中2 数学 / データ / m2-15
四分位範囲と箱ひげ図
この単元でできるようになること
- 四分位数(第 1・第 2・第 3)をデータから求められる
- 四分位範囲を求め、散らばりの大きさを比べられる
- 箱ひげ図をかき、読み取れる(最小値・第 1 四分位数・中央値・第 3 四分位数・最大値)
- 複数のデータの箱ひげ図を比べて、分布の違いを説明できる
- ヒストグラムと箱ひげ図を対応させられる
入試での位置づけ
箱ひげ図は 2021 年度から中学の学習内容に入った比較的新しい項目で、公立高校入試でも「箱ひげ図から読み取れることとして正しいものを選べ」の形で出題されやすくなっています。計算は中央値の応用で、「四分位数の求め方(データを半分に分けてそれぞれの中央値)」と「箱ひげ図の 5 つの値の意味」を押さえれば、読み取り問題は確実に取れます。
1. 四分位数
まずここだけ
データを小さい順に並べ、4 等分する位置の値を といいます。
- 第 2 四分位数(Q2) = 全体の中央値
- 第 1 四分位数(Q1) = 中央値より下の半分の中央値
- 第 3 四分位数(Q3) = 中央値より上の半分の中央値
求め方(データの個数で分ける)
個数が偶数(例:8 個):3、4、6、7、8、10、12、15
- 全体の中央値 Q2 = (7 + 8)/2 = 7.5
- 下半分 3、4、6、7 の中央値 Q1 = (4 + 6)/2 = 5
- 上半分 8、10、12、15 の中央値 Q3 = (10 + 12)/2 = 11
個数が奇数(例:9 個):2、3、5、6、8、9、11、13、14
- 全体の中央値 Q2 = 5 番目の 8
- 中央値を除いた下半分 2、3、5、6 の中央値 Q1 = (3 + 5)/2 = 4
- 上半分 9、11、13、14 の中央値 Q3 = (11 + 13)/2 = 12
奇数個のときは、中央値そのものは上下どちらにも入れない(教科書の流儀)。
四分位範囲と範囲
四分位範囲 = Q3 − Q1(真ん中 50 % のデータが入る幅) 範囲 = 最大値 − 最小値(m1-18)
上の 8 個の例:四分位範囲 = 11 − 5 = 6、範囲 = 15 − 3 = 12。
は、極端に大きい・小さい値の影響を受けにくい散らばりの指標です。範囲は 1 つの外れた値で大きく変わりますが、四分位範囲は真ん中の半分だけを見るので安定しています。
よくある間違い
- 並べ替えずに四分位数を求める → 小さい順に並べてから
- 奇数個のとき、中央値を下半分(上半分)に含めて Q1、Q3 を出す → 中央値は除く
- 四分位範囲を Q3 − Q2 や Q2 − Q1 とする → Q3 − Q1
2. 箱ひげ図
まずここだけ
最小値・Q1・Q2(中央値)・Q3・最大値 の 5 つの値を 1 本の図にまとめたものが です。
最小値 Q1 Q2 Q3 最大値
|───────┌───────┬─────────┐───────|
| │ │ │ |
|───────└───────┴─────────┘───────|
←ひげ→ ←──────── 箱 ────────→ ←ひげ→
- 箱:Q1 から Q3 まで(幅が四分位範囲)。データの真ん中 50 % がここに入る
- 箱の中の線:中央値
- ひげ:箱の両端から最小値・最大値まで
- (平均値を「+」などで書き込む流儀もある)
上の 8 個の例なら、3 ─[5 ┃7.5 ┃11]─ 15。
読み取り方
| 見る場所 | わかること |
|---|---|
| 箱の位置 | データの中心がどのあたりか |
| 箱の幅(四分位範囲) | 真ん中 50 % の散らばり |
| ひげをふくめた全体の幅(範囲) | 全体の散らばり |
| 中央値の線が箱のどちら寄りか | データの偏り(左寄りなら小さい側に集中) |
| ひげの長さの左右差 | 極端な値がどちら側にあるか |
「4 つの区間にはそれぞれ約 25 % ずつ入る」
最小値〜Q1、Q1〜Q2、Q2〜Q3、Q3〜最大値の 4 区間に、データはほぼ同じ個数(約 25 % ずつ)入ります。区間の幅が狭ければ密集、広ければまばら。「箱が狭い=データが真ん中に集中している」と読みます。
箱の幅が広いからといって、そこに入るデータの個数が多いわけではない(個数はどの区間も約 25 %)。これが最も多い読み違いです。
よくある間違い
- 「箱が大きいほうがデータが多い」と読む → 個数は約 25 % で同じ。箱が大きいのは散らばりが大きい
- 箱ひげ図から平均値を読む → 箱ひげ図に平均値は書かれていない(+の印がある場合のみ)
- 箱ひげ図から個々のデータの値や、度数(何人)を読む → 5 つの値以外はわからない
ここまでできれば十分
5 つの値から箱ひげ図をかけ、「箱の幅 = 四分位範囲」「各区間は約 25 %」で読み取れれば、この単元の基本は合格です。
3. 複数のデータを比べる
ここまでできれば十分(の次)
例:A 組と B 組のテストの箱ひげ図
A 組 30 ───[50 ┃ 60 ┃ 70]─── 90
B 組 40 ─[55 ┃ 65 ┃ 72]──── 85
- 中央値は B 組(65)のほうが高い → 「B 組のほうが全体として点が高い傾向」
- 四分位範囲は A 組 20、B 組 17 → B 組のほうが散らばりが小さい
- 最高点は A 組(90)→ 「最も高い点をとった生徒は A 組」
- A 組の下のひげが長い → A 組には低い点の生徒がいる
「正しいものを選べ」の型で正解になりやすい文
- 「○組の中央値は△組より大きい」(線の位置を比べる)
- 「四分位範囲は○組のほうが大きい」(箱の幅)
- 「○組には 80 点以上の生徒がいる」(最大値が 80 以上なら正しい)
- 「○組の半数以上は 60 点以上」(中央値が 60 以上なら正しい)
誤りになりやすい文
- 「平均値は○組が高い」(箱ひげ図から平均はわからない)
- 「○組は 60 点の生徒が最も多い」(最頻値はわからない)
- 「70 点以上の生徒は○組のほうが多い」(人数の違う組では割合しかわからない。同じ人数なら Q3 の位置で言える場合もある)
ヒストグラムとの対応
ヒストグラムの山が左に寄っていれば、箱ひげ図の箱も左に寄り、右のひげが長くなります。山が真ん中で左右対称なら、箱も中央で中央値が箱の中央。「ヒストグラム 3 つと箱ひげ図 3 つを対応させよ」は、山の位置(=箱の位置)と山の広がり(=箱の幅)で対応づけます。
もう一歩(発展):外れ値
他の値から極端に離れた値を外れ値といいます。四分位範囲を使って「Q1 − 1.5 × 四分位範囲 より小さい」または「Q3 + 1.5 × 四分位範囲 より大きい」値を外れ値と決める流儀があり(高校の内容)、その場合は外れ値を ○ で別に描き、ひげは外れ値でない最大・最小まで引きます。中学の範囲では外れ値の扱いは出題されませんが、「なぜ四分位範囲が使われるか」(外れ値に強い)の理由として知っておくと理解が深まります。
4. 自己チェック
- データを小さい順に並べてから四分位数を求めたか
- 奇数個のとき、中央値を上下の半分から除いたか
- 四分位範囲 = Q3 − Q1 か
- 箱ひげ図の読み取りで、「箱が大きい = 個数が多い」と読んでいないか
- 箱ひげ図から平均値・最頻値・個々の値を読もうとしていないか
5. 小テストへ
→ 小テスト(m2-15)
関連する単元
参考資料
- 文部科学省『中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 数学編』第2学年 D データの活用 (1) データの分布 ── 「四分位範囲や箱ひげ図の必要性と意味」「箱ひげ図で表すこと」「データの分布の傾向を比較して読み取り、批判的に考察し判断すること」
受験のしらべ / https://juken-shirabe.com/koko/math/m2-15/ / 更新 2026-09-12