国際政治の理論(リアリズム・リベラリズム) ── 問題
基礎
- 国際政治の理論について、ウォルツの学説の説明として妥当なものはどれですか。 (ア 世界を中核・半周辺・周辺の分業体制として捉え、周辺の富が中核に吸い上げられる構造を論じた イ 『国際政治の理論』で、国家の指導者の性格や国内の体制が国家の行動を決めるとし、大国が多数ある多極システムのほうが二極より安定するとした ウ 国家の利益やアナーキーの意味は固定されたものではなく、国家間の相互作用の中で社会的に構成されるとした エ 『国際政治の理論』で、国家の内部ではなくアナーキーと能力の分布という国際システムの構造が国家の行動を決めるとし、大国が 2 つの二極システムのほうが多極より安定するとした undefined 『国際政治』で、政治の本質は権力をめぐる闘争であり、その根拠は人間の本性にあるとして、平和は勢力均衡と外交によって保たれるとした)
- 冷戦終結後に「歴史の終わり」を論じた学者は誰ですか。 (ア ローズクランス イ フクヤマ ウ ギルピン エ ハンチントン undefined ナイ)
- 国際政治におけるアナーキーとウェストファリア体制に関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア 国際政治におけるアナーキーとは、主権国家の上に立つ世界政府が存在しない状態を指し、無秩序という意味ではない イ 国際政治におけるアナーキーとは、国際社会が無秩序で戦争が絶えない状態を指し、国際連合の成立によってアナーキーは解消されたとされる ウ リアリズムはアナーキーのもとでも制度によって協調が可能だと考え、リベラリズムは自助しかないと考える エ ウェストファリア体制のもとでは、各国の主権は国際機構によって制限され、内政干渉が原則として認められる undefined ウェストファリア体制とは、第一次世界大戦後に国際連盟の設立によって成立した集団安全保障の体制を指す)
- リアリズムとリベラリズムの対比に関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア リアリズムは民主主義の広がりが平和をもたらすと考えるのに対し、リベラリズムは民主主義と平和には関係がないと考える イ リアリズムの代表的な論者はコヘインとナイであり、リベラリズムの代表的な論者はモーゲンソーとウォルツである ウ リアリズムは国際機構や多国籍企業など多様な行為者を重視し、制度によって協調が可能だと考えるのに対し、リベラリズムは国家だけを主役とし、平和は勢力均衡によって保たれると考える エ リアリズムは合理的な国家を主役とし平和は勢力均衡で保たれると考えるのに対し、リベラリズムは国際機構や多国籍企業も行為者に含め、制度や相互依存による協調が可能だと考える undefined リアリズムもリベラリズムも、国家の利益やアナーキーの意味は国家間の相互作用の中で社会的に構成されると考える点で共通する)
- 国際政治の理論における人名・学説・著書の組み合わせとして妥当なものはどれですか。 (ア ブル ── 世界システム論・中核と半周辺と周辺 ── 『国際社会論』 イ モーゲンソー ── 複合的相互依存・敏感性と脆弱性 ── 『国際政治 ── 権力と平和』 ウ コヘイン ── 攻撃的リアリズム・国家は覇権をめざす ── 『覇権後の国際政治経済学』 エ ウォルツ ── ネオリアリズム(構造的リアリズム)・二極安定論 ── 『国際政治の理論』 undefined ミアシャイマー ── 覇権安定論・覇権国が国際公共財を提供 ── 『大国政治の悲劇』)
標準
- 国際政治の概念について、「民主的平和論」の説明として妥当なものはどれですか。 (ア 圧倒的な力をもつ覇権国が国際公共財を提供するときに国際秩序は安定するという議論である イ 民主主義国は非民主主義国よりも好戦的であるという経験的な傾向を、世論の熱狂が開戦を後押しすることから説明する議論である ウ 郵便・保健などの政治性の低い分野で国際協力を積み重ねると平和につながるという議論である エ 民主主義国どうしは戦争をしないという経験的な傾向を、互いを正統と認めあうことや開戦に議会や世論の同意が必要なことから説明する議論で、カントの『永遠平和のために』にさかのぼる undefined 民主主義国はいかなる体制の国とも戦争をしないという経験的な傾向を、民主主義国が軍事力をもたないことから説明する議論である)
- 安全保障の仕組みについて、勢力均衡(バランス・オブ・パワー)の説明として妥当なものはどれですか。 (ア 特定の国々が外部からの攻撃に共同で対処すると約束する仕組みで、北大西洋条約機構がその例である イ 対立する国も含めて 1 つの組織に入り、侵略が起きたら全加盟国で共同して制裁する仕組みで、敵をあらかじめ想定しない点に特徴があり、国際連盟で初めて採用された ウ 圧倒的な力をもつ 1 つの国が国際公共財を提供することで秩序を保つ仕組みで、第二次世界大戦後のアメリカが例とされる エ 特定の国が突出しないように各国が同盟を固定して力をつり合わせる仕組みで、同盟の組みかえは認められない undefined 特定の国が突出しないように各国が同盟を組みかえて力をつり合わせ、戦争を抑える仕組みで、19 世紀のヨーロッパで典型的に見られた)
- 古典的リアリズムとネオリアリズムの違いに関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア ネオリアリズムは、国家の指導者の性格や国内の政治体制が国家の対外行動を決めると考え、システムのレベルでの説明を否定した イ モーゲンソーの古典的リアリズムが国際システムの構造から国家の行動を説明したのに対し、ウォルツのネオリアリズムは権力政治の根拠を人間の本性に求めた ウ 古典的リアリズムは制度や相互依存によって国家間の協調が可能だと考え、ネオリアリズムはこれを否定して自助を強調した エ ネオリアリズムは、大国が多数存在する多極システムのほうが二極システムより安定すると論じ、冷戦の終結を歓迎した undefined モーゲンソーが権力政治の根拠を人間の本性に求めたのに対し、ウォルツはアナーキーと能力の分布という国際システムの構造から国家の行動を説明した)
- ネオリベラル制度論に関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア ネオリベラル制度論は、アナーキーという前提そのものを否定し、国際機構が世界政府として国家を強制できると考える立場である イ コヘインは『覇権後の国際政治経済学』で、覇権国が衰えても国際レジームが情報を提供し取引費用を下げることで協調が続くとした ウ ネオリベラル制度論は、国家の利益やアイデンティティが国家間の相互作用の中で社会的に構成されると考える点で、コンストラクティヴィズムと同じ立場である エ コヘインは『覇権後の国際政治経済学』で、覇権国が衰えれば国際レジームも直ちに崩壊するため、協調を続けるには新たな覇権国の出現が不可欠だとした undefined 国際レジームとは常設の事務局をもつ国際機構のことであり、機構が存在しない分野には国際レジームは成立しないとされる)
- 相互依存論に関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア 相互依存論は、相互依存が深まった国どうしでは利害の対立が生じないため、国際レジームによる調整は不要になるとした イ 複合的相互依存のもとでは、国家だけが唯一の行為者となり、多国籍企業や NGO の役割は消滅するとされる ウ 相互依存論はリアリズムの一種であり、相互依存を国力の一要素として勢力均衡に組み込むことを主張した エ コヘインとナイは、相互依存が深まると国家は他国への依存を減らすために軍事力を強化するため、軍事が常に最優先の争点になるとした undefined コヘインとナイは、相互依存を、相手の変化が自国に影響する速さである敏感性と、代替のきかなさである脆弱性の 2 つの側面から捉えた)
- 民主的平和論に関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア 民主主義国はいかなる体制の国とも戦争をしないという経験的な傾向を説明する議論で、民主主義国が軍備を放棄していることが理由としてあげられる イ 民主主義国どうしは戦争をしないという傾向を説明する議論で、互いを正統と認めあうことや開戦に議会や世論の同意が必要なことなどが理由とされる ウ 民主的平和論はモーゲンソーが唱えたもので、民主主義国どうしの平和は勢力均衡が働いた結果にすぎないとする エ 民主的平和論はホッブズの『リヴァイアサン』にさかのぼる議論で、強力な世界国家の樹立によってのみ平和が実現するとする undefined 民主主義国は非民主主義国より戦争を起こしやすいという経験的な傾向を説明する議論で、世論の熱狂が開戦を後押しすることが理由としてあげられる)
- 冷戦後の国際政治に関する議論の記述として妥当なものはどれですか。 (ア ウォーラーステインは、冷戦の終結によって中核・半周辺・周辺という世界システムの構造は解消されたと論じた イ ハンチントンは『文明の衝突』で、冷戦後の対立は文明の断層線に沿って生じると論じ、フクヤマは「歴史の終わり」で自由民主主義の最終的な勝利を論じた ウ ナイは、軍事力や経済力によるソフト・パワーに対し、文化や価値観の魅力によるハード・パワーの重要性を説いた エ ローズクランスは『貿易国家の興隆』で、冷戦後は領土の拡張によって繁栄をめざす国家が主流になると論じた undefined フクヤマは『文明の衝突』で、冷戦後の対立軸は文明の断層線に沿って生じると論じ、ハンチントンは「歴史の終わり」で自由民主主義の勝利を論じた)
- 著書 『危機の二十年』(1939 年) の著者と、そこで示された学説の組み合わせとして妥当なものはどれですか。 (ア ウォルツ ── 国際システムの構造・二極安定論 イ カー ── 戦間期のユートピアニズム批判・国際政治を動かすのは権力 ウ ミトラニー ── 機能主義 エ モーゲンソー ── 人間の本性に根ざす権力闘争・国益・勢力均衡と外交 undefined ブル ── 国際社会)
- 覇権と国際秩序をめぐる議論に関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア キンドルバーガーやギルピンの覇権安定論は、覇権国の存在が他国の反発と対抗同盟を招いて秩序を不安定にするとし、コヘインは秩序の維持には新たな覇権国の出現が欠かせないと論じた イ ギルピンは、覇権国の交代は経済力の移動にともなって常に平和的に進み、覇権の衰退が戦争につながることはないと論じた ウ 覇権安定論はウォルツが二極安定論の一部として唱えたもので、大国が 2 つ並び立つ状態を覇権と呼び、この状態が最も安定するとした エ キンドルバーガーやギルピンの覇権安定論は、覇権国が国際公共財を提供するとき秩序が安定するとし、コヘインは覇権の衰退後も国際レジームで協調が続きうると論じた undefined 覇権安定論では、国際公共財は覇権国以外の国も進んで提供するので、覇権国が衰えても公共財の供給は減らないとされる)
- 国際連盟・国際連合・NATO の安全保障の仕組みに関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア 国際連合の集団安全保障では、侵略に対する制裁は総会の過半数の議決で決まり、安全保障理事会の常任理事国には拒否権が認められていない イ 国際連合憲章第 51 条は加盟国の個別的および集団的自衛の権利を認めており、NATO はこの集団的自衛権に基づく同盟であって、安全保障理事会が制裁を決める国際連合の集団安全保障とは区別される ウ NATO は 1949 年に設立された集団安全保障の機構で、敵をあらかじめ想定せず加盟国どうしの紛争に全加盟国で制裁を加える仕組みをとっている エ 集団安全保障は特定の敵国をあらかじめ想定して同盟を組む仕組みであり、勢力均衡と同じく敵の側に立つ国は組織に含まれない undefined 国際連盟は提唱国であるアメリカが加盟して運営の中心となり、侵略国に対して理事会が全加盟国による軍事制裁を義務づけたため、1930 年代の侵略を抑えることができた)
発展
- リアリズムの内部の立場の違いに関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア ミアシャイマーの攻撃的リアリズムは、国家はできる限り力を大きくして覇権をめざすと考えるのに対し、ウォルツらの防御的リアリズムは、国家は生き残りに必要な程度の力を求めるにとどまると考える イ 安全保障のジレンマは、国家が互いの意図を完全に把握できる場合に生じる現象であり、アナーキーとは関係がないとされる ウ 攻撃的リアリズムと防御的リアリズムはいずれも、国家の利益が国家間の相互作用の中で社会的に構成されると考える点で一致する エ ミアシャイマーの攻撃的リアリズムは、国家は生き残りに必要な程度の力を求めるにとどまると考えるのに対し、ウォルツらの防御的リアリズムは、国家はできる限り力を大きくして覇権をめざすと考える undefined 覇権安定論は、覇権国の存在が国際秩序を不安定にするため、覇権国の出現を防ぐ勢力均衡が必要だと論じる立場である)
- 機能主義・新機能主義とヨーロッパ統合に関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア ミトラニーの機能主義は、安全保障や外交など政治性の高い分野から統合を始めなければ協力は広がらないとし、ハースの新機能主義はこれを否定して経済分野からの統合を主張した イ ハースの新機能主義は、ある分野の統合が失敗すると関連分野の協力も崩れるスピルオーバーによって、ヨーロッパ統合はいずれ後退すると予測した ウ ミトラニーの機能主義は、政治性の低い分野の国際協力を積み重ねれば協力が広がり平和につながるとし、ハースの新機能主義は、スピルオーバーによってヨーロッパ統合が進むとした エ 機能主義と新機能主義はいずれもリアリズムに属し、ヨーロッパ統合を大国の勢力均衡の結果として説明した undefined 新機能主義は、統合は各国政府の政治的な決断だけで進むとし、経済的な相互依存や利益集団の役割を否定した)
- コンストラクティヴィズムと英国学派に関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア コンストラクティヴィズムと英国学派はいずれもマルクス主義の系譜に属し、世界を中核と周辺の分業体制として捉える イ ウェントのコンストラクティヴィズムは、アナーキーの意味は物質的な力の分布によって一義的に決まるとし、規範やアイデンティティが国家の行動に影響することを否定した ウ ウェントは、国家の利益やアナーキーの意味は相互作用の中で社会的に構成されるとし、ブルの英国学派は、アナーキーでも国家は共通のルールと制度で国際社会を形づくるとした エ ブルの英国学派は、アナーキーのもとでは国家間に共通のルールは存在しえないため、国際社会という概念そのものを否定した undefined コンストラクティヴィズムは、国家間の協調は国際レジームによる取引費用の低減によってのみ可能だとする点で、ネオリベラル制度論と同じ立場である)
- 国際協調をめぐるゲーム理論的な説明に関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア アクセルロッドは、ゲームが 1 回限りである場合にこそ協調が生まれやすく、繰り返されるほど裏切りが増えると論じた イ 囚人のジレンマでは、互いに協調することが各国にとって常に最も有利な選択なので、相手の出方にかかわらず協調が自然に達成されるとされる ウ ネオリベラル制度論は、制度がゲームの繰り返しを保証するという説明を退け、国家間の協調は覇権国の強制によってのみ成り立つと論じた エ 繰り返しのない囚人のジレンマでは双方が裏切る結果になるが、アクセルロッドはゲームが繰り返されれば「しっぺ返し」の戦略で協調が生まれうることを示した undefined 安全保障のジレンマは、攻撃的な意図をもつ国どうしの間でだけ生じる現象で、防御を目的とした軍備の増強からは生じないとされる)
- 国際政治の理論に関する次の著作を、発表された年の古い順に正しく並べたものはどれですか。 ア:ウォルツ『国際政治の理論』 イ:カー『危機の二十年』 ウ:フクヤマ『歴史の終わり』 エ:モーゲンソー『国際政治 ── 権力と平和』 (ア イ → エ → ウ → ア イ エ → ア → イ → ウ ウ エ → イ → ア → ウ エ イ → ア → エ → ウ undefined イ → エ → ア → ウ)
国際政治の理論(リアリズム・リベラリズム) ── 解答
基礎
- エ 『国際政治の理論』で、国家の内部ではなくアナーキーと能力の分布という国際システムの構造が国家の行動を決めるとし、大国が 2 つの二極システムのほうが多極より安定するとした 『国際政治の理論』で、国家の内部ではなくアナーキーと能力の分布という国際システムの構造が国家の行動を決めるとし、大国が 2 つの二極システムのほうが多極より安定するとした。カー(批判)→ モーゲンソー(人間の本性)→ ウォルツ(構造)がリアリズムの系譜。コヘインとナイ=相互依存、ウェント=コンストラクティヴィズム、ウォーラーステイン=世界システム論。
- イ フクヤマ 冷戦終結後に「歴史の終わり」を論じた学者は誰ですか。── フクヤマ。
- ア 国際政治におけるアナーキーとは、主権国家の上に立つ世界政府が存在しない状態を指し、無秩序という意味ではない アナーキー=上位の権力がない(無秩序ではない)。ウェストファリア条約(1648 年)=主権国家体制の出発点(内政不干渉・主権平等)。自助はリアリズム、制度による協調はリベラリズム。
- エ リアリズムは合理的な国家を主役とし平和は勢力均衡で保たれると考えるのに対し、リベラリズムは国際機構や多国籍企業も行為者に含め、制度や相互依存による協調が可能だと考える リアリズム=国家・パワー・自助・勢力均衡(モーゲンソー・ウォルツ)。リベラリズム=多様な行為者・制度・相互依存・民主主義(コヘインとナイ・ドイル)。社会的構成はコンストラクティヴィズム。
- エ ウォルツ ── ネオリアリズム(構造的リアリズム)・二極安定論 ── 『国際政治の理論』 著書は合っていて学説だけ入れかえた肢を切る。モーゲンソー=古典的リアリズム(人間の本性・勢力均衡)、コヘイン=ネオリベラル制度論、ミアシャイマー=攻撃的リアリズム、ブル=英国学派の国際社会。複合的相互依存はコヘインとナイ、覇権安定論はキンドルバーガー・ギルピン、世界システム論はウォーラーステイン。
標準
- エ 民主主義国どうしは戦争をしないという経験的な傾向を、互いを正統と認めあうことや開戦に議会や世論の同意が必要なことから説明する議論で、カントの『永遠平和のために』にさかのぼる 民主主義国どうしは戦争をしないという経験的な傾向を、互いを正統と認めあうことや開戦に議会や世論の同意が必要なことから説明する議論で、カントの『永遠平和のために』にさかのぼる。安全保障のジレンマ(ハーツ)、覇権安定論(キンドルバーガー・ギルピン)、国際レジーム(クラズナーの定義・コヘイン)、民主的平和論(ドイル・ラセット)、スピルオーバー(ハース)、ソフト・パワー(ナイ)。
- undefined 特定の国が突出しないように各国が同盟を組みかえて力をつり合わせ、戦争を抑える仕組みで、19 世紀のヨーロッパで典型的に見られた 特定の国が突出しないように各国が同盟を組みかえて力をつり合わせ、戦争を抑える仕組みで、19 世紀のヨーロッパで典型的に見られた。勢力均衡(敵を想定・同盟の組みかえ)/集団安全保障(敵を想定しない・国連)/集団的自衛(敵を外に想定・NATO)。
- undefined モーゲンソーが権力政治の根拠を人間の本性に求めたのに対し、ウォルツはアナーキーと能力の分布という国際システムの構造から国家の行動を説明した モーゲンソー=人間の本性。ウォルツ=構造(アナーキー・能力の分布)・国内要因を捨象・二極安定論。
- イ コヘインは『覇権後の国際政治経済学』で、覇権国が衰えても国際レジームが情報を提供し取引費用を下げることで協調が続くとした コヘイン『覇権後』(1984 年)。国際レジーム(原則・規範・ルール・手続き)は覇権国なしでも協調を支える。アナーキーの前提は共有しつつ協調可能とする。
- undefined コヘインとナイは、相互依存を、相手の変化が自国に影響する速さである敏感性と、代替のきかなさである脆弱性の 2 つの側面から捉えた 『パワーと相互依存』(1977 年)。複合的相互依存=多様なチャンネル・争点の序列なし・軍事力の役割低下。敏感性と脆弱性。
- イ 民主主義国どうしは戦争をしないという傾向を説明する議論で、互いを正統と認めあうことや開戦に議会や世論の同意が必要なことなどが理由とされる 民主的平和論(ドイル・ラセット)=民主主義国「どうし」は戦争をしない。源流はカント『永遠平和のために』。
- イ ハンチントンは『文明の衝突』で、冷戦後の対立は文明の断層線に沿って生じると論じ、フクヤマは「歴史の終わり」で自由民主主義の最終的な勝利を論じた ハンチントン=文明の衝突、フクヤマ=歴史の終わり、ナイ=ソフト・パワー(文化・価値観の魅力)、ローズクランス=貿易国家(領土ではなく貿易)。
- イ カー ── 戦間期のユートピアニズム批判・国際政治を動かすのは権力 『危機の二十年』(1939 年)は カー ── 戦間期のユートピアニズム批判・国際政治を動かすのは権力。著書名を見たら著者と学説を一本の線で思い出す(zp-07 解説「覚え方の型」2)。
- エ キンドルバーガーやギルピンの覇権安定論は、覇権国が国際公共財を提供するとき秩序が安定するとし、コヘインは覇権の衰退後も国際レジームで協調が続きうると論じた 覇権安定論=覇権国が秩序を「支える」(19 世紀のイギリス・戦後のアメリカ)。コヘイン『覇権後』=覇権が衰えてもレジームで協調が続く。ウォルツの二極安定論は覇権とは別の議論で、ギルピンは覇権の交代が戦争(覇権戦争)を伴いうると論じた。国際公共財は他国がただ乗りしやすく、覇権国以外は進んで提供しない。
- イ 国際連合憲章第 51 条は加盟国の個別的および集団的自衛の権利を認めており、NATO はこの集団的自衛権に基づく同盟であって、安全保障理事会が制裁を決める国際連合の集団安全保障とは区別される 国連=集団安全保障(安保理が制裁を決める・常任理事国に拒否権)、NATO=集団的自衛(憲章 51 条・敵を外に想定)。国際連盟はアメリカが不参加で、制裁も経済制裁が中心だった。集団安全保障は対立する国も含めて 1 つの組織に入るのが特徴。
発展
- ア ミアシャイマーの攻撃的リアリズムは、国家はできる限り力を大きくして覇権をめざすと考えるのに対し、ウォルツらの防御的リアリズムは、国家は生き残りに必要な程度の力を求めるにとどまると考える 攻撃的(ミアシャイマー・覇権をめざす)/防御的(ウォルツ・必要な程度)。覇権安定論は覇権国が秩序を支える。安全保障のジレンマは意図が確かめられないアナーキーで生じる。
- ウ ミトラニーの機能主義は、政治性の低い分野の国際協力を積み重ねれば協力が広がり平和につながるとし、ハースの新機能主義は、スピルオーバーによってヨーロッパ統合が進むとした ミトラニー=機能主義(政治性の低い分野から)。ハース=新機能主義(スピルオーバー)。いずれもリベラリズムの系譜。
- ウ ウェントは、国家の利益やアナーキーの意味は相互作用の中で社会的に構成されるとし、ブルの英国学派は、アナーキーでも国家は共通のルールと制度で国際社会を形づくるとした ウェント=「アナーキーは国家がつくり出すもの」・規範とアイデンティティ。ブル『国際社会論』=アナーキーでも国際社会は存在。中核・周辺はウォーラーステイン。
- エ 繰り返しのない囚人のジレンマでは双方が裏切る結果になるが、アクセルロッドはゲームが繰り返されれば「しっぺ返し」の戦略で協調が生まれうることを示した 囚人のジレンマの解が「双方裏切り」になるのは 1 回限りのとき。繰り返しゲームでは将来の報復(しっぺ返し)が協調を支え、制度がその繰り返しと情報を保証する(コヘイン)。安全保障のジレンマは防御目的の軍拡でも起きる(意図が確かめられないため)。
- undefined イ → エ → ア → ウ カー『危機の二十年』(1939 年・戦間期)→ モーゲンソー『国際政治』(1948 年・戦後の古典的リアリズム)→ ウォルツ『国際政治の理論』(1979 年・ネオリアリズム)→ フクヤマ『歴史の終わり』(論文 1989 年・単行本 1992 年・冷戦終結後)。理論の系譜「カー → モーゲンソー → ウォルツ」の順がそのまま年代順になる。
受験のしらべ / https://juken-shirabe.com/koumuin/seiji/zp-07/test/ / 問題は毎回の表示で数が変わります。印刷したものはその一例です。
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