完全競争市場と余剰分析(課税・価格規制) ── 問題
基礎
- ある財の需要曲線が P = 17 − Q、供給曲線が P = 5 + Q(P は価格、Q は数量)である。完全競争市場の均衡における消費者余剰はいくらですか。
- ある財の需要曲線が D = 62 − P、供給曲線が S = P − 4(P は価格、D・S は数量)である。完全競争市場の均衡における総余剰(消費者余剰と生産者余剰の合計)はいくらですか。
- ある財の需要曲線が D = 47 − P、供給曲線が S = 2P − 55(P は価格、D・S は数量)である。政府がこの財の価格の上限を 32 に規制したとき、生じる超過需要はいくらですか。
- 余剰分析における死荷重(厚生損失)の説明として妥当なものはどれですか。 (ア 売り手が受け取った金額と最低限受け取りたい金額(供給価格)の差の合計 イ 消費者余剰と生産者余剰(政府収入があればそれも)を合計したもの ウ 売り手の総収入から可変費用を引いた額に、政府の税収を加えたもの エ 課税や規制によって失われ、誰の手にも渡らない余剰の減少分 undefined 買い手が支払ってもよいと考える金額(需要価格)と実際に支払った金額の差の合計)
- 完全競争市場の均衡と余剰に関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア 完全競争市場の均衡では、消費者余剰と生産者余剰の合計である総余剰が最大になる イ 完全競争市場の均衡では、消費者余剰が最大になるが生産者余剰は最小になる ウ 均衡価格より低い価格で取引が行われれば、消費者余剰が増えるので総余剰も増える エ 均衡取引量より多く取引すれば、生産者余剰が増えるので総余剰も増える undefined 総余剰の大きさは、価格が高いほど大きくなる)
- 図は、ある財の需要曲線 D と供給曲線 S です(式は図のとおり)。均衡価格はいくらですか。 (ア 30 イ 35 ウ 20 エ 10 undefined 40)
標準
- ある財の需要曲線が P = 38 − Q、供給曲線が P = 4 + Q(P は価格、Q は数量)である。この財の売り手に 1 単位あたり 6 の従量税を課したとき、買い手が支払う価格はいくらになりますか。
- ある財の需要曲線が P = 76 − 3Q、供給曲線が P = 4 + Q(P は価格、Q は数量)である。この財に 1 単位あたり 16 の従量税を課したとき、生じる死荷重(厚生損失)はいくらですか。
- ある財の需要曲線が P = 80 − 2Q、供給曲線が P = 5 + 3Q(P は価格、Q は数量)である。この財に 1 単位あたり 5 の従量税を課したとき、政府の税収はいくらになりますか。
- ある財の需要の価格弾力性がゼロ(需要曲線が垂直)であるとき、この財に従量税を課した場合の税の負担と死荷重の説明として妥当なものはどれですか。 (ア 税は買い手と売り手が半分ずつ負担し、取引量は変わらないので死荷重は生じない イ 税はすべて売り手が負担し、取引量は変わらないので死荷重は生じない ウ 税はすべて売り手が負担し、取引量が減るので死荷重が生じる エ 税はすべて買い手が負担し、取引量は変わらないので死荷重は生じない undefined 税はすべて買い手が負担し、取引量が減るので死荷重が生じる)
- ある財の需要曲線が D = 36 − P、供給曲線が S = 4P − 104(P は価格、D・S は数量)である。この財の買い手に 1 単位あたり 5 の従量税を課したとき、売り手が受け取る価格はいくらになりますか。
- 従量税の負担(租税の帰着)に関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア 需要の価格弾力性が供給の価格弾力性より大きいほど、買い手の負担割合は大きくなる イ 買い手に課された税は、法律上の納税者が買い手なので、つねに全額が買い手の負担になる ウ 税の負担は買い手と売り手でつねに半分ずつになる エ 税を買い手と売り手のどちらに課しても、最終的な負担の分かれ方は同じで、需要と供給の価格弾力性によって決まる undefined 売り手に課された税は、売り手が価格に上乗せするので、つねに全額が買い手の負担になる)
- 価格規制の効果に関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア 均衡価格より高い上限価格を定めると超過需要が生じ、取引量が減る イ 均衡価格より低い上限価格を定めると超過需要が生じ、取引量は供給量の水準まで減って死荷重が発生する ウ 最低賃金は労働の価格の上限規制であり、均衡賃金より高く設定すると労働の超過需要が生じる エ 均衡価格より高い下限価格を定めると超過需要が生じ、価格はさらに上がる undefined 上限価格規制のもとでは、需要が供給を上回っても価格が上がらないため、総余剰は規制前より大きくなる)
- 図は、ある財の需要曲線 D と供給曲線 S です(式は図のとおり)。均衡における消費者余剰はいくらですか。 (ア 54 イ 120 ウ 36 エ 72 undefined 18)
- 図は、需要曲線 D と供給曲線 S のある市場で、売り手に 1 単位あたり 8 の従量税を課したときの様子です(S' は課税後の供給曲線)。この課税による死荷重(厚生損失)はいくらですか。 (ア 32 イ 4 ウ 8 エ 16 undefined 48)
発展
- ある農産物の需要曲線が D = 55 − 3P、供給曲線が S = 2P − 5(P は価格、D・S は数量)である。政府がこの農産物の価格の下限を 18 に定め、売れ残った分をすべてその価格で買い上げるとき、政府の買い上げ費用はいくらになりますか。
- ある財の需要曲線が P = 36 − 3Q、供給曲線が P = 3Q(P は価格、Q は数量)である。政府がこの財の売り手に 1 単位あたり 6 の補助金を支給するとき、政府の補助金支出の総額はいくらになりますか。
- 需要曲線と供給曲線がともに直線である市場で、従量税の税率を 2 倍にしたときの死荷重と税収の変化に関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア 死荷重は 2 倍になり、税収も 2 倍になる イ 死荷重も税収も 4 倍になる ウ 死荷重は変わらず、税収だけが 2 倍になる エ 死荷重は 2 倍になり、税収は 4 倍になる undefined 死荷重は 4 倍になり、税収は 2 倍より少ない増え方になる(税率が高すぎれば減ることもある))
完全競争市場と余剰分析(課税・価格規制) ── 解答
基礎
- 18 均衡は 17 − Q = 5 + Q → Q = 6、P = 11。消費者余剰は需要曲線と価格 11 の間の三角形で、底辺 6、高さ(需要曲線の縦軸切片 17 − 均衡価格 11)= 6。面積 = 6 × 6 ÷ 2 = 18。
- 841 均衡は 62 − P = P − 4 → P = 33、Q = 29。消費者余剰 = (62 − 33) × 29 ÷ 2 = 841/2、生産者余剰 = (33 − 4) × 29 ÷ 2 = 841/2。総余剰 = 841/2 + 841/2 = 841。需要曲線と供給曲線と縦軸で囲まれた三角形の面積に等しい。
- 6 規制前の均衡は 47 − P = 2P − 55 → P = 34、Q = 13。上限価格 32 は均衡より低いので拘束力がある。P = 32 のとき需要 = 47 − 1 × 32 = 15、供給 = 2 × 32 − 55 = 9。超過需要 = 15 − 9 = 6。実際の取引量は少ない方の供給量 9 になる。
- エ 課税や規制によって失われ、誰の手にも渡らない余剰の減少分 死荷重(厚生損失)とは、課税や規制によって失われ、誰の手にも渡らない余剰の減少分。グラフでは、消費者余剰は需要曲線と価格線の間、生産者余剰は価格線と供給曲線の間の面積。完全競争の均衡で総余剰は最大になり、課税や価格規制で取引量が均衡からずれると死荷重が生じる。
- ア 完全競争市場の均衡では、消費者余剰と生産者余剰の合計である総余剰が最大になる 均衡では「需要価格 ≧ 供給価格」となる取引がすべて行われ、それ以外は行われないので総余剰が最大。均衡からずれると、取引量が減っても増えても死荷重が生じる。価格の高低は消費者余剰と生産者余剰の分け方を変えるが、取引量が均衡と同じなら総余剰は変わらない。
- undefined 40 需要曲線と供給曲線の交点を求める。60 − 2Q = 10 + 3Q → Q = 10。これを需要曲線に入れて P = 60 − 2 × 10 = 40(供給曲線に入れても 10 + 3 × 10 = 40 で一致)。
標準
- 24 課税前の均衡は Q = 17、P = 21。売り手への従量税は供給曲線を 6 だけ上に動かす:P = 4 + Q + 6。38 − Q = 4 + Q + 6 → Q = 14。買い手の価格 = 38 − 1 × 14 = 24(3 上がる)。売り手の受取価格は 24 − 6 = 18(3 下がる)。負担の比は 買い手 : 売り手 = 1 : 1(需要曲線と供給曲線の傾きの比)。
- 32 課税前の取引量は 18。課税後は 76 − 3Q = 4 + Q + 16 → Q = 14。死荷重は、減った取引量 18 − 14 = 4 を底辺、税額 16 を高さとする三角形。4 × 16 ÷ 2 = 32。税収(16 × 14 = 224)は政府に移るだけで損失ではない。
- 70 税収 = 税額 × 課税後の取引量。課税後は 80 − 2Q = 5 + 3Q + 5 → Q = 14。税収 = 5 × 14 = 70。課税前の取引量 15 で計算しないこと(5 × 15 = 75 ではない)。
- エ 税はすべて買い手が負担し、取引量は変わらないので死荷重は生じない 需要の価格弾力性がゼロ(需要曲線が垂直)の場合、税はすべて買い手が負担し、取引量は変わらないので死荷重は生じない。税の負担は価格の変化に反応しにくい(弾力性が小さい)側に多くかかる。弾力性がゼロの側があると取引量が変わらないため死荷重はゼロになり、弾力性が無限大の側はまったく負担しない。
- 27 課税前の均衡は P = 28、Q = 8。買い手への課税では、買い手の支払価格を Pb、売り手の受取価格を Ps = Pb − 5 とおく。需要 36 − Pb = 供給 4Ps − 104 = 4(Pb − 5) − 104 → Pb = 32、Ps = 32 − 5 = 27。売り手に課税しても結果は同じで、負担の分かれ方は法律上の納税者ではなく需要と供給の傾きで決まる(買い手の負担 4 : 売り手の負担 1)。
- エ 税を買い手と売り手のどちらに課しても、最終的な負担の分かれ方は同じで、需要と供給の価格弾力性によって決まる 法律上どちらが納税するかにかかわらず、課税後の買い手価格と売り手価格の差が税額になり、その分かれ方は曲線の傾き(弾力性)で決まる。価格変化に反応しにくい(弾力性が小さい)側ほど多く負担する。需要が弾力的なら買い手は逃げやすいので負担は小さい。
- イ 均衡価格より低い上限価格を定めると超過需要が生じ、取引量は供給量の水準まで減って死荷重が発生する 拘束力があるのは「均衡より低い上限」と「均衡より高い下限」だけ。上限(家賃規制など)は超過需要、下限(最低賃金・農産物の支持価格など)は超過供給を生む。どちらも取引量が均衡より少なくなるので死荷重が生じる。最低賃金は下限規制で、超過供給 = 失業が生じる。
- undefined 18 均衡は Q = 6、P = 20。消費者余剰は需要曲線と価格線の間の三角形で、高さは縦軸切片 26 と均衡価格 20 の差 6、底辺は均衡取引量 6。6 × 6 ÷ 2 = 18。(生産者余剰は (20 − 2) × 6 ÷ 2 = 54)
- ウ 8 課税前の均衡は 26 − Q = 2 + 3Q → Q = 6。課税後は供給曲線が 8 上に動くので 26 − Q = 10 + 3Q → Q = 4。死荷重は取引されなくなった 6 − 4 = 2 単位について「需要価格 − 供給価格」を積み上げた三角形 EAB で、2 × 8 ÷ 2 = 8。税収は 8 × 4 = 32(死荷重には含めない)。
発展
- 540 規制前の均衡は P = 12、Q = 19。下限価格 18 は均衡より高いので拘束力がある。P = 18 のとき供給 = 2 × 18 − 5 = 31、需要 = 55 − 3 × 18 = 1。超過供給 = 31 − 1 = 30。買い上げ費用 = 18 × 30 = 540。
- 42 補助金は従量税の逆で、供給曲線を 6 だけ下に動かす:P = 3Q − 6。36 − 3Q = 3Q − 6 → Q = 7(補助前の 6 より 1 増える)。支出総額 = 6 × 7 = 42。買い手の価格は 15 に下がり、売り手の受取価格は 15 + 6 = 21 に上がる。増えた取引量の分だけ死荷重(1 × 6 ÷ 2 = 3)も生じる。
- undefined 死荷重は 4 倍になり、税収は 2 倍より少ない増え方になる(税率が高すぎれば減ることもある) 死荷重は「取引量の減少 × 税額 ÷ 2」で、直線なら取引量の減少も税額に比例するので、死荷重は税額の 2 乗に比例する。税収は「税額 × 課税後の取引量」で、税額を上げると取引量が減るため 2 倍にはならない。税率を上げ続けると税収がかえって減る領域がある。
受験のしらべ / https://juken-shirabe.com/koumuin/keizai/ze-04/test/ / 問題は毎回の表示で数が変わります。印刷したものはその一例です。
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