社会階層・逸脱・都市(階級と階層・社会移動・アノミー・ラベリング・シカゴ学派) ── 問題
基礎
- 社会階層の理論について、ウェーバーの階級・身分・党派論の説明として妥当なものはどれですか。 (ア 収入・学歴・職業威信など複数の指標での位置がそろわない状態を地位の非一貫性と呼んだ イ 重要で訓練に時間のかかる地位に高い報酬を与える不平等は社会にとって機能的に必要だとした ウ 管理職のように資本家でも労働者でもない矛盾した階級的位置を組み込んだ階級図式を作った エ 社会の序列を経済的な階級・名誉による身分・権力への近さによる党派の 3 次元でとらえた undefined 生産手段を所有する資本家階級と労働力を売る労働者階級の二大階級が対立するとみた)
- マートンのアノミー論における 5 つの適応類型のうち、次の事例に当てはまるものはどれですか。「金銭的な成功を強く求めるが、正当な手段では届かないと考えて詐欺や窃盗に手を染める」 (ア 革新 イ 逃避主義 ウ 儀礼主義 エ 反抗 undefined 同調)
- 「階級」と「階層」の区別に関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア 階級は収入や職業威信などの複数の指標による連続的な序列として社会をとらえる見方であり、階層は生産手段の所有をめぐって対立する集団として社会をとらえる見方である イ 階級は前近代社会にのみ存在した身分的な区分であり、産業社会では階級に代わって法律で定められた階層という客観的な区分が用いられるようになった ウ 階級は本人がどの集団に属すると感じるかという主観的な帰属意識によって決まり、階層は国勢調査で用いられる職業分類にもとづく行政上の区分である エ 階級と階層はいずれも生産手段の所有によって区分される概念であり、階級が資本家と労働者の 2 区分、階層が上流・中流・下流の 3 区分である点だけが異なる undefined 階級は生産手段の所有をめぐって対立する集団として社会をとらえる見方であり、階層は収入や職業威信などの指標による連続的な序列として社会をとらえる見方である)
- 日本の社会階層に関する調査・研究の記述として妥当なものはどれですか。 (ア 富永健一らは 1975 年の SSM 調査をもとに、高度成長期の日本では地位の一貫性が強まって階級対立が激しくなり「中」意識が失われたと論じた イ 「一億総中流」意識とは、高度成長を経て国民の大半が自分の生活程度を「上」と答えるようになった現象を指し、1975 年の SSM 調査で確認された ウ 職業威信スコアは、各職業の平均収入をそのまま点数化したものであり、人々に職業の高さを評価してもらう方法は用いられない エ SSM 調査(社会階層と社会移動全国調査)は 1955 年から毎年行われている国勢調査の一部であり、全世帯の階層帰属意識を集計している undefined SSM 調査(社会階層と社会移動全国調査)は 1955 年から 10 年ごとに行われ、職業・学歴・収入などから階層と社会移動の実態を調べている)
- 割れ窓理論に関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア 都市の遷移地帯では建物の老朽化が進んで窓が割れやすく、そこに新しい移民が流入して犯罪が増えるとする考え方で、バージェスの同心円地帯理論の一部としてシカゴの調査に応用された イ 割れた窓を放置するとだれも気にかけていないというサインになってさらなる荒廃と犯罪を招くため、軽微な秩序違反を放置せず取り締まるべきだとする考え方で、ニューヨーク市の治安政策に応用された ウ 犯罪者に「割れ窓」のような目立つレッテルを貼ることがかえって再犯を招くため、処罰よりも更生と社会復帰の支援を重視すべきだとする考え方で、北欧の刑事政策に応用された エ 犯罪の根本的な原因は貧困層における文化的目標と制度的手段のズレにあるため、窓の修理や取り締まりより雇用対策や教育機会の拡大を優先すべきだとする考え方である undefined 割れた窓のような軽微な違反は取り締まっても犯罪の抑止には結びつかないため、警察の限られた資源を殺人や強盗などの重大犯罪の捜査に集中させるべきだとする考え方で、1990 年代のロンドンの治安政策に応用された)
- 都市と農村の変化に関する用語の説明として妥当なものはどれですか。 (ア ジェントリフィケーションとは、衰退していた都心近くの地区に所得の高い層が流入して地価や家賃が上がり、もとの低所得の住民が押し出される現象をいう イ ドーナツ化現象とは、郊外に流出していた人口が都心のタワーマンションなどに戻ってくる都心回帰の動きのことをいう ウ 限界集落とは、人口が 100 人を下回って住民の合意により行政が正式に廃止を決定し、住民が近隣の市街地へ集団で移転して住む人がいなくなった集落のことをいう エ ジェントリフィケーションとは、都心の人口が減って周辺の郊外の人口が増えることで、都市圏の人口分布が中心の空いた輪の形になる現象をいう undefined スプロールとは、拡散した市街地を中心部に集約し、行政サービスや公共交通の効率を保とうとする都市政策のことをいう)
標準
- 逸脱に関する次の主張をした人物として妥当なものはどれですか。「軽微な秩序違反を放置すると周囲の無関心を示すサインとなってさらなる荒廃と犯罪を招くとし、小さな違反の取り締まりを主張した」 (ア レマート イ デュルケム ウ ハーシ エ ウィルソンとケリング undefined コーエン)
- 都市社会学の理論について、次の説明に当てはまるものはどれですか。「人口の規模・密度・異質性から、匿名的で表面的な人間関係や家族・近隣の結びつきの弱まりといった都市的な生活様式を導いた理論」 (ア フィッシャーの下位文化理論 イ ワースのアーバニズム論 ウ パークの人間生態学 エ 倉沢進の都市的生活様式論 undefined バージェスの同心円地帯理論)
- 社会移動の分類について、次の事例や説明に当てはまるものはどれですか。「高度成長期に農業が縮小し雇用者が増えたことで、多くの農家の子が会社員になった」 (ア 構造移動 イ 純粋移動 ウ 世代内移動 エ 水平移動 undefined 下降移動)
- ウェーバーの階級・身分・党派に関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア 党派は階級の政治的な表現であり、労働者階級はその党派を通じて階級意識を獲得し、必然的に資本家階級との対立から革命に至るとした イ 階級・身分・党派はいずれも経済的な利害の別の表れにすぎず、最終的には生産手段の所有関係という一つの次元に還元して説明できるとした ウ 階級は市場での経済的な機会、身分は社会的名誉や生活様式、党派は権力への近さによって決まり、社会の序列は経済だけでは説明できないとした エ 階級は生産手段の所有、身分は法律上の特権、党派は宗教的な信仰によって決まり、三者は近代社会では常に一致して一つの序列を作ると論じて、序列の一元性を強調した undefined 身分は近代化とともに消滅して経済的な階級だけが残るため、産業社会の序列は市場での経済的な機会のみによって説明できるとした)
- ブルデューの文化資本論に関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア 文化資本は義務教育の学校によってすべての子どもに平等に配分されるため、教育の普及が進むほど家庭の影響は弱まり階層の再生産は解消されると論じた イ 教養・趣味・ふるまい・学歴などの文化資本は家庭を通じて子に受け継がれ、学校がそれを本人の能力として評価することで階層が再生産されるとした ウ 文化資本とは博物館や図書館・劇場など社会全体が共有する文化的な施設や制度のことであり、個人の階層的な地位の再生産とは無関係だとした エ 階層を決めるのは生産手段の所有という経済資本のみであるため、趣味や教養などの文化的な要素は階層の分析から除外すべきだとした undefined ハビトゥスとは個人が将来の利益を計算して意識的に選び取った生活戦略のことであり、幼少期の家庭環境や階層の影響は受けないとした)
- デュルケムの自殺論とアノミーに関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア 集団との結びつきが強すぎるために起きる自殺をアノミー的自殺と呼び、社会の規制が弱いために起きる自殺を集団本位的自殺と呼んで区別した イ 自殺率が社会の状態によって変わることを示し、社会の規範が緩んで欲望に歯止めがかからなくなった状態をアノミーと呼んで、アノミー的自殺を自殺の一類型とした ウ 自殺は個人の精神的な疾患や気質によってのみ説明されるべき現象であり、自殺率と社会の統合や規制の状態との間には統計的な関連は認められないと論じて社会学的な説明を退けた エ 金銭的成功という文化的目標と教育や職業という制度的手段のズレをアノミーと呼び、そこから革新や逃避主義などの逸脱行動が生じると論じた undefined 犯罪はどのような社会にも存在してはならない病理的な現象であり、社会の統合が十分に進んだ健全な社会では犯罪は消滅すると論じた)
- サザランドの分化的接触理論に関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア 犯罪行動は個人の生物学的な資質や体格によってほぼ決まっており、家族や仲間集団といった社会環境からの影響は二次的なものにすぎないため、犯罪の予防には資質の早期発見が重要だとした イ 犯罪は親や学校といった社会との絆が弱いときに起きるものであり、親への愛着や合法的な活動への参加といった絆を強めることが犯罪を抑止するとした ウ 犯罪は金銭的成功という文化的目標と制度的手段のズレから生じるものであり、手段を欠く貧困層ほど目標だけを受け入れる革新型の逸脱に向かうとした エ 犯罪は周囲の人々が特定の行為者に「犯罪者」というレッテルを貼ることによって作り出されるものであり、行為そのものに逸脱の性質があるわけではないため、行為者ではなくレッテルを貼る側の規則の作り方と適用の分析が必要だとした undefined 犯罪行動は生まれつきの資質ではなく、親密な集団の中でのコミュニケーションを通じて学習されるものであり、犯罪を肯定する考え方に接する頻度や強さが否定する考え方を上回るときに犯罪が起きるとした)
- ラベリング理論に関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア ベッカーは、逸脱者には生まれつき共通の身体的な特徴や性格傾向があり、社会はそれを手がかりにして逸脱者を正しく識別しレッテルを貼ることができるとした イ ベッカーは、逸脱とは行為そのものの性質ではなく、社会集団が規則を作りそれを特定の人に適用して「アウトサイダー」のレッテルを貼ることによって生み出されるものだとした ウ レマートは、周囲の反応を受けて本人が逸脱者としての自己を受け入れて逸脱を繰り返すようになる前の、偶発的で本人の自己像を変えない最初の逸脱行為のことを第二次的逸脱と呼んで区別した エ ラベリング理論は、厳しい処罰によって逸脱者にはっきりとレッテルを貼ることが再犯を減らすとして、軽微な違反であっても取り締まりを強化すべきだと主張した undefined ラベリング理論は、逸脱の原因を貧困や失業などの社会構造上の緊張に求める理論であり、逸脱行為に対する周囲の人々の反応や規則の適用過程には注目しない)
- 都市の生活様式に関する理論の記述として妥当なものはどれですか。 (ア ワースは都市の規模・密度・異質性が同じ趣味や民族の人々を臨界量に達しさせて多様な下位文化を育てると論じたのに対し、フィッシャーは都市では人間関係が匿名化して家族や近隣の結びつきが解体し社会が分断されると論じた イ ワースは都市を人口の規模が大きく密度が高く異質性の高い定住地と定義し、そこから匿名的で表面的な人間関係が生まれると論じたのに対し、フィッシャーは規模と密度の高さがむしろ多様な下位文化を育てると論じた ウ ワースとフィッシャーはともに、都市と農村の生活様式の間に本質的な違いはなく、人々の生活様式は居住地ではなく階級と家族周期の段階だけで決まるため都市固有の生活様式は存在しないと論じた エ ワースは都市を交通・商業・行政などの結節機関が集まる場所と定義し、フィッシャーは都市の生活問題が住民の相互扶助ではなく行政や企業の専門処理システムにゆだねられると説明した undefined ワースは都市の生活様式を動植物の生態学になぞらえた競争と棲み分けの過程として説明し、フィッシャーは都市の空間構造を中心業務地区から外側へ広がる同心円のモデルで説明した)
発展
- 日本の農村・都市社会学に関する次の主張をした人物として妥当なものはどれですか。「行政上の区画である行政村と、生活の実質的なまとまりである自然村を区別した」 (ア 倉沢進 イ 鈴木栄太郎 ウ 福武直 エ 有賀喜左衛門 undefined 磯村英一)
- 機能主義的階層論とその批判に関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア チューミンは、重要な地位ほど高い報酬が必要だという階層の機能的必然性を最初に定式化し、デービスとムーアは報酬が重要さより権力によって決まるとしてそれを批判した イ デービスとムーアは、産業化が進んで教育が普及すれば階層は自然に消滅すると予測し、チューミンは産業化によって階層はむしろ固定化し拡大すると予測した ウ デービスとムーアは、階層は資本家階級が労働者階級を搾取するための仕組みであって社会にとって有害であり廃止されるべきだと論じ、チューミンは階層が社会の統合と秩序の維持に役立つ機能をもつため不可欠だと反論した エ デービスとムーアは、重要で訓練に時間のかかる地位に優秀な人を引きつけるためには高い報酬が必要であり、階層は社会にとって機能的に必要だと論じ、チューミンは不平等がむしろ才能ある人の機会を奪うと批判した undefined デービスとムーアは、地位の重要さは市場の需給ではなく伝統や慣習によって決まるため報酬の差は正当化できないと論じ、チューミンは報酬は市場での訓練の希少性によって決まると批判した)
- ハーシの社会的絆理論に関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア 逸脱は周囲からのラベリングによって第一次的逸脱から第二次的逸脱へと進むものであり、社会との絆を回復するには本人に貼られたレッテルを取り除く脱ラベリングが必要だとした イ 「なぜ人は逸脱するのか」を問い、逸脱的な価値を親密な集団から学習する際の頻度・期間・強さ・優先性の 4 つの要素が、犯罪を肯定する考え方を否定する考え方より多く身につけるかどうかを決めるとした ウ 社会との絆が強すぎる人ほど周囲の期待や規範に縛られて息苦しさから逸脱に向かうとし、絆を適度に弱めて個人の自由を広げることが逸脱の防止につながるとした エ 逸脱は労働者階級の少年が中流階級の価値に対する反動として作る下位文化の中で生じるものであり、親や学校との絆の有無は逸脱の発生とは無関係だとした undefined 「なぜ人は逸脱しないのか」を問い、親や友人への愛着・積み上げてきたものへの投資・合法的な活動への巻き込み・規則の正しさを信じる規範観念という 4 つの絆が弱いときに逸脱が起きるとした)
- 非行下位文化に関する理論の記述として妥当なものはどれですか。 (ア サイクスとマッツァは、非行少年は社会の規範を完全に否定して独自の価値体系をもっているため、罪悪感を感じることなく非行文化に染まりきり、合法的な世界と非行の世界の間を行き来することはないと論じた イ コーエンは、非行は少年が個人として学校での学習に失敗した結果であって仲間集団の価値とは無関係だと論じ、クロワードとオーリンは非行の原因を貧困や機会の偏りではなく周囲の大人が少年に貼るレッテルに求め、貼られたレッテルの種類に応じて犯罪的・闘争的・逃避的の 3 つの非行類型を区別した ウ コーエンは、労働者階級の少年が中流階級の価値で測られて地位の欲求不満を抱き、その反動として非功利的・悪意的・否定的な非行文化を集団で作ると論じ、クロワードとオーリンは非合法な機会も地域によって偏って配分されているとして犯罪的・闘争的・逃避的の 3 つの下位文化を区別した エ クロワードとオーリンは、合法的な機会さえ平等に開かれていれば非合法な機会の有無にかかわらず非行は起きないとして、コーエンの下位文化理論とマートンのアノミー論の両方を退け、機会構造の偏りという考え方を否定した undefined コーエンは、非行文化は中流階級の少年が労働者階級の粗野な価値にあこがれて意図的に作り出す功利的なものだと論じ、クロワードとオーリンは非合法な機会はどの地域にも平等に開かれているため下位文化に地域差は生じないと論じた)
- ゴフマンのスティグマ論に関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア スティグマとは金銭的成功という文化的目標を制度的手段によって達成できない人が抱く欲求不満のことであり、それが強い人ほど手段を選ばない革新型の逸脱に向かうとした イ スティグマとは社会集団が規則を適用して逸脱者に貼るレッテルのことであり、レッテルを貼られた人は例外なく逸脱者としての自己を受け入れて第二次的逸脱に進むため、レッテルを取り除くことが更生の唯一の条件になるとした ウ スティグマとは親や学校など社会との絆が弱い人に見られる規範観念の欠如のことであり、愛着・投資・巻き込みとともに非行の発生を予測する指標として用いられるとした エ スティグマとは都市の遷移地帯に集まる移民や芸術家などが共有する独自の下位文化のことであり、人口の規模と密度が高い都市ほど多様なスティグマが育って都市の多様性の源泉になるとした undefined 身体的な特徴や性格上の欠点とみなされるもの、人種や宗教などの集団的属性のように他者から「正常でない」印をつけられる属性をスティグマと呼び、スティグマをもつ人はそれを隠すなどの印象操作を迫られるとした)
社会階層・逸脱・都市(階級と階層・社会移動・アノミー・ラベリング・シカゴ学派) ── 解答
基礎
- エ 社会の序列を経済的な階級・名誉による身分・権力への近さによる党派の 3 次元でとらえた 社会の序列を経済的な階級・名誉による身分・権力への近さによる党派の 3 次元でとらえた。人名とキーワードを 1 対 1 で結びつける(マルクス=二大階級、ウェーバー=3 次元、デービス=ムーア=機能的必然性、ブルデュー=文化資本、レンスキー=地位の非一貫性、ライト=矛盾した階級的位置)。
- ア 革新 革新。文化的目標(+/−)と制度的手段(+/−)の組み合わせで判定する。同調++、革新+−、儀礼主義−+、逃避主義−−、反抗は両方を新しいものに置きかえる。
- undefined 階級は生産手段の所有をめぐって対立する集団として社会をとらえる見方であり、階層は収入や職業威信などの指標による連続的な序列として社会をとらえる見方である 階級(class)は対立する集団、階層(stratification)は連続的な序列。マルクスは階級論、機能主義や SSM 調査は階層研究の系統。
- undefined SSM 調査(社会階層と社会移動全国調査)は 1955 年から 10 年ごとに行われ、職業・学歴・収入などから階層と社会移動の実態を調べている SSM 調査は 1955 年から 10 年ごと。富永らは地位の非一貫性の広がりと「中」意識を論じた。職業威信スコアは人々の評価を数値化したもの。
- イ 割れた窓を放置するとだれも気にかけていないというサインになってさらなる荒廃と犯罪を招くため、軽微な秩序違反を放置せず取り締まるべきだとする考え方で、ニューヨーク市の治安政策に応用された ウィルソンとケリング(1982 年)。環境や機会の側から犯罪を減らそうとする環境犯罪学の流れで、1990 年代のニューヨーク市の政策に応用された。
- ア ジェントリフィケーションとは、衰退していた都心近くの地区に所得の高い層が流入して地価や家賃が上がり、もとの低所得の住民が押し出される現象をいう ジェントリフィケーションはグラスが 1960 年代のロンドンについて名づけた。選択肢 2 はドーナツ化現象、3 の限界集落は 65 歳以上が半数を超えた集落(大野晃)、4 はコンパクトシティ、5 は再都市化。
標準
- エ ウィルソンとケリング ウィルソンとケリング。逸脱論は「原因をどこに置くか」(規範の緩み・目標と手段のズレ・学習・レッテル・絆の弱さ・環境)で人名を見分ける。
- イ ワースのアーバニズム論 ワースのアーバニズム論。空間モデルは「円(バージェス)・扇(ホイト)・多核(ハリス=ウルマン)」、生活様式論は「解体(ワース)vs 下位文化(フィッシャー)」、日本は「専門処理(倉沢)」で固定する。
- ア 構造移動 構造移動。「いつ(世代間/世代内)・どちらへ(垂直/水平)・なぜ(構造/純粋)」の 3 つの軸で分ける。
- ウ 階級は市場での経済的な機会、身分は社会的名誉や生活様式、党派は権力への近さによって決まり、社会の序列は経済だけでは説明できないとした ウェーバーは階級(経済)・身分(名誉)・党派(権力)の 3 次元で序列を多元的にとらえた。選択肢 4・5 はマルクス的な一元論。
- イ 教養・趣味・ふるまい・学歴などの文化資本は家庭を通じて子に受け継がれ、学校がそれを本人の能力として評価することで階層が再生産されるとした ブルデュー『再生産』『ディスタンクシオン』。文化資本(身体化・客体化・制度化)とハビトゥスによる文化的再生産。
- イ 自殺率が社会の状態によって変わることを示し、社会の規範が緩んで欲望に歯止めがかからなくなった状態をアノミーと呼んで、アノミー的自殺を自殺の一類型とした 『自殺論』(1897 年)。4 類型は自己本位的・集団本位的・アノミー的・宿命的。目標と手段のズレはマートン。デュルケムは犯罪を「正常」な現象とみた。
- undefined 犯罪行動は生まれつきの資質ではなく、親密な集団の中でのコミュニケーションを通じて学習されるものであり、犯罪を肯定する考え方に接する頻度や強さが否定する考え方を上回るときに犯罪が起きるとした サザランド=学習理論。選択肢 3 はベッカー(ラベリング)、4 はハーシ(社会的絆)、5 はマートン(アノミー)の説明。
- イ ベッカーは、逸脱とは行為そのものの性質ではなく、社会集団が規則を作りそれを特定の人に適用して「アウトサイダー」のレッテルを貼ることによって生み出されるものだとした ベッカー『アウトサイダーズ』(1963 年)。レマートは第一次的逸脱(最初の逸脱)と第二次的逸脱(レッテルを受け入れた後の逸脱)を区別。取り締まり強化は割れ窓理論の主張。
- イ ワースは都市を人口の規模が大きく密度が高く異質性の高い定住地と定義し、そこから匿名的で表面的な人間関係が生まれると論じたのに対し、フィッシャーは規模と密度の高さがむしろ多様な下位文化を育てると論じた ワース「生活様式としてのアーバニズム」(1938 年)は解体論、フィッシャーの下位文化理論はその批判。選択肢 3 はガンズに近い見方、4 はパークとバージェス、5 は鈴木栄太郎と倉沢進。
発展
- イ 鈴木栄太郎 鈴木栄太郎。鈴木栄太郎=自然村・結節機関、有賀喜左衛門=同族団、福武直=東北型・西南型、倉沢進=専門処理システム、磯村英一=第三空間、大野晃=限界集落。
- エ デービスとムーアは、重要で訓練に時間のかかる地位に優秀な人を引きつけるためには高い報酬が必要であり、階層は社会にとって機能的に必要だと論じ、チューミンは不平等がむしろ才能ある人の機会を奪うと批判した デービス=ムーア「階層の機能的必然性」(1945 年)と、チューミンによる批判(報酬は重要さより権力で決まる・不平等は機会を奪う)。
- undefined 「なぜ人は逸脱しないのか」を問い、親や友人への愛着・積み上げてきたものへの投資・合法的な活動への巻き込み・規則の正しさを信じる規範観念という 4 つの絆が弱いときに逸脱が起きるとした ハーシ『非行の原因』(1969 年)。統制理論は「逸脱しない理由」に注目する。4 要素は愛着・投資(コミットメント)・巻き込み・規範観念(信念)。
- ウ コーエンは、労働者階級の少年が中流階級の価値で測られて地位の欲求不満を抱き、その反動として非功利的・悪意的・否定的な非行文化を集団で作ると論じ、クロワードとオーリンは非合法な機会も地域によって偏って配分されているとして犯罪的・闘争的・逃避的の 3 つの下位文化を区別した コーエン『非行少年』(1955 年)、クロワード=オーリン『非行と機会』(1960 年・分化的機会構造)。サイクス=マッツァの中和の技術は、非行少年も規範を否定しきってはいないとする。
- undefined 身体的な特徴や性格上の欠点とみなされるもの、人種や宗教などの集団的属性のように他者から「正常でない」印をつけられる属性をスティグマと呼び、スティグマをもつ人はそれを隠すなどの印象操作を迫られるとした ゴフマン『スティグマの社会学』(1963 年)。パッシング(隠すこと)などの印象操作。選択肢 2 はラベリング理論の誇張、3 はフィッシャー、4 はマートン、5 はハーシの概念のすり替え。
受験のしらべ / https://juken-shirabe.com/koumuin/seiji/zy-04/test/ / 問題は毎回の表示で数が変わります。印刷したものはその一例です。
📄 紙で解くなら プリント(レベルと問題数を選べます)。このページをそのまま印刷しても各レベル 10 問と解答が出ます。