安全保障と軍縮・国際法(集団安全保障・核軍縮・PKO・国際裁判) ── 問題
基礎
- 安全保障の仕組みについて、勢力均衡(バランス・オブ・パワー)の説明として妥当なものはどれですか。 (ア 密接な関係にある他国への武力攻撃を自国への攻撃とみなして共同で反撃する権利で、国連憲章 51 条に明文の規定があり、NATO や日米安全保障条約の根拠となっている イ 特定の国が突出しないように各国が同盟を固定して力をつり合わせる仕組みで、同盟の組みかえは認められず、第一次世界大戦後に国際連盟が初めて採用し、国際連合にも引き継がれたものである ウ 圧倒的な力をもつ 1 つの国が自由貿易体制などの国際公共財を提供することで秩序を保つ仕組みで、第二次世界大戦後のアメリカがその例とされている エ 特定の国が突出しないように各国が同盟を組みかえて力をつり合わせ、戦争を抑える仕組みで、あらかじめ敵を想定する点に特徴があり、19 世紀のヨーロッパで典型的に見られた undefined 対立する国も含めて 1 つの組織に加わり、侵略が起きたときは全加盟国が共同で制裁する仕組みで、あらかじめ敵を想定しない点に特徴があり、国際連盟や国際連合が採用した)
- 日本が国際刑事裁判所(ICC)のローマ規程に加入したのは何年ですか。 (ア 2002 年 イ 2015 年 ウ 2007 年 エ 2010 年 undefined 1998 年)
- 国際連合憲章における武力行使に関する規定の説明として妥当なものはどれですか。 (ア 憲章第 6 章は紛争の平和的解決を定めており、安全保障理事会は第 6 章にもとづいて経済制裁や軍事的措置などの強制措置を決定することができる イ 憲章 2 条 4 項は加盟国に武力による威嚇または武力の行使を慎むよう求めており、武力行使が正当化されるのは、原則として第 7 章にもとづく安全保障理事会の強制措置と、51 条の自衛権の行使の 2 つの場合である ウ 憲章 51 条は個別的自衛権のみを認めており、集団的自衛権は憲章に規定がなく慣習国際法上の権利として認められているにすぎない エ 憲章第 7 章の軍事的措置は、加盟国が 43 条の特別協定によって安全保障理事会に提供した兵力からなる国連軍によって実施されてきた undefined 憲章 2 条 4 項は加盟国に武力による威嚇または武力の行使を慎むよう求めているが、加盟国は国連総会の過半数の承認を得れば安全保障理事会の決定がなくても自由に武力を行使することができ、自衛権の行使にも総会の承認が必要である)
- 国連海洋法条約に関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア 領海は基線から 12 海里までで沿岸国の主権が及ぶが外国船の無害通航権が認められ、排他的経済水域は 200 海里までで沿岸国は天然資源についての主権的権利をもつが、航行や上空飛行は自由である イ 領海は基線から 3 海里までで沿岸国の主権が及び、接続水域は 12 海里まで、排他的経済水域は 100 海里までと定められている ウ 排他的経済水域では沿岸国は天然資源についての主権的権利をもたず、資源の開発はすべての国に開放されている エ 国連海洋法条約は 1982 年に採択されたが、必要な批准がそろわず 2026 年 9 月時点で発効しておらず、日本も批准していない undefined 領海は基線から 12 海里までで沿岸国の主権が及び、排他的経済水域は 200 海里までで沿岸国の主権が領海と同様に及ぶため、外国船の航行や上空飛行には沿岸国の許可が必要で、無害通航権も認められない)
- 日米安全保障条約に関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア 1960 年の新安保条約は 5 条で米軍への基地提供を、6 条で日本の施政下の領域への武力攻撃への共同対処を定めている イ 日米安全保障条約は 1972 年の沖縄返還に合わせて初めて結ばれ、日本の施政下の領域への武力攻撃に共同で対処することを定めた ウ 1951 年にサンフランシスコ平和条約と同じ日に結ばれた旧安保条約は米軍の駐留を認めたが米国の日本防衛義務を明記しておらず、1960 年の新安保条約 5 条で日本の施政下の領域への武力攻撃に共同で対処することが定められた エ 新安保条約は日本が攻撃された場合に加えて、米国本土が攻撃された場合にも日本が共同で対処する義務を定めている undefined 1951 年にサンフランシスコ平和条約と同じ日に結ばれた旧安保条約で米国の日本防衛義務が明記され、1960 年の新安保条約では事前協議制が廃止され、米軍への基地提供の義務も削除されたうえで、米国の防衛義務が日本の施政下の領域の外にまで広げられた)
標準
- 軍縮・軍備管理の条約について、中距離核戦力(INF)全廃条約の説明として妥当なものはどれですか。 (ア 2010 年に米露が署名し、配備する戦略核弾頭の数などを制限したもので、2021 年に 5 年延長されたのち、後継条約が結ばれないまま 2026 年 2 月に失効した イ 1968 年に署名され 1970 年に発効し、核兵器国を米・英・仏・ソ(露)・中の 5 か国に限定して非核兵器国に IAEA の保障措置を義務づけた ウ 1987 年に米ソが署名し、射程 500〜5,500 km の地上発射ミサイルを全廃することを定めた条約で、米国がロシアの条約違反を理由に離脱を通告し、2019 年に失効した エ 1987 年に米ソが署名し、射程 500〜5,500 km の地上発射ミサイルを全廃することを定めた条約で、2021 年に 5 年間延長され、2026 年 9 月時点でも有効である undefined 1963 年に米英ソが署名し、大気圏内・宇宙空間・水中での核実験を禁止したが、地下での核実験は禁止の対象としなかった)
- 国際法について、国家承認の説明として妥当なものはどれですか。 (ア 国家承認は国連総会の決議によって行われ、国連に加盟した時点で他のすべての加盟国から承認されたものとみなされる イ 国家の要件は領域・住民・実効的な政府であるが、他国による承認があってはじめて国際法上の国家として成立するとする創設的効果説が現在の通説である ウ 日本が 1972 年に中華人民共和国政府を中国の唯一の合法政府と認めたのは、新たな国家の成立を認めた国家承認の例である エ 国家の要件は領域・住民・実効的な政府であり、他国による承認はすでに成立した国家の存在を確認する行為にすぎないとする宣言的効果説が通説である undefined 革命などによって政府が交代した場合には、新政府を承認するために改めて国家承認をやり直す必要がある)
- 日本の専守防衛の説明として妥当なものはどれですか。 (ア 相手からの武力攻撃が予測される段階で先に相手の基地を攻撃して脅威を取り除くことを認めるもので、2022 年の安保 3 文書で初めて採用された能動的な防衛戦略の姿勢であり、保持する防衛力に上限は設けない イ 核兵器を持たず・つくらず・持ち込ませずという日本の基本方針で、1967 年に表明され 1971 年に国会で決議された ウ 日本と密接な関係にある他国への武力攻撃によって日本の存立が脅かされる事態において、他に手段がなく必要最小限の範囲で武力を行使できるとする考え方である エ 相手から武力攻撃を受けたときに初めて防衛力を行使し、その態様も自衛のための必要最小限にとどめ、保持する防衛力も必要最小限のものに限るという受動的な防衛戦略の姿勢である undefined 内閣総理大臣その他の国務大臣は文民でなければならず、自衛隊の最高指揮監督権は内閣総理大臣にあるという原則である)
- 国際連合の集団安全保障の実際に関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア 1950 年の朝鮮戦争で組織された「国連軍」は、憲章 43 条の特別協定にもとづく国連軍であり、国連事務総長の指揮のもとで行動した イ 1950 年の「平和のための結集決議」により、安全保障理事会が拒否権で機能しないときは国連総会が拘束力のある強制措置を決定できることになった ウ 憲章 43 条の特別協定が一度も結ばれていないため、実際の武力行使は安全保障理事会が加盟国に武力行使を許可する形で行われており、1991 年の湾岸戦争の多国籍軍は安保理決議 678 にもとづき参加国の指揮のもとで行動した エ 憲章 43 条の特別協定にもとづいて常設の国連軍が組織されており、1991 年の湾岸戦争では安保理決議 678 にもとづき安全保障理事会の指揮のもとで国連軍がイラクをクウェートから撤退させ、以後も国連軍が強制措置を担っている undefined 冷戦期には米ソが拒否権を行使することがなかったため、安全保障理事会の集団安全保障は憲章の想定どおりに機能した)
- 国連平和維持活動(PKO)と多国籍軍の違いに関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア 冷戦後の PKO は停戦監視に任務を限定する傾向を強め、選挙や行政の支援を担うことはなくなった イ PKO は憲章第 7 章の強制措置として当事者の同意なしに展開し任務達成のための武力を行使するのに対し、多国籍軍は憲章第 6 章にもとづき当事者の同意を得て国連の指揮のもとで停戦監視のみを行い、武器の使用は自衛のための必要最小限にとどまる点で異なる ウ PKO も多国籍軍も国連事務総長の指揮のもとで行動する点は共通しており、違いは PKO が総会の決議で、多国籍軍が安全保障理事会の決議で設置される点にある エ PKO は憲章に明文の規定がなく「6 章半」の活動と呼ばれ、当事者の同意を得て国連の指揮のもとで展開し武器使用は自衛など必要最小限にとどまるのに対し、多国籍軍は安全保障理事会の許可にもとづき参加国の指揮のもとで任務達成のための武力を行使する undefined 1956 年のスエズ危機で派遣された第一次国連緊急軍(UNEF)は最初の多国籍軍であり、1991 年の湾岸戦争で派遣された部隊は最初の本格的な PKO である)
- 日本の PKO 参加に関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア 1991 年の湾岸戦争で日本が資金協力にとどまり人的貢献がないと批判されたことを機に、1992 年に PKO 協力法が成立し、同年カンボジアの UNTAC に自衛隊が初めて派遣された イ PKO 協力法にもとづく自衛隊の派遣には国会の関与が一切なく、内閣総理大臣の判断だけで決定される ウ PKO 参加 5 原則により、日本の自衛隊は紛争当事者間の停戦合意がなくても、受入国の同意さえあれば PKO に参加できるとされている エ 2015 年の平和安全法制による PKO 協力法の改正で、自衛隊は PKO において任務達成のために武力を行使することが全面的に認められた undefined 1991 年の湾岸戦争に際して自衛隊が多国籍軍に参加したことを機に、1992 年に PKO 協力法が成立し、同年カンボジアの UNTAC に自衛隊が派遣されて、任務達成のための武力行使が初めて認められた)
- 核軍縮に関する条約と日本の立場についての記述として妥当なものはどれですか。 (ア 日本は NPT に加入していないが、CTBT と核兵器禁止条約はいずれも批准しており、核兵器国に核軍縮を求める立場をとっている イ 日本は NPT を 1976 年に批准し、2021 年に発効した核兵器禁止条約についても唯一の戦争被爆国として採択を主導し、発効と同時に批准して締約国会議の議長国を務めたが、CTBT は批准していない ウ CTBT は 1996 年に採択され、必要な国の批准がそろって発効したため、地下核実験を含むすべての核実験が国際法上禁止されている エ NPT は核兵器国を 5 か国に限定する条約であり、インド・パキスタン・イスラエルも NPT に加入したうえで核兵器を保有している undefined 日本は NPT を 1976 年に批准し CTBT も批准しているが、2021 年に発効した核兵器禁止条約には、核兵器国が参加していないことや米国の核抑止に依存していることを理由に署名・批准していない)
- 国際司法裁判所(ICJ)と国際刑事裁判所(ICC)に関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア ICJ は国連の主要機関で重大犯罪を犯した個人を裁くのに対し、ICC はローマ規程にもとづく条約上の機関で国家間の紛争を裁き、当事国双方の同意がなければ管轄権をもたず、国内裁判所が裁けないときに補う補完性の原則をとる イ ICJ は一方の当事国の申立てだけで裁判を開始することができるため、日本が竹島問題を付託すれば韓国の同意がなくても裁判が行われる ウ ICC の管轄は締約国の国内裁判所に優先するため、締約国は自国民が犯した戦争犯罪を自国の裁判所で裁くことができない エ ICJ も ICC もハーグに置かれた国連の主要機関であり、米・中・露を含むすべての国連加盟国がその管轄を受け入れている undefined ICJ は国連の主要機関で国家間の紛争を裁き当事国双方の同意がなければ管轄権をもたないのに対し、ICC はローマ規程にもとづく条約上の機関で重大犯罪を犯した個人を裁き、国内裁判所が裁けないときに補う補完性の原則をとる)
- 国際人道法と難民条約に関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア ジュネーヴ諸条約の重大な違反は戦争犯罪として国際司法裁判所(ICJ)の管轄に属し、ICJ が個人を裁く イ 日本は難民条約に 1951 年の採択と同時に加入し、これに合わせて国民年金などの国籍要件を撤廃した ウ 国際人道法は戦争そのものの是非ではなく戦争のやり方を規制する法で、1949 年のジュネーヴ諸条約が中心であり、難民条約は迫害のおそれのある国へ難民を送り返してはならないというノン・ルフールマン原則を定め、日本は 1981 年に加入した エ 国際人道法は戦争そのものを違法とする法で、1949 年のジュネーヴ諸条約が中心であり、難民条約は迫害のおそれの有無にかかわらず難民の受入れを各国の義務としているため、日本は 2026 年 9 月時点でも難民条約に加入しておらず、UNHCR にも拠出していない undefined 難民条約は経済的な理由で国を離れた人や国内にとどまったまま避難している国内避難民も難民と定義しており、UNHCR がその保護を担っている)
発展
- 核兵器以外の兵器に関する条約についての記述として妥当なものはどれですか。 (ア 対人地雷禁止条約(1997 年採択)とクラスター弾に関する条約(2008 年採択)は、いずれも国連安全保障理事会が条約づくりを主導し、日本のほか米・露・中を含む主要な軍事大国がすべて参加しているという共通点がある イ 生物兵器禁止条約(1975 年発効)は、化学兵器禁止条約と同様に条約違反を検証する国際機関を備えており、実効性が高いと評価されている ウ 対人地雷禁止条約(1997 年採択)とクラスター弾に関する条約(2008 年採択)は、いずれも NGO が条約づくりを主導し、日本は締約国だが米・露・中は参加していないという共通点がある エ 対人地雷禁止条約は対人地雷の使用を禁止するが、生産と貯蔵は認めており、日本は保有する地雷の廃棄を行っていない undefined 化学兵器禁止条約(1997 年発効)は化学兵器の開発・生産・貯蔵・使用を禁止するが、既存の化学兵器の廃棄は義務づけておらず、検証を行う国際機関も置かれていない)
- 条約の成立と効力に関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア 強行規範(ユス・コーゲンス)に反する条約であっても、当事国が合意している限り有効であるとするのが条約法に関するウィーン条約の立場である イ 条約は「条約」という名称をもつ文書に限られ、憲章・規約・協定・議定書などの名称の文書は国際法上の条約にはあたらない ウ 条約は署名の時点で当事国を拘束するものであり、批准や発効の手続きは形式的なものにすぎないため、CTBT は 1996 年の採択と同時に効力を生じ、地下核実験を含むすべての核実験が禁止されている エ 条約は署名ののち各国の国内手続きを経て批准され、所定の数の批准がそろって発効するものであり、署名しただけでは当事国は条約に拘束されず、CTBT が採択から長く発効していないのはこのためである undefined 条約法に関するウィーン条約は、国内法と条約が矛盾する場合には国内法が優先し、国内法を理由に条約の不履行を正当化できると定めている)
- 2015 年の平和安全法制に関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア PKO 協力法の改正により、離れた場所の他国の要員などを助けに行く駆け付け警護が認められ、あわせて PKO 参加 5 原則の停戦合意の要件が廃止された イ 日本と密接な関係にある他国への武力攻撃により日本の存立が脅かされる存立危機事態において、他に適当な手段がなく必要最小限度の実力行使にとどまるという新三要件のもとで、限定的な集団的自衛権の行使が認められた ウ 周辺事態法は重要影響事態法に改正されたが、自衛隊が後方支援を行える地理的範囲は引き続き日本周辺に限定された エ 国連の集団安全保障措置として安全保障理事会の決議があれば、自衛隊が武力を行使して他国軍とともに侵略国を制裁することが認められた undefined 日本と密接な関係にある他国への武力攻撃が発生した場合には、日本の存立が脅かされるかどうかにかかわらず集団的自衛権を全面的に行使できることが認められ、国連の集団安全保障措置としての武力行使も可能になった)
- 2022 年 12 月に改定された安全保障関連 3 文書に関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア 国家安全保障戦略・国家防衛戦略・防衛力整備計画の 3 文書で、相手のミサイル発射基地などをたたく反撃能力の保有を明記し、防衛関係費を 2027 年度に GDP 比 2% の水準とすることを目標としたが、専守防衛の考え方は変えないとしている イ 防衛計画の大綱・中期防衛力整備計画・日米防衛協力のための指針の 3 文書で、防衛関係費を GNP 比 1% 以内に抑える方針を復活させた ウ 3 文書の改定により非核三原則が見直され、米国の核兵器の国内への持ち込みを認めることが明記された エ 国家安全保障戦略・国家防衛戦略・防衛力整備計画の 3 文書で、反撃能力の保有を明記し、これにより専守防衛の方針を正式に放棄して先制攻撃を認め、防衛関係費を 2027 年度に GDP 比 1% 以内に抑える方針をあわせて定めた undefined 国家安全保障戦略は 2022 年に初めて策定されたもので、それまで日本には外交・防衛の基本方針を示す文書が存在しなかった)
- NPT 体制と IAEA に関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア NPT は核不拡散・核軍縮・原子力の平和利用を 3 本柱とし、非核兵器国は IAEA と保障措置協定を結んで査察を受ける義務を負い、核兵器国は 6 条で核軍縮交渉の義務を負っており、1995 年の再検討・延長会議で無期限に延長された イ NPT の核兵器国は米・英・仏・露・中の 5 か国であり、これらの国は 6 条により一定の期限までに核兵器をすべて廃棄する義務を負っている ウ IAEA は国連の専門機関の 1 つで、原子力の平和利用を促進するとともに、NPT の締約国であるかどうかにかかわらずすべての国に対して強制的な査察を行う権限をもつ エ NPT は核不拡散・核軍縮・原子力の平和利用を 3 本柱とし、核兵器国を含むすべての締約国が IAEA の査察を同じ条件で受ける義務を負っており、25 年の期限を迎えた 1995 年の再検討・延長会議で延長されずに失効し、核兵器国に核軍縮交渉の義務も課されていない undefined 北朝鮮は NPT に一度も加入したことがなく、インド・パキスタン・イスラエルは NPT に加入したうえで核兵器を保有している)
安全保障と軍縮・国際法(集団安全保障・核軍縮・PKO・国際裁判) ── 解答
基礎
- エ 特定の国が突出しないように各国が同盟を組みかえて力をつり合わせ、戦争を抑える仕組みで、あらかじめ敵を想定する点に特徴があり、19 世紀のヨーロッパで典型的に見られた 特定の国が突出しないように各国が同盟を組みかえて力をつり合わせ、戦争を抑える仕組みで、あらかじめ敵を想定する点に特徴があり、19 世紀のヨーロッパで典型的に見られた。勢力均衡(敵を想定・同盟の組みかえ)/集団安全保障(敵を想定しない・国連)/集団的自衛権(51 条・NATO)/PKO(6 章半・同意と中立)/多国籍軍(安保理の許可・参加国の指揮)。
- ウ 2007 年 日本が国際刑事裁判所(ICC)のローマ規程に加入したのは何年ですか。── 2007 年。海は 12・24・200、日本の防衛は 51・60・67・92・2015・2022、核は NPT 1970・INF 失効 2019・核兵器禁止条約 2021。
- イ 憲章 2 条 4 項は加盟国に武力による威嚇または武力の行使を慎むよう求めており、武力行使が正当化されるのは、原則として第 7 章にもとづく安全保障理事会の強制措置と、51 条の自衛権の行使の 2 つの場合である 2 条 4 項=武力不行使原則。第 6 章=平和的解決(勧告)、第 7 章=強制措置(41 条非軍事・42 条軍事)。51 条は個別的・集団的自衛権の両方を明文で認める。43 条の特別協定は結ばれておらず国連軍は存在しない。
- ア 領海は基線から 12 海里までで沿岸国の主権が及ぶが外国船の無害通航権が認められ、排他的経済水域は 200 海里までで沿岸国は天然資源についての主権的権利をもつが、航行や上空飛行は自由である 12 海里(領海・主権・無害通航権)、24 海里(接続水域)、200 海里(EEZ・資源の主権的権利・航行は自由)。海洋法条約は 1982 年採択・1994 年発効・日本は 1996 年批准。
- ウ 1951 年にサンフランシスコ平和条約と同じ日に結ばれた旧安保条約は米軍の駐留を認めたが米国の日本防衛義務を明記しておらず、1960 年の新安保条約 5 条で日本の施政下の領域への武力攻撃に共同で対処することが定められた 旧安保(1951 年)=駐留のみ。新安保(1960 年)=5 条 共同対処(日本の施政下の領域に限る)・6 条 基地提供・事前協議制。米本土への攻撃に日本が共同対処する義務はない。
標準
- ウ 1987 年に米ソが署名し、射程 500〜5,500 km の地上発射ミサイルを全廃することを定めた条約で、米国がロシアの条約違反を理由に離脱を通告し、2019 年に失効した 1987 年に米ソが署名し、射程 500〜5,500 km の地上発射ミサイルを全廃することを定めた条約で、米国がロシアの条約違反を理由に離脱を通告し、2019 年に失効した。NPT(1970 年発効・5 か国・IAEA・軍縮義務)/CTBT(1996 年・未発効)/核兵器禁止条約(2021 年発効・日本不参加)/INF(1987 年・2019 年失効)/新 START(2010 年・2026 年 2 月失効)/化学兵器禁止条約(1997 年発効・OPCW)/対人地雷禁止条約(1997 年・NGO 主導)。
- エ 国家の要件は領域・住民・実効的な政府であり、他国による承認はすでに成立した国家の存在を確認する行為にすぎないとする宣言的効果説が通説である 国家の要件は領域・住民・実効的な政府であり、他国による承認はすでに成立した国家の存在を確認する行為にすぎないとする宣言的効果説が通説である。条約=当事国のみ/慣習法=すべての国。国家承認=宣言的効果説。主権免除=制限免除主義。外交関係条約(1961 年)=不可侵・ペルソナ・ノン・グラータ。条約法条約(1969 年)=合意は守られなければならない。難民条約=ノン・ルフールマン・日本 1981 年加入。
- エ 相手から武力攻撃を受けたときに初めて防衛力を行使し、その態様も自衛のための必要最小限にとどめ、保持する防衛力も必要最小限のものに限るという受動的な防衛戦略の姿勢である 相手から武力攻撃を受けたときに初めて防衛力を行使し、その態様も自衛のための必要最小限にとどめ、保持する防衛力も必要最小限のものに限るという受動的な防衛戦略の姿勢である。ICJ =国家・同意・国連の機関/ICC =個人・補完性・条約の機関。専守防衛=受動的。存立危機事態=限定的な集団的自衛権(2015 年)。非核三原則=1967 年表明・1971 年国会決議。PKO 参加 5 原則=停戦合意・同意・中立・撤収・必要最小限。
- ウ 憲章 43 条の特別協定が一度も結ばれていないため、実際の武力行使は安全保障理事会が加盟国に武力行使を許可する形で行われており、1991 年の湾岸戦争の多国籍軍は安保理決議 678 にもとづき参加国の指揮のもとで行動した 43 条の特別協定は未締結。湾岸戦争は安保理決議 678(1990 年)による武力行使の許可で、指揮は参加国。朝鮮戦争の「国連軍」も 43 条の国連軍ではない。平和のための結集決議(1950 年)は総会の勧告であり拘束力はない。冷戦期は拒否権で安保理がしばしば機能しなかった。
- エ PKO は憲章に明文の規定がなく「6 章半」の活動と呼ばれ、当事者の同意を得て国連の指揮のもとで展開し武器使用は自衛など必要最小限にとどまるのに対し、多国籍軍は安全保障理事会の許可にもとづき参加国の指揮のもとで任務達成のための武力を行使する PKO =6 章半・同意・中立・国連の指揮・自衛のための武器使用。多国籍軍=安保理の許可・参加国の指揮・任務達成のための武力行使。UNEF(1956 年)は PKO の始まり。冷戦後は選挙・行政・復興を担う複合型 PKO(UNTAC など)が増えた。
- ア 1991 年の湾岸戦争で日本が資金協力にとどまり人的貢献がないと批判されたことを機に、1992 年に PKO 協力法が成立し、同年カンボジアの UNTAC に自衛隊が初めて派遣された 湾岸戦争では資金協力のみ(戦後の掃海部隊派遣は PKO ではない)。1992 年 PKO 協力法・カンボジア UNTAC。参加 5 原則の第 1 は停戦合意。2015 年改正で認められたのは駆け付け警護とそれに伴う武器使用であり、任務達成のための武力行使ではない。部隊の派遣には国会承認の手続きがある。
- undefined 日本は NPT を 1976 年に批准し CTBT も批准しているが、2021 年に発効した核兵器禁止条約には、核兵器国が参加していないことや米国の核抑止に依存していることを理由に署名・批准していない 日本=NPT ○(1976 年批准)・CTBT ○(1997 年批准)・核兵器禁止条約 ×。インド・パキスタン・イスラエルは NPT 未加入。CTBT は未発効。
- undefined ICJ は国連の主要機関で国家間の紛争を裁き当事国双方の同意がなければ管轄権をもたないのに対し、ICC はローマ規程にもとづく条約上の機関で重大犯罪を犯した個人を裁き、国内裁判所が裁けないときに補う補完性の原則をとる ICJ =国家・双方の同意・国連の主要機関(判決に従わなければ安保理へ)。ICC =個人・補完性の原則・条約上の機関(日本 2007 年加入・米中露は非締約国)。
- ウ 国際人道法は戦争そのものの是非ではなく戦争のやり方を規制する法で、1949 年のジュネーヴ諸条約が中心であり、難民条約は迫害のおそれのある国へ難民を送り返してはならないというノン・ルフールマン原則を定め、日本は 1981 年に加入した 国際人道法=戦争のやり方の規制(ジュネーヴ諸条約 1949 年・追加議定書 1977 年)。難民条約(1951 年)=迫害のおそれ・ノン・ルフールマン・日本 1981 年加入。国内避難民は条約上の難民ではない。戦争犯罪の個人は ICC が裁く。
発展
- ウ 対人地雷禁止条約(1997 年採択)とクラスター弾に関する条約(2008 年採択)は、いずれも NGO が条約づくりを主導し、日本は締約国だが米・露・中は参加していないという共通点がある 対人地雷(オタワ条約 1997 年・1999 年発効)・クラスター弾(オスロ条約 2008 年・2010 年発効)=NGO 主導・米露中不参加。化学兵器禁止条約=廃棄義務・OPCW が検証。生物兵器禁止条約=検証制度なし。対人地雷禁止条約は使用・生産・貯蔵を禁止し廃棄を義務づける。
- エ 条約は署名ののち各国の国内手続きを経て批准され、所定の数の批准がそろって発効するものであり、署名しただけでは当事国は条約に拘束されず、CTBT が採択から長く発効していないのはこのためである 署名 → 批准 → 発効。条約法条約(1969 年)=合意は守られなければならない(26 条)・国内法を理由に不履行を正当化できない(27 条)・強行規範に反する条約は無効(53 条)。名称は問わない。
- イ 日本と密接な関係にある他国への武力攻撃により日本の存立が脅かされる存立危機事態において、他に適当な手段がなく必要最小限度の実力行使にとどまるという新三要件のもとで、限定的な集団的自衛権の行使が認められた 新三要件=存立危機事態・他に手段なし・必要最小限度。集団的自衛権は限定的容認。集団安全保障としての武力行使は認めていない。重要影響事態法で地理的制約は撤廃。駆け付け警護は認められたが参加 5 原則は維持。
- ア 国家安全保障戦略・国家防衛戦略・防衛力整備計画の 3 文書で、相手のミサイル発射基地などをたたく反撃能力の保有を明記し、防衛関係費を 2027 年度に GDP 比 2% の水準とすることを目標としたが、専守防衛の考え方は変えないとしている 3 文書=国家安全保障戦略(2013 年策定・2022 年改定)・国家防衛戦略(旧 防衛計画の大綱)・防衛力整備計画(旧 中期防)。反撃能力の保有・GDP 比 2%(2027 年度)。専守防衛と非核三原則は維持。
- ア NPT は核不拡散・核軍縮・原子力の平和利用を 3 本柱とし、非核兵器国は IAEA と保障措置協定を結んで査察を受ける義務を負い、核兵器国は 6 条で核軍縮交渉の義務を負っており、1995 年の再検討・延長会議で無期限に延長された NPT =3 本柱・非核兵器国に保障措置義務・核兵器国に軍縮交渉義務(6 条。廃棄期限はない)・1995 年無期限延長。IAEA は国連の関連機関(専門機関ではない)。北朝鮮は加入後 2003 年に脱退宣言。インド・パキスタン・イスラエルは未加入。
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