公務員制度 ── 問題
基礎
- 公務員制度の歴史について、資格任用制(メリット・システム)の説明として妥当なものはどれですか。 (ア 選挙に勝った政党が官職を支持者に分け与える仕組みで、民意の反映という理屈はあるが腐敗と非能率を招いた イ 公務員の構成が社会全体の構成を反映するように任用する仕組みで、女性や少数派の登用を重視する ウ 組織の職を職務の種類と責任の重さで分類し、それに合った人を配置する仕組みで、職務給と結びつく エ 試験などで能力を確かめて任用し、政治的な理由では罷免しない仕組みで、行政の専門性と継続性を高めた undefined 政権交代のたびに省庁の幹部を政治的に任命する仕組みで、政策と人事の一致を図る)
- 公務員の処分について、懲戒処分の種類の組み合わせとして正しいものはどれですか。 (ア 免職・停職・減給・戒告 イ 解雇・出勤停止・減給・注意 ウ 免職・休職・減給・戒告 エ 免職・降任・休職・降給 undefined 免職・停職・降任・訓告)
- 職階制に関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア 組織の職を職務の種類と責任の重さで分類し、それに合った人を採用・配置・給与づけする仕組みで、アメリカで発達し開放型の人事や職務給と結びつく イ 人の学歴や試験区分で採用し内部で昇進させていく仕組みで、イギリスや日本のキャリアシステムがこれにあたる ウ 日本では国家公務員法の制定以来実施されており、現在も国家公務員の人事管理の基本となっている エ 公務員の構成が社会全体の構成を反映するように任用する仕組みで、キングズレーが提唱した undefined 選挙に勝った政党が官職を支持者に分け与える仕組みで、アメリカのジャクソン大統領が本格化させた)
- 地方公務員の特別職に含まれないものはどれですか。 (ア 知事・市町村長 イ 副知事・副市町村長 ウ 教育委員会の委員 エ 地方議会の議員 undefined 市役所の一般事務職員)
標準
- 日本の公務員制度の機関について、公平委員会の説明として妥当なものはどれですか。 (ア 人事委員会を置かない市町村に置かれ、不利益処分の審査などを担うが、採用試験や給与勧告の権限はもたない イ 国と地方公共団体の間の紛争を処理するために総務省に置かれる機関 ウ 都道府県と政令指定都市に置かれ、地方公務員の給与勧告・採用試験・不利益処分の審査を担う エ 地方公共団体の首長の下に置かれ、職員の採用と昇進を決定する機関 undefined 内閣の所轄の下に置かれる合議制の機関で、国家公務員の不利益処分の審査を担う)
- 地方公営企業(水道局など)の職員の労働基本権について、法律上の取扱いとして妥当なものはどれですか。 (ア 団結権・団体交渉権・争議権のいずれも認められていない イ 団結権と団体交渉権は認められるが、労働協約の締結と争議行為は認められていない ウ 団結権・団体交渉権・争議権のすべてが認められている エ 団結権・団体交渉権・労働協約の締結は認められるが、争議行為は認められていない undefined 団結権のみ認められ、団体交渉権と争議権は認められていない)
- 国家公務員の特別職に含まれるものの組み合わせとして正しいものはどれですか。 (ア 事務次官・裁判官・国会職員・海上保安官 イ 国務大臣・事務次官・税務署職員・自衛官 ウ 国務大臣・裁判所職員・人事院の事務総局職員・大使 エ 国務大臣・裁判官・国会職員・自衛官 undefined 裁判官・国会職員・各省の局長・警察庁の職員)
- 人事院に関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア 最高裁判所の下に置かれ、公務員の不利益処分について裁判を行う機関である イ 内閣の所轄の下に置かれ、両議院の同意を得て内閣が任命する 3 人の人事官で構成される合議制の機関で、給与勧告は争議権制約の代償措置と位置づけられる ウ 内閣官房に置かれ、各府省の幹部職員の人事を一元管理する機関で、2014 年に設置された エ 国会に置かれ、両議院の議長が任命する 3 人の人事官で構成される機関で、公務員の給与を法律案として提出する undefined 内閣府の外局として置かれ、内閣総理大臣が単独で任命する 1 人の人事院総裁が独任制で運営する機関で、給与は人事院が直接決定する)
- 公務員の政治的行為の制限に関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア 最高裁は猿払事件で国家公務員の政治的行為の禁止を違憲とし、堀越事件でこれを合憲に判例変更した イ 国家公務員も地方公務員も、勤務時間外であれば政党の機関紙の配布などの政治的行為を自由に行うことができる ウ 地方公務員の政治的行為の制限違反には刑罰があるのに対し、国家公務員法 102 条の制限には罰則がない エ 国家公務員の政治的行為の制限違反には刑罰があるのに対し、地方公務員法 36 条の制限には罰則がなく、制限される地域も原則としてその職員の属する地方公共団体の区域内に限られる undefined 公務員の政治的行為の制限は、管理職の地位にある職員にだけ適用され、一般の職員には適用されない)
- 公務員の服務に関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア 守秘義務は在職中に限られ、退職後は職務上知り得た秘密を自由に公表できる イ 営利企業への従事は全面的に禁止されており、任命権者の許可を得ても行うことはできない ウ 守秘義務は退職後も続き、信用失墜行為の禁止は職務に関係のない私生活上の行為にも及びうる エ 上司の命令には常に従わなければならず、明らかに違法な命令であっても拒むことはできない undefined 職務専念義務は勤務時間外にも及び、休日に職務と無関係の活動をすることは許されない)
- 代表的官僚制の説明として妥当なものはどれですか。 (ア 公務員の構成が社会全体の性別や出身階層などの構成を反映しているべきだとする考え方で、キングズレーが提唱した イ 国民の代表である議会が官僚を直接選出すべきだとする考え方で、ウィルソンが提唱した ウ 労使双方の合意によって職場の規則を作る官僚制の型で、グールドナーが分類した エ 選挙で選ばれた政党が官職を配分することで民意を行政に反映させる考え方で、ジャクソンが実践した undefined 官僚が国民の代表として政策を決定すべきだとする考え方で、ウェーバーが提唱した)
発展
- 全農林警職法事件(最大判昭和 48 年)に関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア 公務員の政治的行為の禁止について、政治的中立性を損なうおそれが実質的に認められる行為に限って禁止されると解釈した イ 公務員の労働基本権は憲法 28 条の保障の外にあるため、そもそも制限の合憲性は問題にならないとした ウ 公務員の争議行為の禁止は違憲であるとし、現業職員に限って争議権を認めるべきだとした エ 公務員の地位の特殊性と職務の公共性、勤務条件法定主義、人事院勧告などの代償措置を理由に、公務員の争議行為の一律禁止を合憲とした undefined 公務員も勤労者であることを理由に、争議行為の禁止は国民生活に重大な障害をもたらす場合に限って許されるとした)
- 近年の国家公務員制度の改革に関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア 国家公務員の採用試験は現在も Ⅰ 種・Ⅱ 種・Ⅲ 種の区分で実施されており、総合職・一般職への再編は見送られた イ 国家公務員の定年は 60 歳に固定されており、引き上げは法律で禁止されている ウ 2014 年に内閣人事局が人事院の中に設けられ、人事院総裁が幹部職員の人事を一元管理するようになった エ 2007 年の改正で職階制の規定が廃止されるとともに、人事院の事前承認制に代えて各府省による再就職のあっせんの禁止などが導入され、2014 年には内閣人事局が設けられた undefined 2007 年の改正で職階制が初めて実施されるとともに、人事院による再就職の事前承認制が新設された)
- 資格任用制と政治任用に関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア 資格任用制の下では官僚の民主的統制が容易になり、政治任用の下では官僚の専門性が高まる イ イギリスでは政権交代のたびに事務次官以下の職員が全員入れかわる政治任用が行われている ウ アメリカではペンドルトン法以降すべての官職が資格任用となり、政治任用のポストは存在しない エ アメリカでは資格任用制の下でも政権交代のたびに省庁の幹部を含む多数のポストが政治任用で入れかわり、民意を行政に反映させる意義があるとされる undefined 日本では 2014 年の内閣人事局の設置により、幹部職員がすべて政治任用に切りかえられた)
公務員制度 ── 解答
基礎
- エ 試験などで能力を確かめて任用し、政治的な理由では罷免しない仕組みで、行政の専門性と継続性を高めた 試験などで能力を確かめて任用し、政治的な理由では罷免しない仕組みで、行政の専門性と継続性を高めた。ジャクソン(猟官)→ ペンドルトン(資格任用)/ノースコート=トレヴェリアン(英)の順で覚える。
- ア 免職・停職・減給・戒告 免職・停職・減給・戒告。分限は「本人の責任によらない・公務能率の維持」、懲戒は「義務違反・制裁」。
- ア 組織の職を職務の種類と責任の重さで分類し、それに合った人を採用・配置・給与づけする仕組みで、アメリカで発達し開放型の人事や職務給と結びつく 職階制=職・開放型・職務給・アメリカ。日本では規定はあったが実施されず 2007 年改正で廃止。選択肢 2 は資格制、3 は猟官制、4 は代表的官僚制。
- undefined 市役所の一般事務職員 一般事務職員は一般職で、地方公務員法が全面的に適用される。首長・議員・副知事・副市町村長・委員会の委員は特別職。
標準
- ア 人事委員会を置かない市町村に置かれ、不利益処分の審査などを担うが、採用試験や給与勧告の権限はもたない 人事委員会を置かない市町村に置かれ、不利益処分の審査などを担うが、採用試験や給与勧告の権限はもたない。
- エ 団結権・団体交渉権・労働協約の締結は認められるが、争議行為は認められていない 団結権・団体交渉権・労働協約の締結は認められるが、争議行為は認められていない。警察・消防・自衛隊・海上保安庁・刑事施設の職員は団結権もなし。一般の非現業職員は協約締結権なし。現業職員は協約締結まで可。争議権はどの公務員にもない。
- エ 国務大臣・裁判官・国会職員・自衛官 特別職は大臣・副大臣・大臣政務官、裁判官と裁判所職員、国会職員、防衛省の職員(自衛官)、大使・公使、人事官、宮内庁長官など。事務次官・局長・税務署職員・警察庁職員・海上保安官・人事院事務総局職員は一般職。
- イ 内閣の所轄の下に置かれ、両議院の同意を得て内閣が任命する 3 人の人事官で構成される合議制の機関で、給与勧告は争議権制約の代償措置と位置づけられる 人事院は内閣の所轄・人事官 3 人(両議院の同意・任期 4 年)・合議制。給与は勧告にとどまり、決定は法律(給与法)による。選択肢 4 は内閣人事局。
- エ 国家公務員の政治的行為の制限違反には刑罰があるのに対し、地方公務員法 36 条の制限には罰則がなく、制限される地域も原則としてその職員の属する地方公共団体の区域内に限られる 国家公務員法 102 条・人事院規則の違反には刑罰、地方公務員法 36 条には罰則なし・区域限定。猿払事件(最大判昭和 49 年)は合憲、堀越事件(最判平成 24 年)は限定解釈で無罪(判例変更ではない)。
- ウ 守秘義務は退職後も続き、信用失墜行為の禁止は職務に関係のない私生活上の行為にも及びうる 守秘義務は退職後も続く。信用失墜行為の禁止は私生活上の非行にも及びうる。営利企業への従事は許可を得れば可能。職務専念義務は勤務時間中の義務。
- ア 公務員の構成が社会全体の性別や出身階層などの構成を反映しているべきだとする考え方で、キングズレーが提唱した 代表的官僚制(representative bureaucracy)はキングズレー。選択肢 4 はグールドナーの「代表的官僚制」(規則の型)と名前が同じだが別の概念。5 は猟官制。
発展
- エ 公務員の地位の特殊性と職務の公共性、勤務条件法定主義、人事院勧告などの代償措置を理由に、公務員の争議行為の一律禁止を合憲とした 全農林警職法事件は争議行為の一律禁止を合憲とした判例。選択肢 2 はそれ以前の全逓東京中郵事件などの考え方、4 は堀越事件(政治的行為)。
- エ 2007 年の改正で職階制の規定が廃止されるとともに、人事院の事前承認制に代えて各府省による再就職のあっせんの禁止などが導入され、2014 年には内閣人事局が設けられた 2007 年改正(職階制廃止・再就職規制)、2008 年国家公務員制度改革基本法、2012 年度から総合職・一般職・専門職、2014 年内閣人事局(内閣官房)、2023 年度から定年の段階的引き上げ(2031 年度に 65 歳)。
- エ アメリカでは資格任用制の下でも政権交代のたびに省庁の幹部を含む多数のポストが政治任用で入れかわり、民意を行政に反映させる意義があるとされる アメリカは資格任用制と政治任用の併用。イギリスは職業公務員制で事務次官も職業公務員。日本の内閣人事局は幹部人事の一元管理で、身分は一般職のまま。資格任用制は専門性を高めるが民主的統制が難しくなる。
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