中1 理科 / 物理 / s1-03
力とばね・圧力・水圧・浮力
この単元でできるようになること
- 力のはたらき(形を変える・動きを変える・支える)と、力の 3 要素(大きさ・向き・作用点)を矢印で表せる
- 質量 [g] と重さ [N] のちがい(100 g の物体にはたらく重力 = 1 N、月では重さが約 1/6 で質量は同じ)がわかる
- フックの法則(ばねののびは力に比例)で、のびや力を求められる
- 圧力 [Pa] = 力 [N] ÷ 面積 [m²] が計算できる(cm² → m² の換算を含む)
- 水圧が深さに比例すること、浮力 = 空気中の重さ − 水中の重さ が使える
入試での位置づけ
圧力の計算(面積の単位換算つき)とばねののびのグラフ読み取りが中 1 物理の定番です。浮力は中 3 の「水圧と浮力」とあわせて、ばねばかりの値の差として出ます。単位換算(1 m² = 10,000 cm²)でのミスが最多。
1. 力のはたらきと表し方
まずここだけ
力のはたらき:①物体の形を変える ②物体の動き(速さ・向き)を変える ③物体を支える(持ち上げる)
力の 3 要素:大きさ・向き・作用点。矢印の長さ=大きさ、向き=向き、根もと=作用点。重力は物体の中心(重心)から下向きに 1 本で描く。
| 力 | 向き |
|---|---|
| 重力 | 地球の中心向き(下) |
| 垂直抗力 | 面から垂直に押し返す |
| 摩擦力 | 動き(動こうとする向き)と反対 |
| 弾性力 | ばねがもとに戻る向き |
| 磁力・電気の力 | 離れていてもはたらく |
2 力のつり合い:大きさが等しく・向きが反対・同一直線上。
2. 質量と重さ
まずここだけ
| 質量 | 重さ | |
|---|---|---|
| 何か | 物質そのものの量 | 物体にはたらく重力の大きさ |
| 単位 | g, kg | N |
| 測る道具 | 上皿てんびん | ばねばかり |
| 月では | 変わらない | 約 1/6 |
100 g の物体にはたらく重力 = 1 N(1 kg → 10 N)。問題に「100 g あたり 1 N とする」と書いてあることが多い。
3. フックの法則
まずここだけ
ばねののびは、加えた力の大きさに比例する(フックの法則)。
20 g のおもり(0.2 N)で 3 cm のびるばねに 60 g(0.6 N)をつるす → 力が 3 倍なので 9 cm
手順:1 N あたりののび(または 1 cm あたりの力)を出してからかける。
グラフ:横軸「力」・縦軸「のび」の原点を通る直線。「ばねの長さ」のグラフは原点を通らない(もとの長さが切片)。「のび」と「長さ」を読み違えないこと。
2 本のばね(発展):直列につなぐと各ばねに同じ力がかかりのびは足し算、並列だと力が半分ずつ。
4. 圧力
まずここだけ
圧力 [Pa] = 面を垂直に押す力 [N] ÷ 力がはたらく面積 [m²](1 Pa = 1 N/m²)
- 1 m² = 10,000 cm²。cm² で与えられたら m² に直す(÷10,000)。
- 同じ力でも面積が小さいほど圧力は大きい(画びょう・スキー板)
図:同じ 40 N でも、面積が 1/4 なら圧力は 4 倍。
質量 4 kg(40 N)の直方体を、底面 20 cm × 10 cm = 200 cm² = 0.02 m² の面で置く。圧力 = 40 ÷ 0.02 = 2,000 Pa 同じ物体を 10 cm × 5 cm = 50 cm² = 0.005 m² の面で置くと 40 ÷ 0.005 = 8,000 Pa(面積 1/4 → 圧力 4 倍)
hPa:1 hPa = 100 Pa。大気圧は約 1,013 hPa ≒ 約 100,000 Pa(1 m² あたり約 10 万 N)。 大気圧:あらゆる向きからはたらき、高いところほど小さい(空気の層が薄くなる)。
ここまでできれば十分
- 直方体の「どの面で置いても重さは同じ」なので、圧力は面積の逆比。
- 「台に置いた板の上に物体」は、力 = 板 + 物体の重さ、面積 = 板の底面。
5. 水圧と浮力
ここまでできれば十分
水圧:水の重さによる圧力。深いほど大きく、あらゆる向きからはたらく。同じ深さなら同じ大きさ。
浮力:水中の物体が受ける上向きの力。物体の上面より下面のほうが深いので、下から押す水圧が大きく、その差が浮力になる。
浮力 = 空気中での重さ − 水中での重さ(ばねばかりの値の差)
空気中で 3 N、水中で 2.2 N → 浮力 0.8 N
- 浮力は物体の水中にある部分の体積で決まり、深さには関係しない(全部沈んだあとは深くしても浮力は変わらない)
- 浮いている物体:浮力 = 重力(つり合い)
- 沈む物体:重力 > 浮力
発展(高校範囲の手前):水 1 cm³ の重さは約 0.01 N なので、水中部分の体積 [cm³] × 0.01 ≒ 浮力 [N](アルキメデスの原理)。中学では「体積が大きいほど浮力が大きい」で十分。
6. よくある間違い
- cm² のまま圧力を計算する(÷10,000 で m² に)
- 「ばねの長さ」と「ばねののび」を混同(グラフの切片に注意)
- 月での「質量」を 1/6 にする(質量は変わらない)
- 浮力が深さで変わると考える(水中部分の体積で決まる)
- 重力の矢印を物体の底から描く(中心から)
7. 自己チェック
- 力の 3 要素:大きさ・向き・作用点
- 100 g → 1 N。月では重さ 1/6、質量そのまま
- のび ∝ 力(比例)
- 圧力 = 力 ÷ 面積 [m²]。1 m² = 10,000 cm²
- 浮力 = 空気中の重さ − 水中の重さ。深さに無関係
8. 小テストへ
→ 小テスト(s1-03)
関連する単元
参考資料
- 文部科学省『中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 理科編』── 第 1 分野「(1) 身近な物理現象 ア(ウ) 力の働き」「(5) 運動とエネルギー ア(ア) 力のつり合いと合成・分解(水圧・浮力)」
受験のしらべ / https://juken-shirabe.com/koko/science/s1-03/ / 更新 2026-09-12