中1 数学 / 数と式 / m1-04
四則の混じった計算・素因数分解
この単元でできるようになること
- たし算・ひき算・かけ算・わり算・累乗・かっこが混ざった式を、正しい順序で計算できる
- を使って、計算を楽にできる
- 素数がどんな数かわかり、自然数を素因数分解できる
- 素因数分解を使って「ある数を何倍すれば平方数になるか」の問題が解ける
入試での位置づけ
大問1の計算問題は、この単元の「計算の順序」を守れているかで正誤が決まります。順序の間違いは、1問まるごと落とすうえに、答えが出ているぶん見直しでも気づきにくいのがやっかいです。素因数分解は、中3の平方根と因数分解の土台で、「√ の中を小さくする」「ある数をかけて整数の2乗にする」という入試頻出問題は、ここで身につく素因数分解そのものです。
1. 計算の順序
まずここだけ
式の中に色々な計算が混ざっているときは、次の順番で計算します。
- かっこの中(小さいかっこ ( ) → 中かっこ { } → 大かっこ [ ] の順)
- 累乗(2乗・3乗)
- かけ算・わり算(左から順に)
- たし算・ひき算(左から順に)
「かっこ → 累乗 → 乗除 → 加減」。この4段を、毎回頭の中で唱えてから解き始めてください。
例1:3 + 4 × 2
かけ算が先。4 × 2 = 8。3 + 8 = 11。(左から 3 + 4 = 7、7 × 2 = 14 は誤り)
例2:(3 + 4) × 2
かっこが先。3 + 4 = 7。7 × 2 = 14。かっこがつくと順序が変わります。
例3:−3² + (−2)³ × 2
- 累乗:−3² = −9、(−2)³ = −8
- かけ算:(−8) × 2 = −16
- たし算:−9 + (−16) = −25
例4:12 ÷ (−4) − (−5) × 2
- かけ算・わり算を左から:12 ÷ (−4) = −3、(−5) × 2 = −10
- たし算・ひき算:−3 − (−10) = −3 + 10 = 7
例5:かっこが二重になっている式 18 − {6 − (3 − 8)} × 2
- いちばん内側の ( ):3 − 8 = −5
- { } の中:6 − (−5) = 11
- かけ算:11 × 2 = 22
- ひき算:18 − 22 = −4
よくある間違い
- 左から順に計算してしまう(3 + 4 × 2 = 14) → かけ算・わり算はたし算・ひき算より先
- かけ算とわり算が並んだとき、右から計算する:8 ÷ 2 × 4 を 8 ÷ 8 = 1 にする → 左から。8 ÷ 2 = 4、4 × 4 = 16
- 累乗を後回しにする:2 × 3² を (2 × 3)² = 36 にする → 累乗が先。2 × 9 = 18
- かっこの前の − を、かっこの中の最初の項にだけかける:−(3 − 8) を −3 − 8 にする → かっこ全体に −。−(−5) = 5
ここまでできれば十分
例1〜4 が自力で解ければ、計算問題の土台はできています。例5 のような二重かっこは、内側から一つずつ外せば同じことです。
2. 分配法則 ── かっこを外す・かっこにまとめる
まずここだけ
かっこの外の数を、かっこの中のそれぞれの項にかけてよい、というきまりです。
a × (b + c) = a × b + a × c (b + c) × a = b × a + c × a
たとえば 6 × (10 + 2) は、6 × 10 + 6 × 2 = 60 + 12 = 72。ふつうに 6 × 12 = 72 と同じです。
使いどころ①:計算を楽にする
(−4) × (100 − 3) → (−4) × 100 + (−4) × (−3) = −400 + 12 = −388 97 をかけるより、100 と 3 に分けたほうが暗算できます。
(1/2 − 1/3) × 12 → 1/2 × 12 − 1/3 × 12 = 6 − 4 = 2 通分してから 1/6 × 12 と計算しても同じですが、分配したほうが分数の計算を避けられます。
使いどころ②:逆向きに使ってまとめる
37 × 8 + 63 × 8 → (37 + 63) × 8 = 100 × 8 = 800 同じ数(8)をかけているものが並んでいたら、かっこにまとめると一発です。
よくある間違い
- 分配のとき、片方の項にだけかける:(−4) × (100 − 3) を −400 − 3 にする → 中の項すべてにかける
- 符号を落とす:(−4) × (−3) を −12 にする → 分配のときも符号ルールは同じ
3. 素数と素因数分解
まずここだけ
とは、1 とその数自身のほかに約数を持たない、2 以上の自然数です。
2、3、5、7、11、13、17、19、23、29、31、37…
- 1 は素数ではない(約束として除く)
- 2 は唯一の偶数の素数(ほかの偶数は 2 で割れる)
とは、自然数を素数だけのかけ算の形に直すことです。
60 = 2 × 2 × 3 × 5 = 2² × 3 × 5
やり方:小さい素数から順に割っていく
60 を素因数分解する。
2 ) 60
2 ) 30
3 ) 15
5
- 2 で割れるだけ割る:60 → 30 → 15(もう 2 では割れない)
- 次の素数 3 で:15 → 5
- 5 は素数なので終わり
- 割った数と最後の数を全部かける形に:2 × 2 × 3 × 5 = 2² × 3 × 5
同じ素数は累乗でまとめて書きます。
例
| 数 | 素因数分解 |
|---|---|
| 12 | 2² × 3 |
| 36 | 2² × 3² |
| 72 | 2³ × 3² |
| 100 | 2² × 5² |
| 210 | 2 × 3 × 5 × 7 |
よくある間違い
- 4 × 15 のように、素数でない数で分けたまま終わる → 4 = 2² まで分ける。「全部素数になったか」を最後に確認
- 1 を素因数に入れる(60 = 1 × 2² × 3 × 5)→ 1 は素数ではないので書かない
- 91 を素数と思う → 91 = 7 × 13。7 で割れるかは見落としやすい
ここまでできれば十分
100 くらいまでの数を素因数分解できれば、次の中3の内容につながります。
もう一歩(発展):かけて平方数にする
「48 にできるだけ小さい自然数をかけて、ある自然数の 2乗にしたい。何をかければよいか」
平方数(ある自然数の2乗)を素因数分解すると、すべての素数の指数が偶数になります(36 = 2² × 3²、100 = 2² × 5²)。
48 = 2⁴ × 3。2 の指数は 4(偶数)、3 の指数は 1(奇数)。3 をもう1つかければ 2⁴ × 3² = (2² × 3)² = 12² になります。答え 3。
同じ考えで「わって平方数にする」なら、奇数の指数の素数でわります。48 ÷ 3 = 16 = 4²。
この問題は中3の平方根で「√48 を簡単にする」「√(48n) が整数になる最小の n」として出題されやすい定番です。ここで考え方をつかんでおくと、中3で楽になります。
4. 自己チェック
- 順序は「かっこ → 累乗 → 乗除 → 加減」で解いたか
- 乗除・加減が並んだところは左からか
- 分配したとき、かっこの中の全部の項にかけたか
- 素因数分解の結果が全部素数になっているか
5. 小テストへ
→ 小テスト(m1-04)
関連する単元
参考資料
- 文部科学省『中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 数学編』第1学年 A 数と式 (1) 正の数と負の数 ── 「四則計算」「素因数分解」(自然数を素数の積として表すことは第1学年で扱う)
受験のしらべ / https://juken-shirabe.com/koko/math/m1-04/ / 更新 2026-09-12