財政の機能と予算制度 ── 問題
基礎
- ある年度の国の一般会計の歳出総額が 115 兆円、特別会計の歳出総額(単純合計)が 450 兆円であった。会計間の繰入れや借換債など重複して数えられている分が 220 兆円のとき、一般会計と特別会計を合わせた歳出の純計は何兆円ですか。
- ある年度の国の一般会計歳出総額は 125 兆円で、そのうち社会保障関係費は 45 兆円であった。社会保障関係費が歳出総額に占める割合は何%ですか。
- ある年度の国の一般会計歳出総額は 110 兆円で、そのうち国債費が 26 兆円、地方交付税交付金等が 19 兆円であった。これらを除いた一般歳出(政策的経費)は何兆円ですか。
- 次の政策は、マスグレイブのいう財政の 3 機能のうち、主にどれにあたりますか。 「公害を出す工場に環境税を課して外部不経済を抑える」 (ア 物価統制機能 イ 所得再分配機能 ウ 資源配分機能 エ 通貨供給機能 undefined 経済安定化機能)
- 次の説明にあてはまる予算の名称はどれですか。 「年度の途中で、災害対策や景気対策のために当初の予算を追加・変更する予算」 (ア 政府関係機関予算 イ 暫定予算 ウ 財政投融資 エ 繰越明許費 undefined 補正予算)
- 日本国憲法の財政に関する規定のうち、租税法律主義(新たに租税を課し、または現行の租税を変更するには法律によることを要する)を定めた条文はどれですか。 (ア 85 条 イ 83 条 ウ 86 条 エ 87 条 undefined 84 条)
標準
- ある年度の国と地方の歳出(重複を除いた純計)を見ると、国が 90 兆円、地方が 110 兆円であった。地方の歳出が全体に占める割合は何%ですか。
- 国の予算過程において、次のことを行う主体はどれですか。 「各省庁から出された概算要求を査定し、財務省原案をまとめる」 (ア 内閣総理大臣 イ 参議院 ウ 衆議院 エ 会計検査院 undefined 財務省)
- 次の制度は、予算の原則のうちどの原則の例外にあたりますか。 「予備費を内閣の責任で支出し、事後に国会の承諾を得る」 (ア 公開の原則 イ 会計年度独立の原則 ウ 限定性の原則(目的外使用の禁止) エ 事前議決の原則 undefined 単一(統一)の原則)
- 補正予算と暫定予算に関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア 補正予算は年度途中で本予算を追加・変更するもので、同じ年度に複数回組める イ 暫定予算は国会の議決を経ずに内閣の責任だけで組むことができる ウ 暫定予算は本予算が成立した後も、年度末までそのまま並行して執行される エ 補正予算は災害対策に限って組むことができ、景気対策のためには組めない undefined 補正予算は財政法により 1 会計年度に 1 回だけに限って組むことができる)
- 特別会計に関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア 特別会計は財務大臣の告示によって自由に新設でき、国会の議決を必要としない イ 特別会計の歳出の単純合計は一般会計より小さく、国の財政規模を見るときは無視してよい ウ 特別会計は単一の原則の例外であり、特定の事業や特定の資金の運用などについて法律で設けられる エ 特別会計は国債整理基金や年金などには設けられておらず、公共事業にだけ設けられている undefined 特別会計は総計予算主義の原則の例外であり、歳入と歳出を相殺して計上することが認められている)
- 決算と会計検査院に関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア 決算は会計検査院が検査し、内閣が検査報告とともに次の年度に国会に提出する イ 決算は国会が承認しなければ効力を生じず、不承認となった支出はさかのぼって無効になる ウ 会計検査院の検査官は内閣総理大臣が単独で任命し、国会の関与はない エ 決算は法律と同じ形式で国会に提出され、両議院で可決されて初めて成立する undefined 会計検査院は財務省の外局として置かれ、財務大臣の指揮監督を受ける)
- 2026 年度の国の一般会計当初予算について、歳出の内訳を大きい順に並べたものとして正しいものはどれですか。(2026 年 9 月時点。最新は財務省資料で確認すること) (ア 社会保障関係費 > 公共事業関係費 > 国債費 イ 社会保障関係費 > 地方交付税交付金等 > 国債費 ウ 国債費 > 社会保障関係費 > 地方交付税交付金等 エ 地方交付税交付金等 > 社会保障関係費 > 国債費 undefined 社会保障関係費 > 国債費 > 地方交付税交付金等)
- 国債の発行に関する財政法の規定と実際の運用に関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア 特例国債は 1965 年度に初めて発行されて以来、一度も発行が途切れたことがない イ 財政法 5 条は日本銀行による国債の引受けを原則として認めており、新規国債の多くは日本銀行が直接引き受けている ウ 財政法 4 条は公債発行を原則として認めており、建設国債と特例国債のどちらも財政法だけを根拠に発行できる エ 建設国債は道路や橋などの資産が残る経費に充てられるため、償還期限は特例国債より短く定められている undefined 財政法 4 条は公債発行を原則禁じ、公共事業費などの財源に限り建設国債を認めるため、特例国債(赤字国債)は特例法によって発行される)
発展
- 財政に関する憲法・財政法の規定について、予算の国会での扱いについて正しいものはどれですか。 (ア 参議院に先に提出することもでき、参議院が受け取って 30 日以内に議決しないときは廃案となる イ 衆議院に先に提出しなければならず、参議院が受け取って 30 日以内に議決しないときは衆議院の議決が国会の議決となる ウ 衆議院に先に提出しなければならず、参議院が受け取って 60 日以内に議決しないときは衆議院の議決が国会の議決となる エ どちらの議院に先に提出してもよく、参議院が受け取って 10 日以内に議決しないときは衆議院の議決が国会の議決となる undefined 衆議院に先に提出しなければならず、参議院が否決したときは衆議院で出席議員の 3 分の 2 以上の再可決が必要となる)
- 財政投融資に関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア 財政投融資の原資は現在も郵便貯金と年金積立金の預託が中心で、市場からの財投債などによる調達はまったく行われていない イ 2001 年度の改革で郵貯・年金積立金の預託義務が廃止され、財投債や財投機関債による市場調達に改められた ウ 財政投融資は一般会計と同じく返済を前提としない補助金の支出が中心で、国会には提出されない エ 財政投融資は地方公共団体への融資を禁止しており、対象は民間企業に限られている undefined 財政投融資は日本銀行が資金を供給する仕組みで、金融政策の一部として位置づけられている)
- 予算に関する国会と内閣の権限について妥当なものはどれですか。 (ア 予算の作成・提出権は国会議員にもあり、議員立法と同じ手続で予算を提出できる イ 予算の作成・提出権は内閣に専属し、国会議員が予算を提出することはできない ウ 参議院が予算を否決した場合、衆議院で出席議員の 3 分の 2 以上で再可決しなければ成立しない エ 国会は予算の減額修正はできるが、増額修正はいかなる場合も認められない undefined 予算は参議院に先に提出することも認められており、先議権は法律案と同じく特にない)
- 2026 年度の国の一般会計当初予算に関する記述として妥当なものはどれですか(2026 年 9 月時点。最新は財務省資料で確認すること)。 (ア 歳出総額は 122 兆円台で過去最大となったが、新規国債の発行額も 40 兆円を超えて過去最大となり、公債依存度は 4 割に達した イ 歳出の中で最も大きい項目は国債費で、社会保障関係費と地方交付税交付金等がこれに続く ウ 普通国債の残高は 2026 年度末に 500 兆円台に達する見込みで、対 GDP 比は 100% 前後である エ 歳出総額は 122 兆円台で過去最大、新規国債は 2 年連続で 30 兆円未満となり、当初予算の基礎的財政収支は 1998 年度以来の黒字となった undefined 税収の見込みは 60 兆円台で、歳入の半分近くを新規国債の発行でまかなっている)
財政の機能と予算制度 ── 解答
基礎
- 345 純計 = 一般会計 + 特別会計 − 重複分 = 115 + 450 − 220 = 345 兆円。特別会計の単純合計は繰入れや借換債で二重に数えられているので、規模を見るときは純計で見る。
- 36 割合 = 社会保障関係費 ÷ 歳出総額 × 100 = 45 ÷ 125 × 100 = 36%。近年の一般会計では社会保障関係費が最大の項目で、歳出の 3 分の 1 前後を占めている(年により変動)。
- 65 一般歳出 = 歳出総額 − 国債費 − 地方交付税交付金等 = 110 − 26 − 19 = 65 兆円。国債費と地方交付税は義務的に出ていく経費なので、政策に使えるのは残りの部分。
- ウ 資源配分機能 公共財の供給や外部性の是正は資源配分、所得の格差をならすのは所得再分配、景気の波を小さくするのは経済安定化。この政策は資源配分機能。
- undefined 補正予算 補正予算。暫定予算は本予算成立後に吸収される。継続費・繰越明許費は会計年度独立の原則の例外、予備費は事前議決・限定性の例外、特別会計は単一の原則の例外。
- undefined 84 条 84 条。憲法第 7 章「財政」は 83 条(財政処理の国会議決)→ 84 条(租税法律主義)→ 85 条(国費支出・債務負担)→ 86 条(予算の作成・提出)→ 87 条(予備費)→ 88 条(皇室財産)→ 89 条(公金支出の制限)→ 90 条(決算・会計検査院)→ 91 条(財政状況の報告)の順。予算の衆議院先議は 60 条 1 項(第 4 章「国会」)。
標準
- 55 地方の割合 = 110 ÷ (90 + 110) × 100 = 55%。日本では歳出はおおむね国 4.5 対 地方 5.5(令和 5 年度 46:54)で地方のほうが大きく、税収は国 6 対 地方 4 と逆になる。この差を地方交付税や国庫支出金で埋めている。
- undefined 財務省 財務省。流れは、各省庁の概算要求(8 月末)→ 財務省の査定 → 内閣の閣議決定・国会提出(衆議院先議)→ 執行 → 会計検査院の検査 → 内閣が決算を国会に提出。
- エ 事前議決の原則 事前議決の原則の例外。単一 ↔ 特別会計、会計年度独立 ↔ 継続費・繰越明許費、事前議決 ↔ 予備費・暫定予算、限定性 ↔ 流用・移用、と対にして覚える。
- ア 補正予算は年度途中で本予算を追加・変更するもので、同じ年度に複数回組める 補正予算(財政法 29 条)に回数の制限はない。暫定予算(30 条)は本予算成立後にそれに吸収され、国会の議決も必要。補正予算の目的は災害に限られない。
- ウ 特別会計は単一の原則の例外であり、特定の事業や特定の資金の運用などについて法律で設けられる 財政法 13 条 2 項。特別会計は法律で設け、予算として国会の議決を受ける。単純合計は一般会計よりはるかに大きいが、重複分を除いた純計で規模を見る。年金・国債整理基金・労働保険などに設けられている。
- ア 決算は会計検査院が検査し、内閣が検査報告とともに次の年度に国会に提出する 憲法 90 条。決算の議決は法律や予算と違い、すでに行われた支出の効力を左右しない(内閣の政治的責任の問題)。会計検査院は内閣から独立し、検査官は両議院の同意を得て内閣が任命する。
- undefined 社会保障関係費 > 国債費 > 地方交付税交付金等 社会保障関係費 > 国債費 > 地方交付税交付金等。2026 年度当初予算:歳出総額 122 兆 3,092 億円(過去最大)。社会保障関係費 39 兆 559 億円 > 国債費 31 兆 2,758 億円(うち利払費 13 兆 371 億円)> 地方交付税交付金等 20 兆 8,778 億円。税収 83 兆 7,350 億円、新規国債 29 兆 5,840 億円(依存度 24.2%、2 年連続 30 兆円未満)。
- undefined 財政法 4 条は公債発行を原則禁じ、公共事業費などの財源に限り建設国債を認めるため、特例国債(赤字国債)は特例法によって発行される 財政法 4 条 1 項は「国の歳出は公債又は借入金以外の歳入を以て、その財源としなければならない」とし、但書で建設国債を認める(建設国債の原則)。特例国債は財政法に根拠がなく、特例法(現在は複数年度をまとめて認める形)で発行される。5 条は日銀引受けを原則禁止(市中消化の原則)。戦後初の特例国債は 1965 年度、1975 年度から本格化し、1991〜93 年度は発行されなかった。両国債とも 60 年償還ルールで管理される。
発展
- イ 衆議院に先に提出しなければならず、参議院が受け取って 30 日以内に議決しないときは衆議院の議決が国会の議決となる 衆議院に先に提出しなければならず、参議院が受け取って 30 日以内に議決しないときは衆議院の議決が国会の議決となる。予備費は憲法 87 条、衆議院先議と 30 日は 60 条、決算・会計検査院は 90 条、特別会計は財政法 13 条 2 項、継続費は 14 条の 2、国庫債務負担行為は 15 条。
- イ 2001 年度の改革で郵貯・年金積立金の預託義務が廃止され、財投債や財投機関債による市場調達に改められた 2001 年度の財政投融資改革。原資は財投債(国債の一種)と財投機関債に移り、融資(返済を前提とした資金)が中心。財政投融資計画として国会に提出される。対象には地方公共団体や政策金融機関が含まれる。
- イ 予算の作成・提出権は内閣に専属し、国会議員が予算を提出することはできない 予算の提出権は内閣に専属する(憲法 73 条 5 号・86 条)。国会は減額修正のほか、予算の同一性を損なわない範囲で増額修正もできるとされる。予算は衆議院先議で、両院協議会で不一致なら衆議院の議決が国会の議決になる(60 条)。法律案のような 3 分の 2 の再可決は要らない。
- エ 歳出総額は 122 兆円台で過去最大、新規国債は 2 年連続で 30 兆円未満となり、当初予算の基礎的財政収支は 1998 年度以来の黒字となった 2026 年度当初予算:歳出総額 122 兆 3,092 億円(前年度 115.2 兆円)、税収 83 兆 7,350 億円、新規国債 29 兆 5,840 億円(依存度 24.2%、2 年連続 30 兆円未満)、当初予算ベースの基礎的財政収支は +1.3 兆円。歳出の最大項目は社会保障関係費 39 兆 559 億円。普通国債残高は 2026 年度末 1,145 兆円(対 GDP 比 166%)の見込み。
受験のしらべ / https://juken-shirabe.com/koumuin/keizai/zf-01/test/ / 問題は毎回の表示で数が変わります。印刷したものはその一例です。
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