数学A / 数学と人間の活動 / ha-07

更新 2026-09-12

整数の性質 ① ── 約数と倍数・互除法・一次不定方程式

この単元でできるようになること

入試での位置づけ

「数学と人間の活動」は共通テスト数学A の選択問題で、一次不定方程式n 進法(ha-08が中心です。互除法は不定方程式の特殊解を見つける道具として必須。整数問題は私立・国公立の記述でも「余りの分類」「互いに素」を使った証明として出ます。


1. 約数・倍数の基本

まずここだけ

素因数分解:整数を素数の積で表す。360 = 2³ × 3² × 5

求めるもの方法例(360)
約数の個数(指数 + 1) の積(3+1)(2+1)(1+1) = 24 個
約数の総和(1 + p + … + pᵃ) の積(1+2+4+8)(1+3+9)(1+5) = 15 × 13 × 6 = 1170
最大公約数 G共通の素因数を、小さいほうの指数で360 と 84 = 2² × 3 × 7 → 2² × 3 = 12
最小公倍数 Lすべての素因数を、大きいほうの指数で2³ × 3² × 5 × 7 = 2520

性質:2 数 a、b について ab = G × L(a、b の最大公約数 G、最小公倍数 L)。

360 × 84 = 12 × 2520 ✓

互いに素

最大公約数が 1 の 2 数を互いに素という(8 と 15 など)。 a と b が互いに素で、a が bc を割り切るなら、a は c を割り切る(不定方程式で使う)。


2. 余りによる分類

まずここだけ

整数を n で割った余りは 0、1、…、n − 1 の n 通り。整数 = nk + r の形で分ける。

「n² を 3 で割った余りは 0 か 1」の証明: n = 3k → n² = 9k² → 余り 0 n = 3k + 1 → n² = 9k² + 6k + 1 = 3(3k² + 2k) + 1 → 余り 1 n = 3k + 2 → n² = 9k² + 12k + 4 = 3(3k² + 4k + 1) + 1 → 余り 1

連続する整数の積:連続する 2 整数の積は 2 の倍数、連続する 3 整数の積は 6 の倍数。

n(n + 1)(n + 2) は 6 の倍数 → n³ − n = (n − 1)n(n + 1) も 6 の倍数


3. ユークリッドの互除法

ここまでできれば十分

a を b で割った余りを r とすると、gcd(a, b) = gcd(b, r)。余りが 0 になるまでくり返す。

gcd(1071, 462) 1071 = 462 × 2 + 147 462 = 147 × 3 + 21 147 = 21 × 7 + 0 → 最大公約数 21

大きい数を小さい数で割り、「割る数」と「余り」で同じことをくり返す。素因数分解しにくい大きな数に使う。


4. 一次不定方程式

ここまでできれば十分

ax + by = c の整数解 (x, y) を求める。

手順

  1. 特殊解を 1 つ見つける(小さい数なら代入、大きい数なら互除法を逆にたどる)
  2. もとの式から特殊解の式を引く
  3. 互いに素を使って一般解を書く

3x + 5y = 1 ① 特殊解:x = 2、y = −1(3・2 + 5・(−1) = 1) ② 引く:3(x − 2) + 5(y + 1) = 0 → 3(x − 2) = −5(y + 1) ③ 3 と 5 は互いに素なので x − 2 は 5 の倍数:x − 2 = 5k → x = 5k + 2、y = −3k − 1(k は整数)

3x + 5y = 7 特殊解:1 の解を 7 倍して x = 14、y = −7(または x = 4、y = −1 のほうが小さい) 一般解:x = 5k + 4、y = −3k − 1

互除法を逆にたどる(特殊解が見つからないとき)

37x + 11y = 1 37 = 11 × 3 + 4、11 = 4 × 2 + 3、4 = 3 × 1 + 1 逆にたどる:1 = 4 − 3 = 4 − (11 − 4 × 2) = 4 × 3 − 11 = (37 − 11 × 3) × 3 − 11 = 37 × 3 − 11 × 10 特殊解 x = 3、y = −10。一般解 x = 11k + 3、y = −37k − 10

解を持つ条件

ax + by = c が整数解を持つ ⇔ c が gcd(a, b) の倍数

6x + 4y = 3 は解なし(左辺は偶数)

応用:条件つきの解

「x、y がともに正」「最小の x」などは、k の範囲を不等式で決める。

x = 5k + 4 > 0 かつ y = −3k − 1 > 0 → k ≧ 0 かつ k ≦ −1 → 解なし(3x + 5y = 7 の正の整数解はない)


5. その他の整数問題

もう一歩

積の形に直す:xy − 2x − 3y = 0 → (x − 3)(y − 2) = 6 → 約数の組を調べる。

分数の整数条件:(n + 7)/(n + 2) が整数 → 1 + 5/(n + 2) → n + 2 は 5 の約数 → n + 2 = ±1、±5。

倍数の判定法:3 の倍数 ⇔ 各位の和が 3 の倍数、4 の倍数 ⇔ 下 2 けたが 4 の倍数、9 の倍数 ⇔ 各位の和が 9 の倍数、11 の倍数 ⇔ 奇数位の和 − 偶数位の和が 11 の倍数。


6. 自己チェック

  1. 素因数分解 → 約数の個数は (指数 + 1) の積
  2. G は小さい指数、L は大きい指数。ab = GL
  3. 互除法:割る数と余りでくり返す
  4. 不定方程式:特殊解 → 引く → 互いに素で一般解
  5. 解を持つ条件:右辺が gcd の倍数

7. 小テストへ

→ 小テスト(ha-07

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参考資料

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