AD-AS 分析・インフレとフィリップス曲線 ── 問題
基礎
- ある経済の総需要曲線が Y = 1200 − 200P、総供給曲線が Y = 600 + 100P で表される(Y:国民所得、P:物価水準)。均衡物価水準はいくらですか。
- ある経済の総需要曲線が Y = 1000 − 200P、総供給曲線が Y = 400 + 100P で表される(Y:国民所得、P:物価水準)。均衡国民所得はいくらですか。
- 名目利子率が 3%、期待インフレ率が 0% のとき、フィッシャー方程式にもとづく実質利子率は何 % ですか。
- AD-AS 分析において、ケインズ派の想定どおり総供給曲線が右上がりであるもとで政府支出を増やしたとき、均衡における国民所得と物価水準の変化の組み合わせとして正しいものはどれですか。 (ア 物価水準は変わらず、国民所得だけが増加する イ 国民所得も物価水準も低下する ウ 国民所得は変わらず、物価水準だけが上昇する エ 国民所得も物価水準も上昇する undefined 国民所得は変わらず、物価水準だけが低下する)
- AD-AS 分析において、所得税の減税が起きたときの曲線の動きと、物価水準・国民所得への影響の組み合わせとして正しいものはどれですか。 (ア 総供給曲線が左へ動き、物価水準が上昇して国民所得が減少する イ 総供給曲線が右へ動き、物価水準が下落して国民所得が増加する ウ 総需要曲線が左へ動き、物価水準と国民所得がともに低下する エ 総需要曲線が右へ動き、物価水準と国民所得がともに上昇する undefined 総需要曲線が右へ動き、物価水準が下落して国民所得が減少する)
- 図は、ある経済の総需要曲線 AD と総供給曲線 AS です(式は図のとおり)。均衡物価水準 P はいくらですか。 (ア 5 イ 3 ウ 8 エ 600 undefined 4)
標準
- 古典派の想定どおり、総供給曲線は完全雇用国民所得 Y = 1000 で垂直である。総需要曲線は Y = 1400 − 200P(P:物価水準)で表される。政府支出の増加により総需要曲線が右へ 1000 だけ平行移動したとき、物価水準はいくら上がりますか。
- ある経済のフィリップス曲線が π = π<sup>e</sup> − (u − 5) で表される(π:インフレ率(%)、π<sup>e</sup>:期待インフレ率(%)、u:失業率(%)、5% は自然失業率)。期待インフレ率が 4%、失業率が 3% のとき、インフレ率は何 % になりますか。
- ある経済のフィリップス曲線が π = π<sup>e</sup> − (u − 4) で表される(π:インフレ率(%)、π<sup>e</sup>:期待インフレ率(%)、u:失業率(%))。期待インフレ率が 4% のとき、インフレ率を 1% にするには失業率を何 % にする必要がありますか。
- 貨幣数量説の交換方程式 MV = PY が成り立つ経済で、貨幣供給量 M = 500、貨幣の流通速度 V = 3、実質国民所得 Y = 500 である。物価水準 P はいくらですか。
- フィッシャー(フィッシャー方程式)に関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア 名目賃金上昇率と失業率の間に右下がりの関係があることを、イギリスのデータから示した イ 名目利子率は実質利子率と期待インフレ率の和で決まるという関係を示した ウ 失業率が自然失業率を上回ると、GDP が完全雇用水準を一定の比率で下回るという経験則を示した エ 合理的期待のもとでは、予想された政策は短期でも生産や失業を動かせないと主張した undefined 期待インフレ率を導入し、長期のフィリップス曲線は自然失業率の水準で垂直になると主張した)
- 摩擦的失業の説明として妥当なものはどれですか。 (ア 失業率の上昇と物価上昇が同時に進む状態 イ 摩擦的失業と構造的失業からなり、需要不足失業を含まない失業率の水準 ウ 労働者の技能や居住地域と、求人の内容が合わないために生じる失業 エ 景気の悪化で財の需要が不足し、労働需要が減ることで生じる失業 undefined 転職や新規就職の際に、仕事を探す途中で一時的に生じる失業)
- ある経済の総需要曲線が Y = 1,500 − 100P、総供給曲線が Y = 300 + 200P で表される(Y:国民所得、P:物価水準)。政府支出の増加により総需要曲線が右へ 300 だけ平行移動したとき、新しい均衡における国民所得と物価水準の組み合わせとして正しいものはどれですか。 (ア Y = 1,300、P = 4.5 イ Y = 1,500、P = 6 ウ Y = 1,300、P = 5 エ Y = 1,100、P = 4 undefined Y = 1,400、P = 4)
- 図は、政府支出の増加によって総需要曲線が AD から AD' に動いた様子です(式は図のとおり)。国民所得 Y はいくら増えますか。 (ア 200 イ 0 ウ 100 エ 400 undefined 50)
- 図は、総需要曲線が AD から AD' に動いたときの総供給曲線 AS との関係です。このときの国民所得 Y と物価 P の変化として妥当なものはどれですか。 (ア Y だけ増え、P は変わらない イ Y は増え、P は下がる ウ Y は減り、P は上がる エ Y は変わらず、P だけ上がる undefined Y も P も上がる)
発展
- ある経済のフィリップス曲線が π = π<sup>e</sup> − 1(u − 6) で表され(π:インフレ率(%)、π<sup>e</sup>:期待インフレ率(%)、u:失業率(%)、6% は自然失業率)、人々は<strong>前年の実際のインフレ率をその年の期待インフレ率とする</strong>(適応的期待)。1 年目の期待インフレ率は 2% である。政府が失業率を毎年 4% に保ち続けたとき、3 年目のインフレ率は何 % になりますか。
- ある経済の総供給曲線が Y = 800 + 50(P − P<sup>e</sup>)、総需要曲線が Y = 950 − 50P で表される(Y:国民所得、P:物価水準、P<sup>e</sup>:予想物価水準、800 は完全雇用国民所得)。人々の予想物価水準が P<sup>e</sup> = 5 のとき、均衡国民所得はいくらですか。
- フリードマンの自然失業率仮説に関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア 期待インフレ率が上昇すると短期のフィリップス曲線は下方へ移動し、同じ失業率のもとでインフレ率は低下する イ インフレ率と失業率の間には長期的にも安定したトレードオフがあり、政府はインフレを受け入れれば失業率を恒久的に下げられる ウ 自然失業率は需要不足失業を含む概念であり、総需要を増やす政策によって引き下げることができる エ 人々が合理的期待を持つため、予想された金融政策は短期においても失業率を動かすことができない undefined 長期のフィリップス曲線は自然失業率の水準で垂直になり、金融政策によって失業率を長期にわたって自然失業率より低く保つことはできない)
- 総需要曲線(AD 曲線)に関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア 投資が利子率にまったく反応しない経済では、物価の下落が投資を大きく増やすため、AD 曲線は水平になる イ 物価水準が下落すると AD 曲線は右へ平行移動し、国民所得が増加する ウ ピグー効果とは、物価の下落が利子率を通じて投資を増やす経路のことであり、ケインズ効果と同じ内容を指す エ 物価水準の下落が実質貨幣供給を増やして利子率を下げ、投資を増やすことで国民所得が増えるため、AD 曲線は右下がりになる undefined 流動性のわなにある経済では、物価の下落が利子率を大きく低下させるため、AD 曲線は通常より緩やかな右下がりになる)
AD-AS 分析・インフレとフィリップス曲線 ── 解答
基礎
- 2 AD = AS とおく:1200 − 200P = 600 + 100P → 300P = 600 → P = 2。このとき Y = 600 + 100 × 2 = 800(AD に入れても同じ値になる)。
- 600 まず物価:1000 − 200P = 400 + 100P → 300P = 600 → P = 2。AS に戻して Y = 400 + 100 × 2 = 600。AD でも 1000 − 200 × 2 = 600。
- 3 名目利子率 = 実質利子率 + 期待インフレ率 なので、実質利子率 = 3 − (0) = 3%。期待インフレ率のぶんだけ、実質の利子率は名目より低くなる。
- エ 国民所得も物価水準も上昇する 政府支出・貨幣供給量の変化は AD 曲線を右へ動かす。AS が右上がりなので、Y と物価の両方が同じ向きに動く。よって国民所得も物価水準も上昇する。
- エ 総需要曲線が右へ動き、物価水準と国民所得がともに上昇する 所得税の減税は支出にかかわる需要側のショックなので AD 曲線を動かす。総需要曲線が右へ動き、物価水準と国民所得がともに上昇する。AD が動くときは物価と所得が同じ向きに動く。
- undefined 4 AD と AS の交点。1000 − 100P = 200 + 100P → 200P = 800 → P = 4。このとき Y = 1000 − 100 × 4 = 600。
標準
- 5 AS が垂直なので国民所得は Y = 1000 で固定。もとの AD:1000 = 1400 − 200P → P = 2。移動後の AD:1000 = 2400 − 200P → P = 7。物価は 5 上がり、国民所得はまったく増えない(財政政策は物価を上げるだけ)。
- 6 π = 4 − 1 × (3 − 5) = 4 − 1 × (−2) = 6%。失業率が自然失業率より低い(景気がよい)ので期待を上回るインフレ率になる。
- 7 1 = 4 − (u − 4) → (u − 4) = 3 → u = 7%。期待より 3 ポイント低いインフレ率を実現するには、失業率を自然失業率 4% から上げる必要がある。
- 3 MV = 500 × 3 = 1500。PY = 1500 より P = 1500 ÷ 500 = 3。V と Y が一定なら、M が増えた割合だけ P が上がる(古典派の貨幣の中立性)。
- イ 名目利子率は実質利子率と期待インフレ率の和で決まるという関係を示した フィッシャー(フィッシャー方程式):名目利子率は実質利子率と期待インフレ率の和で決まるという関係を示した。デフレ予想のもとでは実質利子率が高くなる。
- undefined 転職や新規就職の際に、仕事を探す途中で一時的に生じる失業 摩擦的失業:転職や新規就職の際に、仕事を探す途中で一時的に生じる失業。求人があっても探す時間がかかるために生じる。景気がよくてもゼロにはならない。
- ウ Y = 1,300、P = 5 もとの均衡:1,500 − 100P = 300 + 200P → 300P = 1,200 → P = 4、Y = 1,100。移動後の AD は Y = 1,800 − 100P。1,800 − 100P = 300 + 200P → 300P = 1,500 → P = 5、Y = 300 + 1,000 = 1,300。AD は 300 右へ動いたが、Y の増加は 200 にとどまり、残りは物価上昇(4 → 5)に吸収されている。
- ウ 100 もとの均衡は P = 3、Y = 800。AD' と AS の交点は 1300 − 100P = 500 + 100P → P = 4、Y = 900。増加分は 900 − 800 = 100。AD は 200 右へ動いたが、物価が 3 から 4 に上がった分だけ所得の増加は小さくなる(AS が垂直なら増加はゼロ)。
- ア Y だけ増え、P は変わらない 図の AS は水平(不完全雇用で物価が動かない 45 度線分析の世界)。AD を右へ動かすと交点は右に動くだけ。Y だけ増え、P は変わらない。
発展
- 8 毎年 π = π<sup>e</sup> − 1 × (4 − 6) = π<sup>e</sup> + 2 なので、インフレ率は前年の期待より 2 ポイントずつ上がる。1 年目 4%、2 年目 6%、…、3 年目は 2 + 3 × 2 = 8%。失業率を自然失業率より低く保ち続けると、インフレは加速する(自然失業率仮説)。
- 750 AS:Y = 800 + 50P − 250 = 550 + 50P。AD と連立:550 + 50P = 950 − 50P → 100P = 400 → P = 4。Y = 800 + 50 × (4 − 5) = 750。実際の物価が予想を下回ったので、国民所得は完全雇用水準を下回る。予想が当たれば(P = P<sup>e</sup>)Y = 800 になる。
- undefined 長期のフィリップス曲線は自然失業率の水準で垂直になり、金融政策によって失業率を長期にわたって自然失業率より低く保つことはできない フリードマンは適応的期待を前提に、短期には期待インフレ率が実際に追いつかないため失業率を下げられるが、長期には期待が追いついて失業率は自然失業率に戻ると主張した。合理的期待による短期の政策無効はルーカスらの主張で、フリードマンの議論とは区別する。自然失業率は摩擦的・構造的失業からなり需要不足失業を含まない。期待インフレ率の上昇は短期フィリップス曲線を上方へ動かす。
- エ 物価水準の下落が実質貨幣供給を増やして利子率を下げ、投資を増やすことで国民所得が増えるため、AD 曲線は右下がりになる AD 曲線は IS-LM から導かれ、物価下落 → 実質貨幣供給の増加 → LM の右方移動 → 利子率低下 → 投資増加 → 所得増加という経路(ケインズ効果)で右下がりになる。物価の変化は曲線上の移動であって曲線を動かさない。流動性のわなや投資の利子非弾力性のもとでは物価が下がっても所得が増えないので AD は垂直になる。ピグー効果は物価下落が資産の実質価値を高めて消費を直接増やす経路で、利子率経由のケインズ効果とは別のもの。
受験のしらべ / https://juken-shirabe.com/koumuin/keizai/za-05/test/ / 問題は毎回の表示で数が変わります。印刷したものはその一例です。
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