国際政治(国連・安全保障・国際法) ── 問題
基礎
- 国際連合の機関について、国際司法裁判所(ICJ)の説明として妥当なものはどれですか。 (ア オランダのハーグに置かれた条約上の機関で、国連からは独立しており、米国・中国・ロシアは参加していない イ オランダのハーグに置かれた国連の主要機関で、国家間の紛争を扱い、裁判を行うには当事国双方の同意が必要である ウ ニューヨークの国連本部に置かれ、安保理の決定に違反した国に対して制裁を命じる裁判機関である エ スイスのジュネーブに置かれた国連の主要機関で、一方の国が提訴すれば相手国の同意がなくても裁判を開始できる undefined オランダのハーグに置かれた国連の主要機関で、集団殺害犯罪や戦争犯罪を行った個人を訴追し、国内の裁判所が裁けない場合に補完的に裁く)
- 次の国際機構について、EU(欧州連合)の説明として妥当なものはどれですか。 (ア 1993 年にマーストリヒト条約の発効で発足し、経済統合にとどまらず共通通貨ユーロの導入や政治統合を進めている。2020 年に英国が離脱した イ 2002 年に発足した地域機構で、加盟国間の紛争解決と経済統合を目的としている ウ 1967 年にローマ条約の発効で発足し、加盟国間の関税撤廃を目的とする経済協力にとどまっている エ 1993 年にマーストリヒト条約の発効で発足し、経済統合にとどまらず政治統合を進めている。加盟国はすべて共通通貨ユーロを導入しており、2020 年に英国が加盟した undefined 1949 年に設立された軍事同盟で、加盟国への攻撃を全体への攻撃とみなす集団防衛を原則としている)
- 国連総会で重要問題を採決するとき、出席し投票する加盟国が 185 か国であれば、可決に必要な賛成は最低何か国ですか(出席し投票する国の 3 分の 2 以上)。
- 日本の安全保障政策について、警察予備隊・保安隊を経た自衛隊の発足が行われたのは何年ですか。 (ア 1954 年 イ 1992 年 ウ 1960 年 エ 1951 年 undefined 2007 年)
- 国際連合の総会と安全保障理事会の決議の効力に関する説明として妥当なものはどれですか。 (ア 総会の決議は常任理事国のみを拘束し、安全保障理事会の決定は非常任理事国のみを拘束する イ 総会の決議も安全保障理事会の決定も、いずれも勧告にとどまり加盟国を拘束しない ウ 総会の決議は加盟国を法的に拘束するが、安全保障理事会の決定は勧告にとどまる エ 総会の決議も安全保障理事会の決定も、いずれも国連憲章に基づく国連の意思として加盟国を法的に拘束する undefined 総会の決議は勧告にとどまり加盟国を法的に拘束しないが、安全保障理事会の決定は加盟国を法的に拘束する)
- 国連海洋法条約に基づく海域の区分の説明として妥当なものはどれですか。 (ア 領海では他国の船舶にも無害通航権が認められるが、その幅は基線から 3 海里までと定められている イ 接続水域は基線から 200 海里までの海域で、沿岸国が漁業に関する権利をもつ ウ 公海では発見した国が領有を宣言でき、その国の法律がすべての船舶に適用される エ 排他的経済水域では沿岸国が領海と同じ完全な主権をもち、他国の船舶は沿岸国の許可なく航行できず、上空の飛行も制限される undefined 排他的経済水域では沿岸国が水産資源や海底資源について主権的権利をもつが、他国の船舶の航行や上空の飛行は自由である)
標準
- 次の条約について、難民条約の説明として妥当なものはどれですか。 (ア 1951 年に採択され、迫害のおそれのある国へ難民を送り返してはならないというノン・ルフールマン原則を定めている。日本は 1951 年の採択時に原締約国として加入した イ 1951 年に採択され、経済的な理由で母国を離れた人も難民として保護の対象に含めている。日本は 1981 年に加入した ウ 1951 年に採択され、難民の保護は国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)のみが行い、締約国には受入れ義務がないと定めている エ 1951 年に採択され、迫害のおそれのある国へ難民を送り返してはならないというノン・ルフールマン原則を定めている。日本は 1981 年に加入した undefined 1966 年に採択され、難民の受入れ人数を各国の人口に応じて割り当てることを義務づけている)
- 国連海洋法条約で定められた接続水域の外側の限界は基線から 24 海里です。これはおよそ何 km ですか(1 海里 = 1,852 m。小数第 1 位を四捨五入)。 (ア 約 24 km イ 約 44 km ウ 約 48 km エ 約 444 km undefined 約 39 km)
- 安全保障理事会(15 理事国)が実質事項を採決したところ、賛成 8・反対 1(うち常任理事国 0)・棄権 6 でした。結果として妥当なものはどれですか。 (ア 否決(常任理事国の反対=拒否権) イ 無効(棄権した理事国がいるため再採決) ウ 否決(賛成が 9 か国に満たない) エ 否決(賛成不足かつ常任理事国の反対) undefined 可決)
- 国際連盟と国際連合を比較した説明として妥当なものはどれですか。 (ア 国際連盟は総会・理事会とも全会一致を原則とし、制裁も経済制裁に限られていたが、国際連合は多数決と大国一致の原則を採り、軍事的措置も認めている イ 国際連盟は本部をニューヨークに置き、国際連合は本部をジュネーブに置いており、いずれも軍事制裁の規定をもっている ウ 国際連盟は安全保障理事会に相当する機関をもたず、国際連合で初めて理事会が設けられた エ 国際連盟では多数決で制裁を決定できたが、国際連合では常任理事国の全会一致が必要となり、決定がより難しくなった undefined 国際連盟は米国のウィルソン大統領の提唱で設立され、米国は当初から常任理事国として参加していたが、国際連合では上院の反対により米国が参加を拒み、ソ連が主導した)
- 国際司法裁判所(ICJ)と国際刑事裁判所(ICC)の説明として妥当なものはどれですか。 (ア ICJ はジュネーブに、ICC はハーグに置かれ、日本は ICJ には加盟しているが ICC には加入していない イ ICJ は国連の主要機関で集団殺害犯罪や戦争犯罪を行った個人を裁き、ICC は国連から独立した条約上の機関で国家間の紛争を扱う ウ ICJ は国連の主要機関で国家間の紛争を扱い、ICC は独立した条約上の機関で集団殺害犯罪や戦争犯罪を行った個人を裁く エ ICJ は一方の当事国の提訴だけで裁判を始められるが、ICC は被告人の同意がなければ訴追できない undefined ICJ も ICC も国連の主要機関であり、いずれも国家と個人の双方を裁判の当事者とすることができる)
- 人権と難民に関する国際的な取り決めの説明として妥当なものはどれですか。 (ア 世界人権宣言(1948 年)には法的拘束力がなく、これを条約化して締約国を拘束するようにしたのが国際人権規約(1966 年採択)である イ 難民条約は経済的な理由で母国を離れた人も難民と定義しており、締約国は申請者全員を受け入れる義務を負う ウ 世界人権宣言(1948 年)は締約国を法的に拘束する条約であり、国際人権規約(1966 年採択)はその実施状況を報告する手続を定めたにすぎない エ 日本は難民条約に加入していないため、迫害のおそれのある国へ送還してはならないという原則の適用を受けない undefined 日本は国際人権規約をすべての条項について留保なく批准しており、公務員の争議権も条約どおり保障している)
発展
- 次の状況について、国連憲章上の位置づけとして妥当なものはどれですか。D 国と E 国の領土紛争について、安全保障理事会が両国に交渉や調停などによる解決を勧告した。 (ア 憲章第 7 章に基づく強制措置であり、両国はこれに従う法的義務を負う イ 憲章第 6 章に基づく紛争の平和的解決の勧告であり、強制措置ではない ウ 憲章に明文の規定がない平和維持活動であり、両国の同意なく部隊が派遣される エ 憲章 42 条に基づく軍事的措置の前段階として、経済制裁を命じたものである undefined 憲章 51 条に基づく個別的自衛権の行使を両国に認めたものである)
- 核軍縮に関する条約と日本の立場の説明として妥当なものはどれですか。 (ア 日本は NPT と CTBT を批准しているが、2021 年に発効した核兵器禁止条約には参加していない イ 日本は NPT と核兵器禁止条約を批准しているが、CTBT には署名のみで批准していない ウ 日本は唯一の戦争被爆国として非核三原則を国是とする立場から、NPT・CTBT・核兵器禁止条約のすべてを批准している エ 日本は CTBT の発効を受けて核兵器禁止条約にも署名し、批准に向けた国会審議を続けている undefined 日本は核兵器禁止条約を批准したが、米国の核抑止に依存する立場から NPT には参加していない)
- 冷戦に関する次の出来事を、年代の古い順に正しく並べたものはどれですか。 ア:キューバ危機 イ:トルーマン・ドクトリン ウ:マルタ会談 エ:ワルシャワ条約機構の成立 (ア イ → ア → エ → ウ イ エ → ア → イ → ウ ウ イ → エ → ウ → ア エ エ → イ → ア → ウ undefined イ → エ → ア → ウ)
- 2015 年に成立した平和安全法制と日本の安全保障政策の説明として妥当なものはどれですか。 (ア 国連安全保障理事会の決定があれば、日本の存立への影響を問わず自衛隊が他国の領域で武力を行使できるとし、国連軍への参加を認めた イ 自衛隊の最高指揮監督権を防衛大臣に移し、防衛大臣は文民でなくてもよいこととした ウ 集団的自衛権の行使は憲法 9 条の下では認められないことを法律で明文化し、自衛隊の海外派遣を PKO に限定した エ 日本と密接な関係にある他国への武力攻撃により日本の存立が脅かされる存立危機事態において、他に手段がなく必要最小限度の範囲で武力を行使できるとし、集団的自衛権の限定的な行使を認めた undefined 日本と密接な関係にある他国への武力攻撃があれば、日本への直接の攻撃や日本の存立への影響がなくても、その国の要請に基づいて他国の領域で武力を行使できるとし、国連憲章 51 条と同じ範囲で集団的自衛権の全面的な行使を認めた)
国際政治(国連・安全保障・国際法) ── 解答
基礎
- イ オランダのハーグに置かれた国連の主要機関で、国家間の紛争を扱い、裁判を行うには当事国双方の同意が必要である オランダのハーグに置かれた国連の主要機関で、国家間の紛争を扱い、裁判を行うには当事国双方の同意が必要である。国連の 6 つの主要機関は「構成・表決・決議の効力」の 3 点で区別する(zk-03 解説 3 節の表を参照)。
- ア 1993 年にマーストリヒト条約の発効で発足し、経済統合にとどまらず共通通貨ユーロの導入や政治統合を進めている。2020 年に英国が離脱した 1993 年にマーストリヒト条約の発効で発足し、経済統合にとどまらず共通通貨ユーロの導入や政治統合を進めている。2020 年に英国が離脱した。地域機構は「設立年」と「軍事同盟か・経済協力か・政治統合か」の性格で区別する。
- 124 185 × 2/3 = 123.33。これ以上の整数は 124 か国。全加盟国ではなく<strong>出席し投票する国</strong>が分母で、棄権した国は数に入れない。
- ア 1954 年 1954 年。日本の安全保障は 1951(安保条約)→ 1954(自衛隊)→ 1960(新安保)→ 1992(PKO 協力法)→ 2007(防衛省)→ 2015(平和安全法制)の順で押さえる。
- undefined 総会の決議は勧告にとどまり加盟国を法的に拘束しないが、安全保障理事会の決定は加盟国を法的に拘束する 総会は「討議と勧告」の場で決議に法的拘束力はない。安保理は国際の平和と安全に主要な責任を負い、その決定に加盟国は従う義務を負う(憲章 25 条)。
- undefined 排他的経済水域では沿岸国が水産資源や海底資源について主権的権利をもつが、他国の船舶の航行や上空の飛行は自由である 領海 12 海里(無害通航権あり)・接続水域 24 海里・EEZ 200 海里。EEZ は「資源については沿岸国の権利、航行・上空飛行は自由」で、領海の完全な主権とは違う。公海はどの国も領有できず、公海自由の原則が適用される。
標準
- エ 1951 年に採択され、迫害のおそれのある国へ難民を送り返してはならないというノン・ルフールマン原則を定めている。日本は 1981 年に加入した 1951 年に採択され、迫害のおそれのある国へ難民を送り返してはならないというノン・ルフールマン原則を定めている。日本は 1981 年に加入した。条約は「年・中身・日本の立場」の 3 点セットで覚える。日本が参加していないのは核兵器禁止条約だけ。
- イ 約 44 km 24 海里 × 1,852 m = 44448 m = 約 44 km。1 海里は 1 マイル(約 1,609 m)とは別の単位。領海 12・接続水域 24・EEZ 200 海里をセットで覚える。
- ウ 否決(賛成が 9 か国に満たない) 実質事項は「9 か国以上の賛成」かつ「常任理事国の反対なし」で可決。今回は賛成 8 か国、常任理事国の反対 0 か国なので否決(賛成が 9 か国に満たない)。棄権は反対とは扱われず、拒否権の行使にもあたらない。
- ア 国際連盟は総会・理事会とも全会一致を原則とし、制裁も経済制裁に限られていたが、国際連合は多数決と大国一致の原則を採り、軍事的措置も認めている 国際連盟の弱点は「米国の不参加」「全会一致」「経済制裁のみ」の 3 つ。国連はそれぞれ「大国が常任理事国として参加」「総会は多数決・安保理は大国一致」「軍事的措置(42 条)あり」と直した。本部は連盟がジュネーブ、国連がニューヨーク。
- ウ ICJ は国連の主要機関で国家間の紛争を扱い、ICC は独立した条約上の機関で集団殺害犯罪や戦争犯罪を行った個人を裁く ICJ(国連の主要機関・国家が当事者・当事国双方の同意が必要)と ICC(ローマ規程に基づく独立機関・個人を裁く・補完性の原則)の対比。どちらもハーグにあり、日本は ICJ に加盟、ICC にも 2007 年に加入している。
- ア 世界人権宣言(1948 年)には法的拘束力がなく、これを条約化して締約国を拘束するようにしたのが国際人権規約(1966 年採択)である 世界人権宣言は拘束力のない宣言、国際人権規約(A 規約・B 規約)は拘束力のある条約。日本は 1979 年に一部を留保して批准した。難民条約の難民は迫害のおそれを理由に国外にいる人で、経済的理由は含まない。日本は 1981 年に加入しており、ノン・ルフールマン原則に拘束される。
発展
- イ 憲章第 6 章に基づく紛争の平和的解決の勧告であり、強制措置ではない 憲章第 6 章に基づく紛争の平和的解決の勧告であり、強制措置ではない。国連憲章は武力行使を原則禁止(2 条 4 項)し、例外は安保理の集団的措置(第 7 章)と自衛権(51 条)の 2 つ。第 6 章は平和的解決、PKO は「6 章半」。
- ア 日本は NPT と CTBT を批准しているが、2021 年に発効した核兵器禁止条約には参加していない 日本は NPT(1976 年批准)・CTBT(批准済み。条約自体は未発効)には参加し、核兵器禁止条約(2017 年採択・2021 年発効)には核保有国と同様に参加していない。「NPT 参加・核禁条約不参加」の組み合わせが問われる。
- undefined イ → エ → ア → ウ トルーマン・ドクトリン(1947 年・冷戦の始まり)→ ワルシャワ条約機構(1955 年・NATO は 1949 年)→ キューバ危機(1962 年)→ マルタ会談(1989 年・冷戦終結の宣言)。
- エ 日本と密接な関係にある他国への武力攻撃により日本の存立が脅かされる存立危機事態において、他に手段がなく必要最小限度の範囲で武力を行使できるとし、集団的自衛権の限定的な行使を認めた 平和安全法制(2015 年成立・2016 年施行)は、2014 年の閣議決定を受けて「武力行使の新三要件」を法制化し、存立危機事態での限定的な集団的自衛権の行使を認めた。全面容認ではない。自衛隊の最高指揮監督権は内閣総理大臣にあり、総理大臣と防衛大臣は文民でなければならない(憲法 66 条 2 項)。
受験のしらべ / https://juken-shirabe.com/koumuin/shakai/zk-03/test/ / 問題は毎回の表示で数が変わります。印刷したものはその一例です。
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