中3 数学 / データ / m3-18

更新 2026-09-12

標本調査

この単元でできるようになること

入試での位置づけ

標本調査は、小問として出題されやすく、計算は比例式 1 本(標本の比率 = 母集団の比率)です。計算より、「全数調査か標本調査か」「無作為とは何か」「推定した値は『およそ』である」という言葉の理解が問われます。数学の教科書の最後の単元で、中1の「相対度数と確率」・中2の「箱ひげ図」に続く、データを扱う考え方の締めくくりです。


1. 全数調査と標本調査

まずここだけ

調査意味
対象すべてを調べる国勢調査、学校の健康診断、選挙の開票
対象の一部を調べて全体を推定するテレビの視聴率、世論調査、製品の品質検査、湖の魚の数

標本調査が適切な場合

全数調査が必要な場合

「電球の寿命を全数調査すると、売る電球がなくなる」──この例が、標本調査の必要性を説明する定番です。


2. 母集団と標本

まずここだけ

全校生徒 600 人から 50 人を選んで通学時間を調べる → 母集団:全校生徒 600 人、標本:選んだ 50 人、標本の大きさ:50

無作為に抽出する

母集団の一部だけを調べて全体を推定するには、標本が母集団の縮図になっている必要があります。そのために、どの個体も同じ確率で選ばれるように取り出すことを (無作為抽出)といいます。

方法:くじ引き、乱数表、乱数さいころ、コンピュータの乱数 無作為でない例:「3 年生だけから選ぶ」「校門で最初に会った 50 人」「手を挙げた人」──特定の性質の人に偏るので、母集団を代表しない。

よくある間違い

ここまでできれば十分

全数と標本の使い分け、母集団・標本・標本の大きさの言葉、無作為の意味が言えれば、この単元の前半は合格です。


3. 母集団の数量を推定する

まずここだけ

標本での比率は、母集団での比率とほぼ同じとみなして、比例式で推定します。

箱の中の 2000 個の製品から 100 個を無作為に取り出したら、不良品が 3 個あった。箱全体の不良品はおよそ何個か。 標本での比率 3/100。母集団 2000 個での不良品 x:x : 2000 = 3 : 100 → x = 60。およそ 60 個

袋の中の白玉の個数を知りたい。袋に黒玉を 100 個入れてよく混ぜ、80 個取り出したら黒玉が 10 個あった。白玉はおよそ何個か。 袋全体を N 個とすると、黒玉の比率 100/N ≒ 10/80 → N = 800。白玉 = 800 − 100 = およそ 700 個

2 つ目は「印をつけて放す」方法(湖の魚の数の推定にも使う):一部に印をつけて全体に戻し、再び取り出して印の割合から全体を推定する。

手順

  1. 標本での「割合」を出す(該当 ÷ 標本の大きさ)
  2. 母集団でも同じ割合とみなして比例式
  3. 答えに「およそ」をつける(推定値なので)

平均の推定

全校生徒 600 人から無作為に 30 人選び、通学時間の平均が 18.5 分だった。 → 全校生徒の通学時間の平均も およそ 18.5 分と推定する。

「標本の平均 ≒ 母集団の平均」。合計を推定するなら 18.5 × 600。

よくある間違い


4. 結果の読み方と限界

ここまでできれば十分(の次)

標本を何回か取り出すと、値はばらつく。100 個取り出して不良品が 3 個のときも 5 個のときもある。だから推定値は「およそ」であり、標本を大きくするほど、ばらつきは小さくなり、推定は母集団の値に近づくm1-18 の「多数回で相対度数が確率に近づく」と同じ考え)。

同じ標本の大きさなら、何回も取り出して平均すると、より確かな推定になります。

入試で問われる「判断」

もう一歩(発展):標本の大きさと精度

視聴率調査は、数千万世帯から数千世帯を選んで行われます。「たった数千で全体がわかるのか」と思うかもしれませんが、無作為であれば、標本の大きさが数千あれば誤差は数 % 以内に収まることが統計学で示されています。大切なのは母集団に対する割合ではなく、標本の大きさそのもの無作為であることです。高校の「統計的な推測」で、この誤差の見積もりを学びます。


5. 自己チェック

  1. 全数調査と標本調査、どちらが適切かを理由(対象の数・調べると壊れる・費用)で言えるか
  2. 母集団・標本・標本の大きさを正しく指せるか
  3. 無作為 = どの個体も同じ確率で選ばれる、と説明できるか
  4. 推定は比例式で、対応する側をそろえたか。答えに「およそ」をつけたか
  5. 印をつけて放す問題で、全体から印の分を引いたか

6. 小テストへ

→ 小テスト(m3-18

関連する単元

参考資料

このページの小テスト ── 間違えても、同じ型の別の問題でやり直せます。レベルを選んでそのまま始められます。
基礎から標準から発展から

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