GDP と国民所得統計(三面等価・物価指数) ── 問題
基礎
- ある国の 1 年間の総産出額(各企業の売上の合計)が 821 兆円、中間投入(原材料・部品などの仕入れ)の合計が 271 兆円であった。この国の GDP は何兆円ですか。
- ある国の GDP が 550 兆円、海外から受け取った要素所得(利子・配当・賃金)が 50 兆円、海外へ支払った要素所得が 28 兆円であった。GNI(国民総所得)は何兆円ですか。
- ある国の名目 GDP が 600 兆円、GDP デフレーターが 120(基準年 = 100)であった。実質 GDP は何兆円ですか。
- ある国の名目 GDP が 840 兆円、実質 GDP が 800 兆円であった。GDP デフレーターはいくらですか(基準年 = 100)。
- GDP の計上について、年金や生活保護などの政府から家計への移転支出は、GDP にどう扱われますか。 (ア 固定資本減耗として GDP に計上される イ 生産の対価ではないので GDP(政府支出 G)には計上されない ウ 政府最終消費支出として GDP に計上される エ 民間最終消費支出として GDP に計上される undefined 雇用者報酬として分配面の GDP に計上される)
- ある国の名目 GDP が 625 兆円、GDP デフレーターが 125(基準年 = 100)であった。実質 GDP は何兆円ですか。 (ア 525 兆円 イ 833 兆円 ウ 781 兆円 エ 500 兆円 undefined 468 兆円)
標準
- ある国の GDP が 550 兆円、固定資本減耗が 110 兆円、海外からの要素所得の純受取が 16 兆円、生産・輸入品に課される税が 50 兆円、補助金が 5 兆円であった。国民所得(NI・要素費用表示)は何兆円ですか。
- ある国の GDP を分配面から見ると、雇用者報酬が 300 兆円、営業余剰・混合所得が 100 兆円、固定資本減耗が 130 兆円、生産・輸入品に課される税が 45 兆円、補助金が 5 兆円であった。GDP は何兆円ですか。
- ある年の名目 GDP 成長率が 9%、GDP デフレーターの上昇率が 2% であった。実質 GDP 成長率はおよそ何% ですか(近似式で)。 (ア 2% イ −7% ウ 11% エ 7% undefined 9%)
- ある国の民間最終消費支出が 280 兆円、総固定資本形成と在庫変動の合計(総資本形成)が 140 兆円、政府最終消費支出が 110 兆円、輸出が 117 兆円、輸入が 123 兆円であった。支出面から見た GDP は何兆円ですか。
- ある国の GNI が 512 兆円、GDP が 500 兆円、固定資本減耗が 120 兆円であった。国内純生産(NDP)は何兆円ですか。
- 国民所得統計と物価指数について、国富(国民の正味資産)に含まれるものとして正しいものはどれですか。 (ア 家計の預金残高だけ イ 土地・建物・機械などの実物資産と対外純資産 ウ 過去の GDP の累計 エ 国債の発行残高と実物資産 undefined 国内の金融資産の総額と実物資産)
- ある国の名目 GDP は前年の 500 兆円から今年 546 兆円に増え、GDP デフレーターは 100 から 105 に上がった。今年の実質 GDP 成長率はいくらですか。 (ア 5% イ 9.2% ウ 4% エ 14.2% undefined 4.2%)
- ある国の民間最終消費支出が 300 兆円、総資本形成(総固定資本形成 + 在庫変動)が 150 兆円、政府最終消費支出が 100 兆円、政府から家計への年金などの移転支出が 80 兆円、輸出が 104 兆円、輸入が 76 兆円であった。支出面から見た GDP は何兆円ですか。 (ア 730 兆円 イ 658 兆円 ウ 578 兆円 エ 522 兆円 undefined 810 兆円)
- GDP に計上されるものに関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア 中古住宅の売買代金そのものは GDP に計上されないが、仲介した不動産業者の手数料は計上される イ 家庭内で行われる家事や育児は、市場で同じサービスを買えば対価が発生するので GDP に計上される ウ 株式の売買代金は、金融資産の取引であっても市場で成立した価格なので GDP に計上される エ 農家が自分で消費するために生産した農産物は、市場で売られないので GDP に計上されない undefined 政府が支給する年金や失業給付は、政府の支出なので政府最終消費支出として GDP に計上される)
発展
- 基準年に財 A と財 B の価格はどちらも 100 円で、家計は A を 5 個、B を 5 個買っていた。比較年の価格は A が 120 円、B が 80 円になった。基準年の数量を重みとするラスパイレス方式の物価指数(基準年 = 100)はいくらですか。
- 日本の国民所得統計の特徴として妥当なものはどれですか。 (ア 固定資本減耗が大きいため GNI は GDP より小さい イ GDP と GNI は定義上つねに等しい ウ 輸入が輸出を上回る年は GNI が GDP を下回る エ 国内で働く外国人労働者への賃金支払が多いため、GNI は GDP より小さい undefined 海外からの利子・配当の純受取が大きいため、GNI は GDP より大きい)
- 基準年に財 X を 10 個・財 Y を 10 個買っていた家計が、比較年には X の値上がりを受けて X を 5 個・Y を 15 個買うようになった。価格は X が 100 円から 200 円に上がり、Y は 100 円のまま変わらなかった。この家計のラスパイレス指数とパーシェ指数(基準年 = 100)の組み合わせとして正しいものはどれですか。 (ア ラスパイレス 150、パーシェ 150 イ ラスパイレス 125、パーシェ 150 ウ ラスパイレス 150、パーシェ 125 エ ラスパイレス 125、パーシェ 125 undefined ラスパイレス 200、パーシェ 100)
- 基準年に財 A と財 B の価格はどちらも 100 円で、家計は A を 4 個、B を 1 個買っていた。比較年の価格は A が 120 円、B が 80 円になり、家計は A を 6 個、B を 4 個買った。比較年の数量を重みとするパーシェ方式の物価指数(基準年 = 100)はいくらですか。 (ア 104 イ 56 ウ 100 エ 208 undefined 10)
- 三面等価の原則に関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア 生産面と分配面の GDP はつねに等しいが、支出面の GDP は売れ残りがあると小さくなり、3 つは一致しない イ 3 つの面から見た GDP は事後的につねに等しく、売れ残りは在庫投資として支出面に計上される ウ 支出面の GDP は民間消費・投資・政府支出の合計で、輸出と輸入は差し引きゼロになるため含めない エ 分配面の GDP は雇用者報酬と営業余剰の合計であり、固定資本減耗や間接税は含まない undefined 3 つの面から見た GDP は事前の計画の段階でつねに等しく、それが国民所得が決まる仕組みを表している)
GDP と国民所得統計(三面等価・物価指数) ── 解答
基礎
- 550 GDP = 総産出額 − 中間投入 = 821 − 271 = 550 兆円。売上を単純に足すと原材料の価値を二重に数えてしまうので、付加価値だけを足す。
- 572 GNI = GDP + 海外からの要素所得の純受取 = 550 +(50 − 28)= 572 兆円。「国内」の生産に「国民」が海外で稼いだ分を足し、外国人が国内で稼いだ分を引く。
- 500 実質 GDP = 名目 GDP ÷ デフレーター × 100 = 600 ÷ 120 × 100 = 500 兆円。デフレーターが 100 より大きければ物価が上がった分だけ名目が水ぶくれしている。
- 105 GDP デフレーター = 名目 GDP ÷ 実質 GDP × 100 = 840 ÷ 800 × 100 = 105。
- イ 生産の対価ではないので GDP(政府支出 G)には計上されない 生産の対価ではないので GDP(政府支出 G)には計上されない。GDP は「その年に国内で新しく生み出された付加価値」なので、所有権の移転や過去の生産物の売買は入らない。一方、市場を通らなくても帰属計算するもの(帰属家賃・自家消費・政府サービス)がある。
- エ 500 兆円 実質 GDP = 名目 GDP ÷ デフレーター × 100 = 625 ÷ 125 × 100 = 500 兆円。デフレーターが 100 より大きいので、実質は名目より小さくなる。名目にデフレーターを掛ける(625 × 125/100 = 781 兆円)のは向きが逆。
標準
- 411 GDP → GNI(+海外純所得 16)→ NNI(−固定資本減耗 110)→ NI(−(間接税 50 − 補助金 5))。550 + 16 − 110 − 50 + 5 = 411 兆円。
- 570 分配面の GDP = 雇用者報酬 + 営業余剰・混合所得 + 固定資本減耗 +(生産・輸入品に課される税 − 補助金)= 300 + 100 + 130 +(45 − 5)= 570 兆円。三面等価により生産面・支出面と一致する。
- エ 7% 実質成長率 ≒ 名目成長率 − 物価上昇率 = 9 − 2 = 7%。名目の伸びのうち物価の上昇分を除いたものが実質の伸び。
- 524 GDP(支出面)= C + I + G +(X − M)= 280 + 140 + 110 +(117 − 123)= 524 兆円。輸入は国内で生産されたものではないので引く。
- 380 NDP は「国内」の指標なので GNI ではなく GDP から固定資本減耗を引く。500 − 120 = 380 兆円。GNI(512)を使うと国民純所得(NNI)になってしまう。
- イ 土地・建物・機械などの実物資産と対外純資産 土地・建物・機械などの実物資産と対外純資産。
- ウ 4% 今年の実質 GDP = 546 ÷ 1.05 = 520 兆円。前年は 500 兆円(デフレーター 100)なので成長率 = 20 ÷ 500 = 4%。近似式(名目 9.2% − 物価 5% = 4.2%)は目安で、正確に割ると 4% になる。
- ウ 578 兆円 支出面の GDP = C + I + G + (X − M) = 300 + 150 + 100 + (104 − 76) = 578 兆円。年金などの移転支出は財・サービスの購入ではないので政府支出 G に含めない(受け取った家計が使えば C に入る)。輸入は引く。
- ア 中古住宅の売買代金そのものは GDP に計上されないが、仲介した不動産業者の手数料は計上される GDP はその期間に新しく生み出された付加価値。中古品や株式・土地の売買は所有権の移転にすぎず計上されないが、仲介サービスは新しい付加価値なので計上される。家事は市場取引がないため計上されない一方、農家の自家消費と持ち家の帰属家賃は例外的に計上される。年金などの移転支出は反対給付のない所得移転で、G には入らない。
発展
- 100 ラスパイレス指数 = 比較年の価格 × 基準年の数量 ÷ 基準年の価格 × 基準年の数量 × 100 =(120 × 5 + 80 × 5)÷(100 × 5 + 100 × 5)× 100 = 1000 ÷ 1000 × 100 = 100。多く買う財の値動きほど指数に強く反映される。
- undefined 海外からの利子・配当の純受取が大きいため、GNI は GDP より大きい 日本は対外純資産が大きく、海外投資からの利子・配当(第一次所得収支の黒字)が大きいので、海外からの要素所得の純受取がプラスとなり GNI > GDP になる。輸出入や固定資本減耗は GDP と GNI の差には関係しない。
- ウ ラスパイレス 150、パーシェ 125 ラスパイレス(基準年の数量 10・10 で重みづけ)=(200 × 10 + 100 × 10)÷(100 × 10 + 100 × 10)× 100 = 3000 ÷ 2000 × 100 = 150。パーシェ(比較年の数量 5・15)=(200 × 5 + 100 × 15)÷(100 × 5 + 100 × 15)× 100 = 2500 ÷ 2000 × 100 = 125。値上がりした財から買い控える行動を反映しないラスパイレスのほうが大きくなる(上方バイアス)。
- ア 104 パーシェ指数 = 比較年の数量で買った金額の比 = (120×6 + 80×4) ÷ (100×6 + 100×4) × 100 = 1040 ÷ 1000 × 100 = 104。基準年の数量を使うラスパイレス指数は (120×4 + 80×1) ÷ (100×4 + 100×1) × 100 = 112。分子と分母で同じ数量を使うこと(数量の組を混ぜない)。
- イ 3 つの面から見た GDP は事後的につねに等しく、売れ残りは在庫投資として支出面に計上される 三面等価は「事後的に」成り立つ恒等式。作られたが売れなかった財は企業の在庫投資(意図せざる在庫投資)として支出面に含めるので、支出面は生産面と一致する。事前(計画)の総需要と総供給が等しいとは限らず、その不一致が国民所得を動かす(45 度線分析)。分配面は雇用者報酬 + 営業余剰・混合所得 + 固定資本減耗 +(間接税 − 補助金)。
受験のしらべ / https://juken-shirabe.com/koumuin/keizai/za-01/test/ / 問題は毎回の表示で数が変わります。印刷したものはその一例です。
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