体の調節と生態系(恒常性・免疫・生態系) ── 問題
基礎
- 消化液の分泌に対する副交感神経のはたらきとして妥当なものはどれですか。 (ア まず促進し、その後に抑制する イ ホルモンの分泌を介してのみ間接的に作用する ウ 抑制する エ 促進する undefined 影響を及ぼさない)
- ろ過されるが再吸収も分泌もされない物質イヌリンを静脈に注射したところ、尿中の濃度は血しょう中の濃度の 160 倍であった。1 日の尿量が 1.6 L のとき、1 日にろ過されてできる原尿の量は何 L ですか。
- ミジンコを食べる小魚は、生態系の中での役割としてどれに分類されますか。 (ア 非生物的環境 イ 生産者 ウ 二次消費者 エ 分解者 undefined 一次消費者)
- ヘモグロビンを含み、酸素を運搬する血液の成分はどれですか。 (ア リンパ液 イ 白血球 ウ 血小板 エ 血しょう undefined 赤血球)
標準
- グルカゴンを分泌する内分泌腺と、そのはたらきの組み合わせとして妥当なものはどれですか。 (ア 甲状腺 ── 代謝を抑制する イ 副甲状腺 ── カルシウム濃度を上げる ウ すい臓のランゲルハンス島 A 細胞 ── 血糖値を上げる エ 副腎皮質 ── 血糖値を下げる undefined すい臓のランゲルハンス島 B 細胞 ── 血糖値を下げる)
- 臓器移植の拒絶反応で中心となってはたらく細胞はどれですか。 (ア 血小板 イ 赤血球 ウ B 細胞 エ キラー T 細胞 undefined 形質細胞)
- 植物が根から吸収した硝酸イオンなどをもとにアミノ酸やタンパク質をつくるはたらきを何といいますか。 (ア 脱窒 イ 分解 ウ 窒素同化 エ 硝化 undefined 窒素固定)
- 溶岩台地のように土壌のない場所から始まる一次遷移で、最初に侵入する生物として妥当なものはどれですか。 (ア シイ・カシなどの陰樹 イ ブナなどの落葉広葉樹 ウ 地衣類・コケ植物 エ アカマツなどの陽樹 undefined ススキなどの草本)
- オゾン層の破壊の主な原因物質として妥当なものはどれですか。 (ア 窒素・リンを含む生活排水 イ 二酸化炭素・メタンなどの温室効果ガス ウ 硫黄酸化物・窒素酸化物 エ フロン undefined カドミウム)
- 血糖値の調節に関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア インスリンは肝臓でグリコーゲンをグルコースに分解させて血糖値を下げる イ 血糖値が下がると、副交感神経のはたらきでアドレナリンの分泌が促される ウ 糖尿病は、インスリンの分泌が過剰になって血糖値が下がりすぎる病気である エ 血糖値を下げるホルモンはインスリンだけで、上げるホルモンはグルカゴン・アドレナリンなど複数ある undefined 血糖値が上がると、すい臓のランゲルハンス島 A 細胞からインスリンが分泌され、血糖値を下げるようにはたらく)
- 免疫に関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア 自然免疫は特定の抗原を記憶するため、同じ病原体に 2 回目に感染したときには発症しないか軽くすむ イ HIV は B 細胞に感染して破壊するため、細胞性免疫だけが失われ、体液性免疫は保たれる ウ 抗体はリンパ球のうちキラー T 細胞が産生するタンパク質で、抗原と特異的に結合する エ アレルギーは、病原体に対する免疫がはたらかなくなることで起こる undefined 体液性免疫では B 細胞が形質細胞になって抗体をつくり、細胞性免疫ではキラー T 細胞が感染細胞を攻撃する)
- 激しい運動で汗をかき、血液中の水分が減って体液の浸透圧が上がったときに起こる反応として妥当なものはどれですか。 (ア 甲状腺からチロキシンが分泌され、発汗が止まる イ 脳下垂体後葉からのバソプレシンの分泌が減り、腎臓での水の再吸収が減って尿量が増える ウ すい臓からインスリンが分泌され、腎臓での水の再吸収が増える エ 脳下垂体後葉からのバソプレシンの分泌が増え、腎臓での水の再吸収が増えて尿量が減る undefined 副腎皮質から糖質コルチコイドが分泌され、尿量が増える)
- DDT・PCB・有機水銀のように、分解や排出がされにくい物質が食物連鎖の上位の生物ほど高濃度でたまる現象を何といいますか。 (ア 遷移 イ 富栄養化 ウ 生物濃縮 エ 脱窒 undefined 自然浄化)
- 自律神経に関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア 交感神経がはたらくと瞳孔は縮小し、気管支は収縮する イ 交感神経と副交感神経は多くの器官で逆向きにはたらき、交感神経は心臓の拍動を促進し、副交感神経は抑制する ウ 副交感神経の末端からはノルアドレナリンが、交感神経の末端からはアセチルコリンが分泌される エ 自律神経の中枢は大脳皮質にあり、自分の意思によって心臓の拍動や消化管の運動を自由に速めたり遅くしたりできる undefined 交感神経は休息時に優位になり、消化管の運動や消化液の分泌を促進する)
発展
- ある生態系で、生産者が固定したエネルギー量を 5000、一次消費者が同化したエネルギー量を 1000 とする(単位は同じ)。一次消費者のエネルギー効率(前の栄養段階が取り入れたエネルギー量に対する割合)は何%ですか。
- 生態系における物質とエネルギーの動きに関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア 生物濃縮では、分解されやすい物質ほど食物連鎖の上位に高濃度で蓄積する イ 炭素や窒素などの物質は生態系の中を循環するが、エネルギーは熱として失われて循環しない ウ 太陽の光エネルギーは、生産者から消費者・分解者へと渡ったあと、再び生産者に戻って循環する エ 食物連鎖の上位の栄養段階ほど、利用できるエネルギー量は大きくなる undefined 分解者は有機物を無機物にする際に、大気中の窒素を直接タンパク質に変える)
- 腎臓のはたらきに関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア 尿素は糸球体でろ過されず、血液中にとどまって肝臓で分解される イ 原尿の量は 1 日の尿の量とほぼ等しく、水はほとんど再吸収されない ウ タンパク質は糸球体でろ過されて原尿に含まれ、細尿管で再吸収されずに尿中に排出される エ グルコースは糸球体でろ過されるが、細尿管で全部再吸収されるため健康な人の尿にはほとんど出ない undefined バソプレシンは細尿管での水の再吸収を抑制し、尿量を増やす)
- チロキシンの分泌が増えすぎたときに体内で起こる調節として妥当なものはどれですか。 (ア 甲状腺が自らインスリンを分泌して、増えすぎたチロキシンのはたらきを打ち消す イ チロキシンの増加を受けて視床下部と脳下垂体が甲状腺刺激ホルモンを減らし、チロキシンの分泌を抑える ウ チロキシンの分泌量は遺伝的に固定されているため、調節は行われない エ 副交感神経が甲状腺に直接はたらきかけ、チロキシンを分解する undefined 視床下部と脳下垂体が甲状腺刺激ホルモンの分泌をさらに増やし、チロキシンの分泌を加速させる)
- ある生態系で、生産者が固定したエネルギー量を 100000 とする。一次消費者のエネルギー効率が 20%、二次消費者のエネルギー効率が 10% のとき、二次消費者が同化したエネルギー量はどれですか(単位は生産者と同じ)。 (ア 200 イ 4000 ウ 10000 エ 30000 undefined 2000)
- 免疫のしくみを利用した医療に関する記述として妥当なものはどれですか。 (ア 臓器移植の拒絶反応は体液性免疫の抗体によって起こり、キラー T 細胞などの細胞性免疫は関与しない イ 血清療法は、他の動物につくらせた抗原を患者に注射して、患者の体内で抗体をつくらせる方法である ウ 血清療法は病原体に対する抗体をあらかじめ患者自身につくらせておく方法で、記憶細胞ができるため、その効果は一生続く エ 予防接種は、接種した直後から抗体が大量に供給されるため、すでに発症した病気の治療に用いられる undefined 予防接種はワクチンで記憶細胞をつくらせ、本物の病原体が侵入したときに素早く強い免疫応答を起こさせる方法である)
体の調節と生態系(恒常性・免疫・生態系) ── 解答
基礎
- エ 促進する 副交感神経は消化液の分泌を「促進する」。交感神経は「闘うか逃げるか」の場面(心拍・血圧・瞳孔・気管支は活発に、消化は後回し)、副交感神経は休息の場面で逆向きにはたらく。交感神経は逆の作用をもつ。
- 256 イヌリンは再吸収されないので、尿中の濃度が 160 倍になったのは水が 1/160 に減ったから。原尿量 = 尿量 × 濃縮率 = 1.6 × 160 = 256 L。
- ウ 二次消費者 ミジンコを食べる小魚は二次消費者。光合成で有機物をつくる植物・植物プランクトン・シアノバクテリアが生産者、生産者を食べる動物が一次消費者、それを食べる動物が二次消費者、遺体や排出物を無機物に分解する菌類・細菌が分解者。
- undefined 赤血球 赤血球。血液は赤血球(酸素運搬)・白血球(免疫)・血小板(凝固)・血しょう(液体成分)からなり、凝固後の上ずみが血清。肝臓はアンモニアを尿素に変え、腎臓は糸球体でろ過 → 細尿管で再吸収して尿をつくる。
標準
- ウ すい臓のランゲルハンス島 A 細胞 ── 血糖値を上げる グルカゴンは「すい臓のランゲルハンス島 A 細胞 ── 血糖値を上げる」。血糖値を下げるホルモンはインスリンだけで、上げるのはグルカゴン・アドレナリン・糖質コルチコイドと複数ある。
- エ キラー T 細胞 キラー T 細胞。自然免疫は食作用(マクロファージ・好中球・樹状細胞)、獲得免疫は体液性(B 細胞 → 形質細胞が抗体を産生)と細胞性(キラー T 細胞)で、司令塔はヘルパー T 細胞。ワクチンは抗原を入れて記憶細胞をつくる予防、血清療法は抗体を入れる治療。
- ウ 窒素同化 窒素同化。窒素の循環は「窒素固定(N₂ → NH₄⁺:根粒菌・アゾトバクター)→ 硝化(NH₄⁺ → NO₂⁻ → NO₃⁻:硝化菌)→ 窒素同化(植物がタンパク質に)→ 分解者 → 脱窒(NO₃⁻ → N₂:脱窒素細菌)」の流れ。
- ウ 地衣類・コケ植物 地衣類・コケ植物。一次遷移は地衣類・コケ → 草原 → 陽樹林 → 陰樹林(極相)。日本のバイオームは南から亜熱帯多雨林 → 照葉樹林(シイ・カシ)→ 夏緑樹林(ブナ・ミズナラ)→ 針葉樹林(トドマツ・エゾマツ)で、標高が上がっても同じ順に変わる。
- エ フロン オゾン層の破壊の原因物質はフロン。環境問題は原因物質で切り分ける:CO₂ など = 温暖化、フロン = オゾン層破壊、SOx・NOx = 酸性雨、有機水銀 = 水俣病、カドミウム = イタイイタイ病、窒素・リン = 富栄養化。
- エ 血糖値を下げるホルモンはインスリンだけで、上げるホルモンはグルカゴン・アドレナリンなど複数ある インスリンは B 細胞から分泌され、グルコースをグリコーゲンに合成させたり細胞に取りこませたりして血糖値を下げる。アドレナリンの分泌は交感神経が促す。糖尿病はインスリンの不足や作用不全で血糖値が下がらない病気。
- undefined 体液性免疫では B 細胞が形質細胞になって抗体をつくり、細胞性免疫ではキラー T 細胞が感染細胞を攻撃する 抗体を産生するのは B 細胞(形質細胞)。記憶をもつのは獲得免疫で、自然免疫には特異的な記憶はない。アレルギーは無害な物質への過剰な免疫反応。HIV はヘルパー T 細胞を破壊し、体液性・細胞性の両方の獲得免疫が弱まる。
- エ 脳下垂体後葉からのバソプレシンの分泌が増え、腎臓での水の再吸収が増えて尿量が減る 脳下垂体後葉からのバソプレシンの分泌が増え、腎臓での水の再吸収が増えて尿量が減る。恒常性の調節は間脳の視床下部が中枢で、自律神経(速い)とホルモン(遅いが長い)の両方を使う。寒いときは放熱を減らし(血管収縮・立毛筋収縮)発熱を増やす(ふるえ・チロキシン・アドレナリン)。暑いときは逆に血管拡張と発汗。体液の浸透圧が上がればバソプレシンで水を再吸収して尿を減らす。血糖値を下げるのはインスリンだけ、上げるのはグルカゴン・アドレナリン・糖質コルチコイドなど複数。
- ウ 生物濃縮 生物濃縮。生態系の保全では、キーストーン種(数は少ないが影響が大きい)・外来生物(在来種を捕食・競争で減らす。外来生物法で特定外来生物を規制)・生物濃縮(分解されにくい物質が上位にたまる。水俣病)・富栄養化(窒素・リンで赤潮・アオコ)・生物多様性の 3 レベル(遺伝子・種・生態系)・レッドリスト(絶滅危惧種の一覧)を用語として区別する。
- イ 交感神経と副交感神経は多くの器官で逆向きにはたらき、交感神経は心臓の拍動を促進し、副交感神経は抑制する 交感神経は活動・緊張時(心拍促進・血圧上昇・瞳孔拡大・気管支拡張・消化抑制)、副交感神経は休息時(消化促進など)に優位。神経伝達物質は交感神経がノルアドレナリン、副交感神経がアセチルコリン。中枢は間脳の視床下部で、意思とは無関係にはたらく。
発展
- 20 エネルギー効率 = その栄養段階が同化したエネルギー量 ÷ 前の栄養段階が取り入れたエネルギー量 × 100 = 1000 ÷ 5000 × 100 = 20%。エネルギーは呼吸で熱として失われるため、上の段階ほど小さくなる。
- イ 炭素や窒素などの物質は生態系の中を循環するが、エネルギーは熱として失われて循環しない 物質は循環し、エネルギーは一方向に流れて熱として系外へ出る。上位の栄養段階ほどエネルギー量は小さい(生態ピラミッド)。大気中の N₂ を使えるのは窒素固定を行う一部の細菌だけ。生物濃縮は分解・排出されにくい物質(DDT・PCB・有機水銀)で起こる。
- エ グルコースは糸球体でろ過されるが、細尿管で全部再吸収されるため健康な人の尿にはほとんど出ない タンパク質や血球は大きいのでろ過されない。尿素はろ過され、一部再吸収されるが大部分は排出される。原尿は 1 日約 170 L できるが水の約 99% が再吸収され、尿は約 1.5 L。バソプレシンは水の再吸収を促進して尿量を減らす。
- イ チロキシンの増加を受けて視床下部と脳下垂体が甲状腺刺激ホルモンを減らし、チロキシンの分泌を抑える ホルモンの分泌は、最終産物の濃度が上位の内分泌腺(視床下部・脳下垂体)にはたらいて分泌を抑える負のフィードバックで一定に保たれる。恒常性の基本的なしくみ。
- undefined 2000 エネルギー効率 = その段階が同化した量 ÷ 1 つ前の段階が同化した量(生産者は総生産量)× 100。一次消費者の同化量 = 100000 × 20/100 = 20000。二次消費者の同化量 = 20000 × 10/100 = 2000。段階を上がるごとにかけ算で減っていく(呼吸で熱として失われるため)ので、エネルギー量のピラミッドは上位ほど小さくなる(個体数や生物量のピラミッドは逆転することがある)。
- undefined 予防接種はワクチンで記憶細胞をつくらせ、本物の病原体が侵入したときに素早く強い免疫応答を起こさせる方法である 予防接種(ワクチン)は抗原を入れて自分で抗体と記憶細胞をつくらせる予防法(効果が出るまで時間がかかる)。血清療法は他の動物につくらせた抗体を注射して即効性を得る治療法で、記憶細胞はできないので効果は一時的。拒絶反応は主にキラー T 細胞による細胞性免疫。
受験のしらべ / https://juken-shirabe.com/koumuin/shizen/zn-08/test/ / 問題は毎回の表示で数が変わります。印刷したものはその一例です。
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