統治機構(国会・内閣・裁判所・地方自治)と選挙 ── 問題
基礎
- 小選挙区の A 区は有権者 120 万人、B 区は有権者 40 万人で、ともに定数 1 である。一票の格差(A 区の議員 1 人あたり有権者数 ÷ B 区の議員 1 人あたり有権者数)は何倍ですか。
- 有権者数 29620 人の市で、条例の制定を直接請求するのに必要な署名は最低何人分ですか(有権者の 50 分の 1 以上)。
- 国会の権限と衆議院の優越について、臨時会の召集について正しい説明はどれですか。 (ア 毎年 1 月に召集され、会期は 150 日と定められている イ 衆議院の解散後の総選挙の日から 30 日以内に召集される ウ 内閣総理大臣が単独で召集を決定し、国会の要求では召集されない エ 内閣が必要と認めたとき、またはいずれかの議院の総議員の 4 分の 1 以上の要求があれば内閣が召集を決定する undefined いずれかの議院の総議員の過半数の要求があったときに限り召集される)
- 地方自治の直接請求について、条例の制定・改廃の請求に必要な署名数と請求先はどれですか。 (ア 有権者の 50 分の 1 以上 ── 選挙管理委員会 イ 有権者の 3 分の 1 以上 ── 議会 ウ 有権者の 50 分の 1 以上 ── 監査委員 エ 有権者の 50 分の 1 以上 ── 首長 undefined 有権者の 3 分の 1 以上 ── 首長)
- 地方自治に関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア 地方公共団体は法律の範囲内で条例を制定できるが、条例で罰則を設けることはできない イ 一つの地方公共団体だけに適用される特別法は、国会の議決だけで制定できる ウ 地方公共団体の首長と議会の議員はともに住民の直接選挙で選ばれ、二元代表制とよばれる エ 議会が首長の不信任を議決したとき、首長は 30 日以内に議会を解散しなければ失職する undefined 都道府県知事の被選挙権は満 25 歳以上、市町村長の被選挙権は満 30 歳以上である)
- 日本の選挙権の拡大に関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア 1945 年の選挙法改正で満 25 歳以上の男女に選挙権が与えられ、翌年の総選挙で女性が初めて投票した イ 1889 年の選挙法では、直接国税 15 円以上を納める満 25 歳以上の男子に選挙権が与えられた ウ 1925 年の普通選挙法により、満 20 歳以上の男女すべてに選挙権が与えられた エ 2016 年の参議院議員通常選挙から選挙権年齢が満 20 歳以上に引き下げられた undefined 在外邦人の選挙権は現在も衆参の比例代表選挙に限られ、選挙区選挙では投票できない)
- 地方公共団体の首長と議会の関係に関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア 地方公共団体の議会の議員には、国会議員と同じように会期中の不逮捕特権と、議会での発言について責任を問われない免責特権がいずれも認められている イ 不信任の議決には議員の 3 分の 2 以上が出席しその 4 分の 3 以上の同意が必要で、首長は通知から 10 日以内に議会を解散できる ウ 都道府県知事の被選挙権は満 25 歳以上、市町村長の被選挙権は満 30 歳以上で、いずれも住民の直接選挙で選ばれる エ 首長は議会の議決に対して再議を求める拒否権をもたず、議会の議決はそのまま地方公共団体の決定として確定する undefined 首長の任期は 4 年、議会の議員の任期は 6 年で、議員は 3 年ごとに半数が改選される)
標準
- 比例代表選挙で定数が 8 議席のとき、A 党 9300 票・B 党 5100 票・C 党 2500 票・D 党 900 票だった。ドント式で配分すると各党の議席はどうなりますか。 (ア A 党 4・B 党 2・C 党 1・D 党 1 イ A 党 5・B 党 2・C 党 1・D 党 0 ウ A 党 5・B 党 3・C 党 1・D 党 0 エ A 党 4・B 党 2・C 党 2・D 党 0 undefined A 党 4・B 党 3・C 党 1・D 党 0)
- 有権者数 16297 人の町で、町長の解職を直接請求するのに必要な署名数と請求先の組み合わせはどれですか。 (ア 5433 人分以上 ── 町議会 イ 8149 人分以上 ── 選挙管理委員会 ウ 326 人分以上 ── 監査委員 エ 5433 人分以上 ── 選挙管理委員会 undefined 5433 人分以上 ── 町長)
- 参議院で否決された法律案を衆議院で再可決して成立させたい。衆議院の出席議員が 333 人のとき、必要な賛成は最低何人ですか。
- 内閣と裁判所について、裁判員制度について正しい説明はどれですか。 (ア 重大な刑事事件と民事事件の第一審を、裁判員 6 人と裁判官 3 人で審理し、裁判官だけが量刑を決める イ 重大な刑事事件の第一審を、裁判員 12 人で審理し、全員一致で有罪無罪を決める ウ 重大な刑事事件の第一審を、原則として裁判員 6 人と裁判官 3 人で審理し、有罪無罪と量刑を決める エ 重大な刑事事件の控訴審を、裁判員 3 人と裁判官 6 人で審理し、量刑のみを決める undefined すべての刑事事件と民事事件の第一審を、裁判員 6 人だけで審理し、有罪無罪のみを決める)
- 日本の選挙制度と地方自治について、参議院の選挙制度の説明として正しいものはどれですか。 (ア 小選挙区比例代表並立制で、比例代表は非拘束名簿式で、6 年ごとに全員を改選する イ 都道府県単位(一部は合区)の選挙区と全国 1 区の比例代表の組み合わせで、比例代表は非拘束名簿式に特定枠を加えたもの ウ 都道府県単位の選挙区だけで選出し、比例代表は 2001 年に廃止された エ 小選挙区と 11 ブロックの比例代表の組み合わせで、比例代表は拘束名簿式で重複立候補ができ、惜敗率で復活当選する undefined 全国 1 区の比例代表だけで選出し、政党名でのみ投票できる拘束名簿式である)
- 衆議院と参議院に関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア 衆議院議員の任期は 4 年、参議院議員の任期は 6 年で、いずれも解散によって任期満了前に終了することがある イ 参議院の緊急集会で採られた措置は、次の国会開会後 30 日以内に衆議院の同意がなければ効力を失う ウ 参議院議員は 3 年ごとに半数が改選され、被選挙権は満 30 歳以上である エ 予算と条約の承認はいずれも衆議院に先議権があり、参議院が 30 日以内に議決しないときは衆議院の議決が国会の議決になる undefined 憲法改正の発議と国政調査権については、法律案と同じく衆議院の優越が認められている)
- 内閣と内閣総理大臣に関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア 国務大臣は在任中、内閣総理大臣の同意がなくても訴追される イ 内閣総理大臣が欠けたときは、副総理が自動的に後任の内閣総理大臣になる ウ 内閣総理大臣は衆議院議員の中から国会が指名し、天皇が任命する エ 内閣は行政権の行使について、国会に対して連帯して責任を負う undefined 内閣は法律を執行するために政令を制定でき、法律の委任がなくても政令に罰則を設けることができる)
- A 選挙区は有権者 144 万人で定数 3、B 選挙区は有権者 80 万人で定数 2 である。一票の格差(A 区の議員 1 人あたり有権者数 ÷ B 区の議員 1 人あたり有権者数)は何倍ですか。
- 有権者数 760,000 人の市で、市長の解職を直接請求するのに必要な署名は最低何人分ですか(地方自治法:有権者が 40 万人を超え 80 万人以下の団体では、40 万人の 3 分の 1 と、40 万人を超える部分の 6 分の 1 を合算した数以上)。
- 国会の会期と参議院の緊急集会に関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア 特別会は総選挙の日から 30 日以内に召集され、緊急集会でとられた措置は次の国会開会後 10 日以内に衆議院の同意がないと効力を失う イ 臨時会は内閣が必要と認めたときにのみ召集され、議員の側から内閣に対して召集を要求することはできない ウ 参議院の緊急集会は衆議院の解散中に参議院議長が召集し、そこでとられた措置は次の国会で衆議院の同意が得られなくてもそのまま効力を持ち続ける エ 常会は毎年 1 月に召集され会期は 100 日で、両議院一致の議決があれば会期を 2 回まで延長することができる undefined 国政調査権は衆議院だけに認められており、参議院は証人の出頭や記録の提出を求めることができない)
発展
- 司法権と裁判所に関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア 行政機関が終審として裁判を行うことはできないが、前審として裁判を行うことは認められる イ 検察審査会が 2 度にわたって起訴相当と議決しても、検察官が起訴しない限り被疑者を起訴することはできない ウ 大津事件では、大審院長の児島惟謙が政府の意向に沿って被告人に死刑を言い渡すよう担当裁判官を説得した エ 上告審である最高裁判所では、事実認定を含めた事件のすべてをやり直して審理する undefined 最高裁判所の裁判官は、任命後初めて行われる参議院議員通常選挙の際に国民審査に付される)
- 選挙と政治資金に関する法律の記述として妥当なものはどれですか。 (ア 2013 年のインターネット選挙運動の解禁により、一般の有権者も電子メールを使って特定の候補者への投票を呼びかけることが自由にできるようになった イ 政党助成法により、国会議員が 1 人でもいる政治団体はすべて政党交付金を受け取ることができる ウ 公職選挙法は戸別訪問を禁止しているが、最高裁はこの規定を表現の自由に反し違憲としている エ 連座制により、選挙運動の総括主宰者や出納責任者などが買収で有罪になると、候補者本人の当選が無効になり、同じ選挙区から 5 年間立候補できない undefined 政治資金規正法は企業・団体による政治献金を全面的に禁止している)
- 選挙運動と政治資金に関する法律の記述として妥当なものはどれですか。 (ア 在外投票は比例代表選挙に限って認められており、小選挙区や選挙区の投票は在外の有権者にはできない イ インターネットを使った選挙運動は 2013 年に解禁され、一般の有権者も電子メールを送って特定の候補者への投票を呼びかけることが認められている ウ 政党助成法に基づく政党交付金は、国会議員 5 人以上、または国会議員 1 人以上で直近の国政選挙の得票率が 2% 以上の政党に交付される エ 戸別訪問は 2013 年の公職選挙法改正で解禁され、候補者や運動員が有権者の自宅を訪ねて投票を依頼することができる undefined 政治資金規正法は企業・団体による献金を政党だけでなく政治家個人に対しても認めており、金額の上限は設けられていない)
統治機構(国会・内閣・裁判所・地方自治)と選挙 ── 解答
基礎
- 3 120 ÷ 40 = 3 倍。有権者の多い A 区の一票の価値は B 区の 1/3 で軽い。最高裁は衆議院で 2 倍を超える格差を問題にしてきた。
- 593 29620 ÷ 50 = 592.4。「以上」なので端数は切り上げて 593 人分。請求先は<strong>首長</strong>。監査請求も 50 分の 1(請求先は監査委員)。
- エ 内閣が必要と認めたとき、またはいずれかの議院の総議員の 4 分の 1 以上の要求があれば内閣が召集を決定する 53 条。1 月召集・150 日は常会、総選挙後 30 日以内は特別会。
- エ 有権者の 50 分の 1 以上 ── 首長 首長は意見を付けて議会にかける。議会が否決すれば条例はできない。
- ウ 地方公共団体の首長と議会の議員はともに住民の直接選挙で選ばれ、二元代表制とよばれる 知事は 30 歳以上、市町村長は 25 歳以上。不信任の通知から 10 日以内に解散しなければ失職。条例には法律の範囲内で罰則を設けられる(地方自治法 14 条)。特別法は住民投票の過半数の同意が必要(95 条)。
- イ 1889 年の選挙法では、直接国税 15 円以上を納める満 25 歳以上の男子に選挙権が与えられた 1925 年は満 25 歳以上の男子、1945 年は満 20 歳以上の男女、2016 年から満 18 歳以上。在外選挙は 2005 年の最高裁違憲判決を受けて選挙区にも拡大された。
- イ 不信任の議決には議員の 3 分の 2 以上が出席しその 4 分の 3 以上の同意が必要で、首長は通知から 10 日以内に議会を解散できる 地方自治法 178 条。首長が解散しなければ失職する。知事の被選挙権は満 30 歳以上、市町村長と議員は満 25 歳以上。首長には再議(拒否権)がある。地方議会の議員に不逮捕特権・免責特権はない。首長・議員とも任期は 4 年。
標準
- イ A 党 5・B 党 2・C 党 1・D 党 0 各党の得票を 1、2、3…で割った商を大きい順に 8 個とる。A の商:9300・4650・3100・2325・1860/B:5100・2550・1700・1275/C:2500・1250・833/D:900・450。結果は A 党 5・B 党 2・C 党 1・D 党 0。
- エ 5433 人分以上 ── 選挙管理委員会 首長・議員の解職請求は有権者の<strong>3 分の 1 以上</strong>の署名を<strong>選挙管理委員会</strong>に提出し、住民投票で過半数の同意があれば失職する。16297 ÷ 3 = 5432.33 → 切り上げて 5433 人分。(2 分の 1・50 分の 1 は別の請求の要件)
- 222 法律案の再可決は<strong>出席議員</strong>の 3 分の 2 以上(59 条 2 項)。333 × 2/3 = 222 → 222 人。憲法改正の発議(総議員の 3 分の 2)と取り違えない。
- ウ 重大な刑事事件の第一審を、原則として裁判員 6 人と裁判官 3 人で審理し、有罪無罪と量刑を決める 2009 年開始。民事事件と控訴審は対象外。評決は多数決(裁判官・裁判員の双方を含む)。
- イ 都道府県単位(一部は合区)の選挙区と全国 1 区の比例代表の組み合わせで、比例代表は非拘束名簿式に特定枠を加えたもの 合区は 2016 年から鳥取・島根、徳島・高知。特定枠は 2019 年から。3 年ごとに半数改選。
- ウ 参議院議員は 3 年ごとに半数が改選され、被選挙権は満 30 歳以上である 参議院に解散はない。先議権は予算のみ。憲法改正の発議・国政調査権・弾劾裁判所は両院対等。緊急集会の措置は次の国会開会後 10 日以内に衆議院の同意が必要。
- エ 内閣は行政権の行使について、国会に対して連帯して責任を負う 66 条 3 項。総理は「国会議員」の中から指名(衆参どちらでもよい)。政令の罰則は法律の委任が必要(73 条 6 号)。国務大臣の訴追には総理の同意が必要(75 条)。総理が欠けたときは内閣は総辞職する。
- 1.2 議員 1 人あたり有権者数は A 区 144 ÷ 3 = 48 万人、B 区 80 ÷ 2 = 40 万人。格差は 48 ÷ 40 = 1.2 倍。定数が 1 でないときは、まず「1 人あたり」に直してから比べる。有権者の多い A 区の一票の価値が軽い。
- 193334 40 万 × 1/3 = 133,333.3… と、(760,000 − 400,000) × 1/6 = 60,000 を合算して 193,333.3。これ以上の整数なので 193334 人分。有権者 40 万人以下なら単純に 3 分の 1(760,000 人の 3 分の 1 なら 253,334 人分)だが、40 万人を超える部分は 6 分の 1 に緩和される(80 万人を超える部分は 8 分の 1)。
- ア 特別会は総選挙の日から 30 日以内に召集され、緊急集会でとられた措置は次の国会開会後 10 日以内に衆議院の同意がないと効力を失う 54 条。常会の会期は 150 日で延長は 1 回まで(国会法)。臨時会はいずれかの議院の総議員の 4 分の 1 以上の要求があれば内閣は召集を決定しなければならない(53 条)。緊急集会は内閣が求める(54 条 2 項)。国政調査権(62 条)は両議院にある。
発展
- ア 行政機関が終審として裁判を行うことはできないが、前審として裁判を行うことは認められる 76 条 2 項。国民審査は衆議院議員総選挙の際。大津事件で児島惟謙は政府の死刑要求を退け、法どおり無期徒刑とさせた(司法権の独立)。検察審査会は 2009 年から起訴議決に強制力があり、指定弁護士が起訴する。上告審は原則として法律問題のみ。
- エ 連座制により、選挙運動の総括主宰者や出納責任者などが買収で有罪になると、候補者本人の当選が無効になり、同じ選挙区から 5 年間立候補できない 戸別訪問禁止は最高裁が合憲としている。ネット選挙で電子メールによる選挙運動ができるのは候補者・政党のみ。政党交付金の要件は国会議員 5 人以上、または国会議員 1 人以上かつ直近の国政選挙で得票率 2% 以上。企業・団体献金は政党・政治資金団体に対するものは認められている。
- ウ 政党助成法に基づく政党交付金は、国会議員 5 人以上、または国会議員 1 人以上で直近の国政選挙の得票率が 2% 以上の政党に交付される 政党助成法(1994 年)。国民 1 人あたり 250 円を基準に総額が決まる。ネット選挙運動は 2013 年解禁だが、電子メールによる選挙運動は候補者・政党に限られる。戸別訪問は禁止のまま。企業・団体献金は政党・政治資金団体に限られる。在外投票は当初は比例代表のみだったが、選挙区を除外する規定を違憲とした最高裁判決(最大判平成 17 年)を受け、2006 年の改正で選挙区にも広がった。
受験のしらべ / https://juken-shirabe.com/koumuin/shakai/zk-02/test/ / 問題は毎回の表示で数が変わります。印刷したものはその一例です。
📄 紙で解くなら プリント(レベルと問題数を選べます)。このページをそのまま印刷しても各レベル 10 問と解答が出ます。