市場経済と企業(需要供給・市場の失敗) ── 問題
基礎
- ある財の需要量 D と供給量 S が、価格を P として D = 167 − 4P、S = 4P − 25 で表されるとき、均衡価格はいくらですか。
- ある財の需要量 D と供給量 S が、価格を P として D = 141 − 2P、S = 4P − 15 で表されるとき、均衡取引量はいくらですか。
- ある財の市場で次の出来事が起きたとき、他の条件が変わらなければ、均衡価格と均衡取引量はどうなりますか。原材料の価格が上がり、この財の供給が減少した。 (ア 均衡価格は下落し、均衡取引量は減少する イ 均衡価格は上昇し、均衡取引量は増加する ウ 均衡価格は上昇し、均衡取引量は減少する エ 均衡価格は上昇し、均衡取引量は変化しない undefined 均衡価格は下落し、均衡取引量は増加する)
- 株式会社の仕組みに関する説明として妥当なものはどれですか。 (ア 株主は出資額を限度とする有限責任を負うにとどまり、会社が倒産しても出資額を超えて会社の債務を弁済する責任を負わない イ 株主は会社の債務について無限責任を負い、会社が倒産した場合には出資額を超えて自己の財産で全額を弁済しなければならない ウ 株式会社では出資者と経営者が同一人物でなければならず、所有と経営の分離は法律で禁止されている エ 株主への配当は会社の利益の有無にかかわらず毎年一定額を支払うことが会社法で義務づけられている undefined 株主総会は会社の業務執行を日常的に行う機関であり、取締役は株主総会の決議を執行する事務員にすぎない)
- 会社法が定める会社の種類に関する説明として妥当なものはどれですか。 (ア 有限会社は会社法の施行後も新たに設立することができ、株式会社より大規模な企業に向いた形態である イ 合同会社は社員全員が無限責任を負う会社で、会社法の施行によって新設が認められなくなった ウ 合名会社の社員は全員が無限責任を負い、合資会社には無限責任社員と有限責任社員の両方がいる エ 株式会社は設立にあたって 1,000 万円以上の資本金が必要であり、それに満たない場合は有限会社として設立する undefined 合名会社の社員は全員が有限責任を負い、合資会社の社員は全員が無限責任を負う)
- 需要の価格弾力性に関する説明として妥当なものはどれですか。 (ア 米や塩などの生活必需品は需要の価格弾力性が大きく、価格がわずかに上がると需要量が大きく減る イ 需要の価格弾力性は価格の変化率を需要量の変化率で割って求め、1 より大きければ非弾力的という ウ ぜいたく品は需要の価格弾力性が小さいため、価格が上がっても需要量はほとんど変わらない エ 需要の価格弾力性が小さい財は、値上げをすると売上(価格 × 数量)が減少する undefined 米や塩などの生活必需品は需要の価格弾力性が小さく、価格が上がっても需要量はあまり減らない)
- 需要の価格弾力性(絶対値)が 3 の財について、価格を 4% 引き上げると、需要量は何% 減少しますか。
- 市場における価格の働きに関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア 価格が均衡価格より高いと超過供給(売れ残り)が生じ、価格が下がって需要量と供給量が一致する方向に調整される イ ある財の価格そのものが下がると需要曲線が右にシフトし、均衡取引量が増える ウ 価格を縦軸にとると、需要曲線は右上がり、供給曲線は右下がりに描かれ、2 本の曲線の交点が均衡価格と均衡取引量を示す エ 価格が均衡価格より低いと超過供給が生じ、売れ残りを減らすために価格はさらに下がり続ける undefined 均衡価格のもとでは需要量が供給量を上回っており、売り手が一方的に価格を決めることができる)
標準
- ある財の需要量 D と供給量 S が、価格を P として D = 260 − 3P、S = 2P − 20 で表されます。価格が 46 のとき、超過需要はいくら生じますか。
- ある財の価格を 8% 引き上げたところ、需要量が 4% 減少しました。この財の需要の価格弾力性(絶対値)はいくらですか。 (ア 8 イ 1/3 ウ 4 エ 0.5 undefined 12)
- 次の事例は、市場の失敗のどの型にあたりますか。養蜂家が近くに越してきたことで果樹園の受粉が進み、果樹園の収穫が増えたが、果樹園は養蜂家に対価を払っていない。 (ア 外部不経済 イ 独占・寡占 ウ 外部経済 エ 情報の非対称性(モラルハザード) undefined 公共財)
- 次の経済学者について、マルクスの主張として妥当なものはどれですか。 (ア 各人が自分の利益を追求すれば「見えざる手」に導かれて社会全体の利益が実現すると説いた イ 裁量的な財政政策は効果が乏しいとし、通貨供給量を一定の率で増やす金融政策と規制緩和を主張した ウ 資本主義では労働者が生み出した価値の一部を資本家が利潤として取得(搾取)しており、資本主義は矛盾を深めてやがて社会主義へ移行すると説いた エ 企業家による新しい生産方法や商品の導入(イノベーション)こそが経済発展の原動力だと説いた undefined 不況と失業は有効需要の不足によって生じるとし、政府が公共事業などで需要をつくり出すべきだと説いた)
- 企業の結合と独占禁止法に関する説明として妥当なものはどれですか。 (ア 独占禁止法の運用は経済産業省が行っており、公正取引委員会は消費者からの苦情を受け付ける機関にすぎない イ コンツェルンは独立した企業どうしが価格協定を結ぶことで、日本では独占禁止法の制定と同時に全面的に解禁された ウ カルテルは複数の企業が合併して 1 つの企業になることで、市場での競争を促すものとして独占禁止法で奨励されている エ トラストは持株会社が株式の保有を通じて多数の企業を支配する形態で、日本では現在も全面的に禁止されている undefined カルテルは独立した企業どうしが価格や生産量について協定を結ぶことで、独占禁止法で原則として禁止されている)
- 公共財に関する説明として妥当なものはどれですか。 (ア 公共財は利用者が費用を負担しなくても供給されるため、フリーライダーの問題は生じない イ 公共財とは政府や地方公共団体が供給している財・サービスのことであり、民間企業が供給するものは性質にかかわらず公共財に含まれない ウ 公共財は対価を払わない人を排除できない非排除性と、消費しても他の人の分が減らない非競合性をもち、市場では供給されにくい エ 公共財の非競合性とは、ある人が消費すると他の人が消費できる量が減ることをいい、混雑した道路がその典型である undefined 公共財は対価を払わない人を容易に排除できるため、民間企業に任せても社会的に望ましい量が供給される)
- ある財の需要量 D と供給量 S が、価格を P として D = 78 − 3P、S = 3P − 30 で表されています。消費者の所得が増えて、どの価格でも需要量が 24 だけ増えた(需要曲線が右にシフトした)とき、新しい均衡価格はいくらになりますか。
- 市場の失敗とそれへの対応に関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア 外部不経済に対しては、損害を出した者に損害分の税を課して費用を負担させる(外部不経済の内部化)などの対策がとられる イ フリーライダー問題とは、工場の排煙などの外部不経済によって取引の当事者でない第三者が損害を受ける問題をいう ウ 情報の非対称性への対策としては、独占禁止法に基づく企業結合の規制や公正取引委員会による監視が用いられる エ 公共財かどうかは政府が供給しているかどうかで決まり、民間企業が供給している財が公共財にあたることはない undefined 外部経済が生じている財は市場に任せると社会的に望ましい量より多く生産されるので、政府は課税によって生産を抑える必要がある)
発展
- ある財の需要量 D と供給量 S が、価格を P として D = 71 − P、S = P − 23 で表されます。政府がこの財の生産者に 1 単位あたり 12 の税を課したとき、課税後の均衡価格(消費者が支払う価格)はいくらになりますか。 (ア 59 イ 53 ウ 41 エ 50 undefined 47)
- 寡占市場の特徴に関する説明として妥当なものはどれですか。 (ア 有力企業の価格に他社が追随する管理価格が生まれやすく、コストが下がっても価格が下がりにくい下方硬直性や、広告などの非価格競争が見られる イ 少数の企業が市場を支配しているため価格は需要と供給の変化に敏感に反応し、コストが下がれば直ちに価格が下落する ウ 寡占市場では価格の自動調節機能が完全に働くため、政府による規制や独占禁止法の適用は不要である エ 寡占市場では企業間の競争が完全に消滅するため、広告や製品の差別化などの競争も行われなくなる undefined 多数の企業が同質の財を供給しているため、各企業は市場価格を与えられたものとして受け入れるプライス・テイカーとなり、価格競争が激しくなる)
- 情報の非対称性に関する説明として妥当なものはどれですか。 (ア モラルハザードは保険などの取引の前に生じる問題で、健康に不安のある人ほど医療保険に進んで加入したがる現象がその例である イ 情報の非対称性があっても価格の自動調節機能によって取引は円滑に成立するため、市場の失敗には含まれない ウ 逆選択は取引の前に生じる問題で、買い手が品質を見分けられない中古車市場で質の悪い車ばかりが残る現象がその例である エ 情報の非対称性は売り手と買い手が対等な情報をもつときに生じ、政府が情報開示を義務づけると悪化する undefined 逆選択は取引の後に生じる問題で、保険に加入した人が注意を怠るようになる現象がその例である)
- 日本の企業制度に関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア 株式会社の株主総会の議決権は株主 1 人につき 1 票であり、保有する株式数によって差はつけられない イ コーポレート・ガバナンスとは、企業が利益の一部を文化・芸術の支援や地域への寄付に充てる活動をいう ウ 1997 年の独占禁止法改正で純粋持株会社が解禁され、2006 年施行の会社法では最低資本金制度が廃止されて合同会社が新設された エ トラストとは独立した企業どうしが価格や生産量について協定を結ぶことで、独占禁止法のもとでも原則として認められている undefined 会社法の施行後も従来どおり有限会社を新たに設立することができ、株式会社の設立には現在も 1,000 万円以上の資本金が必要とされている)
市場経済と企業(需要供給・市場の失敗) ── 解答
基礎
- 24 均衡では D = S。167 − 4P = 4P − 25 → 8P = 192 → P = 24。このとき取引量は 71。
- 89 まず D = S から均衡価格を出す。141 − 2P = 4P − 15 → P = 26。これを供給の式に戻して S = 4 × 26 − 15 = 89(需要の式に戻しても同じ値になる)。
- ウ 均衡価格は上昇し、均衡取引量は減少する 均衡価格は上昇し、均衡取引量は減少する。供給曲線が左にシフトする。「需要が右なら価格も量も上がる、供給が右なら量は増えて価格は下がる」で判定する。
- ア 株主は出資額を限度とする有限責任を負うにとどまり、会社が倒産しても出資額を超えて会社の債務を弁済する責任を負わない 株主は有限責任。株主総会は基本事項を決める最高機関で、業務執行は取締役が担う(所有と経営の分離)。配当は利益の分配であり、利益がなければ支払われない。
- ウ 合名会社の社員は全員が無限責任を負い、合資会社には無限責任社員と有限責任社員の両方がいる 合名=全員無限責任、合資=無限と有限の混合、合同・株式=全員有限責任。会社法(2006 年施行)で合同会社が新設され、有限会社の新設はできなくなり、最低資本金制度も廃止された。
- undefined 米や塩などの生活必需品は需要の価格弾力性が小さく、価格が上がっても需要量はあまり減らない 弾力性 = 需要量の変化率 ÷ 価格の変化率。生活必需品は小さく(非弾力的)、ぜいたく品は大きい。弾力性が 1 より小さい財は値上げすると売上が増える(豊作貧乏はその裏返し)。
- 12 弾力性 = 需要量の変化率 ÷ 価格の変化率 なので、需要量の変化率 = 弾力性 × 価格の変化率 = 3 × 4 = 12% の減少。弾力性が 1 より大きいこの財は弾力的(ぜいたく品型)で、値上げすると売上(価格 × 数量)は減る。
- ア 価格が均衡価格より高いと超過供給(売れ残り)が生じ、価格が下がって需要量と供給量が一致する方向に調整される 価格の自動調節機能。均衡価格より低いと超過需要(品不足)が生じて価格は上がる。需要曲線は右下がり・供給曲線は右上がり。自分の価格の変化は曲線上の移動で、シフトではない。均衡では需要量と供給量が等しい。
標準
- 50 価格 46 のとき D = 260 − 3 × 46 = 122、S = 2 × 46 − 20 = 72。差の 50 が超過需要。均衡価格 56 より低いので、超過需要が生じて価格は上がる方向に動く。
- エ 0.5 需要の価格弾力性 = 需要量の変化率 ÷ 価格の変化率 = 4 ÷ 8 = 0.5。1 より小さいので非弾力的(生活必需品型)な財。分子と分母を逆にしない。
- ウ 外部経済 外部経済。第三者に市場を通さず損害が及べば外部不経済、利益が及べば外部経済。非排除性・非競合性があれば公共財。情報の差は取引前なら逆選択、取引後なら モラルハザード。少数企業の価格支配は独占・寡占。
- ウ 資本主義では労働者が生み出した価値の一部を資本家が利潤として取得(搾取)しており、資本主義は矛盾を深めてやがて社会主義へ移行すると説いた 資本主義では労働者が生み出した価値の一部を資本家が利潤として取得(搾取)しており、資本主義は矛盾を深めてやがて社会主義へ移行すると説いた。スミス(見えざる手・小さな政府)→ マルクス(搾取・社会主義)→ ケインズ(有効需要・大きな政府)→ フリードマン(マネタリズム・新自由主義)の流れと、シュンペーター(イノベーション)を区別する。
- undefined カルテルは独立した企業どうしが価格や生産量について協定を結ぶことで、独占禁止法で原則として禁止されている カルテル=協定、トラスト=合併、コンツェルン=持株会社による支配。独占禁止法(1947 年)を運用するのは公正取引委員会。純粋持株会社は 1997 年の改正で解禁された。
- ウ 公共財は対価を払わない人を排除できない非排除性と、消費しても他の人の分が減らない非競合性をもち、市場では供給されにくい 公共財は非排除性・非競合性という性質で決まる(誰が供給しているかではない)。非排除性のためにフリーライダーが生じ、民間では供給されにくいので政府が税で供給する。
- 22 もとの均衡は 78 − 3P = 3P − 30 → P = 18。需要が 24 増えると需要の式は D = 102 − 3P になり、102 − 3P = 3P − 30 → 6P = 132 → P = 22。需要の右シフトで均衡価格は 4 上がり、取引量は 24 から 36 に増える(需要が右なら価格も量も上がる)。
- ア 外部不経済に対しては、損害を出した者に損害分の税を課して費用を負担させる(外部不経済の内部化)などの対策がとられる 汚染者負担の原則(PPP)と同じ考え方。公共財は非排除性・非競合性という財の性質で決まる。外部経済のある財は社会的に望ましい量より少なくしか生産されないので補助金などで増やす。情報の非対称性への対策は情報開示の義務づけや資格制度。フリーライダーは公共財で対価を払わずに利用する人の問題。
発展
- イ 53 課税前の均衡は 71 − P = P − 23 → P = 47。生産者に 1 単位 12 の税がかかると、生産者は税込みで 12 高い価格でなければ同じ量を供給しないので、供給の式は S = P − 23 − 12 に変わる(供給曲線が上へ 12 シフト)。71 − P = P − 35 → P = 53。消費者の支払う価格は 6 だけ上がり、残りの 6 は生産者の受取価格の低下として負担される(需要・供給の傾きが同じなら税は折半)。
- ア 有力企業の価格に他社が追随する管理価格が生まれやすく、コストが下がっても価格が下がりにくい下方硬直性や、広告などの非価格競争が見られる 寡占市場の特徴は、管理価格・価格の下方硬直性・非価格競争の 3 つ。プライス・テイカーは完全競争市場の特徴で、寡占企業はプライス・メイカーになる。
- ウ 逆選択は取引の前に生じる問題で、買い手が品質を見分けられない中古車市場で質の悪い車ばかりが残る現象がその例である 逆選択(取引前・レモン市場)とモラルハザード(取引後・保険加入後の不注意)の区別。健康に不安のある人ほど保険に入りたがるのは逆選択の例。情報の非対称性は市場の失敗の一つで、情報開示の義務づけや資格制度が対策になる。
- ウ 1997 年の独占禁止法改正で純粋持株会社が解禁され、2006 年施行の会社法では最低資本金制度が廃止されて合同会社が新設された 純粋持株会社は戦後長く禁止され 1997 年に解禁。会社法(2006 年施行)で有限会社は新設できなくなり、資本金は 1 円から設立できる。企業の文化支援はメセナ・フィランソロピー(コーポレート・ガバナンスは経営者を監視する仕組み)。価格協定はカルテルで原則禁止(トラストは合併)。議決権は原則 1 株 1 票。
受験のしらべ / https://juken-shirabe.com/koumuin/shakai/zk-04/test/ / 問題は毎回の表示で数が変わります。印刷したものはその一例です。
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