高1 / 物理基礎 / pb-09
音(音速・弦と気柱の振動・うなり)
この単元でできるようになること
- 音の 3 要素(高さ = 振動数、大きさ = 振幅、音色 = 波形)と、音速 V ≒ 331.5 + 0.6t(m/s、t:気温 ℃)を使える
- うなりの回数 = 2 つの振動数の差 を計算できる
- 弦の(基本振動 λ = 2L、n 倍振動 λ = 2L/n)と振動数を求められる
- 気柱の固有振動(閉管 λ = 4L・奇数倍のみ/開管 λ = 2L)を扱える
- 共鳴・共振の現象を説明できる
入試での位置づけ
音は波(pb-08)の応用で、共通テストでは気柱の共鳴実験(水面を下げていって初めて共鳴する長さから波長・音速を求める)と弦の振動数(張力・長さ・線密度との関係)、うなりが定番。定常波の腹・節の位置を「閉管は口が腹・底が節」と図で描ければ、計算はすべて v = fλ に帰着します。
1. 音の性質
まずここだけ
- 音は縦波(疎密波)。空気・水・固体を伝わり、真空中は伝わらない
- 音速(空気中):V = 331.5 + 0.6t m/s(t:℃)。15 ℃ で約 340 m/s。温度が高いほど速い。固体・液体中のほうが速い
- 可聴音:約 20 Hz 〜 20,000 Hz。20,000 Hz 以上は超音波
| 音の 3 要素 | 対応する波の量 |
|---|---|
| 高さ | 振動数(大きいほど高い) |
| 大きさ | 振幅(大きいほど大きい) |
| 音色 | 波形 |
340 m/s、440 Hz の音の波長:340/440 ≒ 0.77 m
2. うなり
まずここだけ
振動数がわずかに違う 2 つの音を同時に鳴らすと、音が周期的に大きくなったり小さくなったりする。 1 秒間のうなりの回数 = |f₁ − f₂|
440 Hz と 444 Hz → 1 秒に 4 回のうなり 440 Hz のおんさと鳴らして毎秒 3 回のうなり → 相手は 437 Hz か 443 Hz(どちらかは、おんさに重りをつけて振動数を下げたときの変化で判断)
3. 弦の固有振動
ここまでできれば十分
両端を固定した長さ L の弦には、両端が節の定常波ができる。
| 振動 | 腹の数 n | 波長 | 振動数 |
|---|---|---|---|
| 基本振動 | 1 | λ₁ = 2L | f₁ = v/(2L) |
| 2 倍振動 | 2 | λ₂ = L | f₂ = 2f₁ |
| n 倍振動 | n | λ_n = 2L/n | f_n = nv/(2L) = nf₁ |
v は弦を伝わる波の速さ(弦の張力が大きいほど、線密度が小さいほど速い:v = √(S/ρ))。
長さ 0.50 m の弦に速さ 200 m/s の波:基本振動数 200/(2 × 0.50) = 200 Hz、3 倍振動は 600 Hz 弦を短くする・強く張る・細くする → 音が高くなる(ギターの原理)
4. 気柱の固有振動
ここまでできれば十分
管の中の空気(気柱)に定常波ができる。開いた口は腹、閉じた底は節。
| 管 | 端 | 基本振動の波長 | できる振動 |
|---|---|---|---|
| 閉管(片方が閉じている) | 口:腹、底:節 | λ₁ = 4L | 基本・3 倍・5 倍…(奇数倍のみ) |
| 開管(両端が開いている) | 両端:腹 | λ₁ = 2L | 基本・2 倍・3 倍…(すべての整数倍) |
長さ 0.20 m の閉管(音速 340 m/s):λ₁ = 0.80 m、f₁ = 425 Hz。次の共鳴(3 倍振動)は 1275 Hz 長さ 0.50 m の開管:λ₁ = 1.0 m、f₁ = 340 Hz
気柱の共鳴実験:ガラス管に水を入れ、水面を下げながらおんさ(振動数 f)を鳴らす。初めて共鳴する長さ L₁ と次に共鳴する長さ L₂ の差が λ/2。
L₁ = 0.19 m、L₂ = 0.59 m → λ = 2 × 0.40 = 0.80 m → f = 425 Hz なら V = 340 m/s 開口端補正:実際の腹は管の口より少し外にあるので、L₁ から直接 λ/4 とせず、L₂ − L₁ = λ/2 を使う
5. 共鳴・共振
物体には固有振動数がある。同じ振動数の振動が外から加わると、大きく振動する(共鳴・共振)。
同じおんさを 2 つ並べて片方を鳴らすともう片方も鳴る。ブランコを周期に合わせて押すと大きく揺れる。
6. よくある間違い
- うなりの回数を「振動数の和」にする(差)
- 弦の基本振動の波長を L とする(2L:両端が節で腹 1 つ)
- 閉管の基本振動の波長を 2L とする(4L)
- 閉管に偶数倍振動があるとする(奇数倍のみ)
- 共鳴実験で L₁ = λ/4 として開口端補正を無視する(L₂ − L₁ = λ/2 を使う)
- 音速を温度によらず一定と思う
7. 自己チェック
- V = 331.5 + 0.6t を書けるか
- うなりの回数 = 振動数の差、と言えるか
- 弦:λ_n = 2L/n、f_n = nf₁ を書けるか
- 閉管 λ₁ = 4L(奇数倍)、開管 λ₁ = 2L を言えるか
- 共鳴実験で L₂ − L₁ = λ/2 を使えるか
8. 小テストへ
→ 小テスト(pb-09)
関連する単元
参考資料
- 文部科学省『高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 理科編 理数編』── 「物理基礎」(2) ア 波(音と振動)
受験のしらべ / https://juken-shirabe.com/daigaku/science/pb-09/ / 更新 2026-09-12