高1 / 物理基礎 / pb-08
波の性質(波長・振動数・重ね合わせ・定常波)
この単元でできるようになること
- 波の基本量(振幅 A・波長 λ・周期 T・振動数 f・速さ v)と関係式 v = fλ、f = 1/T を使える
- 横波と縦波(疎密波)の違い、媒質は移動せず振動だけが伝わることを説明できる
- 波形のグラフ(y–x グラフ・y–t グラフ)から波長・周期・進行方向を読める
- 重ね合わせの原理と定常波(腹・節、節の間隔 = λ/2)を扱える
- 反射(自由端・固定端)、屈折・回折・干渉の名前と現象を言える
入試での位置づけ
波は「v = fλ」と「グラフの読み取り」が中心。共通テストでは y–x グラフ(ある時刻の波形)と y–t グラフ(ある点の振動)を取り違えないこと、定常波の節の間隔が λ/2 であることが繰り返し問われます。音(pb-09)はこの単元の応用なので、ここで基本量をしっかり押さえます。
1. 波の基本量
まずここだけ
| 量 | 記号 | 意味 | 単位 |
|---|---|---|---|
| 振幅 | A | 振動の中心からの最大のずれ | m |
| 波長 | λ | 波 1 つ分の長さ(山から次の山まで) | m |
| 周期 | T | 媒質の 1 点が 1 回振動する時間 | s |
| 振動数 | f | 1 秒間の振動の回数 | Hz |
| 速さ | v | 波形が進む速さ | m/s |
f = 1/T、v = fλ = λ/T(1 周期の間に 1 波長進む)
波長 2.0 m、振動数 5.0 Hz:v = 10 m/s、周期 0.20 s 速さ 340 m/s、振動数 170 Hz の音:λ = 340/170 = 2.0 m
波の速さは媒質で決まる(振動数を変えると波長が変わり、速さは変わらない)。
2. 横波と縦波
まずここだけ
| 振動の向き | 例 | |
|---|---|---|
| 横波 | 進行方向と垂直 | 弦の波・光・地震の S 波 |
| 縦波(疎密波) | 進行方向と平行(疎と密が伝わる) | 音・地震の P 波・ばねの疎密 |
媒質は移動しない:波が伝えるのは振動(エネルギー)で、媒質の各点はその場で往復するだけ。
縦波のグラフは、変位を横波のように「進行方向を y 軸に回して」描く。密の位置:変位が正から負に変わる点(変位が 0 で、左が正・右が負)。
3. 波のグラフ ── 2 種類を区別する
ここまでできれば十分
| グラフ | 横軸 | 読めるもの |
|---|---|---|
| y–x グラフ(ある時刻の波形の写真) | 位置 x | 波長 λ・振幅 |
| y–t グラフ(ある点の振動の記録) | 時間 t | 周期 T・振幅 |
進行方向と媒質の動き:y–x グラフを進行方向に少しずらして、各点が次に上がるか下がるかを見る。
右に進む波で、山の右側の斜面(下り)にある点:次の瞬間に波形が右にずれると、その点は上へ動く
4. 重ね合わせと定常波
まずここだけ
重ね合わせの原理:2 つの波が重なると、変位はそれぞれの変位の和。通り過ぎたあとは元の形に戻る(独立性)。
定常波:同じ振幅・波長の波が逆向きに進んで重なると、進まない波ができる。
| 定常波 | |
|---|---|
| 腹 | 振幅が最大(元の波の 2 倍)の点 |
| 節 | 常に振動しない点 |
| 節と節(腹と腹)の間隔 | λ/2 |
| 節と隣の腹の間隔 | λ/4 |
波長 0.80 m の定常波:節の間隔 0.40 m 節が 0.30 m おきにできている → 元の波の波長 0.60 m
5. 反射・屈折・回折・干渉
ここまでできれば十分
| 現象 | 内容 |
|---|---|
| 自由端反射 | 端が自由に動ける。反射波はそのままの形(山は山)。端は腹 |
| 固定端反射 | 端が固定。反射波は上下が逆(山は谷)。端は節 |
| 屈折 | 媒質が変わると速さが変わり、進行方向が曲がる。振動数は変わらず波長が変わる |
| 回折 | 障害物の裏側に回り込む。波長が長いほど回折しやすい(すき間が波長程度のとき顕著) |
| 干渉 | 2 つの波源からの波が重なり、強め合う点(経路差 = 波長の整数倍)と弱め合う点(半整数倍)ができる |
反射の作図:自由端 → 端を軸に折り返す。固定端 → 端を軸に折り返してさらに上下反転。
6. よくある間違い
- y–x グラフから周期を読もうとする(周期は y–t グラフ)
- 定常波の節の間隔を λ とする(λ/2)
- 「振動数を上げると波の速さが上がる」(速さは媒質で決まる、波長が短くなる)
- 縦波の密の位置を「変位が最大の点」とする(変位 0 で正 → 負に変わる点)
- 固定端反射で位相が変わらないとする(上下反転)
- 媒質が波とともに移動すると思う
7. 自己チェック
- v = fλ、f = 1/T を書けるか
- 横波・縦波の振動の向きと例を言えるか
- y–x で波長、y–t で周期、と区別できるか
- 定常波の節の間隔 λ/2 を言えるか
- 自由端は腹・固定端は節、と言えるか
8. 小テストへ
→ 小テスト(pb-08)
関連する単元
参考資料
- 文部科学省『高等学校学習指導要領(平成30年告示)解説 理科編 理数編』── 「物理基礎」(2) ア 波
受験のしらべ / https://juken-shirabe.com/daigaku/science/pb-08/ / 更新 2026-09-12