱われますか。 (ア 車の代金も手数料も一切計上されない イ 新車価格との差額が計上される ウ 車の代金の全額がその年の GDP に計上される エ 車の代金そのものは計上されず、販売業者の手数料(マージン)だけが計上される undefined 車の代金は計上されるが手数料は計上されない)
標準
- ある国の GDP が 550 兆円、固定資本減耗が 110 兆円、海外からの要素所得の純受取が 16 兆円、生産・輸入品に課される税が 50 兆円、補助金が 5 兆円であった。国民所得(NI・要素費用表示)は何兆円ですか。
- ある国の GDP を分配面から見ると、雇用者報酬が 300 兆円、営業余剰・混合所得が 100 兆円、固定資本減耗が 120 兆円、生産・輸入品に課される税が 50 兆円、補助金が 3 兆円であった。GDP は何兆円ですか。
- ある年の名目 GDP 成長率が 9%、GDP デフレーターの上昇率が 2% であった。実質 GDP 成長率はおよそ何% ですか(近似式で)。 (ア 11% イ 7% ウ 2% エ 9% undefined −7%)
- ある国の民間最終消費支出が 280 兆円、総固定資本形成と在庫変動の合計(総資本形成)が 150 兆円、政府最終消費支出が 110 兆円、輸出が 101 兆円、輸入が 124 兆円であった。支出面から見た GDP は何兆円ですか。
- ある国の GNI が 526 兆円、GDP が 500 兆円、固定資本減耗が 100 兆円であった。国内純生産(NDP)は何兆円ですか。
- 国民所得統計と物価指数について、フローとストックの区別として正しいものはどれですか。 (ア GDP も国富も一時点の蓄えを示すストックである イ GDP は一時点の蓄えであるストック、国富は一定期間の流れであるフロー ウ GDP はフローだが、GNI はストックである エ GDP は一定期間の流れであるフロー、国富は一時点の蓄えであるストック undefined GDP も国富も一定期間の流れを示すフローである)
- ある国の名目 GDP は前年の 500 兆円から今年 546 兆円に増え、GDP デフレーターは 100 から 105 に上がった。今年の実質 GDP 成長率はいくらですか。 (ア 5% イ 9.2% ウ 4% エ 14.2% undefined 4.2%)
発展
- 基準年に財 A と財 B の価格はどちらも 100 円で、家計は A を 3 個、B を 6 個買っていた。比較年の価格は A が 110 円、B が 140 円になった。基準年の数量を重みとするラスパイレス方式の物価指数(基準年 = 100)はいくらですか。
- 日本の国民所得統計の特徴として妥当なものはどれですか。 (ア 固定資本減耗が大きいため GNI は GDP より小さい イ GDP と GNI は定義上つねに等しい ウ 輸入が輸出を上回る年は GNI が GDP を下回る エ 外国人労働者への賃金支払が多いため、GNI は GDP より小さい undefined 海外からの利子・配当の受取が支払を大きく上回るため、GNI は GDP より大きい)
- 基準年に財 X を 10 個・財 Y を 10 個買っていた家計が、比較年には X の値上がりを受けて X を 5 個・Y を 15 個買うようになった。価格は X が 100 円から 200 円に上がり、Y は 100 円のまま変わらなかった。この家計のラスパイレス指数とパーシェ指数(基準年 = 100)の組み合わせとして正しいものはどれですか。 (ア ラスパイレス 150、パーシェ 150 イ ラスパイレス 125、パーシェ 150 ウ ラスパイレス 150、パーシェ 125 エ ラスパイレス 125、パーシェ 125 undefined ラスパイレス 200、パーシェ 100)
GDP と国民所得統計(三面等価・物価指数) ── 解答
基礎
- 550 GDP = 総産出額 − 中間投入 = 821 − 271 = 550 兆円。売上を単純に足すと原材料の価値を二重に数えてしまうので、付加価値だけを足す。
- 572 GNI = GDP + 海外からの要素所得の純受取 = 550 +(50 − 28)= 572 兆円。「国内」の生産に「国民」が海外で稼いだ分を足し、外国人が国内で稼いだ分を引く。
- 500 実質 GDP = 名目 GDP ÷ デフレーター × 100 = 450 ÷ 90 × 100 = 500 兆円。デフレーターが 100 より大きければ物価が上がった分だけ名目が水ぶくれしている。
- 110 GDP デフレーター = 名目 GDP ÷ 実質 GDP × 100 = 440 ÷ 400 × 100 = 110。
- エ 車の代金そのものは計上されず、販売業者の手数料(マージン)だけが計上される 車の代金そのものは計上されず、販売業者の手数料(マージン)だけが計上される。GDP は「その年に国内で新しく生み出された付加価値」なので、所有権の移転や過去の生産物の売買は入らない。一方、市場を通らなくても帰属計算するもの(帰属家賃・自家消費・政府サービス)がある。
標準
- 411 GDP → GNI(+海外純所得 16)→ NNI(−固定資本減耗 110)→ NI(−(間接税 50 − 補助金 5))。550 + 16 − 110 − 50 + 5 = 411 兆円。
- 567 分配面の GDP = 雇用者報酬 + 営業余剰・混合所得 + 固定資本減耗 +(生産・輸入品に課される税 − 補助金)= 300 + 100 + 120 +(50 − 3)= 567 兆円。三面等価により生産面・支出面と一致する。
- イ 7% 実質成長率 ≒ 名目成長率 − 物価上昇率 = 9 − 2 = 7%。名目の伸びのうち物価の上昇分を除いたものが実質の伸び。
- 517 GDP(支出面)= C + I + G +(X − M)= 280 + 150 + 110 +(101 − 124)= 517 兆円。輸入は国内で生産されたものではないので引く。
- 400 NDP は「国内」の指標なので GNI ではなく GDP から固定資本減耗を引く。500 − 100 = 400 兆円。GNI(526)を使うと国民純所得(NNI)になってしまう。
- エ GDP は一定期間の流れであるフロー、国富は一時点の蓄えであるストック GDP は一定期間の流れであるフロー、国富は一時点の蓄えであるストック。
- ウ 4% 今年の実質 GDP = 546 ÷ 1.05 = 520 兆円。前年は 500 兆円(デフレーター 100)なので成長率 = 20 ÷ 500 = 4%。近似式(名目 9.2% − 物価 5% = 4.2%)は目安で、正確に割ると 4% になる。
発展
- 130 ラスパイレス指数 = 比較年の価格 × 基準年の数量 ÷ 基準年の価格 × 基準年の数量 × 100 =(110 × 3 + 140 × 6)÷(100 × 3 + 100 × 6)× 100 = 1170 ÷ 900 × 100 = 130。多く買う財の値動きほど指数に強く反映される。
- undefined 海外からの利子・配当の受取が支払を大きく上回るため、GNI は GDP より大きい 日本は対外純資産が大きく、海外投資からの利子・配当(第一次所得収支の黒字)が大きいので、海外からの要素所得の純受取がプラスとなり GNI > GDP になる。輸出入や固定資本減耗は GDP と GNI の差には関係しない。
- ウ ラスパイレス 150、パーシェ 125 ラスパイレス(基準年の数量 10・10 で重みづけ)=(200 × 10 + 100 × 10)÷(100 × 10 + 100 × 10)× 100 = 3000 ÷ 2000 × 100 = 150。パーシェ(比較年の数量 5・15)=(200 × 5 + 100 × 15)÷(100 × 5 + 100 × 15)× 100 = 2500 ÷ 2000 × 100 = 125。値上がりした財から買い控える行動を反映しないラスパイレスのほうが大きくなる(上方バイアス)。
受験のしらべ / https://juken-shirabe.com/koumuin/keizai/za-01/test/ / 問題は毎回の表示で数が変わります。印刷したものはその一例です。
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